
まさかの初戦敗退 福井工大に敗れる/全日本大学王座決定戦
悪夢の8分間だった。明大は序盤、試合を優位に進めると、前半13分に谷光がPC(ペナルティコーナー)を決め先制。その後1点を返されるがほぼ互角の展開で前半を終える。迎えた後半、福井工大に左サイドからチャンスをつくられPCを許し、これを確実に沈められ1-2と逆転される。「そこで踏ん張れなかった」と川村敬亮主将(政経4=今市)。「気持ちの部分でミスを犯すような雰囲気になってしまった」(平井一樹・文3=天理)と切り替えができず、不用意な反則やミスを重ね相手にセットプレーを献上してしまう。そこから立て続けにPS(ペナルティーストローク)とPCを決められ、わずか8分間でまさかの3失点。課題は「点が入ったときにどうゲームを収めるか」(小池コーチ)。終盤は立て直しただけに痛すぎる連続失点となった。
得点力不足を痛感した。何度も決定機をつくりながらもわずかに2得点。春季リーグで5試合25得点の攻撃は影を潜め、シュートまで持ち込みながらGKに阻まれるなど、あと一歩決めきれない展開を繰り返した。川村は「攻めきれてない」と唇をかんだ。前田隆昭(営3=丹生)も「決められるチャンスはたくさんあった」と苦言を呈す。事実、明大はシュート数、サークルインの回数など多くのスタッツで福井工大を上回った。原因は「余裕がない」ことと小池コーチは分析。今試合ではサークル内で冷静さを欠くシーンも目立った。〝超攻撃的〟を掲げる今年のチーム。中核を担う攻撃陣の復調が待たれる。
これで前期の大会はすべて終了となった。春季リーグは準優勝ながら王座では初戦敗退。創部初の優勝への期待を大きく下回る結果となった。選手層の薄さも敗因に挙がる中、宮田知監督は「サブのメンバーが頭角を表してレギュラーを固定できないようにしてほしい」と新戦力の台頭に期待。「1年生も4年生も関係なくFWやDF陣も作っていく」(小池コーチ)。秋に向けて、全員横一線でのレギュラー争いが始まる。
[楠大輝]
試合後のコメント
宮田監督
「力負けとみればそう見られるかも知れないけど、ボールポゼッションやサークルインの数は多かったから力負けとは思っていないです。ただ、チャンスを決めないと勝てないということですよね。点を取られ続けたときは相手の押せ押せのムードに選手が引いてしまったということだと思います。本当は流れを安定させないといけないんだけどね。縦に長いパスで打ち返すのではなく、明治らしく両サイドでつないでいけといっていたんだけど、それが本大会の相手が強いときに日頃やっていることができなくなってしまいます。福井工業大学は新興のチームだけど、関西では立命館に勝って去年の秋も天理に勝っているから実力があるのは分かっていました。だけど、こういう新興のチームを打ち返すのが明治だから。先輩たちがやってきたことを選手にはやってもらいたかったんだけど、負けてしまったからしょうがないです。もうインカレの王座枠はないから。それはもう選手に言いました。今日落としたことで農大の枠に入る可能性が低くなった。天理か立命か山梨学大のどこかを打ち破らないとベスト4に入れない。それができるようなチームを8月からトレーニングして作っていかないと。(昨年から関西のチームとの対戦はない)今日も福井工大の監督と八幡山で夏に練習試合をという話はさせてもらいまいした。八幡山が整理されたのでわざわざこっちから出向く必要もなくなったよね。(最後の王座は)僕は3戦全てシュートアウトで優勝したかったです。だから塚田(駿・文2=今市)をサブキーパーとしてベンチに入れていたんだけどね。最後の1点が余計だった。その前にチャンスを決めきれなかったというのもあるけど。王座だけは勝ったことはないので初優勝を目指していたんだけど、結果は福井工大が強くて明治が弱かったということになるだけです。(ここまでのチームは)まだ一つになりきれていないと思います。タイトルを二つ失ってしまったわけだし。試合に出ていないサブのメンバーが誰も見ていないところで練習して頭角を表わしてレギュラーを固定できないようになってほしいです。試合に出ている選手は、負けても経験が付くので伸びていく。でも出ていないメンバーは経験をしてないので差が開く一方になる。試合に出られるようにならないとという思いを持ってほしいです。川村はリーダーシップを持ってよくやってくれているけどもう少し厳しさを持ってやらないといけないという印象は持っています。夏は基本に立ち返ってやっていくだけ。あとはチャンスで決める、ふてぶてしい選手が出てきてほしいです。野井(辰真・法1=伊予)は慶応戦で使って、学習院は相手が相手なので下げたんだけど山学はよく守ってくれました。きっちり構えていれば少々のPCでも跳ね返す力はあるし、一番良いのは下半身がしっかりしているからボールをセーブしてから立ち上がるのが早い。だからリバウンドでやられることが少ないGKなんですよね。ジュニアの選考に行かせたらGKが14人参加していたらしくて、その中からコーチが二人に選んでくれました。このまま伸びてくれれば。今日は4点取られたけどあいつの責任ではないです。野井は今のまま成長してくれればいい。性格が優しいのがネックだけど。GKは塚田にも言っているんだけどもっとフィールドのプレーヤーにガンガン文句をいうくらいになってほしいです。サッカーでいうと日本代表の川島(永嗣・FCメス)くらいの気持ちを持って決められたらすまんすまんでいいです。今回の遠征ではロシアとカザフスタンとインドとやるわけだからいい経験をしてきてほしいです。インドなんかはもうすごいシュートを打つだろうからね。何か自信を付けて帰ってきてもらえればと思います」
小池コーチ
「決定力不足です。PCの精度や25ヤード侵入率もかなりうちの方が上だったにも関わらず、点差を見ると2ー4という結果で、後半点を取れるところで取ってないから、それで安易な反則を重ねて、逆に相手にセットプレーを与えてしまった。それがあまりいい結果につながらなかったかなと思います。(続けての3失点)そこは相手の力で押し込まれたっていう感じかな。同じ所にどうしても返してしまっている。普段から言っているんだけど、得点が動いたときは取ったとしても取られたとしても(試合が)動きやすいから、点が入ったときにどうゲームを収めるかっていうことを指示したんだけども、1番悪いところを今日やってしまいました。それを強いチームはやってくるから気を付けなさいとリーグ戦の時から言っているんだけど、まだそこをゲームコントロールし切れていないです。そういうところがやっぱり4失点につながったかなと思います。それは秋に向けてのすごく課題です。(反則が多かったが)PSを与えたのも故意的に押してしまったからですし、そこは体力的なこともあったかもしれないです。ちょっと蒸し暑いような気温の中で。でもそこはやっぱり耐えられるようにフィジカルトレーニングで鍛え直して、体力面も走るトレーニングを秋に向けてしていかなきゃいけないです。(第2陣のFWが課題)それはかなりありますね。まあ第2陣というより、スターティングメンバーもそうだけど、一からやり直します。やっぱりまったく結果が出てないので。今日でも取れるチャンスを取ってない、シュートまで崩し切っているのに押し込めてない。GKに阻まれてる。そこはまだサークル内でのボールの精度、ボールコントロールがちゃんとできてないです。あとは自分の冷静さに欠けていますね。余裕がない。そういうのを強いチームとやって練習していかないとなかなか結果というか得点につながっていかないです。だからここからは1年生も4年生も関係なくFWやDF陣も作っていきます。また一からのスタートです。(期待の選手)1年生ですね。例えばFWの久保庭(昌太郎・営1=天理)とかまだ眠っている岡本(優大・商1=山梨学院)、柴田(翔哉=法1=石動)。この辺も頑張って奮起してもらいたいです。(良かった点)あまり良かった点は見当たらなかったかな。やはり4失点してるので。あとPCも打ててないのがありますし。その辺は課題がかなり見つかってるかなと思います。(取り組んでいくこと)やっぱりどことやっても勝てるチーム。得点を取って。取れないときはしのいで0点に抑えて勝てるチームにしていきたいです。あとは監督が掲げてる超攻撃的。それは変えずにいきたいです。前線からディフェンスいって高い位置でボールを取って、そこからスピードで攻める、そういったホッケーをしていきたいと思ってます」
川村
「まず悔しいですね。悔しいと同時に結果が全てなので、福井工大の方が一枚上だったということがこれで分かってしまったので、関東リーグの春決勝と同じで後半失点が増えてしまったので、粘れてないというか後半に弱いという部分が出てしました。いつも課題しか見えないけど、今後の課題が出たかなと思いますね。後半に逆転されてそこでチーム全体が相手の勢いに押されたかなというのはあります。そこで踏ん張れなかったのは連続失点してしまった要因かなと思いますね。チームの全体の雰囲気も福井工大なら勝てるんじゃないかという甘い気持ちで挑んでいる部分もありました。チーム全体として絶対勝つぞというよりは、勝てるだろうという軽い気持ちが見られるかなと思います。春リーグ終わって6月は前よりも走り込みをして、結果それでも走り込みが足りないことがわかったので、ここから7月はテスト休みになってしまうので、全員でできることはなくなってしまいます。8月という暑い中にはなるけど、本気で走り込みを力入れてやっていきたいなと思います。技術面的には負けてないと思うけど、やっぱりメンタル面かな。気持ちの問題だったと思います。最初から勝てるだろうという甘い気持ちで臨んだのも一つだし、失点した時にズルズルいかれてる部分もあってそこで粘り切れてない部分が大きいと思います。甘い気持ちで入ったというのと、自分たちで点を決めるぞというのが弱かったかな。相手が一枚上でした。もうちょっとチャレンジしていい部分は多かったし、自分も得点チャンスあった中で攻め切れてないというのは今までずっと課題として挙げられている決定力不足というのが克服できていないので、しっかりしていきたいですね。本当にあと一歩なんだよね。わかんないけど気持ちなのかな。自分はリーグ0点で今回こそは点取ってやろうと思って臨んだけど、また得点チャンスで外しているんで。FWの中で一番上の4年生という自分が点を決めないといけないというプレッシャーで結果を残せていない自分がメンタル的にも弱いなというのはありますね。今までと比べて自分が決めなきゃという気持ちが強いです。1、2年生の時はがむしゃらにやっていて、今は4年になってキャプテンになって自分が決めなきゃいけないという思いもある中で、プレッシャーに負けている自分がいるのは一番大きいかな。本当にメンタルが弱いのかな。プレッシャーに負けているね、自分が。結果を残して自分が引っ張っていきたいというのが一番自分の中で強く思っていることなので、それができていないのが悔しい部分になっています。本当に残す試合は秋とインカレしかないので、チームとして結果を残すのはもちろん大切なんですけど、今シーズン自分は0点なので、まずは自分が得点を決められるように自分自身本当に頑張りたいと思います」
谷光
「今日は初めての相手でどういうホッケーをするかも正直はっきり分からなかったので、ミーティングで敬亮(川村)がどういう感じでいこうというのを仕切って勝とうという感じでやっていました。初めての相手だったからとにかくひたすら頑張りました。対策はしていてこっちは分かっていたつもりだったのですが、実際やっていてそれではまることもあったけど相手はうまくてやられてしまったのは多かったです。相手が攻めも守りも堅かったというのがあって、明治はそれが薄かったというのが敗因だと思います。自分たちのホッケーも崩れていたので、次秋から頑張ろうと思います。審判のミスもあったのですが、集中力の差があったのかもしれないです。自分の代で全部が最後になってくるので、絶対優勝しようという思いで臨みはしました。初めて対戦する相手だったからというのもあるし、対応力が自分たちにはまだ足りなかったと思います。対応力を付けるためにはひたすら走って基礎ができてとか、やっぱり基本的なことができないといけないと思います。基本的なところは全然まだできていないです。ケガは先週ぐらいに治って、その影響は自分ではあまり感じなかったです。個人としては、もっとベストな判断があると思うのですがそれも終わった後に気付くので、そこがまだまだできていないと思います。(インカレでは強豪と当たることが予想されますが)練習で感覚を固めて、どんな相手にも絶対勝つ気持ちで挑みたいです」
平井
「前半の序盤に一点を取ってから攻めが受け身になってしまいました。裏からのボールに対しても相手に攻められるのを恐れてプレーして結果同点にされてその流れで後半も入ってしまったので自分たちの流れに持ち込むことができませんでした。自分ではドリブルの緩急と常にゴールを狙うという意識でやっていて、あとミスをゼロにするというつもりで今日に臨みました。今日の試合は全体的にミスが多かったです。どこがというよりも気持ちの部分でミスを犯すような雰囲気になってしまっていました。自分の得点はその前に同じようなシチュエーションでゴール前に人が集中してしまう場面があったので人を多くかけると点入らないなと感じていて自分でできるだけいこうとしました。自分の走り込みできっちりスペースを作っていきました。ゴールは常に見ていて組み立てとしては完璧だったと思います。相手が特別強いという印象は受けなかったのですがやっぱり全員でやっているので個人個人で見ていくと明治の方が強いと思います。でも全体的に見ていくと相手の方が上だったのかなと感じました。1点を取ってから前にボールを供給するのを恐れてしまったのはやっぱり大きかったです。相手はFWにロングでパスをつないでいってそこで自分たちのディフェンスが帰り足になってしまったので攻めやすかったと思います。今日は審判ともうまくいってなくてスタミナもまだまだ足りないです。個人ではボールを止めていくところから技術をあげて判断できるようにしなければいけません。ホッケーは判断がとても大事な競技だと思うのでそこはもっと磨いていきます。秋までにもっとチームには信頼されて相手には恐れられるようなプレーヤーになっていきたいです。やることはたくさんあります」
前田
「前半の最初に先制点を取れたのは良かったんですけどその後すぐに点数を決められて、後半に入って相手に流れに乗られたことが1番きつかったかなと思います。(4失点の原因は)本当に個人のミスだと思います。自分のPCを取られたプレーもそうなんですけど、ちょっとしたプレーで相手に大チャンスを与えてしまったので、もっと冷静な判断でみんながプレーできれば良かったと思います。シュート本数はあまり多く打たれているわけではないので、セットプレーで相手にしっかり決められたなと。(1得点について)DFから見て、はっきりFWに言ってしまうとやはり得点力不足だと思います。決められるチャンスはたくさんあったのでもっと冷静に決められていたら、今日のような流れの持っていかれ方はしなかったかなと。DFとしては苦しかったですけど、その分DFのミスも目立ってしまったです。(秋に向けて)負けてる状況であっても、自分たちの中盤につないでそこからFWにつなぐ細かいパスワークからの攻めをいかに冷静にこれからやっていけるかが大切だと思います。今日も焦ってロングボールに頼ってしまったので、そこは冷静に中盤につないでから攻めるという形を作っていけるようにしなければならないです」
野井
「声は出てたと思うんですけど、止めるところは止めてもう少し安定したプレーがしたかったです。反則だったかどうかでもめて、流れが悪くなって結局こっちの反則になってしまって。あんまり止めようっていう雰囲気じゃなくて、なんとなく流してプレーするみたいな感じになってしまいました。(後半の3失点)審判の微妙なジャッジも受け入れて切り替えることができずにだらだらと引きずってしまったからかなと思います。(スタメンの1年生)1年生なので、失敗を恐れず思い切ってやっていこうっていう話はしてます。(日本代表)なんで選ばれたんだろうなって感じですけど、選ばれたからには頑張ろうと思います。もう1人の選ばれてるGKの人がうまいので、その人のプレーを見て成長していけたらいいです。(長所と短所)1対1とか対人戦が強みだと思います。短所はもっと落ち着いてプレーすることと指示を最後の方までちゃんと出すことです。(後期に向けて)気を引き締めて些細なミスとかしないように練習していきたいです」
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