
開幕直前 秋リーグ展望
逆境に立っている。春は開幕3連勝で絶好のスタートを切れた。しかし4戦目で早大に敗れると歯車が狂う。流れが悪くなるとパスに逃げ、ゴールに背を向けた。「気持ちの面で弱かった」(門間優次郎・法3=法政二)と速攻の場面でも攻め切れずにチャンスを生かせなかった。そこから6連敗を喫し、リーグ戦終了後には全学年でミーティングを行うことになった。メンタル面に加え課題に挙げられたのは、得点力。引き離したい場面で得点が続かず、試合終盤まで競る展開になった試合もあと一歩のところで勝ちを逃した。さらに現在、秋からチームの核として活躍が期待された西村龍(農3=桃山学院)が肩を脱臼し離脱。ユース世界選手権で活躍した服部將成(法1=春日丘)も帰国したのが秋リーグ開幕3日前と、調整にかかる期間は長そうだ。
その逆境を打ち破るだけの準備はできている。その最たるものが、大胆な戦術改革。秋からの明大ハンドボール部は走り勝つスタイルで戦う。春は相手チームを研究し、それに合わせた戦術と練習を繰り返しリーグを戦った。しかしリーグを通し1試合あたりの攻撃回数は平均で55回と、ここ数年で最低の数字。得点力以前に攻撃回数が少なすぎた。秋季リーグからは攻撃回数を大幅に増やすため、ディフェンスメンバーからフットワークのある選手をそろえる。攻め続ける走力と戦術は、夏の期間にたたき込まれた。「うまくフィットすれば確実に上までいける」(加藤監督)。練習試合は2回のみと実践経験はまだ浅いが、手応えは十分にある。
期待がかかるのは、U―22(22歳以下)東アジア選手権で日本史上初の優勝に貢献した山田信也(政経2=愛知県私立愛知)のポストプレー。春までは試合を通して得点する場面がかなり限られていたが、秋からは「毎試合5、6点は取りたい」(山田)と積極的にシュートを狙う。他にもサイドのエースである門間に加えて中川翔太(営2=法政二)など全ポジションにオフェンス能力の高い選手はそろっている。磨きをかけた戦術と新たな得点源を武器に秋を戦い抜く。
勢いに乗るためにも、初戦の国士大戦は何としても勝ち切りたい。日本代表の玉川や安倍(ともに国士大)を封じ込める力強いディフェンスも、夏で強化したことの一つだ。2戦目で日体大を打ち破り、3戦目の春王者・筑波大に向けて流れをつくりたい。強豪ぞろいの関東学生1部リーグの中でまずは4位以内、インカレシード権を目指す。春の二の舞にはならない。
[日野空斗]
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