
男子エイトと女子舵手なしクォドがアベックV/全日本軽量級選手権
悲願の優勝を果たした。3年ぶりの優勝を懸けて臨んだ女子舵手なしクォドルプル。スタートダッシュに成功し、500m地点で2位の法大Aと3秒差をつけた。「そこから落とさない」(植松香穂・文4=加茂高)と1000m地点でもこのリードを維持し、レースを通して1位を譲らなかった。残り200mでペースを上げてきた法大Aの追い上げをかわし「もらった」(瀧本日向子・商3=館林女子)と勝利を確信した。そのまま2位の法大Aと1艇身差をつけてゴール。「自分たちのレースができた」(植松)と理想のレース展開で見事3年ぶりの優勝を勝ち取った。
植松は3年前の軽量級選手権の優勝も経験している。大学で初めて出場した大会での優勝だったことから「クォドに思い出がある」(植松)。決勝レースには、当時の優勝クルーである久保奈津美氏(平27法卒)と松岡結氏(平27文卒)が応援に駆け付けた。「もう一度優勝カップを見せることができて良かった」(植松)。4年目最後の軽量級選手権で、再び自らの手にトロフィーが戻ってきた。
男子エイトの岸蹴りとほぼ同時に女子舵手なしクォドルプルが優勝を決めた。その結果を聞いた男子エイトのクルーたちは「僕らもやるしかない」(鎌原康陽・法1=岡谷南)と気持ちを奮い立たせてレースに臨んだ。「脚に疲れがたまっていたが気持ちで乗り越えた」(山吹啓太・営4=今治北)と連戦の疲労を感じながらも女子の優勝を励みに勝利をものにした。
今季最初の全日本規模の大会で最高のスタートを切った。しかしこの結果に満足したわけではない。「この結果に浸り過ぎない」(瀧本)と選手の見据える先はあくまで『インカレ男女総合優勝』。明大の快進撃はここから始まる。
[長沼遼太・藤里陽]
選手のコメント
大久保亮主将(農4=猿投農林・男子エイトクルー)
「女子のクォドルプルが優勝していて新人戦を思い出しました。あの時も本当に同じ感じだったので。女子が勝って『俺たちも勝たなあかんな』って言ってこいでいたのですごい締まったし、うまくいかないことが結構多かったんですけど、決勝が一番いいレースができたのが良かったなと思います。うれしかったです。僕は減量はなくて、どこまでみんなの減量のカバーができるかでした。体重できるだけ落として、平均を下げるための要員だから僕は減量はしてないです。みんなで楽しく勝てればと思います。それまでの過程で苦しまないといけないから、つらいことばっかりだけど、そこの喜びに全力で、練習して向かっていきます」
河井京介(法4=関西高・男子エイトクルー)
「率直にうれしいという気持ちでいっぱいです。7カ月間この大会に出るために減量してきたんですけど、U23の選考からの延長線上でこれにきたので、本当に無事優勝できて嬉しいです。追い付かれても放すという展開が続いてて、抜かれることは1度もなく、正直レース自体は気持ち良くて、いい展開だったとおもいます。明大はエイトを狙いにいくと思うので、僕が意見を出したら、エイトに乗せられると思います。でも、個人的には正直、1年生の時に男子フォアで優勝しているので、男子フォアでもう1度取りにいきたい気持ちはあります。(今後の大会に向けて)全部勝ちます」
川野(男子エイトクルー)
「久しぶりに全日本級のタイトルが取れたのでうれしいです。でも、今大会のエイトはそんなにレベルが高いわけではないのでそこは切り替えて練習していきたいと思います。今日は今日でうれしいんですけど東日本、インカレに向けて頑張りたいです。東日本もそんなに大きな大会ではないですけど、インカレ、全日本を戦う上で大きな意味を持つと思うので良い成績を残して次につなげられたらなと思います」
原勇二(法4=徳島市立・男子エイトクルー)
「女子のクォドルプルと、男子のエイトが両方勝つアベック優勝を、新人戦ぶりにまたできたっていうのがうれしかったです。エイトは8人いるのでモチベーションが高い日と低い日が8人バラバラ。それを一人一人に声かけながら、みんなでやるときはやれるような、モチベーションのコントロールはすごい重視しました。まだ本当に勝つクルーではないかなと思います。まだまだ成長です。(今年は集大成の年になりますが意気込みを)全部アベック優勝。それだけです」
森猛(商4=加茂・男子エイトクルー)
「久しぶりの優勝だからうれしかったです。2年生の11月に優勝して以来、1度も優勝してなかったから本当にうれしいです。おおまかに言うと、最初の方は落ち着いて、後半はぐっと離そうっていうものでした。それが体現できて、500mで少し、1000mでぐっと離して、1500mでまた離すっていうのができたので良かったと思ってます。(点数を付けるとしたら)最近体重を落として動きが鈍くなってきてるから、80点ぐらいです。今回もアベックで、4年目の同期も2人乗ってて、うれしいですね。完全燃焼。社会人ではボート続けないので、灰になるぐらい燃やして、後悔しないようにしたいです」
山吹啓太(営4=今治北・男子エイトクルー)
「優勝を経験するのが初めてなので言葉では言い表せないくらい嬉しいです。観客がたくさんいる中で歓声を自分のエールにイメージすることができたのでゴールしたときに思わずガッツポーズをしていました。自分たちがレースに入るときに優勝していたのでアベック優勝をするつもりで臨みました。自分が勝たせたと胸を張って言えるような選手になりたいです」
松木健汰郎(法3=熊本学園大付・男子エイトクルーリーダー)
「ほっとしています。優勝できてうれしいです。一昨年の全日本新人でアベック優勝して以来のアベックだと思うので、すごいテンション上がって決勝に臨めました。インカレの男女総合優勝が目標なので、そこに繋げられるように、毎大会やっていきたいと思います」
鎌原(男子エイトクルー)
「うれしいです。コンディション的にはあまり良くなかったんですけど、優勝がかかっていて最高の舞台でエンジョイしながらできました。(決勝のレース展開について)レースプラン的には、はじめは他のところに出られても、抜いていくという感じだったんですけど、まあ先に出たんで、そのままキープして、1000M越えてから、もう1回突き放すっていうレースができたかなって思います。目標とするインカレ男女総合優勝には、最低でもA決勝進出しなきゃいけないので、4年生方は強いので、下の方からどんどん追い上げていくつもりで練習して行きたいと思います」
佐藤雅也(営1=本庄・男子エイトクルー)
「僕は1年生なんですけど、4年生の先輩たちと一緒に乗れて、そのクルーで優勝できたのはうれしいです。大学入ってから初めての大会で優勝できたこともうれしいです。エイトのメンバーに選ばれたのはすごくうれしかったんですけど、ここで満足することなく次を見据えて頑張りたいです。今までは引っ張ってもらう立場だったんですけど引っ張っていける側になれるように、頼られる存在になりたいと思います。できるだけエイトに乗り続けたいという目標が達成できなかった場合、乗らせてもらったところで実力を発揮できるように個人のレベルアップに努めていきたいと思います」
植松(女子舵手なしクォドルプルクルーリーダー)
「自分たちがプラン立てたレースに持っていけて、自分たちのレースができたかなと思います。レースプランは500で出る。500メートルで出て相手の背中を見て、落ち着いて冷静に自分たちのレースをしていこうというものでした。500で出れたので、そこから落とさないぞという気持ちで行けたので、それが良かったのかなと思います。500で出た時は本当に『これ絶対勝てる』と思いました。いつ相手が上がってくるかドキドキはしていたんですけど、やっぱり500でパッと出れた時『きた!このままいけば絶対勝てる』と思いながらこいでました。最後接戦になっても、『自分たちのこぎをするぞ』と追いつかれないように大きく大きく一本一本というのを意識しました。明治として、東日本はインカレの選考という位置付けにしています。インカレを見据えて、一人一人が一つの大会も無駄にしないようになっていかないといけないです。今回出れなかったメンバーも東日本に出てきます。期間1ヶ月半あるので、全員で体作りをして筋肥大して、戦える体作りをして結果が残せるようにしたいです。インカレに直結する大事な試合なので、一本もレースを無駄にしたくないので、勝ちを重ねていきたいです」
山田加奈(商4=宇和島東・女子舵手なしクォドルプルクルー)
「結構不安がありました。3年ぶりの優勝になりましたが、私は去年も出てて、取れていなくて。不安あったんですけど、安心と喜びが今一番大きいです。マックスから6~7キロ落としました。食べたいものが食べれなかったので、美味しいもの食べに行こうと思っています。チーズケーキを注文してて、今日この日に届くようにお取り寄せのチーズケーキを頼んでいました。もう届いているので今日の夜食べます」
瀧本(女子舵手なしクォドルプルクルー)
「あまりクォドが得意ではなかったので新人戦ぶりに優勝できてとてもうれしいです。今回は3回目というのもあって、減量もうまくいってて、コンディション作りはよくできていました。これで満足せずに、これからのインカレや全日本に向けて、今回をスタートラインにして、どんどん明治のクォドを強くしていきたいと思いました。とにかくスタートから出て、練習通りのいつも通りの自分たちのこぎをするだけでした。最後のひとこぎは『もらった!』と思いました。このまま行くしかないと。東日本は何に乗るかわからないですが、今までクォドで勝てなかったというのを味わっていたから今回の成績にあまり浸りすぎず、また一から頑張ります」
高橋茜(商2=南陵・女子舵手なしクォドルプルクルー)
「大学生活で初めてクォドに乗らせていただきました。高校まで技術よりはパワーに任せていて、去年、ずっとシングルスカル乗って技術面をカバーしていました。去年シングルスカルで頑張ってきた分、今回クォドに乗って船を進められるエンジンとしての役割として結果に貢献できて良かったです。4人乗りと1人乗りの違いは、1人だと苦しい時に誰も声をかけてくれないから、自分との戦いでしかなくなります。クォドは人数がいる分、苦しい時に声を掛けてくれたり、声を出したり、そういう雰囲気でやれるのは楽しかったです。毎回の練習に自分は成長していると実感できたのが嬉しかったです。この軽量級で自分自身成長できたというのを東日本に向けてやっていきたいです。部全体でいい雰囲気のままつなげていきたいです」
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