
東京国際大に1―1 連勝ならず悔しい引き分け/関東大学1部リーグ戦
出鼻をくじかれた。「(試合前の雰囲気は)どこかフワッとしていた」(木戸皓貴主将・文4=東福岡)。前半9分、相手にボールを奪われると、マークにつけ切れないミスから先制点を献上。「連動する守備ができない時間があった」(柴戸海・政経4=市立船橋)。スペースが空き、相手に突破を許してしまった。また、早い時間帯での失点により、明大の流れをつくれなかった。前節は0-2からの劇的勝利を収めただけに「もう一回危機感を持ってやらないといけなかった」(木戸)。しかし「どこかでスキがあったり集中力の無さから生まれてしまった」(柴戸)。その「スキ」が命取りとなり失点につながった。今試合の被シュート数は5本と少ないだけに、一つ一つの「スキ」をなくしたい。今季リーグ戦5試合で先制したのはわずかに1試合。苦しい試合展開が続いている。
追加点が遠かった。相手ディフェンスの間から土居がオフサイドラインすれすれで抜け出すと、袴田裕太郎(法3=浜松開誠館)のパスを受けキーパーと一対一に。右足で巻いてゴールを決め、失点後の早い時間で同点とする。しかし「前半にもう1点取れていたら試合の展開は変わっていた」(土居)。同点弾の後も前半は相手の陣地でプレーする時間帯が多かったが、結局ネットを揺らせなかった。後半終了間際には渡辺悠雅(営3=横河武蔵野FC)が左サイドからグラウンダーのクロスを上げ、こぼれ球を佐藤亮(商2=FC東京U-18)が押し込んだが、決め切れず。試合を通じてボールを持ちパスを回す時間が長かったものの、結果的にこの試合放ったシュート数はわずかに5本。「きれいなサッカーをしようとする形にこだわり過ぎてしまった」(土居)。ペナルティーエリア付近に持ち込むものの、そこからセットされた相手の守備を崩すことができなかった。「後手に回っていて、足が止まっていた」(栗田監督)と運動量不足も露呈。まずはチームとして、形よりも人数をかけて前に向かい、決定機を逃さずにゴールという結果を残したい。
次節は真価が問われる一戦だ。相手は現在最下位の桐蔭横浜大。「絶対勝たなければならないし、勝ちが最低条件」(柴戸)。明大の目指す「いい守備からいい攻撃」を実現するために「スキ」を見せずに完封することや前を向いてシュートを決め切ることが求められる。「応援の選手やサブの選手とチーム一丸となって戦っているので、ピッチに立つ選手は一試合一試合全力を尽くし絶対に勝つ」(土居)。言葉通り総力を挙げて勝ちにいく。
[渡部伊織]
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試合後のコメント
栗田監督
「今日内容が悪かったので、よく引き分けだったなという感じです。単純に後手に回っていて、足が止まっている印象でした。とにかく動かないと勝てないし、人も動いてボールも動いてどんどん背後を狙っていくようなサッカーをしていかないと得点に結びつくようなプレーはできません。シュートも少なく、マイボールになった時にやり切ることや、行くべき時に行くってことが足りなかったと思います。失点はカウンターで取られてはいけないところで取られてしまいました。(完封がないことについて)もちろんずっと無失点を求めてやってきているので、早く無失点にならないといけません。(次節は)明治らしいサッカーができるように切り替えます」
木戸
「今日のゲームに関しては非常に情けないです。課題を改善できていなく、自分に対して腹立たしいです。雰囲気としても内容としても負け試合でした。自分たちのスキが失点につながりますし、この間の東洋大戦も勝ってはいるけど2失点しているので、このチームにスキはたくさんあります。なので、自分中心に厳しくやっていかないとズルズルいっちゃうので、もう一回自分自身とチームに目を向け何か良い影響を与えていきたいです。負けなかったってことを前向きに捉えてこの一週間で立て直していきたいです。(チーム全体として気持ちにスキがあるのが一番の問題か)そうですね。練習は嘘をつきませんが、その練習が甘く、まだ弱い集団だと思います。明治は勝たなきゃいけないので自分がしたいプレーとかでなく、チームにプラスになるプレーをやっていかないと勝てる試合も勝てないと思います。犠牲心にもう一回目を向けていかないといけません。(試合前の雰囲気は)監督からも言われたんですけど、どこかフワッとしていました。前節で良い勝ち方をしたからこそ、もう一回危機感を持ってやらないといけないのに浮ついていました。まだ一勝しただけなのに勘違いしているようでした。そこは自分に責任があります。5節が終わってこれから仕上げていかないといけないので、焦りというかやることやらないとこういう結果になるっていうことを一人一人が理解しないといけません。本当に『これじゃ駄目だ』っていう危機感を持たないと、ズルズルいきます。ここで踏ん張って1つでも勝てればいいと思います。(試合を通して運動量が足りなかったことについて)失点シーンもですが動けていませんでした。なぜかは分からないので、そこは本当に話し合わないといけません。みんな良いものを持っているのに生かせていないのが一番のウィークポイントだと思います。次節は同じ結果にならないように練習で突き詰めいかないといけません。そこから逃げずに向き合うことが一番大切です。課題が出たのならその解決をするよう頑張ればいいだけですから。これ以上離されたら優勝もないし、他のチームも明治は大したことないって思ってしまうと思います。勝った中で課題を見つけられるようにしたいです。(相手からもいけるぞって雰囲気は感じたか)そうですね。昨年から明治に対してどこもガツガツきているのは分かっていたんですが、相手に自信を持たせてしまいました。明治にどこかに勝てるだろうって思ったり、誰かがやってくれるって思っている無責任な人もいると思います。でも、このままじゃ絶対に優勝はできません。今日は絶対勝たないといけないゲームだったのですが、下を向くことが一番駄目です。本当に前を向いていかないといけません。(先発復帰への思いは)やっぱりもどかしい気持ちはあります。もっと自分が出る時には同点やビハインドの状況なので、自分がいなくても勝っていってほしいのが一番の願いです。でも、もちろん先発で出たい気持ちもとてもあります。勝てていないのでなおさら気持ちは高ぶっているけど、サブでも仲間を信じないといけません。最初から出る11人が責任感を持ってやってくれれば絶対勝てると思います。明日からある練習試合もしっかりやっていかないといけません。自分はスタメンとして出る気持ちはあって、練習試合でパフォーマンスを上げていけば来週はスタメンでいけるということを監督にも示せると思います」
柴戸
「オフェンス面はやはりゴールまで行くシーンがなかなかありませんでした。その手前まではなんとか良いシーンが作れていましたが、ゴール前の迫力だったりゴールへ向かっていく姿勢や勢いの怖さがまだまだないです。だからそういう面は練習からもっとゴールに向かう姿勢をチーム全体でやっていきたいと思いました。ディフェンス面は失点のシーン以外はやられているという感じはありませんが、得点したのは自分がマークしていた選手だったので、責任や申し訳なさを感じます。あとはやはり連動していく守備ができない時間があり、そこで相手にペースを握られたので連動する守備をもっとチームで統一したいです。今回の試合は、前節に逆転勝利という形で勢いに乗っていて絶対勝とうという気持ちが大事になってくることは試合前にも言われていました。絶対勝って勢いに乗ってやろうという強い気持ちで入れました。そこで引き分けだったということは残念でしたが、もっと完成度を上げていきたいと思います。チーム状況はやることが明確でないと感じていて、それが結果につながっていると思います。だから良いチーム状況とは言えませんが、そこが合ってくればこのチームは良くなるし、伸びしろがあると思います。立ち上がりでの失点してしまうことはどこかでスキがあったり集中力の無さから生まれてしまった。だからあのような失点は絶対なくしていかなければ勝てる試合も勝てなくなると思います。(最終的に得点できなかったことについては)点が取れないと試合には勝てないので、ゴール前の精度は立ち上がりからずっとチームの中で課題になっているので、質と回数を上げて精度を高めていきたいです。今日の課題は、オフェンス面はゴールへの迫力や姿勢、追い越していく動き、連動した動きが少なかったことです。さらにボール持っている選手を見てしまっているシーンが多かったので、もっと連動して味方とつながって攻撃していきたいです。ディフェンス面は連動した守備がまだまだできていないと思うので、もう少し整理してチームで統一して前線から守備していきたいと思います。次節に向けて、絶対勝たなければならないし、勝ちが最低条件だと思うので今回引き分けでしたが負けなかったことをポジティブに捉えて次の試合も絶対勝てるように練習します」
鳥海晃司(商4=ジェフユナイテッド千葉U-18)
「立ち上がりの失点がすごくもったいなかったという印象でした。(雨というコンディションは)リスク回避のために前に蹴るシーンがすごく多かったんですけど、つなげる場面も結構ありました。(5節連続で失点について)単純にディフェンスライン4枚とボランチで守るのがベストですが。甘さというか責任感のなさがちょっと出ているのかなと思います。(試合後に)僕らで話したのは、4年生がもうちょっと引っ張っていけないとダメだっていうことです。監督からも『勝ちたい意志が伝わらない』と言われました。4年生が勝つという空気を作り出すことで、チームはそういう方向になっていくと思うので、もう一回自分たちに指先を向けて学年で話し合ってやっていきます」
土居
「(得点シーンについて)ちょうどボールが相手の間に落ちたので、うまいタイミングで狙って抜け出しました。キーパーと一対一の状況で右足で巻いてファーに決めました。(試合は)立ち上がりに不用意なつまらないミスで失点してしまいました。その中で早い時間帯に追いつけたのは良かったと思います。前半にもう1点取れていたら試合の展開は変わっていたと思います。相手の陣地でサッカーをすることを特に前半ではできていましたが、パスを回すだけになってしまって最後のペナルティーエリアに入ってのスルーパスやきれいなサッカーをしようとする形にこだわり過ぎてしまいました。それがパスを回すだけになっているのかなと思うので、もう少しサイドに振ったり一人一人かわしてシュートを撃ちにいったりすることが明治には必要だと思います。ゴールのチャンスはあるので守備陣が守ってくれている分、攻撃陣が点を取らないといけないと思います。攻めではもっとゴールに向かっていければ、シュート数も増えると思います。もっと結果にこだわらないといけないと思います。(相手の守備は)セットされていたのでパスは回せるけど中に入っていけませんでした。もっとゴールに向かわないといけないと思います。(雨の中のプレーは)ディフェンスラインやキーパーは取ったら蹴るということを徹底しました。攻撃では雨の中でもつなぐ意識はありましたが、トラップミスがありました。ピッチコンディションが悪い中でも普段と同じサッカーをやらないといけないと思います。その部分はまだまだ雑だと思うので改善しないといけないと思います。(次節は)やりたいサッカー像である「いい守備からいい攻撃」を実現させるために、まずは失点しないこととパスを回すだけにならないで攻撃は奪ったら前に枚数をかけて決め切ることが必要だと思います。応援の選手やサブの選手とチーム一丸になって戦っているのでピッチに立つ選手は一試合一試合全力で戦って絶対勝ちます」
中村健人(政経2=東福岡)
「個人としてサイドは初めてでした。求められているプレーはサイドでチャンスを作ることでした。明確でしたがそれ以上に何かやらないとこれからスタメンに起用されないと思ったので求められていること以上に縦への突破などを意識しました。(サイドより中でプレーしていた意図は)中にタイミングよく入ってプレーすることでチームの流れを良くするつもりでしたがチームの流れが悪く、また右サイドでボールを回すことが多かったのでサイド展開しないとDFが引きつけられないと思いました。だから自分があえて右サイドに寄ってボールを受けて左サイドの袴田にパスを出したり、左サイドのスペースを空けることを意識していました。雨だとパスが少しずれたり、技術ミスが目立つと思うので、後ろからつなぐことができるのか心配でした。シュートで終われなかったりペナルティーエリアに入り込めないシーンが目立ったのは相手のDFというよりも自分たちのパスの質やスリップや雨で濡れていることが合わないことが多かったです。だから崩しに関わろうとしすぎて肝心なゴール前で手薄になってしまった部分が多かったです。(今日の課題は)個人だと得点に絡めてないということともっと起点になってチャンスを作り出さないといけないと思いました。(次節に向けて)スタメンで起用されるように今週頑張ることと自分の課題である守備はこれからも徹底してやり続けようとお思います。また攻撃ではまだまだ点が取れていないので得点にこだわってやっていきます」
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