
シード奪還ならず18位に沈む/箱根駅伝
紫紺の襷が途絶えた。8区後半、遊行寺坂付近で東島清純(営2=米子松蔭)が失速。首位青学大との差をさらに広げられる。何とか26大会続いた母校の襷をつなげたい吉田楓(営4=東海大山形)だったが、ペースは上がらない。結局区間15位の凡走で、鶴見中継所での繰り上げスタートを阻むことはできなかった。繰り上げスタートの10区は箱根が復活レースとなった坂口裕之(政経2=諫早)。序盤ハイペースで飛ばし、区間3位ペースの走りを見せた。ラストスパートで後続を引き離し、意地を見せたが、区間順位は13位と伸びなかった。チームは総合18位でのゴールとなった。試合後、「主将としてしっかりやってこれなかったということ」(射場)と責任を感じ射場の目には涙が浮かんだ。
選手層の薄さが浮き彫りとなった。シード権獲得は絶対条件と意気込んで臨んだ。しかし、区間一桁は0人。最高でも磯口晋平(商3=西脇工)の10位で、大半の選手が10位台後半の順位に終わった。そのため1区と2区で大きく出遅れても、その遅れを取り戻す選手がいなかった。それに加え、全日本で好走した射場、中島大就(商1=世羅)が直前に故障。出遅れた1区をはじめ、大幅な区間配置変更を余儀なくされた。
チームの底上げが求められる。予選会を2位で通過し、平均持ちタイムを見てもシードは射程圏内に思われた。しかし結果は18位。「悪い流れにハマったらいい流れに変える力はうちにはなかった」(西弘美駅伝監督)。誰一人として流れを生み出す走りをできた者はいない。今シーズン課題に挙げられた「エース不在」が如実に表れた形だ。今回の敗戦を糧にし、再び三大駅伝で上位争いができるチームを目指していく。
試合後のコメント
西駅伝監督
「今回の結果を受け止めて反省した上で次の大会を目指して頑張っていきたいと思います。今考えられる敗因はレースの流れに乗れなかったというのと、またそれを覆すだけの力なかったということです。緊張して力を出せなかった子もいたかもしれないがそれを踏まえた上でいかに力を発揮できるかという部分が一番大事です。100%にいってなくても90%から80%くらいは出さないといけません。これが今までは出ていたのですけど全員が2桁台というのは何かが足りなかったです。(1区、2区のブレーキ)当初から悪い流れにハマったらいい流れに変える力はうちにはなかったです。スタートからいい流れを作っていくのが一番です。来年度のチームは全員で担っていきます。駅伝なので誰ということではなくやはり総合力を大切にしていきたいです。(籔下の結果)今年の籔下はちょっと残念な結果ですね。やはり詰めすぎたのもあったのかプレッシャーがかかりすぎたのか。今年はずっと好調でいたんだけど最後失速しました。(来シーズンの目標)1~3年生でまだまだくすぶっている子がいるのでしっかり育てていきたいです。出雲は無理ですから全日本は6月の予選会でしっかりとって箱根でリベンジしていきたいです。それしかないです」
山本コーチ
「(総合18位について)率直に言って残念でしたね。(往路を振り返って)チーム内では状態が良かった末次が1区で遅れてしまったこと。そして、一個前の人とかなりの差があったこと。末次だけの責任という訳じゃなくてですね。もう少しいけるだろうという期待があったから、スタートからのつまずきですね。(復路を振り返って)気になる点はたくさんありますが、後ろでレースすると大体どのチームも区間順位もタイくらい沈んでしまうのだけど、その中で磯口が後ろでもらって一人旅の割にはよく頑張ったかなと思います。(総合18位になってしまった原因について)それはもう単純にチーム力の低さ。流れを変えられるエースがいないということ。(4年生について)賢太郎と籔と楓。本人たちも分かっていると思う。壇上でも言っていたしね。本来持っている力の5、6割しか出せていないじゃないかなと思います。(来年シードを取るためにはどうするべきか)メンバーエントリーが補欠含め16人。誰を落とそうかなと迷えるくらいの選手層でないと厳しいと思います。あとは流れを変えられるようなエースをつくる。両方つくれればベストですが、片方が必須ですね」
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