下級生が奮闘 夏への課題が明確に/ジャパンオープン(50m)

2017.05.22
 表彰台こそ届かなかったものの、若い力が存在感を示した。2日目に行われた400m自由形では、石井茉宏(情コミ2=筑波大付)が4位、吉田冬優(政経2=淑徳巣鴨)が7位に入り、2年生コンビが健闘。さらに個人メドレーでは400mで村田翔(法1=淑徳巣鴨)、最終日の200mで溝畑樹蘭(政経1=報徳学園)が入賞を果たし、1年生ながら堂々たる結果を残した。

400m自由形 石井・吉田がアベック入賞
 2年生が男女で強さを見せた。2日目の女子400m自由形に登場した石井は、予選タイムを0・4秒上回り4位に食い込んだ。これまで大舞台での決勝になると、周囲の独特な雰囲気に飲まれて大幅にタイムを落としてしまうことが多かった石井にとって「予選より少しでも上げれたことは力がついてきている証拠」と自身の成長を実感。初日に3位入賞を果たした800m自由形に続く表彰台とはならなかったが、手応えは十分につかんだ。
 一方、同種目の男子では吉田が0・12秒差で決勝への切符をもぎ取ったが「残っても2本全力で泳ぎ切る体力がない」。結果以上に、2レース目のタイムを立て続けに落としてしまっている現状を課題に挙げた。それでも日本、さらには世界トップレベルの選手たちと戦う機会を逃すことなくものにできたことは、今後につながる収穫材料となった。

ルーキー溝畑 200個メで6位
 最終日、男子200m個人メドレーに出場した溝畑はインターハイで同種目3連覇の経歴を持つ実力者。この試合へ向けた調整練習は全くしていない中でも、萩野(ブリヂストン)、瀬戸(ANA)らビッグネームのそろう決勝に6位で駒を進めた。前半から積極的に攻めるレース展開を目指したが、結果は2分1秒26と目標のインターナショナル選手標準記録に1秒以上及ばず。「このタイムでつまずいているようじゃ話にならない」とトップ選手との差を改めて痛感させられることとなった。
 大学生になり2カ月、環境の変化に「ストレスを感じている部分もある」と溝畑。新しく始めたウエイトトレーニングや夏に向けての泳ぎ込みを積む前段階として「まずは大学生としての生活リズムをしっかりつくること」が最優先だ。同じくルーキーの村田からは「200mで彼(溝畑)が、400mでは僕がインカレで優勝できるように」と、すでに個人メドレー黄金期を期待させる頼もしい一言。焦りは禁物だが、心身ともに水泳に集中できる基盤を確立した上で、さらなるレベルアップを図りたい。

 4月の日本選手権からわずか1カ月で迎えた今大会だが、おのおのが夏に向けての課題を再確認し、実りある3日間を終えた。だが、あくまでここからが正念場だ。まずは6月初めに行われる法明立定期戦で、インカレのレギュラー枠が争われる。特に背泳ぎ、個人メドレーでは部内競争が激しくなることが予想されるが、選ばれる各種目3人の精鋭に学年は関係ない。結果が全ての厳しい世界で切磋琢磨(せっさたくま)し、チーム全体の士気を高めていく。

[横手ゆめ]