日本選手権前、最後の練習終える 選手たちの抱負/練習取材

2016.12.20
 ハンドボールの日本一を決める第68回日本選手権が20日から6日間にかけて行われる。11月に行われたインカレで準優勝に輝き、大学代表として挑む明大。初戦はインカレでベスト8も予選を勝ち抜いて出場を決めた日体大と当たる。

 日体大に対し、今年のリーグ戦では1勝1敗の五分とあり、トーナメント初戦の難しさが大きく出る。今年最大の舞台として捉えていたインカレが終わり、多少モチベーションの面で不安があるのは否めないが、秋に敗れたリベンジに燃えている。
 吉野樹主将(政経4=千葉県私立市川)が率いるチームも今大会で最後となる。「欲を言えばずっとこのチームでやりたいというくらいにこのチームはすごいいいチーム」と吉野はしみじみと語る。チームの雰囲気も相変わらずいい。それは今年吉野が一番に目指していたこと。インカレでシーズンが終わる大学がほとんどの中、共にプレーする時間が新たに増えた明大ハンドボール部。「やっぱり後輩と一緒に戦って勝ちたいのと、実業団と試合することで後輩にいい経験をさせることができれば僕らもうれしいので、そういう後輩の成長もできる、次につながる、来年にもつながる大会にしたい」(吉野)。吉野体制最後の大会が幕を開ける。

[吉田周平]

コーチ、選手のコメント
加藤良典コーチ

「インカレ終わってからオフェンスとディフェンスで駄目だったところを日本選手権まで期間は短かったですけど、もう一回確認して重点的に練習してきました。(具体的には)インカレだと決勝の国士舘の時に、上から打ち込まれたりポストでやられる部分が目立ったので、ディフェンスに関しては隣同士のコンビネーションだったり細かい部分の2対2だったり基礎的な部分。(どのような大会に)インカレで2位になって大学代表として国士舘と明治が2チーム出るので、その代表として恥じないような試合をやるのが一つ。それと1試合1試合、まずは日体大初戦を落とさないのが間違いないですけど、3回戦に進めば実業団の豊田合成。それに勝つのが目標でインカレ終わった後旗揚げてやってきたのでまずは3回戦を目標に、そして豊田合成に勝てるように初戦頑張りたいですね。またチームは4年生が吉野と瀧澤だけなので3年生以下は来年のことも考えて、日本選手権という貴重な機会を大事にして戦ってほしい」

吉野
「インカレが終わって最初は緩んでしまった。優勝という目標をずっと挙げてきてそれが終わって、自分の心が緩んでしまった時があったんですけど、まあ新たに実業団と試合して一つでも多く勝つことが目標として挙げて今日まで練習することができたのでモチベーション的には十分上げていくことができたかなと思います。(モチベーションの上げ方)まあ怒るというよりは雰囲気を盛り上げること。やっぱりミスは最初の方は多くてそういうのは叱ったりしましたけど、一番は今年は雰囲気を大事にしてきたので雰囲気良くして一人一人が自信を持ってやれれば自然とミスも少なくなってきている。インカレで出たミスとか反省とか課題とか後は練習で修正できたのではないかと思います。目標は実業団に1勝すること。やっぱり後輩と一緒に戦って勝ちたいのと、実業団と試合することで後輩にいい経験をさせることができれば僕らもうれしいので、そういう後輩の成長もできる、次につながる、来年にもつながる大会にしたいなと思います。欲を言えばずっとこのチームでやりたいというくらいにこのチームはすごいいいチームですが、まあ現実はそうはいかないので僕もなるべく残すものを下に残していきたいなと思います」

瀧澤尚也(商4=群馬県立富岡)
「(モチベーションが)一回切れてしまって。目標がインカレでやってきて終わって気持ちも切れちゃいました。でも、最後までやり切ろうかなと自分でも思っていて。樹もいるし、やり切っちゃおうかなと思っています。日本選手権は初めて。実業団のチームに行くので勉強しながら少しでも成長していこうと思います。(チームで変わったこと)インカレ終わってからすごい下級生の成長が見られたのでそこが大きいと思いますね。1年生が結構春、秋、インカレとやってきて積極性とか変わってきてどんどん上を押し上げてチームも盛り上がってきてくれるのでそこがすごく良くなったのではないかと思います」

工藤龍毅(政経3=桃山学院)
「(日本選手権は)高校生の時に見に行ったイメージがあって出られると思っていなかったので、うれしいです。インカレで達成感がすごくあったのと、例年なかったスケジュールなのであんまり実感が湧かないですね。まだチームはふわふわしていると思いますが、ウオーミングアップが始まって会場の雰囲気見たら多分みんな引き締まると思うので大丈夫だと思います。日体大は1回負けているだけあって油断も全然していなく、逆にリベンジなのでみんな燃えていると思います。チームは4年生が抜けた分、層の厚さはちょっとなくなると思うので、そこをカバーできればいけると思います。1試合でも多く試合して来年につながるようにしたいです」

飛知和龍哉(営3=法政二)
「樹さんと瀧澤さん以外の4年生が抜けて人数が減ったから活気が減ったというのもあるんですけど、インカレ前はすごくいい雰囲気で練習ができたのに対して、今気持ちが緩んでいる部分があると思うので、初戦試合前にしっかり気を引き締めて集中して臨めればいいなと思います。2回戦まで勝てれば実業団とできるのが滅多にない機会なので、勝ち負けというよりは挑戦できること自体が意味あることだと思うので、何とか3回戦に進んでちゃんとした試合ができればと思います」

宮崎大樹(営2=法政二)
「インカレが終わって、結果は出ましたけど日本選手権と比べると(モチベーションが)正直落ちるということもあるので気を引き締めないといけないのが現状ですかね。インカレの最後の国士大戦みたいに相手のモチベーションに負けてずるずるいってしまうのが、一番嫌なので(初戦)当日にモチベーションを合わせてチームで話し合ってやるしかないと思います。秋季リーグの日体大戦では同じ松やにの条件で負けてしまいましたけど、別に秋よりはレベルアップしている部分があると思うし、インカレで培ったものもないわけではない。秋と同じ試合は絶対にしてはいけないし、したら負けるというのもありますけど、やっぱり下克上みたいな感じで来られるのが一番嫌なので、こっちも相手に合わせないでやっていけたらいいと思います」

門間優次郎(法2=法政二)
「取りあえず実業団と戦えるチャンスがあるのでチャレンジャー精神があり楽しみです。日体大は秋に負けていて絶対に勝ちたい相手。入りからしっかりすれば自分たちのゲームができると思うのでまあ頑張ります」

中川翔太(営1=法政二)
「インカレで準優勝という結果を残して、けど初戦の日体大というのは秋のリーグで1回負けている相手なのでリベンジする機会があると思うと、自分は結構わくわくしている気持ちです。後、樹さんと瀧さんが4年生で戻ってきてくれてやっぱりこれが本当の最後の大会ということで二人にものすごく感謝しているし、頑張ろうと思います。自分たちが今目標で3回戦の豊田合成に勝つというのを目標にやっているので、そのためには初戦の日体大戦で頑張ろうと思います。1年生で普通は出られない大会にこんな経験をさせていただいているので、吸収できるものは吸収していきたいと思っています」

前原大輝(商1=横浜創学館)
「インカレが終わってまだ日はたっていないのでモチベーションは落ちずにできたというのはありますね。樹さんもいて普段通りの練習ができたと思います。この3週間、日体大戦に照準を合わせて対策をやってきたので、まあ練習通りのことをやれば問題ないと思います」

山田信也(政経1=愛知)
「インカレが準優勝で、いったん自分の中で落ち着いてしまって、なかなか日本選手権に向けてなかなかモチベーションが上がらなかったですけど、その分、樹さんとか瀧さんがとかが盛り上げてくれて。そのおかげで自分もやっと入れたというか、気持ちが入れられました。もう引退という形だったんですけど、やっぱり(続けるのは)すごいことだと思いますし、また新しく取り入れたフォーメーションとかディフェンスシステムがあるので、そういうところができているか分からないですけど、どれだけ大会などで練習でできていることを試合でできるかというのがまだ分からないので、そこをうまくやっていければと思います。日体大に負けた時は上から打ち込まれてそれが対応できずに1試合終わってしまって。ディフェンスからリズムをつくってオフェンスにつなげられたらいいかと思います」