
1-0で桐蔭横浜大に勝利 今季リーグ戦初の無失点/関東大学1部リーグ戦
今試合の目標であった〝無失点〟を実現させた。立ち上がりからハイプレスで攻撃の芽を摘むと、明大が圧倒的にボールを支配。前半36分に速攻を許し左サイドからシュートを放たれたが、GK後藤大輝(政経3=大宮アルディージャユース)が素早く反応し死守。最大のピンチを切り抜けた。試合を通して被シュート数は前後半でたった1本ずつ。リーグ戦開幕から5試合、無失点での試合はなかっただけに「無失点で勝てたことはディフェンスラインの自信にもなる」(柴戸海・政経4=市立船橋)。細かい課題はまだまだあるものの、1-0での勝利は今後につながるものとなった。栗田大輔監督から「内容が悪かった」とばっさり切られた前節の東京国際大戦から1週間。練習で行ったのは、栃木SCと浦和レッドダイヤモンズとのトレーニングマッチ。「チャレンジャー精神を取り戻すことができた」(木戸皓貴主将・文4=東福岡)。Jリーグのチームを相手にした練習により、メンタル面での気付き、そして技術面での手応えと自信をつかんだ。
流れを変える一発だった。袴田裕太郎(法3=浜松開誠館)の正確な左足から放たれたクロスボールを櫻井がトラップ。「ツータッチ目で相手が上を消しているのが見えたから、ニアを狙おうと思った」(櫻井)。右サイドから、相手の股を抜き豪快にゴールネットを揺らした。このゴールをきっかけに、勢いに乗った明大。その後も果敢に攻め、シュート数は後半だけで7本。試合全体で目標の12本には届かなかったものの「シュートで終わることによって守備も整えられるし、カウンターも受けにくい」(櫻井)と、ゴールを追求することは堅い守備にもつながった。さらに今試合はエースストライカーの木戸が、復帰後初めてスタメン出場。昨年8月以来のフル出場を果たし「内容はまだまだだが、木戸にとってこの経験は大きい」(栗田監督)。後半29分には、裏への抜け出しから決定的な場面も。得点とはならなかったが、主将であるエースの完全復帰間近を感じさせた。
今度こそ連勝をつかみ取る。「泥臭いプレーで必ず勝利できるよう、1週間準備していきたい」(柴戸)。今試合を勝利で飾ったことで、1位の流経大との勝ち点差はわずか4点。十分に上を狙っていける立ち位置に近づいた。また、次節の駒大戦は集中応援日であるため、明大の応援団やチアリーダーも駆けつける。多くのギャラリーの前で明大らしいサッカーを見せ、勝利を手にする。
[亀井笙子]
|
|
試合後のコメント
栗田監督
「勝てたことはよかったですが、内容がまだまだでもう一つ上のプレーができると思います。具体的にいえば、3人目の動きや距離が遠いことによりイージーな場所でミスをすること、せっかくいい選手がいる両ウィングを経由して攻めていけていないことです。練習でやっていることを実際の試合でもやれるようにしたいです。(この勝ちの意味)普通の一勝として捉えています。この試合に勝ってどう変わるとかではなく、一つ一つきっちりやっていかないと今後につながっていきません。勝ちは勝ちでうれしいですが、まずは自分たちのサッカーがどれくらいできるかです。今日は選手たちが『無失点』という目標を決めていました。シュートも10本くらい打っていたので、あとは内容をどうするかだと思います。(GKの起用)ここ2試合は後藤を使っていますが、いい競争があると思います。あとはどっしりとした頼れるGKになってほしいです。(柴戸をワンボランチに最近はしている)木戸と柴戸のディフェンスの間につながれる土居や金原、中村健を配置することでサイドをうまく使いパスコースをうまく作っていく狙いです。守備の時はどうしてもサイドのスペースを使われることで、柴戸の負担が大きくなってしまいます。なので、守備の時はダブルボランチにするようにしていて、攻撃と守備の時で少しフォーメーションは変わります。(袴田がナイスアシスト)まだまだ足りない部分はありますが、今年は結構使い続けていています。ああいう形でアシストをしてくれたので、自信につながったのかなと思います。(木戸のフル出場)足の状態はずっと試合中も見ていましたが、90分やることに意味があるので、いけるところまでいこうっていうことにしました。内容はまだまだ駄目ですが、木戸にとってこの経験は大きいと思います。あとは内容を上げていく必要があります。でも、よく昨年のケガと向き合ってくれたと思いますし、成長もありました。(前節から練習試合二つを消化し、両方で木戸を起用)出る試合ごとに徐々出場時間を伸ばさせることで負荷を高めてきていて、今日はいけると思い使いました。彼はピッチに立つだけでチームを変えられる力を持っているので、木戸が活躍することでチーム全体も向上してくると思います(駒大戦に向けて)相手がどうとかじゃなくて自分たちのサッカーを追求して質を上げられるかがポイントだと思うので、しっかり準備していきたいです」
木戸
「復帰後の初スタメンということで、早い段階で点を取ってチームを楽にさせてあげたいって気持ちでした。点は決められなかったけど、90分出て勝てたので自分としてもチームとしても自信につながりました。試合が始まった時から『90分やるしかない』って思っていて、自分とか4年生が抜けるのは良くないので意地で戦いました。(昨年の8月以来のフル出場)2回目のケガ後に手術してからは本当に長かったですが、今こうしてみると早かった気もします。それくらい充実した時間でした。(肝と言っていた2つの練習試合からえた手応えは)栃木戦も明らかにチームの雰囲気は良くて、出ている選手が責任や自覚を持ち始めていました。相手がJリーグのチームということで、チャレンジャー精神を取り戻すことができました。それで、チャレンジャー精神を大学相手でもしっかりもって挑むことが狙いでした。そうやって取り組んできたことが実ったので自信になったと思います。ゼロで抑えて勝つという理想的な勝ち方をしたので継続的にやっていかないといけません。シーズン20失点以内を目標にしているのでもう失点はできません。気持ちを見せて、明治らしいサッカーをしないといけません。みんな能力は高いので、もっとできると思います。そこは練習から自分をはじめに追求していければステップアップしていきたいです。(昨年の快進撃との比較)そこに頭がもっていかれがちですが、今年は今年で頑張っていきたいです。1試合の重みを下級生にも知ってもらいですし、今はそれを実感していると思います。そういった部分では先を見ずに、目の前の試合を戦っていかないといけません。結果的にタイトルが取れるような形がいいです。焦りはないです。だけど、勝てていなかったのは変わらないので、危機感を持つことが必要です。(駒大戦に向けて)本当に1週間いい準備をして、見る人に感動してもらえるようなサッカーをしたいです。本当にチーム全員で勝つことにこだわりをもって取り組んでいきたいです」
櫻井
「無失点っていうのは開幕戦からずっと言ってきたんですけど、なかなか達成できなくて。だから今節達成できたことはチーム全体としての自信になったと思います。僕個人としても点を取ったところよりも無失点で終えられて自分たちが試合前から『無失点でやろう』ということを達成できたことの方がうれしいですね。(ゴールの意味)アタッカーとして、結果を残せたっていうところ。僕の使命というか役割はゴールとアシストなので、そこを達成できてなおかつ勝てたっていうことは良かったと思います。(1週間の練習)東京国際大戦のあとに、月曜日に浦和レッズと練習試合をさせてもらった時は、東京国際大戦とは全く違った良い試合内容でした。それがなぜかっていうところを選手たちで考えたので、何があって何が足りなかったのかっていうのを見つめ直すきっかけになりました。大学生相手だとできなくて、プロ相手だとできた部分があったのはメンタルの問題があったと思います。そこでメンタル面を変えて、意識統一できたのが今節の結果につながったのかと思います。(前半はシュートまで持っていけないシーンが多かった)僕らは目標としてシュート12本というのを掲げていますが、前半は2本しか取ってなくて、僕らの感覚としては攻めてはいるんですけど、最後のシュートになかなか持ち切れないという部分がありました。ハーフタイムではそこを修正しようっていうふうになって。(ハーフタイムに修正して)後半にシュートをいっぱい打つことができました。シュートで終わることによって守備も整えられるし、カウンターっていうのも受けにくいので、そこが前半と後半の違いで、勝てた要因かなと。本質はゴールなので、そこを追求できたことが勝ちにつながったと思います。(次節に向けて)集中応援日でいろんな人が見に来てくれると思うので、そこで負けるってことはせっかく見に来てくれた人に申し訳ないですし、かといって特別なことをしようというのはなくて、普段通り明治のサッカーを見せて相手どうこうではなくてしっかり無失点に抑えて勝ちたいです」
柴戸
「相手を見たらもっともっと点も取れましたし、もっと圧倒しなければいけないゲーム内容だったと思います。勝ち点3取れたことは大きいですけど、まだまだかなと思いました。今シーズンは無失点の試合がなかったので、無失点で勝てたことはディフェンスラインの自信にもなると思います。今後の試合にもつながってくると思うので、チームで決めたことに対しての目標を達成できたということはよかったです。チームの雰囲気はだいぶ良くなっていて、全員が自分がやると思うようになってきましたし、声は全体でも出てきて、前回の試合と比べて良くなりましたが、まだまだできると思います。特に声が重要になってくると思います。チームとして質やレベルを上げていきたいです。(浦和とのトレーニングマッチは)浦和に対してチームでやってきたことができました。自信になって今回の勝利にも結びついたと思います。相手に臆せずできたことは自分たちが日頃から積み重ねてきたからこそだと思います。自信を持って今後のリーグ戦につなげていきたいです。(課題は)最後のシュートチャンスに行くまでのパスの質やシュートに対してもっともっとアクションを起こしていかなければならないと思います。守備にしても何度かうまくいい形で奪えたところもあったんですが、疲れた時間帯や相手の流れの時にラインコントロールが遅れてバイタルが空くシーンが多かったです。相手の質が上がった時はゴールに直結するプレーが出てきてしまうのでそこはもっとコンパクトにできるようにしたいと思いました。(次節に向けて)たくさんの方が見にきてくれると思うので、泥臭いプレーで必ず勝利できるよう、1週間準備していこうと思います」
鳥海晃司(商4=ジェフユナイテッド千葉U―18)
「まずは無失点で勝てたということが素直にうれしいです。(桐蔭横浜大への対策は)スカウティングしましたが、先週は大雨だったので正直参考になるシーンが少なかったので、相手どうこうではなく自分たちに目を向けてやりました。(相手の攻撃)もっとつないでくると思ったんですけど、前の大きい選手に蹴ってくるってシーンが多くて、そこはちょっと違いがありました。(現在最下位のチーム)最下位というところには目を向けてなくて、自分たちが必ずどの試合も勝たなきゃいけないというふうに思っていたので。自分たちに目を向けて、というところです。(試合前は)練習で結構いいトレーニングができているので、それを信じてやってるって感じで、悪い雰囲気ではないと思います。(ミーティングなどを通じて意思統一を)ミーティングで話すんですけど、次は負けられないっていうことで週ごとに濃い話ができているし、今週に関しては全員でスカウティングやったりしました。『一体感を持ってやろう』って話しました。(次節に向けて)無失点ができるっていうのが良かったと思うので、これを継続できるように来週に目を向けて駒大戦も無失点で勝てるようにしていきたいと思います」
岩武克弥(政経3=大分トリニータU18)
「ディフェンスラインは『無失点にしよう』と心掛けて入ったので、無失点なのは良かったです。でも、もうちょっと圧倒しないとなっていうのと、もうすこし高めていかないといけないと思います。『後期の明治』って言われているのも、後期になるとディフェンスラインが安定してくるので言われていると思うので、前期でも勝ち点を積み上げられるように、失点なしでいけられるように頑張ります。(無失点にできた要因)やられているところもあるんですけど、最後のゴール前でしっかり体を張れたり、前から攻撃の選手が追ってくれたりしたので今日は助かりました。(試合中監督から言われたこと)回し方だったりとかボランチが寄ってきすぎだったり裏の使い方だったりっていうのを細かく指示してくれていたって感じです。(浦和とのTRM)Jリーグっていう上の人たちとやれることで、モチベーションというか目指すところも変わってきます。大学生とは力の差があるので、寄せの遅さだったりに気づけたんじゃないかなと思います。(東京国際大戦からの立て直し)全体ミーティングがあったり学年ミーティングがあったり、学生だったりというのを毎試合やっていて、そこでしっかり全員が自分自身に向き合えたので、今週はみんながいい方向に向いていたんじゃないかと思います。(ミーティングでは何を)学生だったら、先週の振り返りだったり、練習が本気でやれているのかっていうのを、みんなで話し合って、全体ミーティングでは監督が方向性だったり意思統一だったりをしっかり。(次節に向けて)たくさん応援も来てくれるんで、しっかり勝ちにこだわって連勝できるように頑張ります」
袴田
「自分はアシストできたんですけど、それ以外は相手と距離を詰めるだとか、一対一で負けないだとかの厳しさで甘い部分があったので、まず入りの部分から集中しなければならないと思いました。ディフェンスのところで、自分からまだアクションを起こしていないでそこをもっと突き詰めていかないとなと感じました。無失点は結果としてよかったんですけど、細かい部分でのミスや軽いプレーがまだ試合中でたくさん出ていて、そこは練習からやらないと試合では出てこないので、もっと練習から厳しさを持ってやらないといけないと思いました。相手が背後に走ってきた部分で自分が付くのか、センターバックに受け渡すのかでそこの連携はうまくできていたんですけど、自分とサイドハーフの選手に対しての連携は遅い部分があるので、自分が率先してもっとサイドハーフの選手が楽になるようにやらないといけないです。自分は左利きでキックを武器にしているので、ボール持ったら前向きに相手の背後から見るっていうのを意識してプレーしています。そのキック一発で得点に結び付ければよくて、それを武器として監督にも使ってもらっているので、逆にできないと試合にも出続けられないと思います。そのキックという武器を、アシストやクロスからのゴールだったり、ロングボールだったり、アシストできるようにしていきたいです。(次節は)2連勝に向けて絶対勝たなければいけないです。ディフェンスとして無失点が求められてくるので、ゴール前の厳しさだったり、絶対打たせないとかクロス上げさせないとか厳しさを練習から突き詰めて、試合を完封して勝てるようにしたいです」
関連記事
RELATED ENTRIES