インカレ直前4年生インタビュー(9)細田梨乃

2017.08.30
 新たなる歴史への挑戦が始まる。9月1日から3日間、学生の頂点を決める日本学生選手権(インカレ)が開催。昨年度、明大は創部初の男子総合連覇を成し遂げ、今年度は3連覇に挑む。一方の女子もシード権奪還を目指し、男女共にチーム一丸となって戦いにいく。

 今回、9回にわたりインカレに出場する4年生を紹介していきます。最終回は女子キャプテンを務める細田梨乃(情コミ4=湘南工科大付)のインタビューをお送り致します。(この取材は8月12日に行ったものです。)

――現在の調子はいかがですか
 就活も7月の頭にしっかりと終わって水泳に集中して取り組めるようになってきたので、練習中の調子も上がってきています。関カレ自体のタイムも今後に手応えを感じられる結果だったと思いますし、良い流れで来れてるなと確認できた試合でした。今は関カレからまた1カ月、インカレに向けてしっかり取り組んでいる途中ですね。

――7月31日から約1週間、浜松での夏合宿に参加されました
 普段は男子選手と練習する機会がないですし、私の場合は他の女子選手とも練習する機会がほとんどないので、どんな選手がいるのかであったり、特に1年生の選手はまだあまり知らない子も多かったりして。周りの選手が練習に取り組んでいる姿を間近で見れたので、しっかりチームに入れたという感覚が大きかった合宿でした。私はスプリンターではあるんですけど、普段水中でパワー練習をすることがあまりないんです。ですが今回はパラシュートを使ったり15mという短い距離での練習が多かったりと、かなり刺激の入った良い練習ができたと思います。

――今年の明治はチームとしていかがですか
 昨年は平井健太(平29商卒・現セントラルスポーツ)先輩と小日向一輝(平29商卒・現セントラルスポーツ)先輩というチームの絶対的エースがいる中で試合にも臨んでいたので、安心感だったり安定感だったりというのはやはり大きかったと思います。それに比べると、今年は絶対的と言えるエースはいないかもしれません。でも全体で見たら力のある選手がそろっていますし、チーム感という意味では増していると思います。女子としても昨年より一人減ってしまっていますし、短い距離の自由形を専門としている選手が一人もいないので、リレーが厳しくなっているというのはあります。ですが関カレでも条件が厳しい中、みんな笑顔で頑張ってくれていたのでインカレでも安心して頼れる仲間です。私自身女子キャプテンという立場ですし女子をまとめるのはもちろんなんですけど、男子が優勝しやすい空気というのを女子の調子からもつくっていけたらいいなと考えています。

――現4年生について教えて下さい
 一人一人の個性が本当に強い(笑)。良くも悪くもかもしれないですけど、私はこの学年の良いところだと思っています。逆に、ここぞという時に締まらないなと感じることがたまにあるので、インカレでそれが出ることのないようにしっかり気を引き締めていかなければいけないと思っています。

――磯野洋樹主将(法4=春日部共栄)について
 練習中から周りのお手本となるような姿勢や態度をすごく見せてくれていると思います。ただ話し方であったり言動であったり、少し頼りないなと感じる部分もあって。でもキャプテンを助けてあげないとということでチームが一つになる、周りの同期で支える良い形が逆にできているんじゃないかなと思いますね。

――4年間で印象に残っている試合やレースはありますか
 1年生の時のインカレ自体ですね。初めて出たインカレで、高校は4日間だったのが3日間になって、リレーも増えて。そのスケジュールが本当にしんどくて、インカレなんて楽しいもんじゃないなと思った記憶があります(笑)。でも4年間やってきて今振り返れば、楽しかったなと思えるようになりました。

――ラストインカレを前に、大学での水泳生活を改めて振り返って

悔いのないレースで集大成を見せる
悔いのないレースで集大成を見せる

 毎年毎年、明治のチームがすごく好きだなと感じます。3年生の時以外は合宿にも行きましたし、六大だったり法明立だったり皆に会うのを楽しみにして来れるようなチームに入れて周りに恵まれた大学生活でした。1、2年生はそれなりに良い結果を残せたかなとは思うんですけど、故障もあって3年はリハビリをずっと続けていて、4年では就活もあって。その流れでここまで来てしまったので、やはりもったいなかったなとか悔しいなと感じる部分はあります。でも周りが明るくて本当に恵まれていて、負けずにここまで笑顔で続けてこれたので、すごく濃い3年半だったなと思います。

――故障など苦しい時期に支えとなったのは
 両親はもちろんですし、私が一人暮らしをしているというのもあってクラブのチームメイトであったり、学校や試合でたまにしか会えないんですけど明治の水泳部のみんなであったり、誰かに会うことで支えになっていたかなと思いますね。

――4年生になり、意識の変化はありますか
 私が2年生の時ぐらいまでは一人一人がすごく強いチームだったので、チーム力という感じではあまりなかったんですけど、今は力が足りない種目が多くあります。一人一人結果を残していけばシードも獲れるという考え方から、しっかりチームとして全員が力を合わせて戦っていかないといけないなという考え方の変化はありました。これまでは上の選手がいて『付いていけばいい』という気持ちもどこかにあったんですけど、今は引っ張っていかなければいけない存在なので、正直不安もあります。自分のレース一個一個で一喜一憂してたらいけないなというのはすごく考えていますね。どんな事があってもチームの控えに戻る時は笑顔で、負の感情の連鎖が起こらないように心掛けていきたいと思っています。

――最後に、ラストインカレに向けて意気込みをお願いします
 個人的にはタイムも順位もそんなに考えていなくて、その時できるレースをして納得して終われれば一番だと思っています。女子としては、やはり昨年すごく活躍してくれた石井茉宏(情コミ2=筑波大付)ちゃんがカギになってくるのではないかなと。あとは1年生にも背泳ぎの選手(湯原利佳・政経1=渋谷幕張)が入ってきてくれて、リレーでも良いタイムで帰ってきてくれてるのでその2人がカギですかね。目標としてはリレー三つ中、最低でも全部A決勝に残ること。表彰台は難しいとは思うんですけど、しっかりとA決勝には残ってこれるように頑張りたいです。絶対にシード権奪還します。

――ありがとうございました

♥細田梨乃(ほそだ・りの) 情コミ4 湘南工科大付高出 163cm コナミスポーツクラブ所属 100mバタフライ自己ベストは58秒45

[横手ゆめ]