無念の2回戦敗退、目標のベスト4に届かず/全日本学生王座決定戦

2017.07.03
 大学日本一を決める今大会。リーグ戦とは異なり、70mで競技が行われた。結果は、目標としていたベスト4には程遠い2回戦敗退。3年連続出場となった菊地遥女子リーダー(理工4=春日部共栄)がチームを引っ張ったが、同大に2―6と完敗した。1年間チームを引っ張ってきた菊地は引退となり、さらなる活躍を後輩たちに託した。

 苦しい射が続いた。対戦相手は予選9位の同大。第1セット、緊張から矢が手につかず制限時間を超え、溝口美里(法3=日野台)が最後まで射ることが出来なかった。「普段通りに行かず射ち残してしまった。悔いが残るし、申し訳ない」(溝口)と試合の入りで、良い流れをつくり出すことができず、先に2ポイントを先取される苦しい展開に。第2セットも続けて2ポイントを奪われ、次のセットで得点を許すと敗北が決まる危機的状況に陥った。背水の陣で挑んだ続く第3セット、「負けたらおしまいという気持ちから集中力が増した」と溝口。意地を見せ、なんとか2ポイントを返した。時折、朝から応援に駆けつけた明大の選手たちに対し、手を振って応えるなど笑顔も生まれ、少し明大ペースに流れが傾いた。しかし、第4セットは、同大に高得点をたたき出され万事休す。2ポイントを献上。この瞬間2回戦敗退が決まった。「自分のせいで負けてしまった」(濱田真末・政経3=県立星稜)と溝口、濱田の両3年生が無念さを隠しきれなかった。

 今大会で引退が決まった女子リーダーの菊地。「個人としてはベストを尽くしたので何も悔いは残っていない」(菊地)。それでも、試合終了後悔しさから涙をこらえきれなかった。「点数でも存在でも、引っ張ってくれる存在で、心強かった」(濱田)と女子リーダーとして後輩からの信頼も厚く、率先して戦ってきた。菊地がチームを離れることで不安要素も多くある。しかし、今年のリベンジとして王座ベスト4という目標を達成するには菊地を超える存在にならなくてはならない。「チームとしてはもっと勝って上に行きたいと思っていたので少し悔しい思いはあるが、後輩たちがしっかり引き継いで来年晴らしてくれると信じている」(菊地)と先輩の気持ちは後輩に引き継がれ、王座ベスト4を目指して、新体制が始まる。

[髙橋昇吾]

試合後のコメント
菊地
「私個人としてはベストを尽くせたので何も悔いは残っていないです。チームとしてはもっと勝って上に行きたいなと思っていたのでちょっと悔しいなという思いはあるんですけど、その悔しさは後輩たちがしっかり引き継いで来年晴らしてくれると信じています。(今大会を振り返って)初日の予選は最後の最後で詰めが甘く2本ミスをしてしまったのでそれがなければもっと上の順位を狙えたので初日は詰めが甘かったなと。2日目の本戦は最初、雰囲気も良かったので同志社さんが強かったなという印象です。(4年間の振り返り)とりあえず、1年生の時は生意気な後輩だったなと今になって感じます。経験者として入部して、大会にも多く出させていただいたからこそ、生意気で扱いづらい後輩だったなと思います。でも、学年が上がるにつれてチームのために頑張ろうという意識が芽生えてきて、4年生ではチームを引っ張ろうという意識で最後臨めました。私は気持ちが入りすぎてしまうと外してしまうタイプなので、4年目は3年間のおまけくらいの意識でやった方が上手くいくなとなんとなく感じました。(次の世代へ向けて)王座に男女アベック出場を果たしてもらいたいとともにまだ女子はベスト4以上になっていないのでぜひ目指して欲しいと思います。今後はOGとして現役部員にプレッシャーをかけていきたいです。時期女子リーダーの吉原は選手としても活躍して、応援もしっかりやってくれていたのでいろいろな立場になって考えることのできる選手だと思います。仲良く笑って、なおかつ締めるところはしっかり締めることができると思うので、期待しています。後輩は私が言葉にしなくても分かってくれていると思うので大丈夫だと思います」

濱田
「すごく緊張してしまって自分がやってきたことを100パーセント出せなかったと思うので、悔しいです。去年も同じく出場したのですが、雰囲気は知っていたので、飲まれずに少し焦りかけた時も自分で落ち着いてやれたかなと思います。(今大会の目標は)去年以上の結果をということで、去年がベスト8だったので、ベスト4に出ようという目標でした。(リーグ戦が終わってから強化したことは)自分的にはリーグ戦が全然ダメだったので、この王座も他の部員に連れてきてもらったと思っていました。リーグ戦とは距離が違うのでずっと70メートルで打っていました。70メートルは流れが大事な競技なので、流れが悪い方である自分はそれをずっと意識して、70メートルを打ってきました。(敗因は)単純に実力の差だと思っています。同志社大学は、中高からアーチェリーをしてきている人が多く、全国大会にも出場している人もいるので、それなりに経験値もあるし、技術もあるので、そういうところが緊張した場面で長年鍛錬してきた技術が同志社大学の方が優れていたのかなと思います。(試合中声援に応える様子もりましたが)自分がすごく悪かったので、試合が終わったあとも自分のせいで負けたと思いました。でも、せっかく朝早くから応援してくれている人がいるのに、下ばっかり見ていたら申し訳ないと思ったし、どんなに悔しくても楽しんだもの勝ちだと思うので、上を向いてと思ったら笑顔になれました。(1年間菊地選手が女子リーダーを務めて)たまに厳しい時もありますが、点数でも存在でも、引っ張ってくれている存在で、心強かったです。これから世代交代しますが、来年もこの舞台に戻ってきたいという思いがあって、戦力だった菊地先輩が抜けることはすごく不安があるのですが、今大会に2年生である太田がメンバーに入ってきてくれました。太田みたいな選手がいなかったら来年は目指せないかもしれないと思ってしまっていたかもしれないけれど、しっかり実力つけて上がってきてくれた後輩がいるので、来年も目指せると思っています。今年はすごく悔しかったですが、来年は自分ももっと実力をつけたいし、後輩ももっと育ててリベンジしたいです」

溝口
「相手が王座常連の強い同志社でしたので、素直に結果を受け入れる気持ちと、1回戦敗退を悔しく思う気待ちの両方があります。1射目の時は緊張があって普段通りに行かず射ち残してしまいました。悔いが残るし、申し訳ない気持ちです。(先に4点取られて)1回戦は絶対に突破したかったので、後がないという焦りが湧いてきて次に自分が打つ前に涙ぐんでしまいました。ただその中で負けたらおしまいという気持ちから集中力がさらに上がって2点を取ることができました。今日は引退された男子の4年生も来てくださって、声援もプレッシャーとかではなく良い活力としてできたので嬉しかったです。個人的に王座に向けて先輩に射形を見ていただいて、射ち感が向上したので今日にピークを合わせてくることができました。(菊地さんは)言葉で引っ張るというより点数、プレーで引っ張るタイプでしたので、確かにそのスタイルが苦しい時もありましたが今日のように1番に引っ張ってくれたのでカッコいいリーダーでした。今年はチームとしてうまくいかない時期もありました。去年よりも大変なことは多かったですが、王座ではまとまって臨むことができました。これからは最高学年としてリーグ戦3位での王座出場。また後輩の育成に力を入れてどの学年でも王座に出れるようにしていきたいです」

関連記事

RELATED ENTRIES