永峯がジャンプ王者 計4人が入賞/全日本学生選手権(ジャンプ部門)

2017.02.22
 新たなジャンプ王者の誕生だ。インターハイ複合で優勝経験を持つ永峯寿樹(政経1=飯山北)がスペシャルジャンプで優勝した。豪雪が降る中行われた今試合。永峯は1本目でK点越えの94.0mの大ジャンプでトップに。ジャンプは2本ずつ飛ぶ予定だったが、悪天候により2本目は中止となり、1本目の結果により永峯の優勝が決まった。永峯の他にも3人の明大勢が入賞。永峯や三ヶ田泰良(政経1=盛岡中央)、中村優斗(営1=飯山)スペシャルジャンプのみを専門としないコンバインド陣の活躍が目立った。

 勢いそのままに飛び出した。悪天候により前日の練習が中止となっていたスペシャルジャンプ。当日は直前に1本飛ぶだけだったが、不安はなかった。「飛べば飛ぶほど悪くなるタイプ。練習は1本あればいい」(永峯)。自分を信じ、リラックスして飛んだ。助走路での姿勢でズレが生じたものの、唯一K点越えを記録し、距離と飛型点ともにトップ。高校3年次に優勝したインターハイと同じ地で、またも表彰台の一番上に立った。
 本来はコンバインドの選手である永峯だが、ジャンパーの才能は隠し切れない。今月15日に行われた国体のジャンプで優勝。初出場したW杯複合でもジャンプで1位を獲得するなど絶好調。もともと得意だったが「より一層好きになっていく」と笑顔を見せた。本職であるコンバインドも、ジャンプでトップに立ち、逃げ切りで優勝を狙う。

 三ヶ田が4位で入賞した。高校2年次にインターハイ優勝、3年次には国体優勝経験のある大型ルーキーは「入賞できればいいかなと思っていた」と初のインカレでの好成績に満足の表情を見せた。

 条件にも恵まれた。「雪も止んで、いい向かい風が来た」と天候を味方に付けた。85.5mのジャンプで、明大勢の中では永峯に続く2番目の好成績を残した。11月中旬のシーズンイン当初から「イメージ通りのジャンプができた」と今シーズンの調子は良好。先日の国体で手応えをつかみ、その流れでインカレに臨めた。ジャンプの調子に波があるが、今は「いい波が来ている」と今後の活躍にも期待できる。

 大会3日目はコンバインドとクロスカントリー10kmクラシカルが行われる。昨年優勝者を輩出し、4選手が入賞したコンバインド部門には自ずと期待が寄せられる。「コンバインドの明治」を確かなものへ。スペシャルジャンプで好成績を残したルーキーら、そして最上級生の久保田真弘(営4=飯山北)が系譜をなぞる。

[田中愛・古賀章太郎]

試合後のコメント
奈良拓実(商3=余市紅志)

「すごい不完全燃焼だなと思う。一昨日、昨日、今日と試合までは変なジャンプはしていなかったので、試合1本目に落ちたことのないところに落ちて、頭が真っ白な感じになった。巻き返す自信はあったので、21位でしたけど、10位までの差が10mだったので、K点まで飛べば、取り返す自信はあった。結果が悪過ぎて、結構吹っ切れた感じで、2本目に臨もうと思っていた。2本目が飛べなかったので、不完全燃焼だった。力んでしまって今日の結果になってしまったと思う。緊張はあった。今シーズン通してあまり成績が出ていなかったので、それで1クール空いて2月手前からインカレなんだけど、それで成績も出ていなかったので、ここで出さないといけないというプレッシャーはかけてはいた。それを上手く利用できなかった。(試合前の調整)僕は基本的にご飯を食べない。朝と夜はもうほぼ食べないで、昼はウイダーとかサラダとか食べて、サウナ入ってっていう感じ。体重が重いのでもっともっと軽くしようしている。太りやすい体質なので、調節していかないとベストにならない。元々筋肉は多いので、筋肉はあまり落ちない。(後輩が活躍)1年生が活躍してくれて、うれしい。(昨年4位でしたが今年の成績は)実力といえば、実力。全日本ジュニアの1年生が入ってきて、その中でどうなるかっていう試合だった。1本だからといって結果を出している人は出しているので。1年生はしっかりポイントを取ってくれたので、現時点での自分の実力だと思って、あと1年しかないけど、また気持ち改めてやっていこうかなと思う」

佐藤瑶(政経2=新井)
「本当はコンバインドの選手だが、コンバインドの選考会で風邪を引いてしまって、ジャンプしか出られなかった。ここでインカレが決まってしまうので、目標としはポイントを取ることだった。その目標は達成できて良かった。出られないと分かってからは、切り替えてやってきた。ジャンプのほうが得意ではある。今日のジャンプはあまり良くなかった。ポイント取れないかと思ったが、上の選手も失敗が多くてラッキーな部分もあった。ある意味1本で決まってくれて良かったかもしれない。強い1年生がいっぱいいるので、来年のインカレはそいつらに勝てるように頑張りたい」

永峯
「緊張は全然なかった。今年は調子良く来れてる。運も良かった。天候はあまり気にしてなくて、やることに集中していた。(今日のジャンプ)最低限のジャンプができて、風にも恵まれた。優勝したのでうれしいですけど、内容はあまり。助走路で悪いポジショニングで、そのままの流れで飛んでしまった。(前日の練習がなくなり)僕は飛べば飛ぶほど悪くなるタイプ。なので練習一本あればいい。そんなに気にしてなかった。考えすぎちゃうというか、イメージ通りのジャンプとかけ離れていくので。(ジャンプが好き)より一層好きになっていく、すごく気持ちいい。(W杯で初得点)トップ10くらいのジャンプで入れればいいかなと思ったけど、練習の時から一番取れてて。いけるのかなって、自信がありました。(調子いい理由は)飛んでないときの練習やイメージトレーニング。大学入ってジャンプ飛べる機会が減った。それをどうカバーしようかなって考えたときに、イメージトレーニングに力を入れた。(距離は)トレーニング量が減って、根本的な持久力が足りない。後半になるとフォームが崩れたり。最後までそこを意識できれば、ちょっとはまともな走りができると思う。(コンバインドは)優勝を狙う」

中村
「(今日の結果)単純に悔しい。表彰台くらいは狙っていたので、条件も色々あるんだけど、実力不足かなと強く感じた。ジャンプ自体は悪くはないので、結果が付いてこなかったっていうのが一番悔しい。(台との相性)去年のインターハイで、飛んでて非常に好きなジャンプ台でもあるので、ジャンプ自体は良かった。(明大に入った経緯)選手がいっぱいいて、OBも強い方もいっぱいいるので、自分も強くなれればと思った。明大の監督が全日本スキー連盟の総監督なので、そういうのもあって選んだ。(今年は)苦手なクロスカウントリーをどうにかしようと思って、色々やったんですけど、まだまだ結果は付いてきてないので、噛み合わない感じ。根本的に体力不足を強化しようと思ったけど、単純に練習不足というのと技術面でも、無駄な力を使うっていうのが大きくて、今シーズン上手く走れてないなというのは感じた。高校の時はオーバートレーニングくらいでかなり練習していたので、それに比べると今年は練習量が落ちている。少ない練習の中で、考えながらやってきたつもりだったんだけど、練習しないとだめ。(ジャンプは)大きく変えたことはなくて、できる自分のジャンプをやっている。(明日のコンバインド)まず、できるジャンプをして3番以内に入って、クロスカントリーで1番を狙いたい。できれば、ジャンプで1番とって、後ろとのポイント差を離せれば、一番いい。ジャンプは上手くいけば、上位に来れると思うので、課題はクロスカントリー。(明日は)優勝する」

三ヶ田
「(今日の結果)自分では入賞できればいいかなと思っていたので満足している。結構条件も良かった。今日、風だったり、雪だったり、晴れだったり、向かい風だったり、結構色々な条件だったので、その中でも自分は雪も入ってなかったし、良い向かい風をもらうことができた。(台との相性)昨年のインターハイもここでやっていて、台の感覚も覚えていたので、自分的に気持ちよく飛べていたので、相性は良いと思う。(最近の調子)何日か前に行われた国体も調子良くて、走る方も良い感じだったので、結構良い調子でインカレに入れた。今はいい波が来ていて、いい感じで飛べているのかなと思う。(1年間意識したこと)環境も変わって、練習時間もなかなか確保できない中で、自分は走る方があまり得意ではないので、走る方を強化することを練習してきた。ジャンプの方もウェイトをやったり、ハードルジャンプしたりして、足腰を鍛えて、飛距離が落ちないようにして練習はしてきた。(シーズンイン)自分は全日本チームの方でフィンランドの方に11月の中旬から下旬にかけて行って、11月20日あたりにシーズンインした。ジャンプの方も少し早く飛び始めた。(フィンランドに行く前は)夏、結構辛い練習してきたので、上手く冬に行けるように調整をしていた。(フィンランドで得たもの)今年はフィンランドでも調子が良くて、ジャンプの方でもイメージ通り飛ぶことができたので、そのおかげで今調子が良いのかなと思う。(短所は)短所は走るのがあんまり速くないこととジャンプの波があること。(コンバインド)自分はスペシャルジャンプよりコンバインドの方が結果が良いので、気持ちを切り替えていきたい。明日はしっかりと自分のできることをして、表彰台を目指したい」