東日本大学選手権直前インタビュー (1)セッター対談 鈴木浩大×上林直澄

2017.06.13
東日本大学選手権直前インタビュー (1)セッター対談 鈴木浩大×上林直澄
 記念すべき第1回目は、チームの司令塔であるセッターの鈴木浩大(政経2=山形中央)、上林直澄(法1=東亜学園)の2人の対談だ。同じ山形県出身であり、また同じセッターというポジションの彼らに、東日本インカレに向けた意識やプライベートなどを思う存分語ってもらった。(この取材は、6月7日に行われたものです。)

──春リーグを振り返ってください。
上林 「納得いかないですね」
鈴木 「まぁ自分は控えでしたからね。直澄が頑張って、直澄が崩れた時にちょっと入るだけだったので。本当にこいつ最後まで頑張れないんですよ(笑)。最後までいってほしいんだけど」
上林 「いや頑張りたいんだけど無理なんだよ(笑)」
鈴木 「途中から入るの一番大変だから。直澄がトス上げててまた逆に自分で作り直さなきゃいけないし、スパイカーにも負担がかかるしみたいな。タイプが本当に違いますからね」

──春リーグで見つかった課題はなんでしょうか。
鈴木 「自分は結構ドリブルしてしまうのでそこが課題ですかね。でもこいつ(上林)も本当にかっこつけて攻めすぎてって場面がありましたからね。なんか普通のセッターが嫌いで変わったセッターが好きらしくて『攻めたい』って気持ちが強いんです」
上林 「それが良い時と悪い時と両方出ましたね」
鈴木 「そうだね。逆に俺は堅実に行き過ぎてそれが裏目に出ちゃった」
上林 「硬すぎるんだよ」
鈴木 「そう、硬い。硬い(のを直すこと)が課題」
上林 「(笑)」

──お互いをどんな選手だと思いますか。
鈴木 「こいつ(上林)は結構うまくサボるような選手です。練習とかもずっと後ろの方にいて突っ立っていたりしてます」
上林 「載るんでほんとやめてくださいよ(笑)。自分は先輩(鈴木)の良いところ言えますよ。普通セッターだったらこの点差だからここは上げにくいだとか、この展開だったらここに上げるとか、っていう考えがあるはずなのに、この人は何を考えているのか分からない。敵で試合やっていて良い意味でなにを考えているのか読めませんよね。まあツーアタックのタイミングはバレバレですけどね」
鈴木 「いや、自分も(上林のツーアタックのタイミングは)分かりますけど(笑)」
上林 「実際何も考えてないのかもしれないんですけど、そういうところは強いですね。ブロックする側としては読みにくいです」
鈴木 「(上林は)さっきも言ったように攻撃的なセッターで、ジャンプ力とかもだいぶありますしスパイクも決めますし、自分には全然持っていないものを持っていると思います。今までの明治ではそういう選手がいなかったと思うので、もっと攻撃的になってもいいと思います」
上林 「加藤さん(寛樹主将・政経4=創造学園)より決めるみたいな(笑)」

プライベートでも仲がいいという2人 <
プライベートでも仲がいいという2人

──趣味などはありますか。
鈴木 「サッカーです。ウイイレとか好きです」
上林 「あとバスケです」

──高校ではどんなバレーをしていましたか。
鈴木 「自分はクイックと時間差のコラボレーションを。サイドへのトスを上げていなかったので、真ん中を使った攻撃ばかり使っていました」
上林 「新歓号の取材でも言ったように、東亜学園の速いコンビバレーばかりしていました。スピードというかコンビネーション重視です」

──他の大学で注目しているセッターはいますか。
鈴木 「日体の河東(祐大)です」
上林 「自分の好きなタイプとは違いますね(笑)」
鈴木 「自分は結構好きです。セッターとしてのフォームがめちゃくちゃきれいじゃないですか。あれが好きですね」
上林 「自分は学芸のセッター(内田泰基)が好きです。プレースタイル的には早稲田のセッター(小林光輝)が好きなんですが、自分とプレースタイル被ってしまうので。ああいう攻める形が好きなんですよ」
鈴木 「自分も早稲田のセッターは好きですね。ライトへのトスが全然見えないんですよ。そこは真面目に尊敬します。でも1番は日体の選手です」

──2人とも山形出身ですが、同郷ということで仲はいいのでしょうか。
鈴木 「もうこいつと毎日一緒にいます!」
上林 「いつもくっついてくるんですよ。どこに行くにもくっついてくる(笑)」
鈴木 「まあ自分は高校の時に知っていたので」
上林 「逆に自分は山形裏切った(高校は東京都の東亜学園高に進学した)人間なので。国体も呼ばれないし。こいつ(鈴木)呼ばれたのに」
鈴木 「自分はそんなことしませんからね。『東北の底力』があるんで」
(「東北の底力」と書かれたオレンジの練習着の袖口を見せる鈴木)

──訛りなどは残っていますか。
上林 「自分は元々そこまで無かったです」
鈴木 「逆に自分の方言をバカにしてくる節があります」
上林 「彼はえげつないほど訛りますね」

──なにか山形弁で言っていただいてもよろしいですか。
上林 「『んだ』とかは出ますね」
鈴木 「あと『なんとかべ』とか。お腹いっぱいの事を『はらくっち』というのですが、バレー部内で流行ってるんですよね」
上林「結構地方出身の部員が多いので方言が入り混じってます」
鈴木 「米山(結人・文2=大商大)の関西弁。あれが強いです。でもこいつ(鈴木)は訛りをバカにしてきます」
上林 「んだんだ!」

──方言で会話していただいてもいいでしょうか。
鈴木 「腹減った~。武蔵家(明大前にあるラーメン屋)行くべ!今日なにけ(なにを食べる)」
上林 「(ラーメンの)並く(並を食べる)」
鈴木 「じゃ並食うかぁ(それなら並を食べるか)」
(ラーメンを食べるジェスチャー)
鈴木 「もう無理。腹くっちして終わるわ。もう腹くっちして入んねぇわ」
上林 「腹くっち腹くっち」
鈴木 「じゃあ帰るかぁ。にしても今日寒いなぁ。つったつった(冷たい冷たい)」
上林 「は~つった!やばちやばち(やばいやばい)」
鈴木「ちなみに山形って言ってもこいつは庄内で、自分は米沢です。こいつが山形の上の方で自分は下の方です」
上林「だからさっき言った『腹くっち』も、自分のところだと厳密には『腹くっつぃ』なんです。あと『つったい』も『はっこい』ですからね」

──最近の寮での暇つぶしなどでは何をしていますか。
鈴木 「全当(1、2年生全員が寮の当番に当たること)中なので本当に絵しりとりとかやってますね」
上林 「本当に面白いんですよあれ」
鈴木 「なんかそういう地味なことしかできないんですよね」
上林 「全当中じゃなかったらウイイレとかゲームしてます」
鈴木 「でもしょうもない遊びでもみんないると楽しくなっちゃうんですよね」

──東日本インカレに向けての抱負をお願いします。
鈴木 「どっちがスタメンになるか分かんなくて、まあこいつ(上林)の方が堅いですが、どちらがなってもいいように東日本までしっかり練習して、目指してるのは優勝なので、しっかりタイトル取れるようチーム全員で頑張っていきたいと思います」
上林 「1年生ですが、チームを勝たせられるようなセッターになります。まあ4年生を勝たせたいので、狙うは優勝しかないですね」
鈴木 「かっこつけてますね」
上林 「気持ちだけでも、いや気持ちだけじゃいけないのですが、気持ちがなきゃプレーも乗らないので」
鈴木 「そういうところは自分も直澄くんを見習います」
上林 「自分4年生大好きなので!」
鈴木 「自分も4年生大好きなので!」

──ありがとうございました。

 ◆鈴木浩大 (すずき・こうだい) 政経2 山形中央高 182cm・68kg 最高到達点は320cm。ポジションはS(セッター)
 ◆上林直澄 (かんばやし・なおずみ) 法1 東亜学園高 183cm・73kg 最高到達点は335cm。ポジションはS(セッター)

[杉江夏海]

 第2回目は、米山結人(文2=大商大)と池田颯太(営1=創造学園)による、ライトポジション対談をお届けします。更新は明日、6月14日の予定です。
お楽しみに!