女子団体が決勝進出を逃し3位 男子は悔しい結果に/全国大学選抜

2017.06.26
 全関東から一週間で迎えた全国大学選抜。女子は、全関東2位の勢いそのままに順当に勝ち進み3位入賞を果たした。また、体配や射形の美しさが評価され2年連続で射道優秀賞に輝いた。男子は、同中競射にもつれる予選を通過し決勝トーナメントでの奮闘を期待したが入賞にあと一歩届かなかった。

[女子]
 早々に訪れたリベンジの機会を生かせなかった。準決勝の相手は、日大。先週の全関東で優勝を阻まれた相手だ。先週の借りを返し決勝進出を目指したが、強豪校の名に歯車が狂いだす。中の廣谷はるか(農2=八戸北)、落の佐久間香名(政経3=水戸桜ノ牧)が初矢を外し、自分たちの流れを作れない。大前の遠藤未來(営1=富士市立)が3中をそろえたが、廣谷と佐久間が1中と伸びなかった。「日大を意識しすぎてしまった」(佐久間)と自分たちの弓道ができず、5中対9中で敗北を喫した。続く3位決定戦の桜美大戦では、遠藤と廣谷が皆中を達成。佐久間も3中にまとめ11中の高的中を出しただけに悔しさの残る3位となった。
 明大の美しい弓道は今年も健在だった。女子は体配や射形を評価され2年連続2回目の射道優秀賞を獲得した。その中でも遠藤が強く美しい弓道を見せた。1年生ながら大前を任された今大会。「一本目から勢いをつけていければ」(遠藤)という言葉通り、大会を通じて初矢を確実に決める。準決勝、3位決定戦のプレッシャーのかかる場面でも高的中で力を証明した。全試合で3中以上の安定感を誇った遠藤。さらに、美しい立ち居振る舞いは見る者を魅了した。遠藤は「弓道人としてすごくうれしい」と射道優秀賞の受賞を喜んだ。一本を争う勝負の世界で、忘れかけた日本古来の伝統たる武道の素晴らしさを垣間見た。
 1年生の姿に上級生は黙っていない。「頼れる後輩だけど負けたくない」(佐久間)、「今度は自分がチームを引っ張りたい」(廣谷)と闘志を燃やしている。次の目標は8月の全日本学生選手権。インカレの団体メンバーは3人。まずは部内での激しいメンバー争いが待っている。全関東で準優勝、選抜で3位に輝き自信を深めた明大女子団体。残すは頂点に立つだけだ。

[男子]
 主将の一矢は報われなかった。決勝トーナメント2回戦。準決勝進出を懸けた関西学大戦は一本が勝敗を分けた。両校20射を終え、的中が15中で並び同中競射にまわる展開。明大は大前の竹澤一樹(理工3=鹿沼)から4人が連続で中て、落の今泉博貴主将(理工4=芝浦工大属)に勝負矢がまわる。勝利を確信したが、百戦錬磨の今泉主将が決めきれず。同中競射2本目までもつれ、最後は2中対5中で力尽きた。「自分のせいで負けた」と敗退の責任を主将一人が抱え込んだ。
 チームの弱点は明白だ。「みんながみんな抜いている状況だった」(今泉主将)と今大会は予選から苦しんだ。予選14中、決勝トーナメントの2試合は15中といまひとつ的中を伸ばしきれなかった。今のチームには絶対的な存在が見当たらない。さらに、先週の全関東で露呈した緊張で本来の力を発揮できないことを改善するのは一週間では短すぎた。2週連続で入賞を果たした女子に主役を譲ることになってしまった男子。インカレに向けて男子全体の底上げを目指す。

 8月には弓道部の最大の目標・インカレを控える。全関東と選抜の2大会を通じて男女ともに、試合で強さと弱さがはっきりと表れた。求めるのは緊張にのまれない安定した強さだ。そのために自分たちの弱さと向き合う期間が始まる。自分自身に打ち勝てば、男女アベック優勝はすぐそこだ。

[福永智隆]

試合後のコメント 
今泉主将

「今回は練習通りの的中が出たなという感じですね。大会前から調子が上がってこなくて試合に合わせることもできなかったです。(自身の出来は)最悪でした。羽分けとか初矢抜きとかが多くてチームに迷惑をかけました。(決勝トーナメント2回戦で同中競射にもつれたが)正直、一回目がラストチャンスだなと思っていたので自分が詰めれば勝てたのでショックでした。自分のせいで負けたと思っています。(チームの流れは)みんながみんな抜いている状況だったので雰囲気的にはあまりよくなかったです。4射そろえている和真(小林・農1=玉龍)とか川久保(虹弥・政経2=鹿沼東)とかは自分の仕事をやってくれたかなと思うんですけど、でもまだまだ自信がないのかなという印象です。チーム全体として4射そろえるという自信がある人が全くいないので、そういう自信を持たせることが必要だと思います。(全関東からの一週間の練習は)一週間でどうにかなるということでもないので、いつもの練習をしました。その結果が出ました。(形式の変化は)そこまで影響はなく、形式で的中が下がったとは思ってないです。(課題)自信をつけることです。当たるメンバーはそろっているので自分に自信を持たせて、みんなでそろえるだけです。(下級生の存在)中ることが多いんですけど、あとは本番だと思います。下級生にはたくさん中ててもらって、上の人を焦らせる存在になってほしいです。(インカレに向けて)自分がアリーナで引ける最後なので、絶対優勝したいです」

菅渓子(政経4=松本深志)
「3位入賞と射道優秀賞と両方とも入賞というのはうれしかったんですが、準決勝で負けてしまったというところに悔しさが残るんじゃないかと思います。調子はかなり良かったと思います。3人ともきちんと大会に合わせてきてくれたのでそれは見ていて安心できる状態でした。(準決勝が日大)全関東で優勝した学校だというのはあると思うんですが名前に負けないで、いつかリベンジしようねということは言っていたが多少は意識して自分のやりたいことができなかったというところはあったと思います。(射道優秀賞)射がきれいだと弓道連盟の方から認めていただいたということなのでそれは誇りに思います。(体配の違い)多少はありますが、基本いつも意識していることと変わらないかなと思います。そこはあまり意識してないと思います。(インカレ)今回緊張してしまって思うようにできなかったということが彼女たちにあって悔しさも残っていると思うのでこの悔しさをバネに次は2位でも3位でもなく優勝したいなと思います」

佐久間
「今日の3位は悔しいです。的中をまあまあ出せていたのですが日本大学との試合で崩れてしまったというのがすごい悔しく、その後の三位決定戦では11中できたのにという感じです。日大戦のときに力を出せてたら結果が違ってきたのかなと思うと悔しい方が強いですね。全関東でも日大に負けているのでショックの方が大きかったです。(日大への対策)日大というネームバリューに負けないように強気でいこうという話はしていたのですが後ろ2人で崩れてしまいまだまだ自分の甘さが出てしまっていい試合だとは言えなかったです。(遠藤)頼れる後輩だと思っていて大きく崩れることがあまりありません。頼れる存在でもあるのですが同時に負けられないなという対抗心もあります。1年生にばかりに任せてはいけないなという思いもあります。(日大戦では1中)日大を意識しすぎてしまったというのもあるのですが、自分の調整がうまくできなかったのがここで出てしまいました。前日の調子はよく今日も同じように引ければと思ったのですが毎日毎日体の調子は変わってくるものです。それに自分の状況を理解して把握して合わせることができなかったのかなというのがありますね。緊張した場面で出る癖とか分かっていたのに頭が考えきれなかったです。もっと落ち着いて引けていたら結果が違ったのかなと思うと、落としての責任感が果たせなかったのがすごく申し訳ないです。(射道優秀賞)昨年これをとっているというのもあって動作にも気をつけて、みんなできれいにできるようにと意識して練習してきました。その結果が現れて二年連続で頂けたのはすごく嬉しいです。(意気込み)全日やリーグがあります。まずは全日に向けて今日把握した試合での癖を直して今度こそ自分の調整をきっちりできるようにして男女ともに頑張りたいです」

廣谷
「大事なところで中てきれなかったのは悔いが残ります。結果として3位という結果が取れたことはうれしいことですが前と落の人に支えてもらっての3位なので次はもっと自分が引っ張っていけるようにして順位を取れるようになりたいと思いました。調子としてはあまり悪くはなかったのですが緊張して力んでしまった部分があって自分の思ったように弓が引けないという部分があったのでそこが良くなかったです。(準決勝が日大)意識して勝ちたいと思ってしまってやはり力が入ってしまいました。その結果が4射1中だと思うので悔しいです。(3位決定戦)監督をしてくださった菅さんに『力が入りすぎているんじゃない?』と言われてそうなのかなと思って気持ちを切り替えてやったら皆中できたのでそれは良かったと思います。次どうやって引けばいいのか迷っていたので菅さんの一言で心を決めるというかそういうふうにできたので良かったです。(試合感)前の1年生の遠藤と後ろの3年の佐久間さんが中るというか強いというのは意識としてあったので緊張はしたんですけど信じて頑張ろうというぐらいでした。(射道優秀賞)昨年も取っていたのでもう一回取りたいなというのはあったのですが普段全日本弓道連盟式の体配をしていないので1週間練習してちゃんとできるようになったのは良かったと思いますし大前の遠藤が最後の閉会式でも個人の名前で褒められていたので遠藤の力を借りたところはかなり大きいので次は自分が引っ張って明治の中で一番きれいに引いてるなと言われるようにはなりたいです。(体配の違い)体配をきれいにしようと意識していたので一緒にチームの流れも落ち着いてゆっくりな流れになったりだとかはあったのですが自分の射なのでそこは変わらなかったです。高校がもともと弓道連盟の方式でやっていたので戻ったという感じです。(インカレ)インカレは大きな目標の一つになるのでまずチームの一員になれるようにして出れたなら優勝目指して一本も抜かないぞという気持ちで頑張って引いていきたいなと思います」

遠藤
「先週の全関東での日大との決勝でネームバリューに負けた反省を振り返ってできました。チームとしてはやりきれない部分もあって悔しい気持ちもあるんですけど、なんとか入賞できて射道優秀賞もとれたのでよかったなと思います。(調子は)すごくよかったです。大きく広々と引けたと思います。(全関東からこの1週間意識したこと)今まで安定しなかったので、どんな心境になっても中てられるようにしようと安定した射を目指しました。(全関東との違い)高校みたいな形式でまわりが静かだったので、真剣なモードにならなきゃいけないなと思いました。程よい緊張感をもってできたと思います。(準決・日大戦。意識は)少しはありました。あまり意識しすぎると当てなきゃいけないと悪い方向にいきそうだったので、自分たちの射に集中しました。中てれば勝てるので、相手は関係ないと思って臨みました。(準決勝敗退となった)3位決定戦でチームとしてすごい流れが良くできたので、それが一個前の準決勝でできていたらと考えるとすごく悔しいです。(3位決定戦は皆中を達成)ここで終わりたくないと思ったので、入賞したいと思ったので頑張りました。気持ちの切り替えがうまくできました。(試合後チームでの会話)まず、悔しかったねと話して、でも3位に残れたのでよかったねと話しました。(大前の役割)一本目から勢いをつけていければと思っていました。今回、一本目は抜くことがなかったので自分の役割は果たせたと思います。(今大会の収穫は)大きい大会に出たことがなかったので、前回の全関東、選抜と出て両方ともいい成績が残せたので自信になりました。(射道優秀賞に輝いた)弓道人としてすごく嬉しいです。的に中るよりも射型がきれいと言われたのですごくよかったなと思います。来年も、明大が取れたらいいなと思いました。(課題)この調子を安定させたままインカレまで続けることとそれ以上に精神的にも、大事なところで中てられるように強くなっていきたいです。(インカレの目標は)優勝したいです」