
(7)森下龍矢 胸に抱く恩師の教え
カギは守備力
欠点を補い、結果を残した。昨シーズンの公式戦の出場機会は〝0〟だったが、今シーズンになってからはすでに9試合に出場。「1年で『何が成長したか』って聞かれたら、真っ先に『守備』って答える」。堅守と称される明大に入学し、自身の守備力の低さを認識。基礎である一対一から見直した。そんな姿勢が実を結び、3月の東京都トーナメント東京学芸大戦で公式戦初出場を果たした。そして、7試合目に当たる7月のアミノバイタルカップ青学大戦では公式戦初ゴールを挙げた。
恩師との際会
順風満帆なサッカー人生ではなかった。高校入学と同時にジュビロ磐田U―18に昇格することはできたものの、静岡県国体選抜には落選。1年次は主にBチームに所属した。「本当に悔しかった」。総勢30人だったが、Bチームのみの練習は8人で行うこともあった。
転機は恩師との出会いだ。2年次に南アフリカW杯日本代表コーチを務めた大木氏(FC岐阜監督)が就任。「そのサッカーに驚いた。人生を変えられた」。モットーは高い位置でパスを回し、相手を翻弄(ほんろう)するポゼッションサッカー。「本当に楽しくて、早く学校が終わってほしかった」。日々の練習を楽しむことで、着々とレベルアップを遂げた。同年次の日本クラブユース選手権では、ベスト8を懸けたセレッソ大阪U―18戦で同点ゴールを決め、勝利に貢献。「全国大会で衝撃を与えることができた」。対戦相手はその後、高円宮杯チャンピオンシップを制し、日本一に輝いた。番狂わせを起こした中心選手になったことで、3年次にはU―18日本代表に選出。チームではキャプテンを務めるまでに急成長を遂げた。
目指すはプロだ。「6年間育ててくれたジュビロに戻りたい」。明大で活躍し、再びサックスブルーのユニフォームに袖を通す。
◆森下龍矢(もりした・りょうや) 文2 ジュビロ磐田U―18 170㎝・66㎏ ポジションはSBとSH。好きなアーティストはケツメイシ
[浅野拓磨]
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