王者・日体大に敗戦もベスト8 来年に向け確かな手応え/日本学生選手権
絶対王者を相手に持てる全てをぶつけた。「諦めない姿勢を見せたいと思った」(三城)。日体大との試合は関東リーグ戦に続き今季2度目。試合終了の瞬間まで一切の妥協見せず、最後まで挑戦者の気持ちで戦い抜いた。相手の攻撃に対応して作戦を調整するなど前回の試合と比べて明確な成長を見せた。敗れはしたものの最強の相手から学ぶものは多かった。フィジカルの強化、カウンター攻撃へ対応、プレスの徹底など課題は山ほどある。今回の敗戦を糧により一層の成長へ向け新たなスタートを切った。
悔いのない締めくくりとなった。今回の試合を最後に4年生は引退。「出会えた仲間たちと水球ができて良かった」(森本将主将・商4=明大中野)と、明大での水球生活に充実感を覚えた。大学から水球を始めたメンバーもいる4年生はチームの先頭に常に立ち続けた。関東学生リーグで2年ぶりの最下位脱出に貢献。昨年以上の成績を残した。「リーダーシップ、努力を学べた」(三城)と4年生の雄姿が後輩たちに残したものは大きい。後輩たちに向けては「少しでも上を目指して頑張ってほしい」(上村真弘・商4=東明館)と思いを託した。新チームは4年生から受け取った思いを胸に進化し続ける。さらなる飛躍に期待せずにはいられない。
[清水康佑]
試合後のコメント
明石将裕監督
「日本で一番強いチームとやるということで、最初から全力でいったのですが、中々レベルが違って苦戦しました。非常に勉強になる試合でした。これはくじ運もあるのでなんとも言えませんが、ベスト8になれたということは学生たちにとってもうれしいことだと思います。(この大会で4年生が引退となるが)今の4年生は僕が監督になって初めて4年間教えた子供たちで、本間(雄大・政経4=日大豊山)と上村は大学から水球を始めたということもあって、非常に思い入れの強い代でした。4年間厳しいこともありましたが、お疲れ様でしたと言いたいです。(今後の予定)11月に新人戦があるのですが、それに出るかは考えている最中です。それに出なければ、5月の関東学生リーグですね。半年くらいあるのでどうしようかなと考えています」
森本
「23-3という結果が全てだと思うので、実力差はかなりあったと思います。球をしっかりつないで前に送って守ってカウンターを出すという自分たちの水球は相手のレベルの高さによってうまく回らなかったなと思います。(前回の日体大戦からの成長)最後までしっかりと惰性的な雰囲気にならず試合はできたかなと思います。試合前は相手が日本一のチームなので全てを出し切れるようにやっていこうという話をしてそういうつもりで臨みました。(1年間を振り返ると)最上級生として最後の1年間で、1年生から4年生まですごく良いチームだったなと思います。学生リーグも1部に残れて去年より上の成績を残せたのでそういったところでもすごく良かったなと思います。(4年間を振り返ると)中学から水球を始めて、10年間水球自体はやったんですけど、いろいろ出会えた仲間たちとかたくさんいて、できて良かったなと思います。学べたことはチームの雰囲気だったりがどういうことにおいても影響されるので、雰囲気を良くしたり、後輩だったり同期だったり先輩だったりっていう上下関係だったりあとは仲良くチーム力っていうのを学ばせてもらいました。後輩はまだ残っているので新しく入ってくるメンバーもいると思うので一つのチームとなってより良い成績を目指して頑張ってほしいなと思います。明大はすごく良いチームだと思うのであとは、日々努力して今まで以上の努力を重ねればさらに良いチームになると思うので、もっと良いところまでいけると思います」
上村
「ベスト8という結果は良かったです。自分は大学から水球を始めて、何もわからないところからでしたが、明治の看板を背負ってチームとしてプレーする責任を感じて学ぶことが多かったので明治水球に感謝です。(4年間で印象に残ったことは)前回の学生リーグで初得点を決めたことです。努力してきたことが身を結んだ気がしてうれしかったです。辞めたいと思った時期は何度かありましたが、本間も大学から水球を始めて、仲間がいたのでチームとして最後まで一緒にいたいと思っていたのでやってこれました。後輩たちは高校で上位を経験してきた選手が多いので僕たちが出した結果よりも少しでも上を目指して頑張って欲しいです。水球は自分にとって色々なことを学ばせてくれたものでした」
本間
「大学から水球を始めたのが僕と上村だけで、やはりどうしても経験の差は明らかだったんですが、昨日の2得点が達成感を感じさせてくれるものでありましたし、あの2点のためにやってきたんだという感じです。(副キャプテンとして)結構、癖のある後輩が多くて(笑)。まとめるのも大変だったんですけど、そこはキャプテンと協力して自分なりにしっかりできたと思います。(悔いに残っていること)悔いっていう悔いは残さずにできたかなと思います。水球やっていなければ今の仲間や後輩にも出会っていないし、そういう意味ではやってきて本当によかったなと思います。(後輩に期待すること)来年から体育会として本格的に始動することになると思うので、練習もきつくなるだろうし、周囲からの目も変わってくると思うんですが、そういう中でもめげずに。今日は日体大にぼろ負けしましたけど、日体大を食うぐらいの気持ちで頑張ってほしいです」
三城
「相手が日本一のチームなので臆することなく挑戦者の気持ちでやろうというチームの雰囲気でした。だんだんと点差が開いてきましたがしっかり食らい付いて1点でも多く取れたらなという諦めない姿勢を見せたいと思いました。(自身の得点シーン)攻撃の人数を少なくして、相手からのカウンターを防ぐという作戦をしたんですけど、1点目は増田とスクリーンをかけて開いたところでファールをもらったので5メートルシュートを打つことができました。2点目は相手がカウンターにいこうとしたところで自分たちのボールになって、そこで裏をついて、ミドルシュートが決まりました。(試合前の気持ち)実力差があるような相手だったので、それでも食らい付くように、我慢強くできたらなという気持ちはありました。(春の日体大戦からの成長)カウンターで泳ぎ切ることは成長したと思いますし、試合中に作戦を変えて調整できるというところでは伸びたかなと思います。(4年生から学んだこと)森本さんはいつもキャプテンとして引っ張ってくれて、リーダーシップを学んできました。上村さん、本間さんは大学から水球を始めた先輩で僕が入った時から良くしてもらった先輩なので、本当にいつも兄弟のように接してくれて、大学から水球を始めるというのは並大抵のことではなく、厳しい環境に自分から飛び込むということだったのですごいと思います。自主練とかも見てきて、すごい努力を学びました。(最上級生となるにあたり)集中力を持ったチームにしたいと思っていて、ゲームの中でムラがあるようなチームは嫌だなと思っているので、そこを無くしていきたいなと思っています。(来年の目標)学生リーグで6位以上を狙うようにして、インカレはしっかり1回戦に勝ってベスト8以上に進みたいと思います」
松﨑
「力の差を見せつけられました。(序盤から積極的に声を出していたがどんな指示を出していたのか)学生リーグの時にカウンターを食らって失点していたので、カウンターを食らわないようにカバーをしっかり徹底させることと、セットになったところでパスが簡単に回らないように速くプレスに行くよう指示を出しました。(今日の試合ではキーパーからのパスが出しづらい印象を受けたが)日体大は自分がパスを出すところに対して選手とディフェンスの間に被ってくるので、パスの出し所がなくて自分がボールをずっと持っている状態になってしまいました。(これから新チームとなるが)今自分は2年なので下級生の部類ですけれども、後輩が今度入ってきて上級生の立場としてチームを引っ張っていかないといけない立場になると思うので、自分のことだけではなく周りもしっかり見える選手になっていきたいと思います」
増田
「日本一のチームとこの舞台でやれたということをこれからの水球人生に活かしたいです。やはり相手は堅いディフェンスでなかなか自分たちのプレーができませんでした。(得点は)日体は日本代表が行なっているようなパスコースディフェンスだったので、裏をついて前で競った結果です。高校の時とは違って、相手の体も大きくなり、自分としても大きく成長できた期間でした。まだ自分は1年生なのであと3年間自分を磨いてチームの勝利に貢献していきたいです。(4年生は)高校の先輩ということもあって入った当時から仲良くしてもらって、先輩なのですが気を使わずに言い合える、切磋琢磨(せっさたくま)できる先輩たちでした」
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