
法大にSO戦の末勝利 2年ぶり決勝進出/関東学生春季1部リーグ戦
激闘を制した。土壇場で2-2の同点に追い付かれ、流れは完全に法大の中、迎えたSO戦。「SOといったら迷わず塚田」と宮田知監督はそれまでゴールを守った野井辰真(法1=伊予)と代えて、塚田を起用。1人目には決められるも、「平常心で」と2人目以降はゴールを割らせなかった。さらにシューターもこの活躍に呼応する。太田陸登(理工2=今市)が1番手の大役を見事に果たすと、2番手の鵜飼聡太(政経1=丹生)も1年生とは思えない落ち着きを見せてゴール。練習からSOの準備を重ねたことが結果として実を結んだ。
久々の出番だった。今季は野井の台頭によりベンチを温める時間が多かった塚田。それでもここ一番で結果を残し、意地を見せた。「ライバルだけどうまいなと思う」(塚田)、「尊敬している」(野井)と互いに認め合う2人。GKの成長が2年ぶりの優勝への歩みを加速させる。
まるで別チームのような差だった。前半21分、谷光未有(法4=天理)からの縦パスに「個人的にもチーム的にも良かった」と千原がタッチシュートで先制を決めた。さらに前半30分にも、松山隼也(政経3=丹生)が難しい体勢から追加点を入れ、積極的な姿勢が功を奏した前半だった。しかし「最初から飛ばしすぎた」(谷光)と疲労が見えた後半は足が動かずパスミスが目立ち得点できず。前半の姿は影を潜め、課題が残る攻撃となった。
次戦は強豪・山梨学大との決勝。リーグ予選では激戦の末3-2で勝利したが、山梨学大は山﨑晃嗣が日本代表遠征から復帰。以前より手ごわい相手になることは間違いない。それでも「自分たちのホッケーで勝ってみせる」(谷光)と優勝への思いは強い。持ち味の“超攻撃的”ホッケーを貫いて、昨年の忘れ物を取りに行く。
[楠大輝]
試合後のコメント
宮田監督
「トータルで勝って決勝に行けたから良かったです。2点先に取ってそこからもう1点取れれば相手が戦意消失したんでしょうけど。そこを取れなかったのが大きいのと、主力3人がケガしているので、交代要員の駒不足でベンチワークがきつかったです。せっかくピッチに立たせてあげても実力通りのプレーができなくて、引き気味で弱腰になっている人もいました。それが1年生じゃなくて上級生だったからちょっと情けないところがあるなと思いました。でもそこはしっかり2週間やればいいかなと思います。法大はライトのFWの9番と11番がスピードがあるしテクニックもあるので、1年の橋本(岳樹・文1=山梨学院)がディフェンスについて対面に与えました。今日は1年の3人、鵜飼(聡太・政経1=丹生)と橋本とキーパーの野井(辰真・法1=伊予)に助けられました。SOは先々週から日々、昨日もみっちり練習はしてました。ピッチ上のゴールキーパーの守りは野井の方が安定しているんですけど、SOは塚田の方がでかいしうまいので、 SOといったら迷わず塚田でした。次戦は山梨学大、実力的にはフィジカル面やスピードはあっちの方が上か知らないですけど、ドリブルをどんどんボールを弾ませながらでも前にみたいに突っ込んでくるだけなので、自分たちが持っている力を出せれば勝てる相手だと思います。あとはケガ人が早く治って、ベンチワークをもっと楽にしてくれればと思います」
小池コーチ
「2点先制できたのが良かったかな。テーマとして“超攻撃的”を掲げていたので、前半から積極的にいけていた。後半追い付かれたが、試合全体としては良かったです。1年生の野井、橋本、鵜飼の3人が落ち着いて頑張ってくれました。逆に4年生がもう少し頑張ってくれれば、引き分けにならずに済んだ試合でした。ケガ人が多いので仕方なかったけど。次の試合までは時間があるので大丈夫だと思います。法政に対して特別な意識はなかっですた。確かに昨年この大会で負けましたたけど、練習試合ではいい試合ができていたし、自分たちの積極的なホッケーができれば大丈夫だと思っていました。ただ立ち上がりの動きが少し硬く、終盤も勝ちを意識して選手たちは硬くなってしまいました。そこは次に向けての課題です。次の試合はPCが大事になると思います。相手も先週とは戦い方を変えてくると思いますけど、うちは変わらずに序盤から積極的にやっていきたいです」
川村敬亮主将(政経4=今市)
「自分はケガしてて試合もそんなに出ていないので、今日はチームメートに救われて、みんな頑張ってくれた、みんなに感謝という感じですね。とりあえず勝てて一安心というところもあります。ゲーム内容的には前半はいつも通り先制点も取れていい明治の流れで2-0と勝って折り返せた中で、後半の立ち上がりから終わりにかけてずっと攻撃が単調になって、自分たちの流れというよりは法政の流れで進んでしまった結果がラストプレーにつながってしまって。もうラスト何秒かわからないけど、同点に追い付かれてしまったのはゲーム内容的には今日の一番の反省点かなと思います。いつも試合に出ているメンバーがいない状態での試合だったので、宮田さんたちもどの選手をどのように使うか悩んだと思う中で、みんな全員頑張ってくれたなと思うのでキャプテンとしてみんなに感謝ですね。今年から1年生が7人入った中で試合に出てる子もいて。1年は思い切りやってくれたら全然いいので、それを先輩である自分らがフォローするという形で今までやってきたので。自分も1年生の時はわがままにじゃないですけど、思い切りやらせてもらった部分がありました。そういう面で1年生も思い切りできるから活躍できているのかなと思いますね。自分の中ではキャプテンである以上、試合に出るからには試合が始まる時からコートに立っていたいという思いは十分にありました。でも今日は先発では出られない状況だったので、自分はプレーしていないから声を出すことしかできないと思っていました。ベンチにいて外から見てるときは選手たちに何をしてあげるかが大事で。選手はプレーに集中してるから声を出せる部分が少なくなると思うので、声が出ないという場面で自分がしっかり声を出して全体の雰囲気を良くすることも考えていてやってました。どうしても静かな試合になると雰囲気も悪くなるので、試合全体を盛り上げるという意味でも自分が今できることは声を出すことだったので、とにかく声を出しました。山学は代表に行ってる人も決勝では戻ってくるのでこの前予選リーグで当たった時とは全然違うと思います。この2週間で試合に出た人も出てない人もどれだけ決勝に向けて個人、チームの課題を明確にしてそれに向けて取り組んでいけるかだと思います。あと宮田さんが今年で監督終わりということをチーム全体が知っているし、4年生も学生の春リーグ最後の試合が決勝という舞台で迎えられるので、しっかり優勝して春リーグをいい形で終われると同時に宮田さんにも優勝をプレゼントというのもおかしいですけど、宮田さんが監督しているときにまた優勝させてあげたいので、自分たちのためでもありますし、宮田さんのためでもありますし、優勝します」
谷光
「前半に2点取れて良かったですけど、後半は最後の方に一気に同点に追い付かれたので、体力的な面で最初から飛ばしすぎたなと思います。また、精神的にも押されてたところがあったので、良かったところもあり、それでも反省点の多い試合でした。前へ前へという意識が前半からあって、その結果、体力的に後半はきつくなったのかなと思います。SO戦で負けたくないという思いと、最後のPCを与えてしまったのは自分だったので悔いを残したくないなという思いで臨みました。味方のみんなには決めてくれ、相手には外してくれと願いながら見ていました。自分が外してしまった分、みんなには決めてほしいという思いでした。練習量的には山梨学大の方が上回っていて、日本トップクラスの指導者がいる中で練習をしています。対して明大は練習時間が短く、練習も指導者が付きっ切りで見てもらえるわけではないので選手同士で考えながら普段の練習も行っています。指導者が作り上げたホッケー相手に選手同士で頑張ってきた自分たちのホッケーで勝ってみせます」
千原
「今年のチームは常に前に行く意識を強く持って攻めるという目標を掲げていて、それが最初からできた試合だと思います。ただ最後の方に体力が落ちてきたところで点を取られたのは反省点ですね。(先制点を入れた)毎回タッチシュートを狙っているんですけど、最近は出場機会もあまりなくて結果が欲しい中でいい感じにきれいに入ったので、個人的にもチーム的にも良かったかなと思います。練習ではシュートを決めるのと、常に相手に負けないように試合に出た時に一番活躍できるようにボールを取られないことを一番に考えてやっています。あと自分がボールを持ったらより近づけられるように意識しています。(チームの雰囲気)去年よりもみんなフレンドリーにできています。ベンチにいても、入ってなくても、試合に出ていても楽しいですし、去年以上にホッケーを楽しむという環境が今年の負けないチームの強さなのではないかなと思いますね。みんなベンチにいても声を出せるので。去年よりも点を入れられても声を出し合って一緒にチーム全体で勝ちにいく姿勢があるかなと思うので、そこが今年は追い込まれても勝っていけるのかなと思います。敬亮さんはすごく自分で引っ張っていく感じではなくて、みんなでという姿勢が強く見られますね。2年前の大嶋雄飛(平28文卒)さんと同じ出身なのでそういうところは受け継いでいるのかなと思いますね。ここまで来たからには絶対に優勝したいし、試合に出た時に打点を入れられるいいプレーがまたできるように、まだ2週間ありますけどいい試合できたらいいなと思います」
塚田
「最後畳み掛けられていて流れはあっちかなって思っていたんですけど、1年生3人出ていて、僕も最近試合出れていなかったんで、今日は勝ちたいなと思って頑張りました。SOは1本目止められたんですけど、それはマイナスに捉えることなくて平常心でやりました。SOは結構自信があるというか、練習でも磨いてきた部分ではあったので、チームのためにここは勝ちたいなと思いました。野井は最初入ってきたときはまず反応がいいなと思って、だんだん指示とかも慣れてきて言えるようになって、先週の山梨学大戦の試合見てたら、ライバルなんですがうまいなと思って。自分負けちゃいけないんですけど、さらに伸びていったらなと思います。去年とはチームの戦い方が変わっていますし、流れとかも全然違うので、去年ここで負けたんだなっていうのは少し頭にありましたが、あんまり法政だからっていうのは気にしないでやりました。一回練習試合があったのですが、そのときも自分たちは勝てるなとだけ思っていました。山梨学大も先週とは違う戦い方をしてくると思うので分析して、あと2週間あるのでしっかり練習してやれればと思います」
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