ホームで国士大に雪辱 開幕3連勝/関東学生春季1部リーグ戦

2017.04.24
ホームで国士大に雪辱 開幕3連勝/関東学生春季1部リーグ戦
 ヤマ場の一戦を制した。ホームの和泉体育館で行われた春季リーグ第3戦目の相手は、日本代表選手の玉川を擁する国士大。昨年のインカレの決勝で敗れた、因縁の相手だ。前半開始直後はディフェンスがかみ合わず3点差をつけられたが、すぐに修正しシーソーゲームを展開。後半10分を過ぎると山崎大輔(政経3=熊本マリスト学園)の連続得点を皮切りにオフェンスに火が付いた。そこからリードを保ち続け、最終スコアは29―27。ホームの声援を力に、2点差で宿敵を下した。

 堅守で勝利をつかみ取った。強烈なシュートを放つ国士大の阿部と斉藤を警戒し、ディフェンスの2枚目である山崎と中川翔太(営2=法政二)を前に置いた。一週間常に意識してきたディフェンスでバックプレーヤーを抑えると、相手のロング、ミドルシュートの決定率は9分の1まで激減。さらにこの試合では途中出場の前原大輝(商2=横浜創学館)が好セーブで相手のシュートをことごとく弾いた。「ちゃんと自分の役割を分かって、出たら止めてくれる」(加藤良典監督)と前原を筆頭にキーパー陣の信頼は厚く「キーパーへの信頼あってのディフェンス」(山田信也・政経2=愛知)と、その信頼関係がディフェンス全体の底上げにもつながっている。

 3年生のオフェンスが光った。昨年からサイドで圧倒的得点率をマークしてきた門間優次郎(法3=法政二)は、この試合でもチーム最多の11得点。「厳しいところでも入れてくれた」(加藤監督)と、角度のないところからでも淡々と得点を重ね、攻撃の要としての役割を全うした。同じく3年生の宮崎大樹(営3=法政二)もオフェンシブなプレーで魅せた。自らの得点は4点とあまり目立たないが、好アシストを連発し、ペナルティスローも獲得した。この2人に加え山崎や松本崇雅(政経3=岩国)も要所でシュートをねじ込みチームに流れを呼び込むなど、ディフェンスだけでなくオフェンスの層の厚さも見せつける試合内容だった。

 油断はできない。ここまで法大、立大、そして国士大に勝ち星を挙げ、開幕3連勝。上々のスタートだが、次に当たる早大もかなりの強敵だ。パワーのあるシュートを多く打ってくるチームで、昨年の対戦成績は2戦2勝ながらどちらも1点差の大接戦だった。さらに今回のリーグのスケジュールを見ると、日曜の早大戦から次の試合まで中3日しか休めない。「離すところで離して楽に勝ちたい」と山田。課題である凡ミスやイージーシュートでの取りこぼしをなくし、勢いそのままに4連勝を飾りたい。

[日野空斗]

試合後のコメント
加藤監督

「今日はディフェンスがすごくできました。国士はバックプレーヤーの安倍と斉藤のシュートが強烈で、一線だと打ち込まれてしまう。だから2枚目を高めに置くシステムで今週は対策してやってきて、それがうまくハマってくれました。それで今日はロングとミドルの失点が1点だけに抑えられました。ただ今日ディフェンスはできていたけど、自分たちのミスからの失点と速攻からの失点が多くなっていました。(国士大)やっぱり昨年のメンバーがほとんど残っているっていうのと、フル代表に入っている玉川。インカレで負けている分勝たなきゃいけないっていう気持ちもあるし、先週二連勝できていて良い形でスタート切れて、今回国士勝てれば次にもつながるっていうことだったので。2枚目のディフェンスを高めにする対策は完全にハマって、安倍と斉藤抑えて。(門間)11得点、厳しいところでも入れてくれました。宮崎もかなり良くて、うまくパスをさばいてくれたし、今日はサイドで点を取ろうってことを言っていて、今日は8点取れていて、だからオフェンスでやろうとしていたこともできました。(サイド)相手ディフェンスの真ん中が厚い分、サイドまで散らして点取ろうってことを言っていました。選手たちがそれをやるっていうことに対して徹底してくれたのがよかったと思います。それがディフェンスとしてもオフェンスとしても良い面で出たと思います。ただタイムアウト明けと相手が5人の時に、ミスしてシュートで終われなかったっていうのがあって、それはこれからずっと課題。やっぱり決めなきゃいけないところで決めないと通用しないと思うので。(ディフェンスの活躍)中川と山崎の2枚目が運動量もしっかりして、かなり機能してくれました。キーパーは後半から前原を出して、前原がノーマークシュートを止めてくれて、それで向こうにいきかけた流れをこっちに持ってきてくれた。(キーパーの3人)ちゃんと自分の役割をわかって、出たら止めてくれる。キーパーも含めてコートプレーヤーも全員が自分の役割をわかってコートに立ってくれていて、自分がやらなきゃいけないことを徹底できていて、それがチームとして機能しているっていうことだと思います。練習中から意識させて、自分が声を掛けているのもあるけど、選手自身も意識して考えて練習してくれていると思います。(地力の伸び)正直二連勝したけど力があるかどうかっていうのは半信半疑な部分がありました。でも今日国士にこういう勝ち方をして、力はあるなと、選手達も自信になったと思います。昨年から出ているメンバーが多いから勝ち方をわかっているかなと思います。(後から出てきた人たちも)だから今は誰が入っても機能している状態だと思います。控えから出た子が自分の役割をやってくれているので。まだ発展途上のチームだから、これからまだ強くなると思います。1年生もすごく使っているし、先を見据えて。(早大)早稲田もやっぱり個人能力が高い選手が多いので、そこをどうやって守って、どこで勝負するか。今週一週間練習からやっていきます」

山田
「相手のオフェンスのビデオを結構見てきて、今回はディフェンスのシステムを少し変えて、2枚目をちょっと高くというのを一週間やり続けてきました。前半はちょっとうまくいかなかったんですけど、中盤からみんな徹底できるようになったから突き放されずに済んだんじゃないかなと思います。(昨年のインカレと比べて)相手はキーパーくらいしか変わってなかったんですけど、そのキーパーがあまり僕らのシュートに合ってなかったのでどんどん打てました。オフェンスも昨年よりは迫力がなかったので、こっちとしてもやりやすかったです。僕らのキーパーは3人とも要所要所で止めてくれて、僕らは退場もなかったんですけど、最後キツいところでキーパーに任せることができたので、完全に流れを持っていかれることなくできて良かったと思います。後半は特にキーパーへの信頼あってのディフェンスという感じでした。(キーパー3人)服部(晃大・政経1=愛知)が冷静で安心できるキーパーで、飛知和さん(龍哉・営4=法政二)はディフェンスに合わせて動いてくれるキーパーで、前原は冴えてる時にノーマークシュートとかガンガン弾いてくれるっていう感じで、3人ともタイプが違って、それがすごくいいと思います。(門間)ペナルティも全部決めてくれましたし、宮崎さんもペース作ったり、ペナルティを取ってくれたのも宮崎さんで、得点は4点なんですけどアシストだとかすごく得点に絡んでいて、今日は逆サイドと逆45がすごく良かったです。(オフェンス全体)正45の松本さんも良いタイミングで相手を退場させてくれたり、工藤さん(龍毅主将・政経4=桃山学院)はしっかりゲームメークしてくれて、離すところでスカイ入れたりして流れを奪えて。最後は1点しかリードがなくて、そこで宮崎さんにマンツーが付いて攻めあぐねてた時に青山(稜・農1=藤代紫水)が狭いところのサイドシュートを決めてくれて、勝ち切れました。オフェンス本当に良いです。(三連勝)法政には逆転して、立教はあんまり調子良くない中でも勝ち切って、国士で実力ある相手に対して勝てて三つとも良い流れで勝てているので。次の早稲田は今日調子悪かったみたいですけど、次は松ヤニのとこでやるので、そういう時に強いので負けないように。日曜早稲田と試合やった後に木、金って連戦になるので、離すところで離して楽に勝ちたいです。ここまで離し切れない試合が続いて、イージーシュートだったり自分たちのいらないミスを減らして、そこで離せれば。それができれば全勝優勝も夢じゃないかなと思います」