箱根駅伝2017直前インタビュー(1)射場雄太朗、阿部弘輝
今回は主将を務める射場雄太朗(政経4=大阪私立明星)、全日本大学駅伝で1区を務めた阿部弘輝(政経1=学法石川)の2人のインタビューを掲載しています。(この取材は12月11日に行なわれたものです)
――本番が迫ってきましたがいかがですか
段々に気持ちの面は高まってきています。体調面に関しても、先週の合宿の疲れも徐々に抜けてきました。まだピークではないですけど70%、80%の状態であるかなと思います。
――チームの状況はいかがですか
夏合宿から非常に良くなっていて、今が1番いいです。メンバーはもちろん、それ以外の選手も、チーム全員が箱根に向けて頑張るぞと意気込んでいます。誰1人欠けることなく箱根に気持ちを持っていっています。今年の1番の特徴としては、主力の選手だけでなくそれ以外の選手が『今年こそは駅伝メンバーに入るんだ』と努力している人が多かったように感じます。悪く言えば選手層が薄くなってしまったっていうのはありますが、よく言えば誰しもがメンバーになれるチャンス、主力になるチャンスがあります。そういった意味でも選手のモチベーションは上がっていると思います。
――これまでどのような目標を持ってチームをまとめてきましたか
故障者を減らすっていうのが今年のチームになってから一番最初に立てた目標です。練習メニューは西さんの立てたものを各々が噛み砕いてやっていくというスタンスです。なので自分は故障者一人一人に話しかけてケガの状態を聞いて、その状態にあった目標を一緒に設定しました。治ってもすぐに練習に合流しないで、しばらくは1人で練習したりとか、練習量と負荷の低いものをした方がいいとか。段階を踏んでやっていこう、と話しました。自分は故障が多くて故障者の気持ち、精神面、焦りを感じやすくなってしまうのをよく分かっているつもりです。走れるようになるから、と励ましました。故障者は限りなくゼロの状態が続いています。
――射場選手自身はどのような故障をしていたのですか
2年の夏合宿で仙骨を疲労骨折して、それで10カ月間走れませんでした。それが1番長かったんですが、治ってもまた故障して。3年の選抜合宿からも半年間走れませんでした。その半年間の故障は1カ所じゃありません。その原因としてはどうしても箱根に間に合わせたいという気持ちがあって、焦ってしまいました。あとはあまり自分のことを理解できていなかったんです。そういう点ではその半年は自分を見つめ直すいい機会だったと思います。4年生になって走れるようになると、練習とか試合とかきついと思わないで、楽しいと感じられるようになりました。精神的にケガを通じて成長できました。
――主将として心がけていることは
独りよがりにならないことです。自分がずっと正しいと思ってるだけでは選手はついてこないと思います。僕自身は高校は弱小校出身で、逆に他のメンバーは強豪校でキャプテン、副キャプテンをやっている人がほとんど。ある意味選手全員が自分なりの考えを持っています。なのであまり僕が持ってる考えを選手に押し付けるんではなく、自分の考えを言った上でみんなの考えを引き出すということを今年は意識しました。そして引き出した考えは決して否定はしません。
――今大会、走りたい区間はありますか
9区か10区を走りたいです。全日本駅伝もそうだったんですけど、自分は単独走が得意です。前と差があっても、前をつめる走りが自分はできると思います。また大学卒業したらまた関西に帰ってしまうので、最後に首都圏の街並みを堪能して卒業したいなと思います。
――箱根駅伝での目標を教えてください
個人で区間20位でも1位でも、チームがシードを取れなければ満足できるものではないです。まずはチームが5位に入ること、悪くてもシードを獲得するのが自分が達成すべき役割です。その上で、自分への欲を言えば全日本駅伝で区間4位だったので3位以内を目標に掲げたいです。全日本駅伝はつなぎ区間だったので、今回は力のある選手と走ることになると思うので臆することなく攻めの姿勢で走っていきたいです。
◆紙面記事はこちら⇒明大スポーツ第472号
阿部
――エントリー入りしたお気持ちはいかがですか
練習はできていたので、入れると思っていました。本来の力を出せれば箱根も走れると思うので、努力しています
――コンデイションはいかがですか
状態はあまり良くないです。準備だけはしっかり怠らないようにしたいです。ずっと調子を崩しているけど、練習は悪いなりにはできています
――箱根で走りたい区間はありますか
往路で勝負したいので、5区以外です。欲を言えば区間賞を取りたいけど、シードを取るためにもチームに貢献できる走りをしないといけないので、まずは最低限の走りです
――自身にとって箱根はどのような存在ですか
正直、箱根に出るために競技はやっていないし、特別懸けているという訳でもないです。箱根で終わる選手じゃなくて、箱根を通過点として考えています。卒業後も競技を続けたいし、マラソンにも挑戦したいですから。でも、襷を掛けるということはチーム全員の重みを背負うことです。もらう時と外して渡す時は一番重さを感じます
――入学してからこれまでを点数で表すならどのくらいですか
前期は70点くらいです。なんだかんだ試合の中で結果を残せていますし、世界大会も経験することができました。でも、夏合宿後の自分は点数がつけられません。早い話が大学の洗礼を受けています
――ルーキーイヤーをどう考えていますか
今は苦しむ時期だと思います。良い意味で自分を見つめ直すための準備期間です。今季最後の箱根が良い結果でも悪い結果でもつながってくると思います。結果を求めるのは上級生になってからです
――最後に箱根に向けて意気込みを教えてください
自分が任された区間は堅実に走ります。なおかつ今の明治はシードを取ることが目標なのでそれに貢献していければ十分です。残りの3週間でしっかり調子を合わせて箱根を楽しみつつ貢献したいです
◆紙面記事はこちら⇒明大スポーツ第472号
[田中莉佳・渡邊弘基]
明日は江頭賢太郎(商4=浜松日体)、磯口晋平(商3=西脇工)のインタビューを掲載します。お楽しみに!
号砲まで、あと9日。
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