スーパールーキー大暴れ 永峯1位&中村2位/全日本学生選手権(コンバインド部門)

2017.02.23
 ルーキーがワン・ツーフィニッシュだ! 前半のジャンプと後半のクロスカントリーで競われるコンバインドで永峯寿樹(政経1=飯山北)が優勝、中村優斗(営1=飯山)が準優勝を果たした。三ヶ田泰良(政経1=盛岡中央)も9位に入り、計3人が入賞し22ポイントを獲得。永峯はスペシャルジャンプとコンバインドでの2種目制覇を達成した。

独走フィニッシュ
 全てが計算通りだった。大会2日目に行われたスペシャルジャンプで優勝し、好調を維持したままコンバインドに参戦した永峯。得意なジャンプでトップに立ち、後半はタイム差を逃げ切る。狙い通りの試合運びを見せた。「飛んだ瞬間、勝ったと分かった」というヒルサイズ越えの101.0mのビッグジャンプは文句なしのトップ。2位の中村に1分4秒差を付け、クロスカントリーをスタートした。下りが長く、差が縮まりにくい難度の低いコースは永峯の味方に。「余裕を持って走れた」。焦ることなく独走を続け、誰一人先頭を譲らずフィニッシュゲートをくぐり抜けた。
 スペシャルジャンプと合わせて2冠を達成した永峯。しかしスペシャルジャンプは助走路でポジショニングをミスし、思うような飛距離が出ず。「納得していなかった」。反省を口にした翌日に行われたコンバインドジャンプでは、しっかり修正。前傾になり過ぎない、自分の形で踏み切った。「食事制限や減量は特にしない」というが、すらっとした182cmの体躯が軽々と空を舞い、最長不倒を記録。着地の後は思わずガッツポーズが飛び出す、今度こそ納得のできだった。
 飛躍のシーズンだ。世界ジュニア代表に選出された他、W杯に開催国枠で初出場し21位となり、初得点も獲得。「まずはちゃんとW杯に出られるように」。ジャンプを武器に成長する19歳。目標の五輪出場へ、一歩ずつ歩んでいく。

追走から逆転へ 
 粘って手にした準Vだ。中村は93.0mのジャンプで2位に付けると、クロスカントリーでは永峯の後にスタート。同じく2位の山元(早大)の後ろに試合終盤までぴったりと付いていった。「自分より走力のある選手だったので、付いていって離されないように意識していた」と粘り強く追走した。「ゴールまで一緒に走ってしまうと負けるなと思った」と最終周の上りは序盤から一気にスピードを上げ、勝負を決めた。永峯に続く2位でフィニッシュし、先にゴールで待っていたライバルと喜びを分かち合うように抱き合った。
 自分でも驚きの走りだった。今シーズンは「(走りが)かみ合わない」と不調だったが、今回は25秒54と全体で3位。永峯との差を32秒縮める快走で、準優勝を収めた。

複合の黄金世代
 新たな一時代を築く。永峯と中村と同じくルーキーの三ヶ田も9位入賞。スペシャルジャンプで腰を痛め、コンバインドを棄権した渡部大輝(政経1=猪苗代)も実力は高い。「同期には負けられない」と中村。ハイレベルな同世代がそろい、刺激し合う環境が今回の好成績を生み出した。曽根原郷(平28政経卒)に続き、2年連続で優勝者を出した明大。活躍が目覚ましいコンバインド部門に、頼もしい4人の新税が加わった。

 コンバインドの成績を受け、チームの目標である総合成績3位に上り詰めた。残すはアルペンの回転、最終日に行われるクロスカントリーのリレーだ。4位の日大とは4.5ポイント差。コンバインド陣の活躍を糧に、他部門も入賞し3位を維持したい。

[田中愛・古賀章太郎]

試合後のコメント
永峯

「フィニッシュした時はうれしかったが、それより後ろの中村優斗が気になって、2番で来てくれてそっちの方がうれしかった。奥のコースにいくと、すれ違うのでその時の距離感でいくと大丈夫だなと。後ろが来てもいいくらいの余裕を持って走った。このコースは下りが長い。上りもそんなに差が付かないので、差は縮められなかった。(ジャンプは)スペシャルの時と違って、平等な条件でみんな飛べた。その中でスペシャルジャンプよりもいいジャンプができた。今日のジャンプは納得がいった。(101mの飛距離)飛んだ瞬間、勝ちだなと。スペシャルジャンプの助走路での悪いポジショニングから修正できて、流れよく飛べた。(無風の中で)自分のジャンプのいいところとか悪いところとか、全て出るので難しい。追い風だと特に悪い所が出る。無風は実力が出る。(食事制限は)あまりしない。走るので、エネルギーが足りなくなる。減量とかもしない。(世界ジュニアは)全然納得いかなかった。ジャンプで力出てきたのに、その舞台に立ったら全然自分のパフォーマンス出せなかった。ジャンプ納得できなくて、クロスカントリーで結構走れたので7位に収められたけど、そのせいか余計悔しい。本番を想定したイメージトレーニングがまだ足りてなくて、緊張しちゃって、普段からすごく緊張しやすいタイプ。(原動力は)同期の影響は大きい。みんな頑張っているのは知ってるので、それが一番の原動力。(今後の目標は)五輪に出ることで、そのためにもまずはW杯に出られるように頑張っていく」

中村
「とりあえず、2番はうれしい。優勝はもちろん目指してやっていたけど、悔しいより永峯君と1位、2位獲れてうれしいのが大きい。前半終わって、1分4秒差だった。コース自体も差が縮まらないコースっていうのは知っていたので、辛いレース展開ではあった。コースが単純で、短いということもあって、差が縮まらなかった。ジャンプは内容的には昨日とあまり変わらなかった。今日は条件が良かった。条件と自分のジャンプがかみ合って今日につながった。特別なことは意識しないで、いつも通りにやった。(途中まで山元選手に付いていっていたが)自分より走力のある選手だったので、付いていって離されないようにということを意識していた。離されてもしょうがないくらいの選手だったので。必死に追いかけてて、余裕はなかった。付いていくのがやっとだった。最後の周の上りで、OBの方や先輩たちがいっぱいいて、すごい応援されたので、力が出てきて、気合いと根性で走った。(試合展開は考えとは逆の展開に)永峯君がダントツにジャンプ飛んだので、切り替えて追うぞっていう気持ちで走った。(差が1分4秒と聞いて)あきらめてはいなかったけど、きついかなというのはあった。(ゴールした時は)(山元と)2人で一緒に走ってて、負けるかなと思って、3番獲れるかなというのはところだったので、2番は非常にうれしい。最後の上りの最初の方でダッシュした。相手の方が走力あるので、ゴールまで一緒に走ってしまうと負けるなと思ったので、早いうちに引き離さないといけないと思った。今日は自分でもびっくりしたけど、クロスカントリーが3番だった。ほんとにびっくりした。板も滑ったけど、それでも良かった。(同期の活躍を見て)みんなでトレーニング一緒にやったりもして、上位にきてポイント獲ったりできたのはうれしい。その中でも同期には負けられないっていうすごい良い刺激になっている。すごく良い環境。(自分には無くて、同期にはあるもの)永峯君はジャンプ。三ヶ田君は走力。まだまだ僕は力不足っていうことを感じている。その中でも、試合では自分が1番という気持ちでやっている」

三ヶ田
「順位的に納得はできてない。前半終わって4番くらいは狙えた。少し緊張してしまったけど、最低限のジャンプはできた。テレマークが入らなかったのが痛かった。クロスカントリーでは1週目転んでしまって、付いていこうと思った選手に離されてしまった。そこからうまくレースを展開できなかった。(同期が活躍してるが)やっぱり負けたくない。一歩負けているのかなと思う。(永峰と中村は)ジャンプがうまいので、自分もそこの位置で走れれば、もう一つ上のステージに行けるのかなと思います。次はすぐに宮様スキー大会があるので、中村君や山本君(早大)に負けないように頑張りたい」

久保田真弘(営4=飯山北)
「最後の年だったので悔しさは残るが仕方ない。入賞はしたかった。昨年のタフなコースと違い、今回は差が付かないコースだったのでジャンプで大体の勝負が決まった。今年は30秒くらい離れてしまうと、もう追い付けないのできつかった。(4年生、主務としての1年間は)4月の頭から部員のサポートや、大学に出す書類など全部やるのが大変だった。やったことない仕事ばかりだった。練習の時間は取れていたが、4年生になると練習だけすればいいという立場ではなくなる。そこが一番辛かった。(後輩に伝えたいことは)大学では個人がどう頑張るかどうか。自分でどれだけ自分のことを管理できるかどうかが大事。やってくれて当たり前と思わないほうがいい。感謝を忘れないように生活して、変なトラブルにも巻き込まれないようにしていれば、自分のトレーニングなりに集中できる。周囲の支え、親やOBの方々への感謝を忘れないでほしい」