
団体は結果を残せず 個人は小林が9位入賞/全日本学生選手権
[男子]
不完全燃焼に終わった。男子団体は予選16中でシードを獲得して決勝トーナメントは2回戦からの出場となった。愛工大との一戦は、大前・依田尚大(政経1=長野吉田)が初矢を決める順調な滑り出し。依田はその後も1年生とは思えない落ち着きで皆中を達成。入部してからここまでケガで苦しみ「練習も試合も見ているだけでつらかった」(依田)。それでも、部のサポートをしながらインカレに照準を合わせてきた。「緊張したけど、自分の仕事ができてよかった」(依田)と大舞台で公式戦デビュー、さらに大前という大役を任されたが今までのもどかしさを自らで振り払う活躍だった。しかし、チームとして皆中が依田一人に終わるなど的中を伸ばし切れず。13中で14中の愛工大に僅差で敗れた。ここまで主将としてチームを引っ張ってきた今泉博貴主将(理工4=芝浦工大属)は「全力を出して負けたので後悔はない」と振り返った。インカレでは優勝を経験したこともある今泉の最後のインカレは最高の結果とはいかなかった。
初のインカレを後悔だけで終わらせなかった。小林は団体の敗戦を「自分が最後当てていれば残れていた」と悔しがった。そして、挑んだ個人戦決勝。500人を超える出場者が続々と姿を消す中、集中力を保ち続けた。外せば敗退の場面を7回当て、惜しくも3本目の八寸的を抜いたが順位決定遠近競射に回る。最後も冷静に当て、見事9位入賞。課題に緊張する場面でどれだけ普段通りの弓道ができるかを挙げる小林。「介添えに今泉さんと依田が付いてくれていい緊張を保てた」(小林)と今回はまわりのサポートに助けられた。これからは一人でも立ち向かえる強いメンタルを目指す。
[女子]
上位をうかがうチームに見えない敵がいた。大前・遠藤未來(営1=富士市立)、中・白川史織(営3=美原)、落・佐久間香名(政経3=水戸桜ノ牧)で臨んだ予選。決勝トーナメントに弾みをつけるため高的中を狙ったが、インカレの空気がチームを襲った。2矢目で3人続けて抜いてしまう苦しい展開。遠藤は3中にまとめたが、上級生が共に2中に終わり7中で予選敗退となった。「調子は良かった」(白川)と練習、対外試合では安定した的中を出してきた今年のチーム。昨年のリベンジに燃えていたが、くしくも昨年と同じ予選敗退となった。今年は全関東、選抜と結果を残してきた女子団体。「みんなで優勝という目標に向かってやってきた」(佐久間)と目指した頂点には今回も手が届かなかった。
集大成として臨んだ今大会は、結果は振るわなかった。しかし、まだ大きな目標が残っている。女子はリーグ戦で1部に上がること、男子は1部1位になり王座への切符をつかむこと。それぞれの目標達成に向けて長い戦いを勝つチームになる必要がある。厳しい練習が報われる結果を残し笑顔で今年を締めくくる。
[福永智隆]
試合後のコメント
今泉主将
「すごく残念です。前の選抜に続いて、トーナメントのくじの引き運はすごくよくていいブロックにいました。勝てる試合を負けてしまった。相手が強くて負けたんじゃなくて、自分達のミスというか怠けて負けたという感じです。調子としては1年生はすごくできあがっていて、問題だったのが自分くらいで他は準備万端という感じでした。自分は試合の時の強さを自覚していたので、自分が当たればみんな当たるかなという感じでした。試合前の感じ的には割りといい方ではありました。全関東と選抜であまり成績が振るわなかったということで改めて同じ練習で続けようとやっていました。メンバーはもともと全関東とかで大前で使ってあげたかった依田がようやくケガが治って引けるようになったので大前で出してあげようという形になって、二的以降は全関東でも成績の良かった(小林)和真を続けて、川久保も同じように。落前の中島や変わって出た竹澤は、落前だけは結構迷いました。負けてしまったけど最終的には竹澤の勝負強さにかけようかなと思ってこうしました。落は正直できる人がいないので自分がせざるを得ないという感じです。(依田が皆中)ケガで長い間引いていなかったのにも関わらず、大前として仕事を成してくれたことはうれしいことですし、来年以降も期待できるんじゃないかなと思います。(最後のインカレ)最後の最後で4年で落だったのでプレッシャーは他の人に比べてすごくありましたし、結果としては負けてしまったのですがみんなで楽しく引けたので悔いはないです。メンバーとしても自分一人で決めたわけではなく4年生みんなで決めたので全力を出して負けてしまったので、後悔はしていないです。(これからの目標)練習で怠けていたら本番でもそれが出てしまうのではと自分は考えているのであと1週間でリーグが始まるのですが夏合宿などを通じてみんなを引き締めてリーグに臨みたいなと思います」
小林
「全国の舞台で入賞できて嬉しいです。でも、せっかくここまで残ったのに最後当てきれなくて残念でしたけどいい経験になったと思います。全国大会での入賞は、個人では初めてでした。(団体戦は2回戦敗退)自分が最後の一本当てていたら団体でも残れていたので、後悔しても仕方ないんですけど後悔しています。(昨日からの切り替え)気持ちの切り替えはできていました。後悔はしていますけど、今泉主将からも「次は個人に向けて、リーグに向けて切り替えて頑張っていこう」とおっしゃっていたので、自分の中でも過ぎ去ったことは仕方ないと思っています。進級したときに、しっかりこの失敗を繰り返さないように生かしていきたいと思います。昨日、ダメだったから今日頑張れたというところもあります。最後の一本の失敗を思い返したときに思い当たることがあって、今日はそういうところを気を抜いちゃいけないと思ってやれたのでよかったです。(集中は保てたか)保てたと思います。最初は緊張していたんですけど、介添えの依田と今泉さんがついてきてくださって声かけてくれて、緊張をいい感じに保っていただきました。周りの力も大きかったと思います。楽しく乗り切れたかなと思います。(最後の遠近競射は)そのときは緊張しましたね。気持ちは楽でした。引くのが後だったので、的見たときに全部が真ん中に集まっていた訳ではなかったのでいつも通り引けば大丈夫だと思って引きました。(課題)試合のときに緊張がより強く出てしまうことです。高校のときから試合を振り返って次に活かすことはしてたんですけど、もう一回メンタル的に鍛えなきゃいけないと思っています。(リーグ戦の目標)試合で9割を切らないことと毎週出ることです」
依田
「ずっと怪我をしていて大学に入って初めての大きな大会だったので、すごく緊張したんですけど、自分のやることをしっかりできたのでよかったです。予選のときは、身体がガチガチで気に入らない射が多かったので、2回戦では真ん中に集められてよかったです。(決勝トーナメント2回戦敗退)全然勝てる相手だったし普段の的中を出せれば勝てたと思うので、理由は分からないんですけど早すぎるかなと思います。(大前を任された)最初から当ててチームの流れを作ることだと思っています。(先輩からのアドバイス)「選んだのは自分たちだから、自信を持って引いてこい」と言われました。(ケガの間は)2、3週間前に復帰しました。何も出来ないし練習も試合も見てるだけでつらかったです。その中でも、同期の指導をしたりモチベーションを何とか保ってました。(復帰の初舞台がインカレ)いつも通りできればいいかなと思ってました。(2回戦では皆中)一本目だけ逸れてしまったんですけど、それ以降は形もよく決められてよかったです。自信になりました。(試合前の調整は)チームとして外さないで、一人外してもその次が助けるという練習をしてました。(試合後の話)今回、負けたことを今更後悔しても意味ないので、リーグ戦に向けて再調整していこうという話をしました。(リーグ戦の目標)優勝して王座に出ることです。(課題)緊張した最初の立ちで、いつも通りのが出せるようにしたいです。一本も外さない選手になりたいです」
佐久間
「全関東、選抜と自分達はわりといい成績を残してきたのもあって全日学で予選敗退してしまったのは。大会で練習と同じ力を出しきれなかったのが悔しいという思いがあります。当たってはいたんですけど若干自分のなかで感覚的に違和感があって、そこを100%直せなかったのがダメだったところなのかなと思います。大会の時は感覚は悪くはなかったのですが自分の甘さというか緊張したときの癖が出てしまった。感覚的に調子が悪くなかった分もっとできたんじゃないかという後悔があります。雰囲気は優勝を目指してやっていたので、みんな同じ方向を向かってできていたのはあります。今回の大会は前の2大会に比べて元気がなかったかなというのは思います。雰囲気が前はチームで話したり緊張をほぐしていたのですが今回はあんまり話していなくて。若干固くなってしまったというのはあります。試合への気持ちの持って行き方を今回の予選敗退したのを踏まえてどうしたら良かったのかを考えなければいけないのかなと思います」
白川
「正直、自分のせいだなと感じています。前日に熱を出してしまって、一番良い状態で臨むことができなかったので。(会場について)日本武道館や名古屋のガイシホールに比べてアリーナが狭いイメージで、普段の練習場に近いイメージはあるんですけど、逆に緊張感が持ってなかったです。全く緊張しなくて、いつもは程よい緊張感の中できていたので逆に緩みました。気づいたら2本抜いてしまったという感覚でした。(試合前の調子は)けっこう良くてチーム全体でも9中は切らないくらいの調子で、直前は若干落ちたかなと思ったんですけど、練習試合でも勝っていたので不安はなかったです。(試合後の話)今回の結果は残念だったけど一番最後の目標として、今年のリーグ戦で入れ替え戦に出て一部に上がるというのがあるので、それに向けて今回の結果も踏まえて、自分たちに足りないものを見つけていこうと話しました。大前の遠藤が3本当てたのに後ろの上級生が崩れてしまって、予選通過していたらけっこういいところまで行けていたと思います。そこは申し訳ない気持ちでいっぱいです。(遠藤について)1年生ながらチームを盛り上げてくれて、遠藤が来てくれたおかげで女子部が結果を残せている部分もあります。これからもチームを引っ張ってくれたら嬉しいです。(課題)一発勝負の試合はないので、リーグ戦の20射で行う試合になるので、1ヶ月くらい当たり続けられるようにしたいです」
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