今年初の公式戦 男女共に2位 /関東学生春季大会

2017.06.05
今年初の公式戦 男女共に2位 /関東学生春季大会
今年初の公式戦を男女共に総合2位で終えた。男子は2年連続の2位、女子は2連覇を逃した。柳川由太郎主将(法4=明大中野)は新体制になってからチームの改革に着手。徐々に〝柳川イズム〟が浸透していく中、手応えと課題を感じた大会となった。

 男子は主将の不調を2、3年生がカバーした。柳川は就活のため練習に時間を割けずに大会を迎えたが、そのピンチを後輩たちが救った。浜端瑛(政経3=興南)がSBR(スモールボアライフル)で好スタートを切ると、それに石田裕一(法3=金沢辰巳丘)と園倉乘儒(農2=啓新)も続いた。「3年生とか2年生に支えてもらった流れになった」(柳川)。チーム力は確実に上がっている。
 ルーキーの奮闘が目立ったのは女子だ。今大会は高橋佳伶(国際1=山形県立南陽)と森本怜花(商1=日大櫻丘)が1年生ながらレギュラーに入った。森本は初日のARで11点を出すなどチームに勢いを付け、高橋も得意のARで「もともと強い選手」(永澤瞳・農4=栄北)という期待通りの射撃を見せた。「技術もあり明治に入ってくれてありがたい」(小澤綾香・国際4=笛吹)と上級生も2人の実力に太鼓判を押す。今後も活躍が楽しみだ。

 今年は〝チーム明治〟で挑む。柳川新主将となりまず改革を起こしたのはチーム内のコミュニケーション。下級生が意見を出しやすい「いい距離感」を目指し、4年生が積極的に下級生に声掛けをしている。また、〝成果第一〟を掲げ、無駄だと思うルールは取り除いていった。その結果、3年生を中心に下級生が4年生をサポートするなど協力的な雰囲気に。さらに今大会は出場しない部員が競技中の選手に絶えず声を掛けていた姿が多く見られた。「男も女も関係なく喜べるように」(柳川)。チーム一丸となって戦う覚悟だ。

 粘りの射撃を続ける。大会前のミーティングで柳川主将は「一発一発にこだわる」ことと「最後まで諦めないで撃つ」ことをチームに徹底させた。3位との差は男子が1.3点、女子は0.3点。意識の差がわずかな点差となって表れた。これには柳川も「いい傾向」と手応え。それでも満足はしない。男女共に1位は日大。ほとんどの種目で明大を上回っており、悲願のアベック優勝に向けて絶対に倒さなければいけない相手だ。「みんなの目標をどう上方修正していくか」(柳川)。今回の結果をバネに、さらなる高みを目指す。

[楠大輝]

試合後のコメント
柳川
「(今大会振り返って)点数は出ませんでしたが、それ自体は言い方悪いですけど想定内です。(自分は)一つのことしか集中できないから5月入るくらいまでずっと就活やってました。ただ準備できてない状態の中でも最善を尽くそうと思って、粘って粘って撃ったので最後に決めたりとか粘りの射撃ができたのはすごく評価できるかなと思います。(今大会の流れ)初日の午前中に浜端が3×40を撃って自己新記録を出すいい射撃をしてくれて明治としてはいい滑り出しになったかなと思います。2日目に入ってS60で園倉も大会では自己新を撃ってしっかりつないでくれて、最終日に石田がしっかり決めてくれました。すごい3年生とか2年生に支えてもらった流れになったかなと思います。(チームとしては)全種目しっかり日大に負けてるから、それは絶対ダメなことだし直していかないといけないと思います。いざ春関で日大の力を目の当たりにして、じゃあみんなの目標をどう上方修正していくかっていうのを大事にしていきたいなと思います。(チームの雰囲気)チームづくりとしては基本的にやることやっていればあとはみんなの好きなようにっていう〝成果第一〟です。どうすればみんながいい成果を出せるかっていうのを第一に考えていて仕事とか制度上、無駄なものがあれば省くし、まずは成果ベースで考えてそれに対してルールとか規則にどうアプローチしていくかっていう方針です。それに沿って考えてるから作業効率も上がったり、雰囲気的にも最低限守ればいいことを守れば今までよりはおのおの自由にできるようになったから結構のびのびとできているかなと思っています。そんな中でも本当に3年生だったりが4年生に協力してくれてます。いざ大会に入って『一発一発大切にして、個人の時も団体の時も男も女も関係なくチーム明治で挑みましょう』って話して、みんなそれにのっとってほとんどの時間ブースにいないで撃ってる選手の後ろで応援したり積極的に協力したりっていう姿勢が見れたので、これを積み重ねていけばインカレっていう山場で底力が発揮できて勝てるんじゃないかなと思いました。(上下関係の壁が薄くなったか)主将としては壁を薄くしたつもりはなくて、体育会独特の無意味な壁をなくしました。守ることは守って、いらないとこはいらないってしてるから、しっかり(礼儀を)わきまえた上でチーム全体としていい雰囲気にできたかなと思います。1年生から4年生までみんなが与えられた仕事をこなして最低限クリアした上での関係なので、今までと価値観が変わったという感じです。やることはやっているのでいい距離感かなと思います。(今年のチームの方針は)やっぱり、部員一人一人それぞれ目標があって、狙いたいものもあると思うんですけど、結局それがまとまらずにぐちゃぐちゃになっても一つになって進めないので、それを示していくっていうのはたぶん主将が決めることだし、監督と相談して主将が方向性を決めるものだから、みんないろいろあると思うけど考えた方針通りに進んでいきたいです。みんなの夢をかなえてもらっていいし目指してもらっていいんだけど、ひとまず主将が指す方にも進んでいってほしいなと思います。そのベクトルが一緒の方向に向いていたら嬉しいです。(後輩から意見は出やすくなったか)出しやすいというよりかは俺から(後輩に)聞くことが多くて、俺が今まで会計とかをやったことがないのでそこは知ってる3年生とかに素直に聞きます。そういう姿勢を取り続けているので、3年は3年で『ここはこうなりそうですよ』とか先読みして教えくれたりして、みんなすごく積極的に主体的に動いてくれています。(女子について)女子のチームとか男子のチームとかそういうのは実際何もなくて、俺が今年こだわっているのは〝チーム明治〟なので、男も女も関係なく協力できていてどっちの結果にもどっちも喜べるっていう風になってます。明治としてS40は全体的にレベルは高くはないんだけどみんな同じくらいで競い合ってて、その競い合うライバル心がインカレまでみんなを成長させていって、これからもっと強くなるんじゃないかなと思います。ただ3×20が今回はたまたま3位になれたけど実際そんなに高くないしもっと撃たないといけないです。なんでかっていうと4年生の女子2人は1年生の後半からやってもう3年目に入ってるのでファイナルで何位とか個人で何位とかそんなの関係なくて、明治としていかに点数を稼いでインカレで8ポイント取るかだけが大事だから1試合1試合に慢心せずにもっと4年が引っ張る気持ちともっと撃つぞっていう気持ちで練習していかないと危ないと実は思ってます。劉(炫慈・商2=日大櫻丘)は一人だけレギュラーに入ってるまだ経験の浅い選手でそれをわきまえてるから、これからも慢心せずに練習していくと思うんですけど、4年はここでくじけちゃいけないからしっかりもう一回気を入れ直してもっともっと570、580を撃っていってもらいたいなと思います。(今回の結果)満足しちゃいけないと思います。1位を目指すチームなので。ただ一つ良かったなと思う点があって、初日前のミーティングからずっと『一発一発にこだわる』とか『最後まであきらめないで撃ってほしい』って言っていて、それでみんな粘り強い射撃をしていて、その結果自分たちと3位の差が1点差だったり、0.1点差だったりで2位に競り上がれてた部分があって、そういう一発一発へのこだわりっていうのはうまく響かせることができたんじゃないかなと思います。これを続けていけばインカレの時に1点とか0.1点にこだわれるチームでより実力も上がってたら、高い次元ですごく高度な試合ができるので、いい傾向だと思います。(個人としての修正点)就活で練習量が減った分、これから増やしていかないといけないので、単純に練習量をこれから増やしていこうかなと思います。特別修正すべき点っていうのは見当たらないし、ただ練習量を増やしていけばどうにかなるかなと思いますね。(次戦の目標もアベック優勝か)そうですね。それ以外掲げる意味がないので。やってるからには優勝しなきゃいけないです」

小澤
「(個人の調子)エアーの方が今までの学年くらいに比べいい点数を出したので、今年に入ってエアーは結構練習を積んでいたのでその結果が出たと思います。SBの方はエアーとの練習と両立がうまく出来ていなくて、一番不得意なケーが練習不足で全然当たりませんでした。(女子全体の調子)今年に入って1年生が新しくスポーツ推薦として2人入ってくれて、技術もあり明治に入ってくれてありがたきと思っています。どの学年も平日でも練習に参加してくれていたので練習の成果が今回出たのだと思います。後輩達は学業など慣れない環境で忙しいながらも頑張ってくれたのでそこが今回の結果に繋がったと思います。(今大会に向けての調整)SBの方が3人しかいなくて絶対レギュラーにならないと行けなくて、国体でエアーの方を目指しているのでエアーばかりを練習してしまい、ただ単に練習が積めませんでした。4年で就活などでも時間をとられてしまったのも大きいと思います。(新チームについて)フレッシュな感じというか。去年に比べて全体的に話しやすい環境になっていると思います。自分たちも4年生として、後輩達と話しやすい関係を気づきたいと思っています。そのためこちら側からも積極的に話しかけて行きますし、後輩からも話しかけてくれる雰囲気を作ることで、仲のいいチーム作りが出来てると思います。敬語や、部活と私生活との切り替えはちゃんと出来ていると思うので上下関係が崩れていると言うような面はありません。(次回に向けての目標)今回は2位という結果で良かったとは思っています。全体的に悪いというような事は無くひとりひとりの個人の力というものが出せていたとは思います。次の大きい大会と言ったら秋関だと思うのでそこに向けて頑張っていきたいと思っています」

永澤
「優勝がもちろん一番なのだけれどフルメンバーが変わった中での大会にしては良かったと思っています。スタートとしては悪くないと思います。ARが少し良くなかったけれど新1年生や2年生が頑張っている中なので力は確実に良くなってきています。ARから始まって森本が初レギュラーでやったですがいい流れを持ってきてくれました。緊張感のある中で1年生なのに11点を取ってくれたのは期待が高まりました。SBRでも劉がほとんど初めてだったのにプレッシャーもかかる中で今後伸びるだろうなという結果を出してくれたので期待ができる初日になりました。2日目は小澤が撃って大丈夫だろうと安心して見ていました。3日目は私たちの番だなと思っていました。最初にARの高橋が撃ってもともと強い選手っていうのは分かっていたのですがその中でも団体ということプレッシャーもかかりながら良く頑張ってくれました。あとは私たち次第だなと思いました。今回の2位はみんなで勝ち取ったものです。とりあえずいつも通りやってきなさいと高橋には声かけをしました。粘り強く撃ってくれました。就活とかで忙しい中での大会だったのだけれどちょっとしたところで練習をしたりイメージトレーニングをしていました。でもやっぱり練習量は少なくて不安もありましたがイメージ通りの射撃ができて結果がついてきてくれました。ファイナルは楽しむだけでした。1年生はまだ数ヶ月しか経っていなくて慣れていないのでこれから慣れていって結果も出してもらいたいです。大会が続く中で自分たちが支えて伸ばせるところはしっかりと伸ばしていってほしいです。SBRでも劉の点数が伸びていけばさらに明大はレベルアップすると思います。今回の試合もやっぱり緊張をしていました。でもARでは自信というわけではないのですが緊張も少なくなってきています。一番最後にどれだけいいイメージを持っていくかが今回の課題だったのでそれができたことは単純に自信になります。今までSBRは頑張ってきて結果もついてきているので今のまま頑張ります。でももちろんARもまだまだレベルアップしていかないといけません。今だとAR、SBRが平日週に2回ずつ、土日は大会が近くなるとレギュラーはSBRの時間を増やしていきました。今回はゴールデンウィーク合宿はしませんでした。大会や春関予選が重なってしまいSBR練習という形でやっていきました。去年の先輩二人が抜けたことはもちろん大きいです。抜けてしまうのは仕方ないことなので自分は何も心配していませんでした。私と小澤で引っ張っていかないという気持ちでいます。でもARは下級生が引っ張ってくれています。1年生は入ったばかりで疲労や不安もあったと思うのですがそれでもやりきってくれているので安心しています。でも、できていない部分は自分たちで補っていきます。今年は上下関係に壁がなくなってきていると思います。昔だと言いたいことも言いづらい環境だったのですが今は話やすいです。でも少しゆるくなりすぎる部分もありますのでしめるところはしめていきたいです。大会中はゆるくならず練習中はどんどん声かけをしていけるのが理想だと思っています。後輩たちには分からないところは積極的に聞いてほしいです。できるだけ自分も話しかけやすいようにはしています。この雰囲気を作っいるのはやっぱり柳川だと思います。今回も点数が出なかった人もいますので次に向けてみんなで修正していきたいです。もちろん一番の大きな目標はアベック優勝です。女子の優勝も大事ですけど男子も勝ってみんなで喜びたいです。今回はなので悔しいです。次は金メダルを狙いにいきます。自信がないこともあったのですが今流れはいいので次に向けてさらに調子を整えていきます」