秋季リーグ開幕 FW陣の4得点で駿河台大に快勝/関東学生秋季1部リーグ戦

2017.09.03
 秋の涼しい風が吹く中、秋季リーグ戦が開幕した。初戦は駿河台大との対戦。明大は前半30分に久保庭昌太郎(営1=天理)の公式戦初ゴールで先制。後半には太田陸登(理工2=今市)の2ゴール含む3得点で相手を突き放した。守備も大きなピンチはなく無失点で締め、開幕戦を4-0と白星で飾った。
 試合中にしっかりと修正した。前半はボール支配率で相手を大きく上回りながらわずかに1得点。「安定で行き過ぎた」(太田)となかなか攻め切ることができない時間が続いた。久しぶりの公式戦の緊張感からか硬さが見られ、味方からは厳しい声が飛ぶ場面も。しかし後半「ワンクッションおいてから縦に」という小池文彦コーチからの指示で徐々にパスがつながり始める。MFの舘亮佑(政経2=丹生)を中心にフィールドを広く使う本来のパスホッケーを展開。谷光未有(法4=天理)の積極的な攻撃参加もあり、終始厚みのある攻撃を見せた。結果的に後半は3得点と相手を圧倒。次戦は立ち上がりからエンジン全開の攻撃を期待したい。

 今季のFW陣は一味違う。エース・谷光のPC(ペナルティーコーナー)に頼る試合が多かった今春。しかし今試合の得点はすべてFWの得点だ。特に太田は2得点の大活躍。後半開始早々に久保庭からのクロスを冷静に流し込み待望の追加点を挙げる。さらに後半22分にはサークル内でパスを受けると豪快にスティックを振り抜き見事なリバースヒットを決めた。太田は「決めるところを決められた」と納得の表情。つかんだチャンスを確実にものにした。他にも平井一樹(文3=天理)と久保庭が得点を記録。春季では課題に挙がっていたFWの得点力不足は改善の兆しが見えた。それでも小池コーチは「もっともっと欲張って点を取ってもらいたい」と求めるレベルは高い。谷光頼みからの脱却へ。FW陣の活躍が今秋のカギを握る。

 まだまだ発展途上だ。この夏は国体予選や代表合宿などの影響でチーム全員が集まる機会が少なく、懸念されていた連携不足は今試合でも課題として残った。地力の高さで4-0と快勝したが、今後に向けてチーム力の向上は急務だ。次戦の相手は早大。公式戦での直近5試合では4勝1敗と苦手意識はない。「うちのプレーができれば必ず勝てる」(小池コーチ)。しっかりと勝ち切り、次戦で予選プール通過を決める。

[楠大輝]

試合後のコメント
小池コーチ

「軸となる縦の線がいないっていう不安はあったんですけど、先週山梨学院に行って誰でも出れるようなチームを作ってたので。点はなかなか入らなかったですけど4-0という結果で終われたので初戦にしてみればわりと無難な結果だったかなと思います。前半はワンクッション置かずに縦に急ぎすぎていて、ちゃんとしたパスができずに明治のつなぐホッケーができませんでした。後半は修正させて、すぐに縦にいくのではなくて、ワンクッション横にずらしてから縦にいきなさいと伝えました。それがうまくいって展開もできてうちのペースになったかなと思います。そこが点につながったかなと。まだ点数が少ないのでそこは課題ですね。PCも入ってないですから。やはりその辺も練習しなきゃいけないです。(複数のパッサーは)まだ未完成の段階です。いつも松山に頼ってた部分があったので。でも他の選手にとってチャンスなので課題を克服していってもらいたいです。(谷光の攻撃参加は)やっぱり我慢できなくて、でもDFラインも谷光が上がった分下がってくれてたので良かったです。特に指示は出してないです。ゲームが始まったら自分の感覚でいくしかないので。点が入らないようなら前に行くっていうのはいつもやってくれてます。(久保庭が先制点)久保庭にはそういう良いところがあって、技術的にはまだまだで伸びしろのある選手なんだけど、サークル周りのプレーは得点をするような位置にいつもいるので彼を起用しました。それが当たりましたね。彼も国体の東京代表選手に選ばれて、その中で結構揉まれながら頑張っていました。少しずつだけど伸びています。(FW陣は)平井をはじめ冷静にシュートを打ててました。でもまだ物足りないです。もっと点を取れるチャンスがあったので。もっともっと欲張って点を取ってもらいたいです。(多くの選手を起用)それはもう経験をさせようと思って使いました。点が入ってからはなるべくベンチに入ってる選手は経験を積ませて、強いチームと当たっても誰でも遜色なくプレーできるようにしたいので、意図的に多くの選手を使いました。(キーパーは)塚田(駿・文2=今市)も正GKとして守れる選手なので。どちらかというと野井(辰真・法1=伊予)の方が少し上かなという感じですけど、野井がたとえばケガしたりしたら塚田もあります。あともう1人、今日ベンチアウトしている中川(蒼生・理工1=伊吹)もそこそこの選手なのでそこは競争しながらです。日々の練習で競り合ってる状態なので。(この夏は)国体予選で各選手バラバラになってしまったのでチームが集まらない感じでした。本当に集まったのは先週の山梨学院との練習試合で、そこできっちりまとまったかなと思います。ギリギリ間に合いました。まだまだですね。今日なんかもできないことがかなりあったので。これからリーグ戦を重ねてチームを成長させていって、インカレに向かいたいと思ってます。(早大戦は)普通にやれればという感じです。練習試合もやってますし、うちのプレーができれば必ず勝てると思ってますので冷静にやれば大丈夫だと思います」

谷光
「今日は春リーグの相手の成績から見て圧勝できると思っていたのですが、結構前半から苦戦していたので、自分の中では声をしっかり掛けて攻めるという強い気持ちを持ってやっていました。前半はFWだけのせいではないですけど、一人一人が攻めるビジョンを持ってやっていなかったから、結果パスを仲間に出しても次がなくて受けてからやるという感じでした。一人一人受ける前から次のビジョンが持てていないことがこういう流れの悪さにつながっていると思います。後半は試合に慣れてきたのと、やっぱりみんながこのままでは駄目だということが分かったからそういう部分で良くなっていったのかなと思います。8月自分は国体予選があったり風邪ひいたり代表合宿に行っていて全然チームには参加していなかったので、あまりチームのことは分からないですけど、敬亮(川村)が春よりもメニューをいろいろと考えてやっているので、少しは一人一人が変わっているのかなとは思います。でも実際試合をやっていて、全く伸びは感じられないです。正直一人一人が伸びていないというか、気持ちが薄いと思います。個人的にも結局夏は東京にいるより練習できなかったりだとか、風邪で1週間休んでいるのでそこまで充実してはいなかったです。でも代表合宿はやっぱり濃くて、夏の一番の思い出かなと思います。敬亮(川村)がいてもいつも俺が引っ張るという気持ちでやっているから、今日ゲームキャプテンだったけどそこまでいつもとの違いはなかったです。自分はまた代表合宿に行くので練習にはいないのですが、代表と明治とのレベルのギャップを今までは結構ネガティブに捉えていたのですがポジティブに、明治が良くなるように直していきたいなと思います」

平井
「ディフェンス面は春に比べて改善されたと思うのですが、攻める場面で前半はDF・MFとFWの連携があまりうまくいっていないなとは思いました。だから1点しか入らなかったし、シュート本数も少なかったと思います。連携がうまくいっていなかったのは、運動量とあとはやっぱりFWのリードが一番大事な部分なので、それに合わせてMFもリードできていなかったです。全体が全体を見てリードできていないので、結局つながらない。どこかで途切れていてボールが前に運べない状態になっていました。前半はディフェンス面は基本押し込んでいたし全然問題なかったと思うのですが、僕も出ていてもらうのもちょっと難しいなと思ったりする雰囲気で、ボール次どっち出すのか分からないような感じでした。後半は少しパス回し早かったりして段々ボールも前に行くし、攻めの厚みも出ていたので3点入ったのかなと思います。全部フィールドゴールで。相手がボールを取った後に攻め急いでいたのでそこのカウンターとかショートカウンターとかでうまくいったのと、ボール回すのが早くなった分相手が遅れて来る状態になって、サークルの近くでプレーできるようになったのが良かったと思います。FWが全員でコミュニケーションを取れていないとは思います。練習中はあまりリード中心の練習ができていないので。練習では基本的に対人の練習で、FWにボールを受けさせてからだし数的有利な状態でやっていて試合でのFWが不利な状態でのとは違うから、そこで焦ってすぐボールを失っているのかなと思います。今日は久々の公式戦だったし駿大ともめったにやらないので、そこの部分で不慣れなところもあったのかなとも思います。FWの課題はやっぱり得点力ですけど、今日も点を取っているのは僕と陸登(太田)なので、昌太郎(久保庭)も決めてますけど得点力不足の改善はできていないので、自分で言うのもあれですけどまだスタメンと他のメンバーとに差があるのかもしれないです。トラップでボールが収ってないし、パスもつながらないし。早稲田は弱くはないけどそんなに強くないので、そこでどれだけFWが積極的に前に向けられたり逆に相手を背負ってポストプレーができるかが大事だと思います」

太田
「(最初の得点)絶好なチャンスではなかったですけど、後半すぐに流れでボールが来て、押し込むだけでした。あそこでミスをしていたら相当悪い流れになっちゃったと思うんですけど、決めるところを決められたのは流れに乗れたかなと思いますね。(2点目)自陣あたりから完全に相手を崩していたので、素晴らしい組み立てでした(笑)。舘とは練習から組み立てをやっていました。その時僕はMFだったんですけど、同じポジション同士で練習をしていました。今回もちょうど真ん中らへんからもらって、組み立てられてよかったです。今日は最初FWで出ていたんですけど、あんまりいい流れができていませんでした。MFでやってみるとまた景色が違います。前半も一回MFで出てそのあとFWでやったので、点数につながったのかなと思います。ポゼッション的には明治がずっと持っている形だったんですけど、小さいミスだったり、相手が人数いるなかで決め切れなかったり。前半も点を決められるほど決定的なシーンもなかったので、ある意味安定で行き過ぎたというのはありますね。夏は試合によるんですけど、得点がすごく入る時もあれば、入らない時もあるので一概には言えないです。でも点が入らないよねとすると悪い流れになると思います。僕は点数というよりもそれまでの流れや入る形という、やっていればわかるものがあるんですけど、僕の2点目の時も流れ的には入る感じだったので、FWが点を入れられないというよりも、チームとして後ろから前までつなげるという過程が良くして、そういうシーンを試合中に何回も出していけば、流れが良くなると思います。山学と先週練習試合をやって、その時も走り負けてる感じではなかったのです。ある程度は走る練習はしてきたので、試合でのみんなの気力と気持ちで走る面はなんとかなると思います。秋も上がっていったら山学と順位決定戦で当たると思うので、後半も持たせていい戦いをして勝ちたいです。でもケガ人で人が少ないので、みんなでカバーしながらやって、誰が出ても強い状況にしたいですね。ケガ人がいると交換も少なくなるので、スタミナ面でもきつくなります。これから相手も強くなっていきますけど、順位決定戦まで時間はあるのでトレーニングをしていきたいです。今日の試合は最初の1点が遅かったかなと思います。すごく攻められたということでもなく、自分たちの問題ですね。FWだけが決めるのではなくて、みんなで決めるというようにチームでやっていかないといけないと思います。練習試合では相手に触られず端から端までいって決めるということもあるので、試合で出せる力が重要かなと思います。早稲田はこの雰囲気のままいけると思うので、しっかりと練習して優勝できるように頑張ります」