シーズン開幕前インタビュー ~4年生~ 上田晃輝、百合草春男、由良沙優花

2017.05.13
 〝Ⅴ6〟への挑戦が始まる。昨年の府立(団体インカレ)で最多タイ記録となる5連覇を達成した明大拳法部。今季、百合草春男主将(文4=愛知県私立桜丘)を筆頭に史上初の6連覇達成を目指す。昨年の原田優介(平29法卒)、玉置裕也(平29文卒)のダブルエースが抜け、チーム内のレギュラー争いは激戦区。5月14日にシーズン最初の大会を迎える選手たちに今季への意気込みを伺った。

<上田晃輝・法4=立城北>

――シーズン最初の大会を迎えます
最上級生になって、やっぱり自分がやらないといけないという思いがすごい強くなった部分があります。それで最初の試合なので、絶対優勝して良いスタートを切っていけるように頑張りたいと思います。

――チームの状態はいかがですか
少しずつですけど、自分が勝つために何ができるかというのを考えられるようになってきています。それでもまだ足りないところがいっぱいあるので、そこを埋められるように、4年生が引っ張れるようにしたいです。(個人の状態は)すごい良くなってきているんじゃないかなと僕の中では思っています。できてないこともあるので、そこをどうカバーしているかがキーになってきますね。

――リーグ戦は7人制になります
今は誰がレギュラーになるのかは分からないです。みんなすごい頑張っていて、バチバチしているなと思います(笑)。(イチ推しの選手は)最近だと3年生の松本(松本崇雅・文3=初芝立命館)と2年の佐藤力哉(文1=愛知県私立桜丘)が良くなってきていて、やりづらいなという感じです。

――昨年は自身にとってどういったシーズンでしたか
もうだめだめでした。何をするにも全然上手いことできなくて。練習でも自分の理想の動きができずに、勝ちも付いてこずで、すごい悔しい1年でした。今年1年は良い思い出にできるように頑張っていくしかないです。

――一番印象的な出来事は
良い出来事ではないですけど、去年は手術をして迎えるというのが最初で、後半から復帰したんですけど、復帰しても上手いこといかなくて…動かない脚をどう動かせばいいのかとか、同時に気持ちもつくっていかないといけないですし、そういう面ですごい考えさせられました。

――その苦労から得られたものは
今までの努力とは違って、ケガしてからの復帰というのが僕は初めてで。手術自体したのも初めてですし、それがどれだけ辛いことかいうのが分からなくて、筋力もすごい衰えて、ちゃんと生活できるように歩くといったところから始まりました。そこから筋トレして、自分の前動いていたスタイルに持っていくという積み重ねを勉強できたと思います。そういう意味で去年のだめだめだった1年はすごい大きかったですね。

――昨年の4年生の先輩が部に残してくれたものは
自分が絶対に勝ちたいという、その思いはすごく強かったと思います。そういうところは尊敬できますし、後輩に付いてきてもらえるようなリーダーシップも去年の4年生は本当にすごかったです。(刺激を受けた選手は)どの方もすごいですけど、僕は永里先輩(平29政経卒)です。一般生で入ったにも関わらず、活躍して優勝するキーマンになって。あきらめずに努力して、得意なところを伸ばしてそこで勝負していくというのは先輩から吸収していきたいと思います。

――オフシーズンではどんなことに取り組んできましたか
1本を取れるというのを目標にしてきて、動いてフェイントとか色々と技の面ではやってきました。あとはビデオを見てどうしたらいいのかと、上手い選手のを見て研究したりします。(体力、精神面では)きつい練習をやるので、その時に自分が最上級生なので自分が一番できないといけないというはありますね。後ろ向きには考えないように前向きに自分がやるというのを常にやってきたつもりです。

――技術面での成果は
まだまだ行き届いてない部分が多いですけど、少しずつやりたいことは出てきています。(現在は)右拳をしっかり当てれるように意識しているのと、踏み込む前の駆け引きであったりとかですね。

――6連覇へのプレッシャーはありますか
自分も絶対強くならないと6連覇には絶対つながらないと思いますし、同時に下の底上げも大事だと思います。下への声掛けも意識しながらやってはいるつもりなんですけど、まだまだできてないと思うことはあるので、自分も高めつつ、下も高めつつキャプテンの負担を減らせるように考えてやっていかないといけないです。

――今年のチームカラーは
結構選手に偏りがないので、誰が飛び抜けてというのもないですし、自分が1年生だった頃よりは、わいわいと締めるところは締めてみんな目標を持ってやっているので雰囲気はとてもいいのではないかと思います。

――百合草主将はどんな人ですか
すごい部活のことを考えていて、それを見て自分も考えさせられますし、練習もする中でただ強いだけじゃなくて、本当に頑張り屋です。練習外の時はガラッと変わってとても面白いんですけど、練習になるとスイッチが入りますね。誰が見ても一番頑張っていると思いますし、みんなに頑張っている姿を見せられるすごいキャプテンだなと思います。(4年生同士)まだ連携が弱い部分もありますね。もっと気付いて動けるようになれば、練習メニューも全員で考えて百合草の負担も減らせると思います。練習により集中できるようにそこはみんなで頑張ってやっていきたいです。

――大会までのチーム全体の課題はございますか
相手のこともビデオ研究をしないといけないですし、試合の時にベストコンディションで臨めるようにしないといけないですし、あとはどれだけ集中力や気持ちを高めていけるかに尽きると思います。

――最後に意気込みをお願いします
出たところでは負けない、絶対に勝つ、あとは自分の目標にしているスタイルをしっかり貫いて終われたらいいかなと思います。優勝して、自分も全部勝つのが理想です!

――ありがとうございました

◆ 上田 晃輝(うえた・こうき)法4 立城北高出 176cm・69kg

<百合草春男・文4=愛知県私立桜丘>

――新体制になって初めての大会です
初めての試合になるので、どんな感じになるのかなという心境ですね。実際不安は多いですけど、わくわくしています。

――チームの状態はいかがですか
良いとは思っているんですけど、とりあえず今回の試合で結果が出るか出ないか、どんな試合ができるかというのが1個ですね。(個人的には)ご想像にお任せしますが、良いと書いておいてください(笑)。100%です。

――レギュラー争いが激しいように見えます
やっぱり去年レギュラーで活躍してた原田先輩、玉置先輩、永里先輩が抜けたので、その分激しいです。(イチ推しの選手は)1年生はすごい元気がありますし…みんな、みんなです!

――昨年はどういった1年間になりましたか
去年は名古屋の全個人では負けてしまったんですけど、メキシコ大会で海外にも行けましたし良い経験ができたと思います。団体戦だと引き分けはありましたけど負けてはいなくて、年間通して負けがなかったというのは収穫になりました。

――印象的な試合は
府立じゃないですかね。優勝したのはもちろんですけど、来年は自分たちがやらないといけないというのもあの時に強く感じたのでそういう意味でも印象に残っています。(普段の練習では)自衛隊の方たちと練習して、そういうのが刺激になりましたね。自分まだまだだなと感じさせられることが、自衛隊だけじゃなくて他のチームとやることで足りないことも見えたと思います。

――海外での経験はどう生きていますか
ルールとかも微妙に違ったり、やっぱり日本の武道なのでプレッシャーはあったんですけど、そういうのに対応できたことは自分の中でプラスになりました。

――昨年の先輩方から吸収していきたいことは
活躍した人も、それ以外の人もみんな努力していました。そういうところを後輩が見てる人は見ていたと思うので、練習以外の努力という面で大きいものを残していってくれたと思います。(特に刺激受けたのは)僕は原田先輩ですね。練習以外でも良くしてもらっていましたし、思い出深いです。

――昨年の府立が終わった時点で来年は「このままのチームでは勝てない」とおっしゃっていた
やっぱり試合で勝ててないというのが一番でした。個人の能力、一人一人の自覚がまだ足りないと感じていたのでそこを今やっている段階です。(そこから主将に就任)主将はOBとか先輩とかが決めます。実際に言われたのは府立前でした。

――主将になって芽生えた自覚はありましたか
一人だけじゃなくて、周りも見ないといけないですし、コミュニケーションが取れているのかと心配になることは多いです。今40人くらいいますけど、その中でコミュニケーションを取れる主将が理想ですね。ミーティングとかはやっていますけど、僕の足りないところはコミュニケーションだと思っています。あとはキャプテンとして一番練習をやるのは当たり前だと思っています。一番練習をやって勝つに尽きますね。(言葉でも言うし、背中でも見せる)そうですね、高校の時は見せてればいいや、1人でやってればいいやと思っていたんですけどやっぱりそれは違って。自分から声を掛けたり、周りに助けてもらったりしないといけないです。

――チームづくりの面で意識していることは
新体制が始まった時に感じていたのは、個人の能力が足りていないと思った時に自主性が大事だと思いました。練習は何するかを自分で決めたり、毎日の練習で今日はこういうことをやろうという目標を持ったり、声掛けをしたりするという自主性を「俺が言うんじゃなくて、自分で考えろ」と。自分で考えた方が確実に強くなれるので、全員に考えさせることを一番苦労しました。(厳しさもある)自分が言わなきゃいけないところは言います。チーム全体でも盛り上がらない時だったり、やる気ないなと思う時は言うようにしています。

――スローガンはありますか
みんなには言ってないですけど(笑)、僕の中では「自主性」というのがやっぱり大事だと思っています。なので「自主性」でお願いします。

――4年生同士では
他の部活に比べたら人数は少ないですけど、見えないところはあるので僕の目が回らない時は同期に助けてもらっています。僕より後輩と話すのが上手い人もいますし、僕自体が話すのは得意というわけではないので、フォローしてくれるのは本当にありがたいです。

――オフシーズンでの取り組みはどう振り返りますか
例年通りトレーニングとか、去年はトレーニングを多めにやってしまったんですけど、今年は技術的なこともたくさんやってきました。(具体的に)パンチですね。オフ期間ではもう1回基礎を徹底しました。トレーニングは色んなことをやって、全体的にもちろん体は鍛えるんですけど、一番は気持ちですね。例えば自転車で最後追い込んでみたりとか、それで気持ち的にも鍛えられたと思います。

――今重点を置いていることは
トレーニングよりかは技術的なところをやっていますね。教えてもらったことを見返したりとか、自分の中での基本に立ち返っています。(取り組みの成果は)見えてきてる部分もありますけど、またこれできてなかったというのもあるので、それでまた目標を立ててやるようにしています。

――6連覇へのプレッシャーはありますか
6連覇と考えると、6連覇ってきついなと思うので、府立を優勝しようと。連覇とは考えずに今年の全国を優勝しようという気持ちでいます。練習の時は考えますけど、やっぱり重圧と思ってしまうと重圧になってしまうので。(考え込むタイプではない?)内緒です(笑)。でも家で1人になってふとした時にこれで今合ってるのかなと思うこともありますね。やっぱりキャプテンになってチームのことを考える機会は増えました。

――今年のチームの強みは
ずっとオフ期間、強化練習の時から自主性という自分で考えるということをやってきたので個人個人強くなっていると思います。一人一人の自覚は負けていないと思います。

――チーム全体の課題は
課題は山積みです。…嘘です(笑)。でもその時になってそれ直ったけど違うとこできてないというのがありますし、考えるのができてる人もいるし、できてない人もいるので。全員が何をやるべきかをいうのを考えて、それが全体に広がっていけば強くなれます。

――リーグ戦まで、残り日数でやっていくことは
僕がチーム全体に声を掛けて盛り上げていかないといけないです。追い込み期間はもう終わったので、あとは気持ちをみんなで一つにするというところです。

――最後に意気込みをお願いします
優勝が目標です、頑張ります!

――ありがとうございました

◆ 百合草 春男(ゆりくさ・はるお)文4 愛知県私立桜丘高出 175m・68g

<由良沙優花・法4=城東>

――4年生最後の年をどのような気持ちで望んでいますか
直近の目標は今週末の東日本リーグ戦で優勝して今後への弾みをつけたいと思います。

――昨年度を振り返っていただいて
後輩がケガなどでなかなか練習ができず、女子部として活躍することはまだまだできなかった年だと思います。自分自身も未熟なところがありました。でも現段階ではとてもいい状態なので最終的には府立でベスト4に入れたらと思います。個人の目標としては今年が最後の年なので、各大会で優勝して後輩から絶対的な存在でありたいです。

――チームの状況はどうですか
選手それぞれに課題はあります。でも、目標は府立で勝つことなので選手全員が同じ方向に向かって頑張っていると思います。そしてその成果を東日本リーグ戦で出せたらと思います。
――オフシーズンに取り組んできたことはありますか
女子選手は昨年度、ケガが多かったのでもう少し筋力をつけることを意識しました。また、体重を落としてより動けるようにしようと。強い選手の動画を見て、技を盗めるようにも努力しました。

――イチオシの選手はいますか
2年生の小野塚です。彼女は格闘技経験がない状態で拳法を始めたんですけど、伸び代がすごくてまだ1年しかやっていないのにとても強くなりました。とにかくストイックで努力を怠らないのでこの先が楽しみであり、自分が抜かされないようにと気が引き締まる思いです。

――今年の女子チームを一言で表すと
女子部はどちらかというとみんなで頑張る感じなので、「お互い助け合ってつなぐ」という感じです。先輩後輩関係なく、自分よりも勝っている部分がある人にはいろいろ聞いて、足りないところを互いにつなぎ合わせていきたいです。

――最後に東日本リーグ戦への意気込みをお願いします
東日本リーグ戦は優勝するしかないと思っているので、勝ちだけを見て戦っていきたいと思います。

――ありがとうございました

◆ 由良 沙優花(ゆら・さゆか)法4 城東高出 166m

[土屋あいり・藤田幸大]