大久保亮主将・植松香穂インタビュー

2017.08.29
 大学日本一へ挑む。8月31日から9月3日に戸田ボートコースで全日本大学選手権(インカレ)が行われる。目標は1年間通して掲げてきた男女総合優勝。ここまで6年連続総合2位と、あと一歩のところまで迫っている。今年こそ創部初の快挙を成し遂げるべく厳しい練習を重ねてきた端艇部を全4回にわたって特集していく。

 第3回は、大久保亮主将(農4=猿投農林)と植松香穂(文4=岐阜県立加茂)のインタビューです。最後のインカレに懸ける思いを語っていただきました。

大久保

――現在の心境を教えてください
「今こういう時期だから気持ちは高まっているんですけど、あんまりこれまでのトレーニングがうまくいってなくて、川野(陽平・政経4=熊本学園大付)が神経痛になって調子良くなかったり、原(勇二・法4=徳島市立)が体調不良でおとといまで入院していたり、そういうイレギュラーがあって、結構焦ってはいるんだけど、しっかり質を求めて、なおかつ他のクルーにも『エイト大丈夫かな』って思われないようにやっていかないといけないと思います。結構うまくいかないことがこの時期にバッってきちゃった感じはあります。でもやっていかないといけないなっていう感じです」

――今回インカレで乗る種目はなんですか
「エイトです。昨年もエイトで出ました」

――練習の進み具合はいかがですか
「進み具合としては、確実に去年よりは進んでいます。練習していない割に、スピードは出ているかなって感じなんだけど、練習量的に言うと、他大と比べても絶対劣っているから、でもスピードは出ているから練習の状況としては悪くはないと思います」

――大久保さんご自身にとって最後のインカレになりますが、過去3年間と比べて気持ちの違いはありますか
「去年とかまでは自分がやらなきゃ、引っ張らなきゃって思ってトレーニングしたりとか、メニュー考えたりとかしていたけど、今4年生になって主将になって、周りの人間との関わりの中でうまく回していかないといけない。やっぱり自分だけだと良くないっていうのはすごく分かったので、インカレに対しての思いは熱くあるんだけど、エイトだけじゃなく、一歩引いたような関わり方が出来るようになったなと思います。ちょっと熱い気持ちを抑えながら、見るって感じです」

――過去3年間のインカレで印象に残っているレースはありますか
「1年生の時は結構残っていますね。1年生の時は自分はシングルスカルで出たんですけど、決勝まではトップタイムぐらいでいけていて、でも決勝の前日に声出しをやりすぎて、次の日に熱が出ちゃって39度まで上がって、その中でレースをして、案の定4位でっていう、すごくもったいないレースをしたっていうのが1年生です。2年生の時は森猛(商4=岐阜県立加茂)とダブルスカル一緒に出て、俺は右手を骨折していて、猛も調子が良くなくて、ケガダブルって言われていたんですけど、どこのクルーよりも練習頑張って『どこのクルーにも絶対負けないぞ』っていう超暑苦しいクルーを作ったなっていうのが2年生の時です。3年生の時はあんまり印象にないかな(笑)。でも今回が一番印象に残る試合になると思います」

――今回のクルー編成はどのように決められましたか
「軽量級とか東日本の時から、ある程度メンバーを固定するために、だいたい決まったメンバーでやって、その決まっている中にどれだけ他の人が食い込んでこれるかチャンスを与えて、どういう人たちがくるかなっていうのを見ながら軽量級と東日本でクルー編成をして、その中でパフォーマンスが良かった人を固定メンバーの中に引っ張ってくる形でやりました。だから今回はベストメンバーだと思います」

――主将として目指しているチーム作りは出来ていると感じますか
「前にも言ったかもしれないんですけど、自分が主将だけど、周りから見たら誰が主将か分からないみたいな、そういう雰囲気のチームになればいいなって思っています。誰でも引っ張っていけるし、主将じゃなくても引き締めて頑張っていける雰囲気は出来てきているし、去年と比べても勝ちたい気持ちは出てきているかなという印象です」

――ここまでどんな練習をしてきましたか
「このインカレに一番照準を合わせているので、東日本の時は試合のギリギリまで有酸素トレーニングでやっていって、っていう形だったので、レースの中で一番長いコンスタントの部分を強くなるように練習してきました」

――ここからインカレまでの調整はどのようなことをされますか
「ここからはとりあえず気持ちを高めることです。あとは質の高い練習を心がけることです」

――気持ちの高め方というのは何かありますか
「今週1週間は全員を集めてメニューを組んだので、みんなが意見を出し合って決めたメニューだし、一回一回の練習を見て、みんな時間がないし分かっていると思うから、そこでみんなでやっていこうか、っていうのは朝のミーティングで話しています。あとは水上に出てからの盛り上がりというか、気持ちをどんどん高めていって、練習に臨むという感じです」

――インカレでのレースプランは決まっていますか
「スタートはいつも通りしっかり出ること。前半の1000mはリラックスして出来るだけ省エネで回していって、そこから自分たちの強みである中盤のミドルスパート10本入れます。そしてここから絶対に勝つという気持ちで後半に入っていって、ラストは絶対逃げ切る。いつも通りですかね。でもいつもと比べて前半の1000mはちょっとリラックスしようねというのが重要視しているところではあります」

――目標はもちろん男女総合優勝だと思いますが、最後のインカレに懸ける思いを教えてください
「監督とかコーチにはとてもお世話になってるし、見えないところでも支えてもらってるから、絶対に胴上げしてあげたいです。あとみんなで勝って納会でめっちゃ騒ぎたいと思っているので、でもそれをやるためにはやることをやらないといけないっていうのがあって、そこが原動力になっています。そういう支えてくれる人も納会まで一緒に参加してくれて一緒に喜んでくれるっていうのが原動力ですね。意気込みとしては、勝ちます、それだけですけど、こういう思いでやっています」

――ありがとうございました

植松

――現在の心境を教えてください
「もう少し前までは最後の大会ですし、頑張らなきゃと切羽詰まっていました。クルーの雰囲気は良くなっています。ただこいで頑張らなきゃというのだったのが、今はお互い話を聞いて、ボートの上で頑張ろうとなっていて、それはわたしがやりたい練習方法であって、技術よりもみんなで話し合えていることはとてもいいです。時間はもうないですが、まだまだ伸ばしていけます。大会自体が楽しみです」

――寮にカウントダウンカレンダーを設置している
「去年からやっていて、私的にすごく良かったのでもう一度やりたいと思っていました。部員一人一人が、44日前から書いて作りました。目に付いた方がいいと思います」

――ご自身の役割はどう考えていますか
「周りを見て、みんなに合わせること。そして、コックスとともに、一番後ろなので声を掛けていくことです。みんなの思っていることを聞くというのを大切にしています」

――女子主将としてやってきていかがですか
「一人一人が自分のやるべきことを発信できるようになったと思います。みんなやりたいことがありすぎて、まとめるのが大変でした。ですが最終的にみんなの成長につながるのであれば、だめと規制はせず見守っていました。初めはがちがちに形式にとらわれていましたが、今は好きにやろうとしています。みんなでやるトレーニングのサーキットがあって、そのメニューを決めるのはみんなでやったりしています。みんなで動いている感じがいいと思っています」

――今回は自身最後のインカレとなります
「次がないって思いがあります。今までは結果が悪くても次がありましたが。ここのために頑張ろうというのが4年生にはないんだなと思いました。インカレだと全日本があるじゃないかと、思えば思うんですけど、でもそれはできなくて、インカレはインカレでしかないです」

――4年間で印象に残っているインカレを教えてください
「1年生でストロークをやらせていただいて、全然パフォーマンスを出せなかったことが今でも覚えています。結構ひどいレースを決勝でしてしまって、それはすごく覚えています。後ろに4年生の女子主将の乗っていて、レース後には『ありがとう。大丈夫だよ』と声かけてくれましたが、あとで泣いているのを見てしまい、いつも感情を表に出さない方だったので、やってはいけないことをやってしまったと思いました。その時の自分に勝ちたいです。あの時とは変わっているというのを証明したいです」

――目標を教えてください
「最後のインカレで男女総合優勝。女子クォドで5ポイントを取ることです。それに向けて今は、ケガをしないで自分の役割をちゃんと果たしたいと思ってやっています」

――最後に一言お願いします
「軽量級、インカレ、全日本の全てでタイトルを取る気持ちに変わりはないです。意地でも勝ちます。勝ちたい気持ちは負けません。勝たなければいけない大会です。2017年のインカレは1回しかないですし、みんなで勝ちにいきます」

――ありがとうございました

[臼井美理亜・織田有衣子]

次回はインカレの展望をお送りします。更新は8月30日です。お楽しみに!