松本が大会新記録で優勝 団体は悔しさ残る6位/東日本大学対抗選手権

 各大学が威信を懸かけて臨む団体戦。スナッチ、ジャーク、トータルそれぞれの上位8人に8点、7点、…2点、1点が与えられ、総獲得点数を競う。5年ぶりの入賞を果たし、2位につけた昨年から一転、悔しい総合6位に終わった。94kg級で松本康貴(政経4=常翔学園)が1位、56kg級の後藤将(政経4=県立川口)と+105kg級の上野祐脩(政経4=東京学園)が3位に入賞と活躍を見せるが得点を伸ばしきれず。2人の選手の失格も影響し、結果を残すことができなかった。

◆7・8~9 第45回東日本大学対抗選手権(埼玉県上尾市スポーツ総合センター)
▼56kg級
 3位 後藤
 5位 北出
▼62kg級
 中野 記録なし 
▼85kg級 
 7位 佐藤匠
 扇本 記録なし
▼94kg級
 1位 松本
▼105kg級
 6位 三浦
▼+105kg級
 3位 上野

 遂に表彰台の頂点に立った。94kg級に出場した松本はスナッチ149kg、ジャーク165kgを挙げ1位。チーム最高となる22点を獲得した。「スナッチの調子がすごくいい」という言葉通り、スナッチでは3本成功を決め、大会記録および明大記録を更新した。今年に入り不調が続いていた松本。階級内でも他の選手を圧倒する記録を持ち、個人での好成績を期待されていたが、膝のケガや就活の影響で思うような記録は出せず。自身最後の個人インカレや全日本選手権では納得のいく結果とは程遠かった。しかし、団体戦に向けては「自信があった」。2年生次から団体戦に出場し、確実に成績を収めてきたという事実が松本の復調を後押しした。そして今大会では2位を約20kg引き離し、階級王者に輝いた。
 絶対的エースの目標は高い。「2点の失点の方が悔しい」と記録よりも獲得点数にこだわりを見せる松本。12月の全日本インカレでは「24点獲得が絶対」。今度こそ完璧な優勝を目指す。

 好記録はもちろんだが、それ以上に1点でも多く取ることが求められる団体戦。上位入賞が期待されていた62kg級中野景介主将(営4=須磨友が丘)は「精神的に負けてしまった」。最上級生、そして主将としてのプレッシャーも相まってスナッチでは3本失敗。昨年の全日本インカレに続き団体戦2大会連続の失格となった。また、1年生ながら抜てきされた85kg級の扇本崇聖(政経1=名城大付)もケガの影響から失格に終わり、1点獲得にとどまった。「何よりもチームを優先しなければならない」(上野)。団体戦特有のプレッシャーもかかる中で、いかに失格を出さずに実力を発揮するか。明確な課題が挙がった。
 明るい兆しも見えた。+105kg級に出場した上野は、体重の増量によりパワーがつき、ジャークでは明大記録となる192kgに成功。また、団体戦初出場の佐藤匠(政経3=宮城農)や三浦祐輝(法3=杵築)は高い成功率や自己新記録の更新など、今後のさらなる成長を予感させた。

 12月の全日本インカレの前哨戦である今大会。総合6位という結果に、不安が残る形となったが「巻き返しはできる」(本多達雄監督)。今大会で浮かび上がった課題を克服し、全日本インカレに向けて各選手がレベルアップを目指す。「ここで折れることは許されない」(中野主将)。11年ぶりの全日本インカレ入賞を目指し、一からの挑戦が始まる。

[高野夕]