因縁の相手・慶大に6-1で大勝 開幕戦を白星で飾る

2017.04.17
 開幕戦で慶大を6-1で下した。試合開始2分、谷光未有(法4=天理)がPC(ペナルティーコーナー)で先制を決める。その後にもすかさず追加点を決め3-1で前半戦を折り返した。後半戦は一進一退の攻防が続くが、18分に平井一樹(文3=天理)が4点目を決めると、試合終盤にも2点を追加。終わってみれば6-1と圧勝し、幸先の良いスタートを切った。

 ようやく春が来た。相手の慶大は昨季インカレ初戦で敗れた相手。地力では勝っているにもかかわらず、ここ一番で思うようなプレーができずに4連敗中だった。「慶応にはなんとしてでも勝つ」(川村敬亮主将・政経4=今市)。早過ぎた引退試合となったインカレ初戦。そのピッチに立っていた川村らの慶大戦に懸ける思いは並々ならぬものがあった。そこで1点が遠かった昨年を省み、オフシーズンは“超攻撃的”をチームの目標に。「闘争心を前に出して、ミスしてもガンガン行け」(宮田知監督)と指揮官の思惑通り、選手たちは速いパス回し、リスタートで相手を翻弄(ほんろう)。エース・谷光の先制、平井のハットトリックを含め計6点獲得し「2017年度も良いスタートが切れた」と川村も胸をなで下ろした。3年前の春季開幕戦以来となる慶大からの勝ち星は、チームにとって大きな1勝となった。

 “超攻撃的”を体現する男だ。谷光の先制に触発されたように、前半3分平井が谷光からのパスに合わせ点を決めると後半18分、34分でもこぼれ球を押し込みゴール。勝利へのカギを握るFWは「平井がかなり軸になってやってくれている」(小池文彦コーチ)と評価。その期待にしっかりと応えハットトリックを達成した。「リベンジを果たせてとにかくよかった」(平井)とインカレで外したSO(シュートアウト)戦での雪辱を果たした。

 鬼門の慶大戦を制し、チームは好調。攻撃面だけでなく前田隆昭(営3=丹生)の好セーブをはじめとする守備、そして1年生の台頭とチームは着実に進化を遂げている。だがここからが始まり。「春から優勝を目指してやっていく」(宮田監督)。次戦は学習院大戦。もう一度気を引き締めて関東制覇へ歩みを進める。

[浜崎結衣]

試合後のコメント
宮田監督

「今日は試合開始早々にPCで点数が取れて、順調なスタートが切れました。『慶応戦は絶対負けるな最初からがつがつ行け、慶応だからって引いて守るなよ』とそれだけを指示していました。現場の監督は今年で引退して、小池(コーチ)に現場の采配を譲るつもりなので、俺の最後のシーズンを黒星スタートさせるなと選手たちには言っていたので、選手たちはすごく頑張ってくれたと思います。1年生の橋本、鵜飼、野井あたりがきっちり今日は仕事を果たしてくれたし、今日のようなプレーができるのだから、これを自信に変えてやってもらいたいです。来週の相手は学習院で、格下だけどもおごらずにきっちりと勝ち切ろうと思います。ベンチの入れ替えをしているんだけど、ベンチに入れていない選手には課題を言ってあるのでそこを互いに競い合ってもらいたいです。(中盤を丹生高校で固めることについて)MFがオール丹生高校なんだけど、それはたまたまです。松山と舘と鵜飼とね。横につないで縦に出るという基本的なことが分かっている選手たちで、まずしっかりとボールを止めることのできる選手たちなので。あとはそこに植村がいて、ちょっと就活などがあってトレーニングから離れてしまってはいるんだけどやる気になっているので、この4人で中盤をつくってもらえればなと思います。(超攻撃型のチーム作りについて)もうとにかく攻めろと、受けて立てと言ってあります。闘争心を前に出して、ミスしてもガンガン行けと、だんだん選手たちにも浸透してきたかなと思います。(ルーキーの活躍について)鵜飼(聡太・政経1=丹生)も橋本(岳樹・文1=山梨学院)も頑張ってやってくれて、キーパーは悩んだんだけど野井(辰真・法1=伊予)が一番安定しているかなと思ったので使いました。2年生の塚田も自分のマイナス点を今日確認したので、ここからだと思います。岡本(優大・商1=山梨学院)も柴田(翔哉・法1=石動)もいい感じで、今日もベンチに入れてやりたかったし、来週は考えます。(今後のリーグ戦の意気込み)慶応に最近勝てていなくて、苦手意識もでき始めていたんだけど今日勝って、良いスタートを切れました。来週も学習院にきっちり勝って、上位進出を決めて、山梨学院を八幡山でなんとか倒したいです。決勝リーグにはおそらく法政か東農大が出てくると思うのでとにかく春から優勝を目指してやっていきたいと思います」

小池コーチ
「超攻撃的にいこうとずっと言い続けていたことがうまくできたかな。ただ2点取った後の駄目押しがまだ遅い。そこでゲームが硬直状態なって、そこで強いチームはもう1点を取って3-0にする。まだまだシュートが決まっていないので、それはちょっとFWの課題。ただし1年生が堂々としたプレーをやってくれたので、そこはかなりよかったかな。可能性がある子が多いし、ベンチ入りしてない子でもまだまだチャンスはあるので。今日出ていた鵜飼くん、橋本、野井とかは落ち着いてできていたからこれからもいいかなと思います。(FW)攻撃面だけでなく前線でのディフェンスも平井がかなり軸になってやってくれているので、それは信頼しているので。あとは後半何本かシュートチャンスがあった中で外しているというケースがあるので、冷静に決めてほしい。シュートするのかパスをするのかその辺の選択をもうちょっと冷静に増やしてほしいかな。(チームとして)後半長いパスが多くて、お互いに疲れるようなプレーになってしまったので、そこは冷静につなぎながら前に行く。その中で縦の長いパスがあるという形にゲームコントロールしていかないといけないかな。精度も落ちてくるのでつなぎながら行ったり、そこで空いた中での長いパスというゲーム展開をしてほしい。(就活の影響)そこそこありましたけど、中心の選手は練習できているので。学校が始まっても朝練をしっかりやっているのでその辺はキャプテンはじめしっかりやっていると思います。あとは副キャプテンの前田もしっかりやってくれているのでその辺は大丈夫です。(今後の意気込み)次の学習院を大差で勝って、それで最後山学と予選をしっかり戦って1位通過できるようにこれからもサーポートして指導していきたいと思います」

川村
「今日が新チームの初めの試合だったのでみんな最初は緊張して硬かったかなと思うんですけど、先制点も早い時間帯に取れて結果6-1だったので、2017年度も良いスタートが切れたかなと感じています。1年生はわかんないと思うけど2年生以上は去年のインカレで慶応に1回戦負けという悔しい思いをして、僕ら4年生は入学してから慶応には1勝もすることができずここまできてしまって、全然勝てない相手ではないのに僕らがミスとかで勝てないというのがあって、それが今年新チームがスタートするにあたって初戦が慶応ということがわかった時にはチームの照準をそこに合わせて、宮田監督はじめしっかりチーム全体でもうとりあえず慶応にはなんとしてでも勝つぞという意識を持って今日の試合に臨めたので、勝てて正直ほっとしています。新チームが始まるにあたってどういうふうに守るかとかどういうふうに攻めるかというのを今まで以上にしっかりとチーム全体で理解した上で練習に取り組んで今日の試合に臨めたと思うので、そういうところが勝因につながっているのかなと思います。あとは勝つという気持ちが今回は特に強かったと思います。早い段階で先制点を取れてすごく良い明治の流れで試合に入れたのでそこは一番大きいと思うし、先制点を取った後にもすぐに追加点を取れたというのもまた今日流れを引き寄せられた要因だと思います。後半はシュート数とかを見ても慶応とは結構な差が出たと思うので、基礎の部分とか体力の面で見ても今日は走り勝てたのでそういうところもよかったかなと思います。チームとしては良いスタートが切れてやっぱり初戦勝ってスタートできるというのは良い流れをつかめるかなと思うので、勝ちで入れたというのは良いと思います。でも個人的には今年からキャプテンを任命されてキャプテンというプレッシャーの中でこれから戦っていかないといけない中で、今日のこのスタートというのは自分個人としてはまだまだ課題が残る試合だったなと思います」

谷光
「ずっと公式戦で勝てなかった慶応だったのでチーム一丸となってもう潰しにかかろうと思って、それで結果もついてきたのでよかったと思います。まだ今自分が考えてずっと言って練習でやっていたことがまだ足りない人がいるのでそこが気になったのと、後半疲れてきた時の組み立てがあまりできていなかったので、それは自分からきつい時こそ頑張ってやるというホッケーをこれからしていきたいです。1年生はまだやっぱり大学のホッケーを知っていかないと今のままでは全然できていないので、それは経験を積んで頑張っていってほしいですね。今日はとりあえずDFの考え方とFWの気持ちの部分を重視してやりました。FWでいったら平井が徐々に頭角を現しているけどまだ気が弱い子が多くてまだできていないけど、DFは少しずつ3月よりはだいぶ良くなってきていると思います。PCの練習は春休みの間はあまりできなかったけど、今日は入って頑張りました。これから山学戦に向けて順位決定戦をメインにやっていきたいと思います。スタートとしては結構良いと思います。山学より大差をつけているので、そこは自信を持ってこれからにつなげていきたいと思います」

平井
「慶応に勝てたのはとにかくうれしいです。1年生の時の春リーグ、自分はスタメンで出て自分が外して負けてしまっていたので今日はそのリベンジを果たせてとにかくよかったです。慶応は去年のインカレで自分がSOを外して負けたので特別な思いというのはなかったけれど勝ちたい気持ちはやっぱり強かったです。ハットトリックという形が出たのは本当によかったです。1点目はいつも(谷光)未有さんが出してくれているところにいて来るだろうなと思っていたらちょうどボールが来て決められたという感じでした。運がよかったのかなと。2点目は意識して準備していて詰めるのも早く行ったし、狙い通りのコースにシュートも打てました。3点目はシュートというよりも逆サイドを狙って変なバウンドではねたのをたまたま打って入ったという感じ。これも運がよかったです。未有(谷光)さんとキャプテン中心に具体的な守る時の指針を決めたり攻める時もまずは前へ行くことをFWだと意識してやった結果が点につながりました。できるなら無失点で抑えたかったですが、勝てたのでまずはよかったですね。鵜飼は心臓が強い。橋下は緊張してミスもしていたけれど始めなのでしょうがないかな。昌太朗(久保庭・営1=天理)も緊張して周りが見えていない感じがしましたね。でも鵜飼は緊張も少しはしていたのだろうけれどだんだん良いプレーをしていて頼もしいと思います。自分もまだあと2、3点取れたと思うのでそこを決め切る。あとはスタミナですね。これだけ暑くなってきてDFもFWも走るのがきつくなってきていてまだまだスタミナはつけていかないと。もっとハードにボールを動かしていく練習をしていかなければいけないです。学習院戦は相手をどうやって騙しながらプレーできるかだと思っています。今日は3点取れたけれどもう少し自分の力で点を取りたいです。あとチームでも相手を崩して点を取れたのは半分くらいしかなかったので次は意図的に相手を動かしてきっちり点を取っていきたいです。早いうちに点を取って楽にして全員を試合に出してあげたいと思います。FWだったら自分とかが中心になってまとめていきたいです」

鵜飼
「最初から最後まで明大のペースで進めることができたので、良い試合運びができたなと思います。明大は慶応に最近ずっと負けていると聞いていたんですけど、僕がいるからには勝ってやるという気持ちで試合に臨んだので、しっかり勝ててよかったです。今日は点数が取れなかったんですけど、勝ちに貢献できたのでよかったです。中盤なので、パスで相手チームを崩して、今日の5点目のようにしっかりと崩してきれいにゴールを奪えることはほとんどないと思うんですけど、そういう試合運びをできたら攻撃的なホッケーができると思うので、そこを徹底していきたいです。同期も今日は活躍して、自分のことのようにうれしいです。(リーグ戦の目標)良い活躍をして、ベストイレブンなどに選出されたらいいなと思っています」

野井
「0点で抑えられずとても悔しいです。練習不足でした。(その後は無失点)DFの隆昭(前田)さんとかがしっかりと止めてくれて、そのおかげだと思います。(開幕スタメン)試合に出られたのはうれしいですけど、先輩方とかのゴールを守るのはとても緊張しました。(声出し)思いついたことは言っていきました。いつもより指示は出せたと思います。(公式戦は)チームの雰囲気もいつもより増すというか、ピリピリします。高校は自分が2、3年生から出ていたので上の人がいない中でのキーパーだったので重たい感じはなかったんですけど、今は上級生がほとんどで同期の人たちとやるよりかは責任感が出てきますね。(意気込み)今日の失点したシーンを振り返りながら練習をしたいです」

橋本
「緊張は全くしていなかったんですけど、最初の2回大きいパスミスとトラップミスをしてしまって、そこから先輩たちが点を取ってくれたのでいつものプレーができるようになって、結構うまくいったと思います。今日は足が疲れたんですけど、自分の持ち味は足だと思うのでそこを来週の試合も出られたらそこだけは誰にも負けないように走って、敵にも走り勝てるように頑張りたいです。(足で)アピールとかは考えてなくて、空いているところがあったらもらおうと思っていたので、それがアピールにつながったならよかったと思います。(反省点)慶応のFWのディフェンスがうまくて、中盤になかなか出せなかったです。空いていたのでロングボールを打ったんですけど、結果的にそれがターンオーバーになってしまいみんなを疲れさせてしまったので、もうちょっと落ち着いて裏に返すとかつないで自分と組んでいけるようなプレーをしていきたいですね。あとは最初の2回のトラッピングミスをなくしたいですね。(谷光さんに声を掛けられていた)空いているスペースがあったので上がっていったんですけど、上がって疲れて帰ってこられなくてカウンターされるということもあるので上がるなとは言われました。今後試合に出られたら人一倍声を出して、走って気持ちで負けないように頑張ります」