
東龍輝 さらなる高みを目指して
ライバル
団体戦のレギュラーメンバーをかけて熾烈な争いを繰り広げている。東の成長の裏にはライバル・藤原竜平(政経2=埼玉栄)が大きな存在だ。藤原は高校時代全国制覇を果たし、鳴り物入りで明大相撲部に入部。対する東は、タイトルを取ったという経験がなかった。入部直後は力の差は大きく、1年時からタイトルを取っていく藤原を見て「悔しかった」。それでも「下半身を強化するトレーニングの練習量は負けていない」と懸命に稽古に励んだ。
結果を残したのは、昨年秋に行われた東日本学生リーグ。立ち合い鋭く当たり、相手を起こす。相手の態勢が伸びあがった後、得意の上手を取り、一気に寄っていく相撲が随所に見られた。
1年間大きなケガもなく励んだ結果、腰が低くなり、立ち会いが強くなったことが東日本学生リーグの全勝につながった。勢いに乗った東は止められない。「チームの誰にも負けたくない」東は藤原を追い越し、エースとしてインカレ優勝に導く。
心身成長
おとなしく、気持ちが弱い性格と評価する東。1年生の夏までは体が他の選手に比べて小さかったことも影響し、消極的な相撲内容が多かった。「流れで相撲を取っていた」。秋頃になり、寮生活に慣れ、食事の量が増加。少しずつ体が大きくなり、15㎏増えた。すると監督から相撲スタイルの変更を打診された。「まわしを取る相撲に変えて、楽に相撲を取ることができる」。それから、東の気持ちの弱さも改善。「自分の形が見つかり、自信につながった」。最も成果が表れたのは全日本選抜金沢大会。強豪日体大に勝利した。
弱点は克服した。あとは失敗を恐れず、相手に向かっていくだけだ。鍛え上げた心技体で古豪を復活させる。
◆東龍輝(ひがし・たつき) 政経2 文徳高 177㎝・108㎏ 目指す力士は幕内の石浦関。試合前の験担ぎは近くの神社にお参りに行くこと。
[髙橋昇吾]
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