
リーグ戦無敗の法大に惨敗 連敗を喫する/関東大学2部リーグ戦
「悔しい」の一言に尽きた。1、2番手が負けて、ゲームカウント0─3と後がなくなった明大。3番手に登場したバンタム級の内野は、身長とリーチの長さを生かしたボクシングが持ち味だ。1R50秒にはそのリーチの長さを生かし、距離をとって左ストレートを決め、良い試合展開を予感させた。しかし第2・第3Rは「対策されてしまっていた」(内野)と、相手に距離を詰められ、自身本来のプレーを貫くことができない。積極的にフックやボディーを狙っていくも、決定打がないまま、結果は判定負け。「メンタルの面でもフィジカルの面でも負けた」(内野)と悔しさをにじませた。続く4番手に登場したのはライト級・永山純礼(農4=いわき秀英)。序盤から攻めの姿勢を見せ、1R21秒、得意の左ボディーを決めると、続く1分15秒にも左ボディー、1分39秒には右フックを決めていくなど、格上相手に物怖じしないプレーを見せた。しかし、やはり相手はライト級の全日本ランキング8位の実力者。「相手の上手さが出ていた」(永山)と第2R以降は相手のジャブやボディーに圧倒され、技を決められない。全日本ランカー相手に善戦を繰り広げるも、悔しい敗北。「もっと強引にいけた」(永山)と肩を落とした。
気持ちで勝たなくてはならない。チームとしての課題として挙げられたのは、気持ちの強さだった。「気持ちの面で負けたら終わりだ」(永山)と言うように、他校に比べて選手数が少ない明大がどんな相手よりもひとつ上に立つためには、一人一人の気持ちの強さが重要となる。今回、明大はミドル級の選手を出すことができなかったが、次戦は全階級の選手をそろえて出場する予定だ。悔しいリーグ戦連敗とはなったが、次につなげるための課題を見つけた試合となった。
リーグ戦は次回が最終節となる。次戦に控えるのは、昨年6─1で勝利した専大。4年生にとってはこれが最後のリーグ戦。なんとしても白星で飾りたい一戦だ。チームが見据えるのは「全勝での勝利」(内野)。有終の美を飾るためにも、一人一人が自分の力を最大限発揮することが勝ちへとつながる。すべてを尽くし、強い気持ちとチームワークで勝利をつかみ取る。
[垣内萌恵]
試合後のコメント
星野隆監督
「人数が少ないので、明治のメンバーを相手はわかっています。3戦やってきて、あの級の選手はどういう相手に強いのか弱いのかを見透かされています。なので、相手は今まで出してきていない選手を出してきています。明治のボクシングという、離れて手を出していくスタイルですが、法政はくっついて叩くというやり方で、それにやられました。くっついて手を出す選手に、明治は弱いなと読まれていました。米澤の相手も、前は下の階級の選手でした。それが上がってきて、米澤とやりました。防ぎようがなかったです。その中でも工藤は勝てたんじゃないかなと思います。そこから歯車は狂ってきちゃったかなという印象があります。まずは工藤から点を取ってトントンといきたいところですが、今日は初めからこういうスタートを切ったから、なす術がないということですね。完敗です。平成国際と終わった時には、法政の方がやりやすいと思うから、点が取れると思っていました。(ミドル選手の不在は)今回、法政の森脇は2部では一流に強い選手なので、もう間に合わないなと。痛い思いをさせるよりは最終戦に頑張ってもらいたいと思い、高梨と松田を出しませんでした。次、誰かが出られなくても、松田を米澤のクラスに下げさせて出れば、最終戦は誰一人欠けることなく戦えるので、ミドル級は出さなくてよかったと思います。最後のミーティングでは、最終戦に向けて勝とうと、みんな意識が上がってきていました」
内野
「(試合について)悔しかったのは第2ラウンドと第3ラウンドです。悔しいと言ったら全部悔しいんですけど、3ラウンド目は特に。完全に自分のボクシングができなかったです。自分のいいところが全然出せなくて、思い通りにやらせてくれないというか。あと、力とか、メンタルの面でも、フィジカルの面でも相手に負けたなって感じで、悔しいです。自分のボクシングの良さである身長、リーチを生かして距離をとってそこからうまく戦っていくような感じだったんですけど、距離を完全につぶされて、本当にやりづらくって、自分にとっては苦手と言ったら苦手なタイプでした。でもそれを対処できなかったのが悔しいです。向こうは自分が出場することがわかっていて、向こうはたくさんバンタム級の選手がいっぱいいて、自分が予想していなかった選手を使ってきて、でも、誰が来ても本当は戦えなきゃいけないんですけど、思ったより対策されたなと思いました。(どういう気持ちで臨んだのか)法政は、去年1部から降格してきたチームで、レベルの高いチームだとわかっていたので、でも全然勝機はあると思っていたので、本当に勝ってまわりを驚かせてやろうと思っていて、リーグ戦前にもミーティングで勝ちにこだわってやろうって気を引き締めてたんですけど、結果0─7で負けてしまって、本当に悔しいと思います。まだまだもう1段階上じゃなきゃダメだったんだと思います。(ミドル級の選手がいないという不利な状況でどういう思いで戦ったか)正直、試合に選手を出せないというのは悔しいことで、自分としては出てほしかったんですけど、そこはもうしょうがないとしてこのメンバーで頑張って戦っていこうと。行けるな、とは思っていたんですけど、実際、結果はこんな感じだったのでただ悔しいです。(米澤主将について)同期でずっとやってきて、お互いのことはよく知っていると思うので、少しでもサポートできればなあと思って、けっこうアドバイスしあったりもして、今日も試合前にアドバイスをもらっていたし、最後にキャプテンに勝ってもらって、全敗は阻止したいなと思っていたんですけど、結果としてこうなってしまって悔しいです。(次戦について)自分のボクシングをする最後の機会で、ボクシング人生の集大成を、悔いのないように、絶対個人としてもチームとしても有終の美を飾りたいです。チームとしてはもう全勝で勝ちたいです。気持ち良く終わりたいです」
永山
「今日の相手は、国体チャンピオンの選手だったので、周りからは勝てないだろうと思われているのはわかっていました。監督からはケガしないように言われて、でも、自分の中では、見返してやろうというハングリー精神でいきました。なので1Rから自分でいきました。1Rは相手が自分のボクシングに付き合ってくれて、3Rこれを通せばいけるんじゃないかと思いました。でも2Rに、相手の上手さが出てきました。相手の技術があってジャブついて遠くから取られて、相手に対策されていた感じがしました。もっと強引にいけたなと思いました。ダウンを取るくらいの気持ちじゃないと勝てないなと痛感しました。今日は負けてしまったけど、自分からいくことだったり、どんな強い相手にも引かないで、強い気持ちでいかないと、格闘技なので気持ちの面で負けたら終わりだなと感じました。4年生なので、最後に気持ちを見せていきたいなと思います」
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