(12)シーズン中間報告(上)

(12)シーズン中間報告(上)
 12月に入りいよいよインカレまであと1カ月を切った。シーズン開幕後に高村憲孟(政経2=富士北陵)が選抜権を獲得するなど個々がケガなくシーズンを過ごしている。今年はルーキーの活躍が目立ち、上級生も刺激を受ける好循環で記録も好調。今回は開幕から全日本学生選手権までの各選手のシーズンを振り返る。 

順調なシーズンを過ごす渡邊
順調なシーズンを過ごす渡邊

<渡邊勇人主将(政経3=白樺学園)距離:500m、1000m>
 確かな成長を示した。渡邊は今シーズン9月のタイムトライアルで自己新を出すとそこから500mでは順調にシーズンを過ごしている。全日本学生選手権では苦手のインスタートで自己ベストタイの36秒71をマーク。「インスタートで自己ベストと同じタイムを出せたのは収穫」と手応えを感じている。
 目標の舞台には届かなかった。渡邊が今シーズン目標の一つに掲げていたのは全日本スプリント選手権出場。だが、全日本学生選手権でタイムランキング28位以内に食い込めず出場を逃した。全日本学生選手権の初日には9位だったが8位と0.3秒開いており大学のトップレベルとの差も痛感。インカレで入賞を目指すには「もっといかないといけない」。インカレまでの1カ月。主将としてチームを引っ張るためにもさらにレベルアップを狙う。

◆渡邊今季成績◆
500m 1000m
十勝オーバル競技会 36.94 1.15.94
帯広の森競技会 36.95 1.14.94
ジャパンカップ第1戦 36.77 1.14.71
ジャパンカップ第2戦 36.71 1.16.89
ジャパンカップ第3戦 37.19 1.17.12
全日本学生選手権 36.71 1.13.71
不調からの脱却を図る小林
不調からの脱却を図る小林

<小林耕大(政経2=佐久長聖)距離:5000m、1万m>
 不調に陥っている。小林は11月のジャパンカップ第1戦で5000m6分55秒76をマークし好調を示していた。しかし、屋外リンクへ出たジャパンカップ第2戦以降は記録、順位ともに低迷している。全日本学生選手権では7分9秒69。「今は40%くらい」と本調子には程遠いが調子は徐々に上がってきている。
 長距離部門のエースとして期待されていた小林。だが、予想外のシーズンに「今はなぜタイム出ないのか、どこがダメなのか自分のなかではっきりしていなくて、頭の中でもごちゃごちゃしている」。高校時代好きだった外リンクは、大学入学後は嫌なイメージをぬぐい切れていない。インカレの会場はタイムが出にくい外リンク。インカレ部門総合3位へ向けて長距離陣の活躍が必要なだけに、直前合宿でエースの復活が必須だ。

◆小林今季成績◆
5000m 1万m
全日本距離別選手権 7.01.53 ―――
帯広の森競技会 ――― 14.36.39
ジャパンカップ第1戦 6.55.76 ―――
ジャパンカップ第2戦 7.32.40 ―――
ジャパンカップ第3戦 7.25.98 ―――
全日本学生選手権 7.09.69 ―――
ケガからの復帰を目指す遠藤
ケガからの復帰を目指す遠藤

<遠藤竜介(政経1=松代)距離:5000m>
 ケガからの復帰を目指す。遠藤は7月に計3カ所の大ケガで全治半年を宣告された。診断後は「来シーズンのことを考えてやっていこう」と決意しリハビリに励んだ。11月にチームに合流すると1月のインカレではなくJOCジュニアオリンピックカップに復帰戦を設定。「残りのシーズンで選抜権を取る」ことを目標にしている。
 同期の関口顯一(政経1=長野工業)や今井裕介(政経1=長野)がすでに長距離陣を引っ張る存在に成長した。「正直焦りはある」と遠藤は危機感を抱いている。今は氷上でスタミナ向上とフォーム固めを優先に練習。さらに試合日はビデオを撮りながら高校時代まであまりやらなかった他人のスケートを見ることで自身の技術向上を目指している。「インカレでは出場する選手の邪魔にならないで、しっかりサポートしていきたい。自分はJOCが目標なのでそこへ向けて練習するだけ」。自身の復帰戦へ向けて一歩ずつ突き進んでいく。