
インカレ閉幕 宿敵早大を下し女子総合優勝! /全日本大学選手権
雪辱を果たした。決勝は大会5連覇中の早大を含む4艇でのレースとなった。500m地点で1位になったが2位の早大との差は0.2秒。一進一退の状況の中、700m地点で勝負をかけ「勝てると確信した」(植松香穂主将・文4=岐阜県立加茂)と差を広げた。その後も優位にレースを展開し、1500m地点以降リードを大きく保ったままゴール。他艇を寄せ付けなかった。
仲間の思いを背負いながらのレースだった。最後のインカレに女子舵手付きクォドルプルのクルーとして臨んだ植松と山田加奈(商4=宇和島東)。2年次のインカレから同じ艇に乗り続け、一つずつ順位を上げてきた。そんな2人のために「そろそろ勝たせたい」(成瀬歩美・政経3=恵那)と下級生が奮起。4年生も「後は任せとけという気持ちで」(山田)と決勝に行けなかったメンバーの悔しさを晴らすため決勝に臨み優勝をつかんだ。まさに“忘己利他”のスローガン通りのこぎを見せた。
悲願達成とはならなかった。全日本軽量級選手権で創部初の優勝を果たしインカレでも優勝が期待された男子エイト。先に女子舵手付きクォドルプルが優勝を決め、アベック優勝を達成した全日本軽量級選手権と同じ状況に「気合が入った」(大久保)と全力を尽くしたが一歩及ばず、結果は2位。「金と銀の差はすごく大きい」(大久保)と悔しさをにじませた。しかし「1年生でもこれだけやれるってことを証明してくれた」(大久保)とこぎ手が1年生2人の男子舵手付きペアが決勝に進出するなどルーキーの頼もしさが見られる大会となった。次の舞台は全日本選手権。「エイトで優勝して監督を胴上げするまでの時間が増えた」(大久保)。集大成の全日本で恩返しを果たす。
[長沼遼太]
試合後のコメント
大久保
「今、悔しいなっていう思いと、そこの悔しさを上回る、みんなが頑張ってくれたなとかエイトだけじゃなくて他の種目が悔しさをカバーしてくれたなって思います。本当だったらもっと悔しいんだろうけど、自分以外の結果はすごい応援してた分、めちゃくちゃ落ち込んでるというよりは優勝したメンバーとか一緒に頑張ったきた人たちを讃えてあげたいなっていう気持ちです。(エイトのレースは)3日間こいで一番いいコンディションだったと思います。コースレコードも出るぐらいのコンディションの中でできたなっていうのはすごく運がいいかなと思うのと、その中で結果が残せなかったことが一番悔しいし、まだやっぱりベストじゃないかなっていう自分の中でモヤモヤがあるから、それは全日本選手権で果たしたいです。もっと強くなってもう一回戦いたいなっていうのは思います。(2位という結果は)無だね。うれしくもないし、って感じです。2位っていうのに魅力を感じないし、ただメダルがあるだけっていうか。金と銀の差ってめちゃくちゃ大きいんだなというのを感じました。1位になった時に得られるものというか、すごく大きな喜びとかがあるんだろうなっていう感じです。(女子舵手付きクォドルプルが優勝してからのレースでしたが)女子が優勝したっていうのをスタートの荷取りの時に聞いて、やっぱり出てきたのは2年生の時の新人戦の時とか、6月の軽量級選手権の時のアベック優勝の景色だったりしたので、これってやらなきゃいけないんだぞって、女子が先にやってくれて、俺たちもすごく発破かけられて、気合入ったな、っていう心境でした。それは本当に良かったし、力になりました。(チーム全体の結果は)厳しく言うと、まだ実力不足。お前らもっと行けただろっていうところがあります。もうちょっと取れたんじゃないかっていうところが上手く取れていなかったりというのはありました。何がダメだったかは自分の中でもあんまり整理できてないけど、もうちょっとまとまり作れたら良かったのかなと反省してます。でもチーム全体としては本当に頑張ってくれたと思います。(1年生クルーの成長は)そこが一番うれしいです。そこが今回俺の中で支えになっていたので。1年生でもこんだけやれるんだぞっていうのをあいつらが証明してくれたし、俺たちが1年生の時よりもうまいと思うし、だからすごく期待できます。今回それをやってくれたなっていうのが俺の中ではめちゃくちゃうれしかったです。。。(全日本への意気込み)今燃え尽きちゃってるからあんまり熱いことを言えないかもしれないんだけど、最高の舞台で、全日本は勝ったら花束もらえるんですけど、それが欲しいなって思います。それを地元で待ってる、中学校時代に一緒にボートをやっていた親友にその花束をあげたいです。去年は3位の花束しかあげられなかったから、今年は1位の花束をあげたいし、メダルも見せてあげたいです」
植松
「今はほっとしています。力が抜けて実感がないです。自分の中で4位、3位、2位、1位と取りたいと思っていても、有言実行することが不安でした。女子総合優勝までできて今はほっとしています。冬から代が変わって、やってきたことは間違ってなかったと証明できました。すごい安心しています。諦めずに、ずっとクォドに乗りたいという気持ちを持ち続けて間違ってなかったよって1年生の時の自分に言ってあげたいです。監督のためにこげました。この生活は監督のおかげで今の自分がいます。何も声をかけてもらえなくても、見てくださっていて、それはわたしの力になっています。監督のために女子総合優勝取れてよかったです。(レース展開は)400ぐらいでちょっとずつでてきて、これ絶対いけると思いました。そこから落とさないで、イベントが500で入ります。700ぐらいで勝負を仕掛けて出るのですが、グッと出た時に早稲田と距離が開いた時に、きたと思いました。このままいけば絶対勝てると確信しました。500ごとラップタイムもすごく安定していて、第1、第2、第3はすごくいい展開で相手とも距離を話せました。楽しかったです。1600でコックスのウルウルした声が聞こえて、絶対勝ちたいなと思いました。1600で4年間の思いが全部ぐっときましたね。第4クォーターで、4年間の4位、3位、2位、1位っていうのが実現するんだと思いました。勝った瞬間は、クルーのみんなにありがとうという気持ちが大きかったです。コックスはすごく成長しました。短期間で合わせてもらうために、時には厳しいことも言ったんですけど、それに全て全力で答えてくれました。最後のレースは、私たちが求めてることをしっかり言ってくれて、選手とコックスがつながって5人でレースできました。コックスを実際しっかりやったのは1ヶ月半で、全然練習もできてなくて、ラダーの操作も大変だったと思います。時には、気持ちが入ってないや、そんなんじゃ動かない、もっと違うこと言ってと言いました。それに全て答えてくれたのでうれしかったです。加奈とは2年生の軽量級からずっと乗ってて、負ける度に次頑張ろうと言い合ってました。今日のインカレはもう次がないから、ちゃんと約束してきたことが最後守れたなと思います。全日本は女子エイト5連覇かかっていますが、もう一回謙虚にやりたいです。初心に帰ったレースにしたいです。今年はもっと激戦になると思いますし、もちろん3冠取りたいですし、今回の優勝が自信につながっていますけど、そこで舞い上がらないでいきたいです。総合優勝したけど、ペアとダブル落としたことに変わりはないですし、女子全体で勝ちにこだわって、謙虚にいきます。もっともっとやれることはあると思います。女子部で一回反省して、心改めていきます。絶対5連覇したい」
山田
「今は純粋にやりきったなって気持ちとすごい嬉しいし、ずっと『優勝しよう』って言ってた3年目で優勝できたことがすごい嬉しいです。 (レース展開は)大まかなプランはあるんですけど新しいプランっていうのはなかったです。決勝は風がかなり吹いていて最初の500Mが順風だったので飛ばしていいのかなとか思ったんですけど、スタートの合図が出てからずっと飛ばしていたのでそのおかげで少し周りより出られたのかなと思います。(4日間は)ここまでくるのは一日一日がすごい長かったんですけど、この4日間はすごいあっという間でした。最後の年だから自分が勝ちたいっていうのももちろんあるんですけど、みんなに頑張ってほしいっていう気持ちが強かったです。自分たち4年生が掲げる総合優勝に向けてみんなが頑張るんじゃなくて一人一人自分たちが勝ちたいっていう気持ちのままにこいでほしかったので、自分のレース以外の結果とかも気にしてて、『みんな頑張ってるな』ってすごく感じました。そういう姿を見ているとここにきてよかったなと思いました。(声援は)レース行く前に声をかけてくれたり男子のエイトが自分たちのレースの前なのに応援してくれたことは耳に入ってきました。高島がいい流れをつくってくれて後は任せとけよというか、決勝まで行けなかった人たちの悔しい思いを背負って力に変えた決勝だったと思います。(決勝前は)今まで通りやろうっていう話をしました。今まで通り後ろ3人を信じて前で大きくこぎました。結果が求められる中で自分たちの力が出しきれるようにしようっていう話をしました。(植松の存在は)大きいです。2年の軽量級のときからずっと同じクルーでした。私は気分屋なんですけど植松がいるから自分がいくら気分で上がり下がりしててもしっかりクルーをまとめてくれるし、冷静に判断してくれるので頼りにしてます。ずっと2人で軽量級、インカレで負けて『次は勝とう』って言ってたのでそんな植松と最後のインカレで勝てて本当によかったです。 (下級生は)高島は別格なんで安心して見ていられます。クォドは私と植松が抜けても2人のっているのでクォドの連覇はその2人に託したいと思います。今回は決勝まで行けなかった人たちはすごい悔しい思いをしたと思うんで、この悔しさをいい意味で引きずってほしいです。今回は2つしか優勝できてないんですけど、3つ4つと勝っていってほしいです。悔しさをバネにしていける子たちだと思うので期待してるし応援しています。いい意味でプレッシャーをかけられるOGになりたいです。今回の悔しさをバネに、何年かかってもいいから雪辱を果たしてほしいです。(今後は)軽量級もインカレも勝ったし全日本のエイトの3冠と5連覇を目標に頑張りたいです」
瀧本日向子(商3=館林女子・女子舵手付きクォドルプルクルー)
「ずっと早稲田に負けてきてて悔しかったので今日初めて早稲田を前にゴールできたのですごい嬉しかったです。やる前にインカレは勝ってガッツポーズをするっていうのを目標にしていたので苦しい夏を乗り越えた甲斐があったなと思います。(4日間は)予選は緊張していたけどこぎの面でクルーに助けられたのでそこで立て直せました。準決勝は勝たないと決勝に行けないのでみんな緊張していたんですけど私は逆に落ち着いていて『大丈夫』ってレース中も声をかけました。そこは1人乗りではできないクルーの良さっていうのを出せたかなって思います。(ケガの影響は)特になかったです。練習中にケアをしながらやれたのでレース前には痛みのない状況でした。(OBの存在は)今まで早稲田に負けてきたことを思い出して勝たないとなって逆に燃えました。(山田さんと植松は最後のインカレ)周りのためにっていうほど余裕はなかったです。誰かのためにっていうのではなく、引っ張ってくれている2人を信じてこいでました。(植松は)私にないものを持っていたり、頭の回転が早くてすごい助けられた部分が大きいです。植松さんが引っ張ってくれたからこそ成長できたことが多くて、すごい尊敬しています。(今大会の収穫は)インカレは1年からクォドに乗っているんですけど、3位、2位ってきてて1位になれたってことが結果の面での収穫かなと思います。高校はシングルスカルとか個人種目に乗っていて大学からクォドに乗るようになって、自分が力になれている気がしなくて苦手意識がありました。でも、最近は自分のやるべきこととか、自分のポジションを考えるようになって、それができると貢献できているなとか段々苦手意識がなくなってきました。軽量級から優勝が続いていてやっと力を発揮できるようになったかなと思います。(今後は)全日本はなに乗るか分からないですけど、スカルだったら今までの得意な感じをしっかり生かして、クルーだったら軽量級から磨いてきたものを無くさずに優勝するっていうのが目標です」
成瀬
「信じられない気持ちが大きいです。ゴールした瞬間も優勝した実感がなくて、表彰式のときに校歌を歌って実感が湧いて、涙が出てきました。今回は4年生も乗っているということで勝たせなきゃっていう気持ちが強くてそこから解き放たれたっていう気持ちがありました。(4日間は)悪いレースが1本もなかったなって思います。去年はダブルスカルで出たんですけど、予選は悪くて、敗者復活で調子上げたけど決勝で負けました。でも、今回は悪いレースがなかったです。(OBは)毎年いらっしゃる先輩や、去年引退された先輩もいらっしゃってて、優勝したときに汗だくの私たちに抱きついてくれたりしたのでやっぱり嬉しいですね。(4年生は最後のインカレ)山田さんと植松さんはずっとクォドに乗ってインカレに出ていたのでそろそろ勝たせたいと思っていたので勝ててよかったです。(声援は)力になりました。これからレースに向かう男子エイトの選手から声をかけられてそこでスイッチが入りました。ラストスパートのあたりで応援団が声をかけてくれて、声援が聞こえる度に自分を奮い立たせました。(植松の存在は)植松さんは高校のときから交流があって、そのときから頼もしい先輩でした。女子主将をやりながら主務もやるのは大変だと思いますけど上手く寮を回してくれて植松さんが主務でよかったなと思います。(今後は)明治は強いんだっていうのを全日本で証明したいので優勝目指して頑張ります」
山本真由(政経3=武蔵・女子舵手付きクォドルプルコックス)
「私はマネージャーとして入部して、今大会が初めての公式戦で初めてのクォドでした。正直分からないことばかりで、普段マネージャーは週に1度寮に来てご飯を作ってって感じなんですけど、私は7月中旬くらいから女子棟に一緒に住まわせてもらって、1ヶ月半寮生活をして練習をしてきたんですけど、正直あっという間でした。私は初めてのことで分からないこともいっぱいあったし、コックスとしてクルーのみんなの要求に答えられないこともあって、コックスとして役割を果たせていないなっていうのが分かったときにすごく悔しいってこともあったんですけど、基本的に練習は楽しくて、4年生も2人乗っていて、みんなストイックで尊敬する部分が大きかったので、一緒に勝ちたいと思えました。バウに女子主将の香穂さんがいるんですけど、香穂さんが『大丈夫』って言ったらすごく安心できるし、落ち着けるので、予選と準決勝は余裕のあるレースで余裕をもって終われて、決勝はすごく緊張していたんですけど、1000手前ではもう出れていてみんなから『楽しんでいこう』っていう声が聞こえて、私もすごく落ち着けて、後半は楽しんでレースできたと思います。本当に嬉しかったし、強くて一緒の艇に乗れたことを誇りに思います。(コックスに選ばれた経緯)希望制なんですけど、マネージャーの2人が立候補して、去年の冬くらいに軽い選考をしました。(コックスの難しさ)まず、私が1番悩んだのは『覇気がない』って言われて、どうしても自分がこいでないこともあって声が単調になってしまうんです。それでも選手は必死にこいでいるので『その声だと上げられない』って言われて、自分もこいでいるように、それを声だけで表現しなきゃいけないのが、すごい難しかったです。(植松さんについて)ボートで1番近いポジションにいたっていうのもあって、練習中もわからないことがあったらすぐに声をかけてくれるし、レースのときも声が聞こえてきて、そこがすごい心強かったです。最初は艇庫に入ることも緊張したんですけど、少し選手と話したり、女子棟の中で話をしたりして、少しずつ(選手と)仲良くなれたと思います。(ボートの経験は)全然ありません。(心がけていたこと)予選と準決勝は風が強かったので、まっすぐ行くこと、絶対に曲げないようにしました。あとはなるべく声を絶やさないことです。(今後は)たぶん全日本のエイトに乗ると思うので、クォドとエイトではまた違いますけど、優勝を狙って勝ちにいけたらなと思います」
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