史上初の快挙 3部門制覇! /東日本学生個人選手権

2017.06.26
 史上初の快挙を成し遂げた。今大会は個人戦で段の部、級の部、女子の部の3部門が行われた。段の部では川﨑大輝(法3=東大阪大学柏原)、級の部では森下歳古(文2=明大中野)、女子の部では由良沙優花(法4=城東)が各部門で優勝。3部門すべてで明大の選手が1位に輝き、選手層の厚さを示した。

 ケガを負いながらも優勝を収めた。「左手の小指の骨にヒビが入っていた」と不安を抱えて今大会に臨んだ川﨑。決勝まで左手を多用することなく勝ち進んだ。迎えた決勝戦の相手は準決勝で古屋敷直道(法3=明大中野)を下した橋本(早大)。試合開始40秒、面蹴りで一本を先制したが、直後に面突きで取り返されカウントは1-1と後がない展開に。「最後だったので無理をした」(川﨑)とケガを負っている左手から面突きを繰り出し一本。見事に勝利を収めた。今大会で明大入学後初の個人戦優勝を果たした川﨑。「率直に嬉しい」と喜びをかみしめた。

 快進撃は止まらない。今シーズン個人戦全勝を続けている由良。今大会は「最高学年だから表彰台に上がるのは当たり前」(由良)と強いプレッシャーを感じながら臨んだ。盤石の強さを見せつけ勝ち上がり迎えた決勝。対戦相手は先日行われた全国選抜選手権で、東日本女子チームの仲間として共に戦った糸井(中大)だった。「(全国選抜での)戦いぶりを見て強いのは分かっていた」(由良)と強敵相手に渾身(こんしん)の面突きで先制した。その後も粘り強い拳法を見せカウント1-0のまま試合終了。プレッシャーをはねのけ優勝を果たし、また一つ無敗記録を更新した。

 王者の復活は近い。先日の全国選抜は3位に終わり2年連続グランドスラム達成の夢は途絶えた。しかし、今大会は3部門全てで優勝を果たし、最高の形で再スタートを切った。今大会で前期全ての日程を終え、1カ月の長期オフに入る。この長いオフの期間で各々の課題を克服し、悲願である府立(団体インカレ)6連覇達成を目指す。

[長沼遼太]

試合後のコメント
百合草春男主将(文4=愛知県私立桜丘)

「全部門で優勝できて良かったです。(段の部で川﨑選手が優勝)今まで川﨑は受けに回ることが多かったんですけど、今日は自分から攻めることができていて、しっかり落ち着いて相手を見れていたと思います。ずっとケガで出れてなかった時もあったんですけど、ちょっとずつ自分で努力してきたのが報われたかなと思います。今年になって自分からアドバイスを求めてきたりとか、積極的に練習も考えてやってきていますね。気持ちの部分というか、練習に取り組む姿勢は去年に比べてだいぶ変わったと思います。(後輩たちの活躍は)嬉しいですけど、自分は負けちゃっているので悔しさはあります。(個人は)中央の選手に1本先取って、そこからが本当に自分の攻めないといけないところで下がってしまいました。敗因はそれだけではないと思いますし、なかなか課題が多いです。今後も個人戦はあるので、そこまでには修正していきたいと思います。(チーム全体で夏に向けて)今日は個人戦で結果が出ましたけど、一番最後の目標は府立で優勝することです。チームとしての課題はまだたくさんあるので、これから強くしていきます」

川﨑
「優勝できて率直に嬉しいです。大学に入って大きな大会で優勝するのは今回が初めてです。この喜びは今まで自分を支えてくれたチームのみんなに伝えたいと思います(決勝戦を振り返って)いつもは下がって戦ってしまうので今日は攻めて攻めて攻めまくって、前に行って一本取りに行こうと思ってました。面蹴りで一本先取して、すぐに返されたんですけど焦ることはなく無の状態でした。とりあえず次の一本を取りにいくという気持ちだけでした。(今大会に向けて)左手の小指の骨にヒビが入っていたので、特に何かを目標にしていたというわけではないですけどフックとアッパーで頑張ろうとだけ思っていました。指の骨が折れることは拳法をやってると結構あることなんですけど、自分は初めてでしたね。そこから全国選抜と、この矢野杯も左はなるべく使わず右のパンチだけで戦ってました。でも今日の決勝戦は最後だったので無理して左手使いましたね。最後の決め手が左手での面突きで、使わないでいた左で最後決めたという感じです(全国選抜3位について)結果的には悪かったんですけど、ある意味府立につながる結果だったのではないかなと思います。むしろ負けてよかったんじゃないかなとさえ思います。チームのメンバーも気持ちの切り替えはできていて、もっと頑張らないといけないとみんな思ってると思います。(今後の目標)先輩たちに稽古をつけてもらってまだまだ伸びると思うので団体戦でチームに貢献できるように頑張りたいです。具体的な目標としては左のパンチがまだまだ下手くそなのでそこを強化していきたいです。まだ出来上がっていないので今後絶対的な選手になれるよう成長していけたらと思います」

森下
「矢野杯は優勝してやろうっていう気でいたので優勝できてすごく嬉しいです。準決勝で太田とやったんですけど、そこで勝てたのが大きかったかなと思います。(太田は)同期で1番ライバル視してます。去年の秋にも1回埼玉県大会の決勝で当たってて、その時は僕が勝ったんですけど練習だとどっちが勝ってもおかしくない感じだったので、今日はそこに照準を合わせていきました。(決勝は)結構自分は緊張に弱いタイプなので立つと足震えたりしてました。先輩たちもきっと勝つだろうし自分も勝たなきゃいけないっていうプレッシャーはありました。(決勝の)相手も柔道やってたみたいで、最初は組みにいったんですけど体が大きくてすごく投げにくかったので、組みは攻撃より防御の方で使って、その分パンチでしか(一本を)取れないと思ったので、パンチを狙っていきました。(明大中野柔道部出身)元々自分が拳法部入ったのも2人の先輩の勧誘があったからです。2人とも自分と同じ組み中心のタイプなので、アドバイスもらったり見て盗んだりしてます。去年も(矢野杯は)古屋敷先輩が優勝して林先輩も3位だったので、今年も自分が続かなきゃなっていうのはありました。(団体戦のレギュラー入りに向けて)もちろん1番大きい大会の府立のメンバーに入れるようにやっていきたいです。今日は結構良いアピールになったかなと思います。今後も活躍していけるように頑張ります。(この夏取り組むこと)夏はオフが1ヶ月あるので、体力を落とさず体をウエイトトレーニングとかで大きくします。私生活を充実させつつ、ちゃんと部活のことも忘れないようにやっていきたいです」

由良
「目標にしていた優勝ができて嬉しかったです。(決勝は)全国選抜ではチームメイトだった相手で、戦いぶりを見て強いなっていうのはわかっていたので気持ちを入れて臨みました。(個人戦のやりにくさは)最高学年ってことで表彰台に上がるのは当たり前っていうプレッシャーが強かったです。(他のチームメイトの戦いは)戦う前から格上とやる上で気持ちで負けてるなと思いました。気持ちの面での差はすぐに埋められるのでそこは課題だなと思います。(3部門全てで優勝は)監督から初めてだって言われたので素直にすごいなと思いました。(次の大会まで)次はお互いの手の内を知っている相手ばかりなので今の、一本とってもその後二本取りきるってことができていないところを直したいです。研究されても、対応できるように面ばかり狙うのではなく、胴とかに狙い分けられるようにしたいです。あとは根本的に体力がないので、スタミナをつけるために走り込みをしていきたいです。(目標は)春の東日本団体では準優勝で悔しい思いをしたので最後の東日本の団体はみんなで優勝を勝ち取りたいです」