ギリギリ入賞! 昨年の無念晴らす/全日本学生選手権(クロスカントリー部門)

2017.02.25
 満足の結果だ。前半2走者がクラシカル走行、後半2走者がフリー走行、合計4走者で競う今種目。1走の渡辺瑛仁(政経3=中野立志館)が入賞圏内の7位に位置すると、2走の糸乘佳太(商1=中野立志館)も順位をキープ。3走でバトンを受けた島田正叡(政経4=南砺平)は、最後のインカレにふさわしい激走を見せた。順位こそ上がらなかったものの、後ろに差をつけて、アンカーの渋井洋佑(文4=北村山)にバトンタッチ。渋井は猛者がそろう4走目で3人に抜かれるも、気持ちのこもったラストランで2年ぶりの入賞を手にした。

 全員でつかんだ入賞だ。1走目の渡辺が「不満はない」という走りで入賞圏内の7位で糸乘にバトンをつなぐ。受け取った2走の糸乘は10kmクラシカルから中1日で臨んだため「疲労が取れていなかった」と後半に失速。区間9位とタイムは振るわなかったが、順位はキープ。バトンを受け取った30kmフリー入賞者の島田は「与えられた仕事をきっちりこなす」。エースの名に恥じない走りで、アンカーの渋井に入賞の望みを託した。

 「昨年の悔しさを晴らしたかった」(渋井)。昨年は11位に終わり、入賞を逃した。今年こそ何としても10位でゴールし、2年ぶりの入賞をかなえたかった。渋井は「1周目は控えめに入って、2周目で勝負する」レース展開を念頭に臨むも「1周目からかなりきつかった」。他校のエース級が出そろう4走目。1周目から力走を余儀なくされた。8位に順位を落として迎えた2周目は「気合いでなんとか頑張れた」。力の限りを尽くして、入賞圏内ギリギリの10位でフィニッシュ。「最後にチームみんなで一丸となって入賞できた」(渋井)。全員で大きな1ポイントを手にした。

 島田も会心のラストランを披露した。「僕が頑張らないといけない」(島田)。クロスカントリー部門チーフとしての意地を見せた。「後ろに抜かれて前に追いついた。プラマイゼロの順位だったので、そこは悔しい」(島田)と前の集団と大きく離れていたため、順位こそ上げることはできなかったが、明大勢最高の区間5位のタイムで入賞に大きく貢献した。最後のインカレは目標である2種目入賞に届かなかったが「リレーで入賞できてよかった」と笑みをこぼした。卒業後も競技を続けていく島田は「もっとレベルアップして、全国大会で入賞したい」とこれからの抱負を口にした。

 3年連続総合4位に終わった。今回の大会を最後に幹部交代が行われた。新主将を担う奈良拓実(商3=余市紅志)は「来年こそは表彰台を狙っていきたい」と来シーズンに向けて、意気込んだ。宮崎優也主将(政経4=飯山)は「(今年は)総合3位が手の届くところにきた。本格的に視野を入れて頑張ってほしい」と後輩たちにエールを送った。来年こそは表彰台に明大の名を刻んで見せる。

[古賀章太郎]

試合後のコメント
島田

「後ろに抜かれて前に追いついたので、プラマイゼロの順位だったので、そこは悔しい。区間3位くらいだったらよかった。タイムは悪くはない。後ろが速い選手で、前が2人くらい追いつけそうだった。あと、後ろがぴったりくっついてきたので、引き離そうと考えました。後ろにくっついてきたのが、近畿大学で前の追い抜いたのが、日体大。(順番が回ってきた時は)糸乘君が予想外に抜かれてきたので、前になるべく差を引き締めて、後ろに差を残さないとちょっと危なかった。そこは頑張らないと思った。(応援は)結構聞こえた。大きい声で。それには勇気付けられた。(個人戦ではなく、チーム戦)チーム戦はみんなの力で頑張らないといけない。4人が速くて勝てる競技なので。(コースは)クラシカルは滑れたけど、フリーは滑れなかった。(2周目に入った時に3人と走っていたが)後ろ追いつかれたので、ラスト一周上げてくるだろうなと予測して、その選手についていけば、後ろも勝手に離れていくだろうと思って、粘りました。最後まで付いていけた。(追いかける展開)一周目から飛ばして入って、できるだけ差を縮めようと思った。(前の選手に追いつくのは)難しかった。今日のような良いコンディションでも。前との差は1分くらいだったけど、30秒くらい詰めたけど、追いつかなかった。(今までで4回出場しているが、今回は)特に変わったことはない。自分に与えられた走順を、仕事をきっちりこなすっていうのが、リレーにおいての僕の目標なので。(最上級生として)4人全員強いわけではないので、僕が頑張らないと、後々4走にも響いてくると思ったので。普段の練習でもリレーではなんとか入賞するのを目標に立てて、やってきた。(夏の時から改善は)リレーはやってみなきゃわからない。結果入賞できたのでよかった。(卒業後は)社会人になって続ける。(4年間振り返って)インカレでは3年生が1番結果よかったっていうのが、悔しかった。でもリレーは入賞できたのでよかった。大きい1点です。(これからは)社会人になって、うまく練習環境に馴染むのも時間がかかると思うけど、もっとレベルアップして全国大会で入賞したい」

渋井
「僕は全然ダメだったけど、チームのみんなに助けられてなんとか入賞できたという感じ。スタート前は不安しかなかった。でも3人が良い位置でつないでくれたので、やるしかないなという気持ちでスタートしました。(ラストラン)最後にチームみんなで一丸となって入賞できたので、悔いはない。(自身の走り)走りは全然ダメで、気持ちで走った部分が大きかった。一周目は抑えめで入って、二周目で勝負っていうのを監督にも言われていて、やっぱりレースになると思い通りにはいかなくて。一周目からかなりキツかったけど、二周目は気合いでなんとか頑張れた。去年はランナー陣が明治に迷惑をかけたので、今年はなんとしてもリレーで入賞して、去年の悔しさを晴らしたいというのがあったので、入賞できてよかった。(結果には)満足です。(仲間の走り)今日1走から3走まで応援してたんですけど、やっぱりみんなの走りを見て僕も気合いが入ったので良かったなと思う。(応援)最後の二周目は疲れちゃってがむしゃらで周りは全然わかんなかったけど、一周目はみんなの応援が聞こえて頑張れた。感謝したいです。(来年のインカレ)明治には能力の高い選手がいっぱいいる。1年間しっかり練習すればインカレでも活躍できると思う。頑張ってほしい。来年は総合優勝できるように頑張ってほしいです」

渡辺
「順番は監督が決めたのですが、僕はこれまでずっと1走目をやっているので、そういう部分も考えていたのかなと思う。7番でリレーできた。順位的には悪くなかったが、トップとのタイム差を縮めて二走に渡せればよかった。7番という結果は入賞圏内なので不満はない。(昨年のリベンジ)リレーでポイント取れないというのはあまりないことだったので、不甲斐なかった。今年は10位だったが、(ポイントが)0と1では全然違うと思うので、ポイントを取れたということが良かった。(来年のクロスカントリー部門は)1年生が2人入ってくるが、5人だったのが4人になる。リレーメンバーもギリギリになってしまい、厳しい部分もあるが、他のセクションと一緒に高め合っていきたい。リレーは、今年、10番だったが、次は5番以内を目指していきたい。夏場のトレーニングからしっかりやっていく。クロスカントリーでは上級生が自分1人になる。下級生は大変なことも多いが、気持ちが折れないように支えていきたい」

糸乘
「目標まではいかなかったけど、まあまあそこそこだと思う。来年はもう少し頑張ります。個人的には前半ビビりすぎてスピードを上げた結果後半バテました。前に付いとけばなんとかなるかなって思ったけど、甘くなかった。コースは綺麗なほう。走りにくいとかは特になかったけど、自分の判断ミスで、グリップが甘くて、前のクラシカルも同じこと言ってなにやってんだっていう感じ。こういうのは次に生かしたい。(仲間の走り)少し本領発揮はできてなかったかなというのは思う。疲れたまってるのかなと。(島田や渋井)4年生らしい走りをみせてくれて、社会人になっても頑張ってほしいなと思いました。(初のインカレを終えて)くたびれました。来年は今よりもっと走れる体をつくって、個人では20位以内に安定して入れるようにしたい」