残り1秒の逆転劇 二ノ宮がグレコで優勝/東日本学生春季新人選手権

2017.06.22
 春季新人戦2日目はグレコローマンスタイルの試合が行われ、98㎏級の二ノ宮寛斗(営2=岐南工)が優勝を果たした。また、85㎏級の深谷允哉(営2=名古屋工)が手堅く1勝を挙げ、3位入賞の成績を収めた。明大勢はメダル数を昨日のフリースタイルと合わせて4つとして春季新人戦を終えた。

 残り1秒の奇跡だった。第1シードとして出場した二ノ宮は初戦をテクニカルフォールで危なげなく突破する。迎えた準決勝の相手はJOC杯決勝でも対戦した出口(日体大)。開始から試合を組み立てるものの攻めきれない展開が続く。第1ピリオドを2―4のビハインドで折り返すと、敗戦ムード漂う残り30秒、相手のパッシブで3―4とすると「何が何でも」と最後まで諦めることなく攻め続けた。試合終了の笛と共に相手のバックを取り2点を追加して逆転。相手のチャレンジも覆らず、まさに起死回生のバックポイントで劇的な逆転勝利を収めた。
 満を持して迎えた決勝、相手はお互いの手の内を知る松本(早大)。先制点こそ相手に献上するも、盤石な試合運びで相手を圧倒。1分50秒に相手のバックを取り、投げを狙うが瞬時の判断でテイクダウンを奪う。そこからローリングで追加点を重ね、4―1で第1ピリオドを終える。第2ピリオドは相手に何もさせず、終盤にバックポイントを取り試合終了。準決勝の苦戦から一転、決勝後の表情からは余裕すら感じさせた。「フリーで負けて、さすがにグレコでは負けられないという気持ちが強かった」。初日のフリースタイルの雪辱を果たし、JOC杯に続いてグレコローマンスタイルで頂点に立った。

 次の舞台は世界だ。前期の試合を終え、8月にはJOC杯優勝で出場権をつかんだフィンランドで行われる世界ジュニア選手権へと参加する二ノ宮。「色んな大学に出稽古に行って周りからの刺激を受けに行く」とオフの日も鍛錬に励む。「一回戦突破を目標に」と挑戦者の心は忘れない。飽くなき向上心と謙虚さで世界に挑む。

[柏崎涼介]

試合後のコメント
二ノ宮

「この大会を優勝したら韓国遠征に行けるということで、とりあえずホッとしてます。新人戦で1位になった人が集まって韓国体育大学で一週間練習する合宿です。とにかく何が何でも優勝という気持ちでいきました。(準決勝は)相手の技で点を取られている訳ではなくて、自分が最初に投げにいったときに焦ってしまい、2回目のがぶり返しを無茶にいってしまいました。もっと冷静に試合を運べたら最後ギリギリの展開にはならなかったかなと思います。最後はもうやばいと思って、負けたくないって気持ちが強かったです。何が何でもって気持ちでいったら、言ってしまえば運良く取れたのでよかったです。結果としては勝てましたが、自分の内容を見直したい試合でした。(決勝戦は)自分は週一回、早稲田に出稽古に行ってるので相手は何回も手を合わせていました。前の試合ではテクニカルで勝ってるんですけど、手の内をわかっていて簡単には勝てない相手でした。勝ち切れたのはよかったかなと思います。バックに回ったところでバック投げを狙っていたんですけど、取れなかったからテイクダウン取ってローリング回せたので手堅くいけました。両スタイル優勝したかったんですけどフリーで負けて、さすがにグレコでは負けられないという気持ちが強かったです。韓国遠征では、グレコの代表として行きますが、フリーの練習をしていいよと言われているので、韓国の選手と合わせて外国人選手に慣れるようにしていきたいです。経験を積みたいです。(直近の目標は)世界ジュニアがあって、グレコの代表としていくので、グレコ中心に練習していきます。グレコの練習は自分で考えられる部分が少ないので色んな大学に出稽古に行って周りからの刺激を受けに行きます。後は、筋力も落ちてきてるので、外国人選手に力負けしないようなウエートトレーニングも積んでいきます。相手も強いので一回戦突破を目標に頑張ります」