回転ポイント獲得ならず 飛躍誓う/全日本学生選手権(アルペン部門)

2017.02.23
 大回転から連続のポイント獲得とはいかなかった。アルペン最終種目の回転。今季好調で国体の宣誓も務めた関口快(政経2=白馬)、前々日に7年ぶり入賞を果たしたルーキーの仲俣一樹(文1=北部)に期待がかかっていたこの種目。コース状況が悪い中でも明大から4人の完走者を出せたが、誰一人上位入賞は果たせなかった。

 思い通りの滑りはできなかったが、攻めの姿勢を見せた。期待の関口は「なんとかリバースに入れれば」と15位以内を目標として1本目に臨んだ。しかし雪質の悪さもあって「体が固いというか、動きが鈍かった」と28位に。2本目も途中でミスを起こし順位を伸ばすことはできなかったが「攻めていった結果」と清々しく振り返った。

 「実力はある」(宮崎優也主将・政経4=飯山)と仲間からの信頼も厚い関口。しかしこのインカレでは大回転で大きく調子を落とし、不調が続いた。昨年から練習に対しての意識を変え、成績も出し始めていた中でのインカレだったが、三種目いずれも入賞を果たせず。それでも「来年が最後ぐらいの気持ちで」と気迫を込め、「優勝」を目標に掲げた。

 ルーキーの活躍がチームをより強くする。「先輩としての意地もあるので、当然良い刺激になってる」(里野寛太・文2=中野立志館)。大回転で飛躍を見せた仲俣。その姿が上級生に刺激を与えた。仲俣自身も「同じ学校に上の人がいるっていうことは刺激になる」と話す。この好循環を生かし、来年はさらなるポイント獲得を目指すだけでなく「『コンバインドの明治』を『アルペンの明治』って言われるように」(仲俣)。入賞で妥協せず、表彰台を狙いに行く。

[日野空斗]

試合後のコメント
宮崎
「最後のレースになるので、攻めの滑りをしようと思っていた。結果的に悪かったが、そこに悔いはない。ただ、入賞できそうだった関口ができなかったのが悔しい。(関口は)実力はあるので、あとはスタート順とか。ポイントを取ってもらって、来年のインカレに臨めれば、自分の実力を発揮するだけで全然入賞できる。頑張ってほしい。(総合成績4位)3位の日大はランナーが強い。3位に上がるのも目標だが、4位から落とさないのも絶対条件。あとはどれだけ頑張れるか。点差を広げないで来年につなぐことで、来年のモチベーションにもなる。(主将としての1年は)面白かった。学ことも多かった。監督はまあ優しい人ではないので、色々言われたりしたが、社会人になる上で必要なことを当たり前に言われていたと分かった。スキー人生最後を迎えるにあたって、ちゃんと準備ができた。(寮の統率)難しいが、シンプルなこと。甘くするわけではないが、練習できない環境はつくらないことが大事。飲みに行ったり、仲良くすることがいい関係を築ける。そういうことが途中からだが分かってきた。(やり残したことは)寮の生活のことで変えるのを踏み切れないところがあった。次の主将の奈良(拓実・商3=余市紅志)なら、もっと大胆に変えられると思う。奈良は能力的にすごく高い。人ともしっかり話せるし、まとめることもできる。リーダー気質の人で、飲みに行って話したりすると見習うことが多いと気付く。今の3年生もみんな仲がいいので、心配はしていない。(来年期待することは)総合3位っていうのは去年はすごく厳しかったが、今年は手の届くところにきた。実現できると思うので、本格的に視野に入れて頑張ってほしい」

佐藤優大(政経2=日大山形)
「(1本目は)不本意な結果でしたし、タイム。(2本目)順位うんぬんより、自分の滑りをしようと思ってやった。結果的に2本目のほうが悪くはなってしまった。コース、セッティング自体はそんなに難しくないが、コースの状況が良くなかった。そういう中で滑らなきゃいけないのは、自分の実力や今までの取り組みの結果。今日はかなりスタート順での差が激しかった。それでも後ろから上げてきている人もいる。(課題は)ターンの質は悪くないので、上から下までノーミスで降りてくるという確率が低い。(アルペンは大回転で仲俣が入賞)素直にうれしかった。関口が不発だっただけに、仲俣がやってくれたのは助かった。(来年の目標)入賞をしっかり狙っていく」

里野
「コースも結構荒れて、タフなレースだったけど、それでも速い選手だったら、対応できていた。僕の場合、対応できず、思うようなタイムが出なくて苦しい試合だったかなと思う。天候が荒れたけど、いつも通りリラックスして滑ることを意識した。1本目はあまり、速いタイムではなかったので、2本目はもう攻めるだけだった。3種目とも不甲斐ない結果で終わってしまったので、反省点はもちろんわかったし、来年につながるインカレにはなった。昨年は回転競技で14番で、今回は48番。本当に昨年に比べると技術レベルでの進歩はできていない。昔から悪い癖っていうのがあって、腰が下がってしまうとか。そういうのを徹底して直してきたつもりだったけど、今日の試合とかでも腰が引けてしまっていた。そういう面ではまだまだ練習は足りない。(1年前のインカレ終わった時は)来年こそ絶対入賞してやろうと思った。(後輩の活躍)先輩としての意地もあるので、当然良い刺激になってる。(来年の目標)今年度は不甲斐ない結果で終わってしまって、後輩にも良い刺激はもらっているので、来年度こそしっかりポイント獲れるように、夏場からしっかり練習していきたい。(課題は)気持ちの面と技術面。気持ちの面は他の選手とかに負けてるってすごい思っているので、しっかり強化していかないといけない。今回は気持ちの面と技術面を課題として感じた。(来年度は)3年生になって、上級生ということで、しっかり後輩に良いところを見せれるように、確実に入賞を狙っていきたい」

山口晃(営2=日大山形)
「精一杯やって、途中棄権だったので、悔いはない。やっぱり、2本目は少しでもいい順位いけるように攻めようと思ったけど、その気合いが空回りして、足元のタイミングとかが狂った。それで溝に合わなくて、弾かれるような形になった。今日は苦手な種目であったけど、気合いとかそういう技術面以外の部分で頑張ろうと思った。1本目はスタート順が悪かったので、コースも荒れていて、それに合わせて柔軟に滑ろうと思っていた。2本目はどんどん前に前に進めるように滑った。(天候の影響は)僕の場合は運良く晴れてくれて、視界良好な状態でスタートできた。(インカレを振り返って)僕が得意なのはGSで、それ以外があまり得意ではなかった。その種目以外は自分としてもあまり期待していなかったので、その通りの結果になってしまった。GSももう少し頑張りたかった。インカレは2回目だったけど、思った以上の結果は出せなくて、悔しい気持ちもあるので、実力以上だったかなと思います。今回はあまり調子も良くなかったので、行ける気もしなかったけど、なんとか自分を奮い立たせて頑張ろうと思った。来年のインカレまでに少しでもポイントを減らして、スタート順を良くして、インカレで結果を残せるように頑張りたい」

関口
「不甲斐ない滑りでした。調子は悪くはなかったんですけど、合わなかった。雪とか気持ちとか、全体的に合わなかったかな。コースは比較的簡単だったので、1本目でなんとかリバースに入れればと思ってたんですけど、結局入れず。(GSの影響)はあると思う。GSに比べれば雪もそれほど悪くなくて、自分の順番くらいまではもつのかなという感じだった。(メンタル面)そこまで大きくはないかな。自分の技術が足りなかったのかなと思う。1本目からかなり悪かった。自分のしたい滑りが全くできない状態だった。(その原因)少し体が固いというか、動きが鈍かった感じがした。2本目は1本目があの順位で、転ぼうが何をしようがポイントが取れないことは確実だったので、まっすぐいこうと。その中で失敗してしまってという状態だったので、攻めていった結果だから良いのかなって。(大回転から今日まで)なにかやったということはなく、いつも通り。(今季)このインカレだけ調子が悪かったという感じ。それ以外の調子は全く悪くなかったので。インカレだけ雪だったり雰囲気だったりが合わなかったのかはわからないけど、この結果なので合わなかったのかなという状態。(昨年は1本目9位だったが今日は28位)昨年はかなりサバイバルなレースで、安定してゴールする力があったということ。去年みたいな険しい斜面のコースにしても、安定してそれなりのタイムでゴールできるっていうのがある。今年はコースが簡単で転ぶ選手も少なかったりして、そこで落ちたのかなと、まあそもそも技術が足りなかったとも思う。(昨年のインカレと比べて)ポイントを取りたいっていう気持ちが昨年と比べて一番違うところだと思う。(ポイントは仲俣のみ)それはそれで良いのかなと。まだ全日本だったりジャパンシリーズがあるので、そこで勝っていけば良いと思っているので、終わったことだし切り替えていきたい。(来年のポイント獲得に向けて)取るしかないと思っている。(これからやっていこうということ)特になにかやろうとかはない。でも今はまだ整理ができていないので、どうしようかは明確に考えられてないので、これから考えていこうかなと。これで大学の半分が終わって、あと半分。でも半分とはいえ4年生になると就活とかで忙しくなると思うので、本当に来年が最後ぐらいの気持ちでやっていかないとダメだなと思っている。(目標は)当然優勝を目指して。長野県は地元で滑りなれたコースなので、なんとか頑張りたい」

仲俣
「正直悔しい。でもこれが今の自分の実力、実力不足なんだなと感じた。調子自体は悪くなかったので、あとは自分の技術を上げていくだけだなと。今日は結構雪質も良くなかった。前の人たちの溝に合わせるのに苦労した。そこまで難しいセットではなかったので、いけるかなとは思ったんですけど、やっぱり溝に合わせることも難しくてという感じ。昨日同級生がワンツーとって、その波に乗っていこうと思ったんですけど、乗り切れず終わってしまって悔しい。(大回転から今日まで)やっぱり苦手意識のある競技だったので、まずは気持ちを切り変えるのが一番だと思った。昨日は調整でGSからスラロームにイメージ切り替えて、自分の課題を復習しながら練習をした。(関口への意識)やっぱり先輩っていうこともあるし、今シーズン通しても僕だけかもしれないけどライバル意識はあった。ほとんどの試合で負けてたんですけど、毎回悔しくて。やっぱり同じ学校に上の人がいるっていうことは刺激になる。今回たまたまですけど勝てて、自分もレベルアップしているなと思った。(アルペンのポイントが仲俣のみ)数年ぶりのポイント獲得っていうのは正直嬉しいけど、昨日までポイント上回っていた日大に抜かれてしまったので、やっぱり全体の目標である総合3位以内に入るにはまだまだアルペンでもポイント稼げなきゃいけないなとは思う。来年は夏の体力トレーニングからしっかりやって、今年は学校忙しくて雪上トレーニング時間が少なくなってしまったんですけど、それを補えるように陸トレもして、学科の先生ともうまくやっていきたい。(初のインカレが終わった)とりあえず明治大学っていうプレッシャーから解放されたなっていうのはあるんですけど、ここから全日本だったりジャパンシリーズが続くので、またシーズンあるので気を引き締め直してしっかり戦っていきたい。同じ大学生だったり同学年でさえも全然上がいるので、しっかり滑って勝っていきたい。(後輩ができる)ポイント獲得のためにも、アルペンでは教えれる立場になりたい。来年でも良いけど、僕が4年生になるころには『コンバインドの明治』を『アルペンの明治』って言われるようにしたい」