
東日本大学選手権直前インタビュー(3)創造学園対談 加藤寛樹×矢澤宗之×池田颯太
――東日本インカレに向けてプレーの調子はいかがですか
加藤「まあまあですね」
矢澤「悪くないです」
――リーグ戦を振り返っていかがでしたか
加藤「一選手としての出来が良くなかったので、まずは自分のプレーの質を上げたいです」
矢澤「ミドルブロッカーとして機能できなかったというのはありました」
――お互いの第一印象はどうでしたか
加藤「矢澤は厳しい中学の出身で、すごくバレーボールが好きな子なのかなと思いました」
矢澤「加藤さんはインターハイ優勝している代で1年からレギュラーとして出ていて、めちゃくちゃ強いイメージがありました」

加藤は明大でも下級生時からチームをけん引する
加藤「池田は静かな子でした。創造に左利きがそんなにいないもんね。結構身長もあっていい逸材が入ってきたなという印象です」
矢澤「(池田の印象)入学前から(創造学園高との)練習試合に出ていて、身長もあって中3の割に普通にプレーしていたので、すごいやつが入ってくるなという印象でした」
池田「加藤さんはすごく面白い人と聞いていたので、すごく面白い人というイメージだったんですけれども、練習中とかはすごく真面目です」
――お互いプレーヤーとしてはどうですか
加藤「創造で心の面での基礎が統一されている部分があって、話していても意見は合います」
矢澤「他の選手たちよりもしっかり高いところを目指してやっているというのがあるので一緒にやっていて楽しいです」
池田「2人とも自分自身のプレーに厳しいですね」
――先輩、後輩として同じコートで戦うというのはどうですか
加藤「矢澤とはかれこれ5年の付き合いになるな」
矢澤「5年目ですね」
加藤「5年目なんですよ。本当にやりやすいですね。同じところでバレーを教わってきているので考えていることも分かりますし」
矢澤「池田が(高校時代に)練習試合に来たりして敵チームにいた時は、ちょっと厄介だなという風に思ったし、味方になって頼もしいというのはあります。加藤さんは元々頼もしい存在ですね」
池田「プレーしていて、ブロックとかもそうですが宗さん(矢澤)とかの方が飛びやすいですね。(創造学園高はブロックの)ステップが違うんですよ。独特で、ずっとそれでやっていたのでやりやすいです。あとは、結構自分がミスした時も声を掛けてもらえるのでやりやすいです」
――明大に進学した理由
加藤「明大は指導者がいなくて、本当に自主性が問われるところです。落ちるのも高いモチベーションでやるのも自分次第です。そういう環境でやってみたいというのもあったので明大に進学を決めました」
矢澤「自分は1年の時の4年生に瀧野頼太(平28政経卒)という人がいて、その人と一緒にバレーをやりたいという思いがあって明治に来ましたね」
――実際先輩のいる環境はどうですか
矢澤「知らない人ばかりのところに行くよりは、話しやすくて教えてもらえる先輩がいる感じなのでとても助かっています」
池田「僕が入ってきたときも結構分からないこととかを宗さんに話も聞けたし、知らない人の中に知っている先輩がいると助かりますね」
――高校時代と今の寮生活を比べてみて
加藤「寮だけだったら創造の方が楽しいよね。携帯と外出だけ。一階が壬生(監督)ハウスで、上はバレー部の寮でした。社員寮を買い取った三階建ての建物で、四階に屋上がありました。(部屋は何人部屋ですか)二人部屋です。後輩とはあんまりならないですね。僕は同期でしたね。今東農大にいる折戸(大志)と同部屋でした」
矢澤「自分は早稲田のセッター、小林光輝です」
池田「僕は一人部屋でした」
加藤、矢澤「まじ、一人部屋だったの。リッチやん」
池田「三階の風呂の前の寮長部屋です。元々は二人部屋だったですけれども、三階の小さいその一部屋が空いていて別れました」
――創造学園高時代一番印象に残った試合はなんですか
加藤「1年の春高決勝ですね。2セット目22点目に小林之紘というセンターの人がケガして、23点目の時に僕に上がってきたんです。その時アウト打ったんですよね。その1点で負けたなという。あの1点を取ったら多分大村工業に勝っていたし、落としたから負けたのだと思いますね。多分一生忘れないですね」
矢澤「自分は加藤さんの代なんですけれども、ベスト4懸けの準々決勝の試合(2014年春高バレー、鹿児島商高戦)で1セット目取られて、2セット目勝っていたんですよ。その試合でこっちが23―22で勝っているシーンで俺が一人時間差をやってネットにかけてしまったんですよね。決まったと思っていたら、自分のコートに落ちているのでびっくりしてしまって。その1点のミスで加藤さんを引退させてしまったというので、とても高校時代印象に残っていますね」
池田「高2の時の春高準決勝、東福岡高戦です。センターコートが初めてで、1、2セット目取られて3、4取り返して、フルセットで流れもこっちに来ていたんですね。みんないけるな気持ちになって、そこから負けた感じですね。勝てた試合でしたし、それに勝てば日本一も見えていたと思うので、準決勝まで行けたというのはうれしかったですけれどもそれ以上にあと一歩だったので印象に残っています」
――春高のセンターコートはどんな場所でしたか
加藤「楽しかったですね」
池田「体育館は一緒なんですけれども、試合していても頭が真っ白で1セット目とかやばかったです。とりあえず打つみたいな」
――高校時代の壬生監督との一番の思い出はなんですか
加藤「あの人絶対ほめないので、高校3年やって春高で負けたんですけれども、最後『よくやった』と言ってくれた時にはなんか怒られてばっかりでしたけど本当に胴上げしたかったなと思いました」
矢澤「俺がめちゃめちゃ落ち込んでいて、どうしようもなくへこんでいた日があったんですよ。次の日教官室にいきなり呼ばれて、怒られるのかなと思ったら『お前が辞めていってしまう夢を見てな』といきなり言われて『今は厳しいだろうけれども、お前が変われば勝てるから』と言われたんですね。その話を聞いてしっかり変わろうと決心もついて、しっかり目指す方向も定まりました。それが俺の中の先生の言葉で一番印象的な言葉ですね」
池田「泣けますね(笑)。僕は中学が本当に弱いところで。県大会も出たことないし、地区大会で負けるチームでずっとやっていて、そんな中で(創造学園高から)声を掛けていただきました。行ってもすごく怒られて『お前を取ってきて失敗だった、帰れ』みたいなことを毎日のように言われていたんですけれども、卒業するときに3年生を送る会で先生からの言葉みたいなのがあって、そこで『(自分みたいな)無名の選手を取ってきても後悔はしていないし、俺の目に狂いはなかった』ということを言ってもらって、それだけで3年間怒られたのも吹き飛びました」
――オフはどのようにすごしていますか
加藤「寝ていますね。あんまりアウトドアな性格ではないので」
矢澤「おしゃれな喫茶店行って、おしゃれな本読んでいます(笑)。嘘です。加藤さんと一緒で寝ています。オフは体を休める日だと認識しているので、あんまりどこ出掛けたりとかはないです」
――マイブームはなんでしょうか
加藤「ないですね」
矢澤「好きな子と電話することですかね(笑)。嘘です。最近のマイブームは整骨院に行くことです。整骨院に行って、ケアして練習に行くという毎日が続いています」
池田「めざまし占いです。最近不幸に見舞われていて、気分を上げようかなということでおとといくらいにめざまし占いを見るようになりました。1位だったらいいなと思って、気分上がるじゃないですか。(ここ2日の運勢はいかがでしたか)12位と8位です。多分明日はいいのが来ると思います」
――主将としての二人の印象はいかがですか
加藤「助けられていますね。高い志を持って同じ環境でやってきたので、僕がやろうとしていることを一番理解してくれる人だと思います」

加藤も全幅の信頼を置く矢澤
――意識する他大の選手はいますか
加藤「なんでか分からないですけれど早稲田には負けたくないですね。(早大には同じ学校の小林選手もいますが)あいつは関係ないです(笑)。あいつに負けるのもめちゃめちゃ悔しいんですけれど、やっぱり明治は伝統があって、そういう話をOBの方から聞くと勝ちたいなと」
矢澤「いないですね。単純に誰に負けるというのが嫌いなので。意識するどうこうよりチームが勝てばいいかなと思います」
――最後に東日本インカレの目標をお聞かせください
加藤「個人としては春リーグの課題が主将としてではなくて一選手としてパフォーマンスが全然良くなかったので、人のことを気配るより6人のうちの1人としての仕事を果たすというのが目標であり最低ラインだと思います。チームとしてはやっていることは合っていると思うので、それがどこまで通用するかというのはやってみないと分からないので、力を出せればいいなと思います」
矢澤「チームとしての目標は東日本インカレ優勝で、個人の目標としては春リーグ課題だったセンター線の攻撃が他大と比べて少ないというのがあったので、頼られるようなセンターとしてやっていきたいと思います」
池田「チームの目標は優勝。個人の目標はまず1年生なので、プレー以外のチームの下支えをやるということ。プレーヤーとしてはコートに立った時にベストのプレーをして、試合の中で成長できればいいなと思います」
――ありがとうございました。
◆加藤寛樹 (かとう・ひろき) 政経4 創造学園高 188cm・75㎏ 最高到達点は338cm。 ポジションはWS(ウイングスパイカー)、OP(オポジット) 今季は主将を務める
◆矢澤宗之 (やざわ・むねゆき) 政経3 創造学園 192cm・80㎏ 最高到達点は330cm。 ポジションはMB(ミドルブロッカー)
◆池田颯太 (いけだ・そうた) 営1 創造学園高 190cm・75㎏ 最高到達点は335cm。 ポジションはOP(オポジット)
[前田拓磨]
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