東洋大に逆転勝ち 全勝対決を制し首位キープ/関東大学リーグ戦

 目の覚めるような猛攻だった。リーグ5戦目の相手は明大と同じく今シーズン全勝の東洋大。第2ピリオドを終えて、チャンスをつくるも1点が遠く、逆に相手にゴールを決められ0―2と追いかける展開。勝負の第3ピリオド、FW高橋瞬(政経3=白樺学園)の1点で徐々に流れをつかむと11分55秒、FW松本昂大(商3=北海道清水)が押し込み同点。勢いに乗った明大は高橋、FW桂川涼(政経4=白樺学園)と立て続けにゴールを襲い、4―2で全勝対決を制した。

 うまさが凝縮した一打がチームを救った。第3ピリオド、14分17秒。DF京谷充洋(政経2=北海道清水)からのパスをゴール前で受けた高橋がキーパーをかわして放ったシュートにゴールネットが揺れる。「イメージはあった」(高橋)とこれまでの自身の失敗やプロ選手のプレーを参考にして生まれた技ありの一打は、待望の勝ち越し点となった。チームに火をつけたのも高橋だった。第1、2ピリオドは東洋大の堅守を崩せず、1点が遠い。逆に第2ピリオド7分56秒、先制点を献上。さらにその39秒後にもゴールに押し込まれ、主導権を相手に握られたまま2ピリオドを終える。しかし迎えた第3ピリオド開始早々1分18秒。松本のパスを高橋がゴールに突き刺すと「あの1点は助かった」(DF大場大主将・政経4=苫小牧工)。この1点を足掛かりに、第3ピリオドだけで4得点。終了間際に東洋大がGKを下げ6人攻撃を仕掛けてくるも守り切り4―2の逆転で勝利を収めた。全得点に絡んだ高橋は「負ける相手ではない」。劣勢でもそれを跳ね返せる自信が生んだ逆転劇だった。

 大一番に向け、ギアを上げる。全勝対決を制し、開幕から5連勝で首位を守った。持ち前の得点力は、堅守のチームから4得点を奪い健在ぶりを証明。しかし「出だしが悪かった」(松本)と振り返ったようにスタートダッシュを決められない試合が続く。次戦の相手は早大。最大のライバル・中大戦に向け、弾みをつけたいところだ。「1ピリから爆発した明治のホッケーをしたい」(大場)と相手を圧倒する明大らしさで前半戦を駆け抜ける。

[福永智隆]

試合後のコメント
間中朗監督

「今日はペナルティが多くて、自分たちのリズムでできなかったというのと、そこでスタミナを使ってしまっていつも通りの攻めができなかったかなと思います。厳しい試合になるのはわかっていたのですが、2点先制されて追いかける形になるとは思わなかったです。入り自体は悪くなかったのですが、やっぱり最初から最後までペナルティが多すぎたというのは感じました。ペナルティをやってしまうと出れる選手、出れない選手が決まってしまいますし、もう少しチームでプレーするようにということは選手たちに伝えました。(チームの状態は)サマーカップの時と比べたらまだ半分くらいですけど、その中でこれからどういう風に戦っていくかだと思います。これから2次リーグに向けても考えてチームを上げていかないといけないなと思っています。(今後に向けて)厳しい試合になると思うのですが、負けないように頑張ります」

大場
「2週間空いての試合だったのでコンディションも各選手悪かったですし足が動いてない中で反則が多い展開になってしまったのでもっと個々にコンディションを上げていく必要があると思いました。(シュートの決定機がつかめない)そこはFWが各々分かっていた部分なのであまりピリピリせずやれていたので、最後3ピリにああいう風に得点できたのかなと思います。(2、3ピリの間)足が止まっているから足を動かしていこう、帯氷時間も長いから氷に乗っている間は全力でやって疲れたらすぐ帰ってこいっていう指示は全員にしました。ちょっと暗かったんですけどみんな顔上げていましたし、絶対ここから勝ちに行くぞっていう顔をしていたのでそこらへんに関しては大丈夫だなと思っていました。(監督からは)コンディションの部分も言われましたし、足も動いてないということも言われたんですけどそこは自分たちも思っていたので選手一人一人が3ピリで意識してああいう風な展開ができたのかなと思います。1点目の高橋のシュートはあの時間帯によく決めてくれました。ああいう早い時間帯で1点差まで追い付ければこっちにも勝つ希望が生まれるのであの1点は助かりました。そこからFW陣も火が点いて連続で得点できたのかなと思います。(次戦)1週間後なのでコンディションみんな作っていくと思いますし、この試合を機に1ピリからしっかり入っていけるようなプレーをして1ピリから爆発した明治のホッケーをしていきたいです」

高橋
「明治の悪いところではあるんですけど火がつかないとダメで、火がついたら追いつき逆転できる底力があるというのを象徴するような試合でした。でも、最初からできないとダメなのでその辺はこれからの課題です。(相手にリードを許した)相手は明治に対して対策してくるだろうなと思っていたんですけど、それにハマってしまって中々攻めきれずに悪い流れになったのが点を許した原因なのかなと思います。相手の守備はスキがなかったです。向こうもすごく必死にやってきて余計に疲れました。(2ピリを終えて)誰かが入れると思っていたので、なんとも思わなかったです。誰かが入れて勢いづけば、負ける相手ではないと思っていたのでそれが本当にそうなったので良かったです。スタッフも『普段通りやれば大丈夫』と言っていて、4年生は多少焦っていたかもしれないですけど、3年生は気楽に3ピリに臨めました。(1点目)惜しいチャンスが1、2ピリで3回あったんですけど入らなくて、みんなから『適当に打ったほうが入るよ』と言われていてその通りに打ったら入りました。(キーパーをかわして決めた3点目)今まで何回もあのシチュエーションが来ていたんですけど決めきれなくて、次あったら一回落ち着こうとは思っていました。自分の好きなNHLの選手がああいうゴールを決めていたので、そのイメージが頭にあったので決めれたかなと思います。(全得点に絡む)あと1点入れたかったです。チームが勝ったのでそれは良かったかなと思います。(次戦に向けて)今日の勝ちは次につながると思います。次、早稲田に勝ってその次の中央にも勝って第1ピリオド終わらせたいです。来週も試合があるのでしっかり準備をして臨みたいと思います」

松本
「やはり出だしが悪くて、失点しまっての3ピリだったのですが、出だしが大事だったのに明治の悪いところが出てしまったかなと思います。シュートチャンスが特に2セット目が多かったと思うのですが、決めきれなかったことで後々響いてきてしまいました。(2得点目)自分と高橋で話していて『(東洋大に)負ける気はしない』というのがあったので、それがああいう形でチームのためになったので良かったです。(チームの雰囲気は)途中ちょっとダメなところもあったんですけど、2点差付けられても3ピリで逆転できるチームだということが分かったと思います。得点力はしっかりあると思うので、あとは守備の面でしっかり守れるようにやっていきたいです。次の試合に臨むにあたって、今日の3ピリの勢いそのままでプレーできるように、序盤からどんどん攻めていけるように頑張りたいです。早稲田とは(今シーズン)初めてなので、どういうチームに仕上がっているかも分からないし、絶対昨年とは違うチームだと思うので、引けを取らずに明治の攻めのプレーで勝ちたいと思います。いつも、1回は負けて、追う形で2次リーグを迎えることが多いので、全勝で2次リーグを迎えられるようこのまま頑張っていきたいと思います」