インカレ直前!(中下) 吉野樹 エースと主将の二足のわらじ

2016.11.19
 吉野樹主将(政経4=千葉県私立市川)が大学2年次に部活動をやめようと考えたことがある。当時はミスを一つもできないようなピリピリとした雰囲気が続いていた。練習はもちろん試合でもミスをすれば先輩から何を言われるか分からない。緊張感はあるものの「萎縮」してしまう選手たちがいる中、吉野もその一人だった。「ハンドをやっていても精神的につらかった」(吉野)。ただ、それを乗り越えたからこそまた一段と強くなっていった。「あのおかげでメンタルが強くなったのかもしれない」(吉野)。今ではハンドをやめたいだの思うことはない。
 吉野が主将になってからはチームの環境は一新させた。特に下級生でも上級生に対してプレーの意見交換を行える状態にしたのはプラスに働いた。それは2年前のことがあってからこそ。いい意味で先輩と後輩の上下関係がなくなり、チームが一つにまとまるようになった。
 学生大会最後となる吉野にとってこのインカレに懸ける思いも強い。これまで中学、高校と全国大会を経験しているが、最上級生の時にはあまり満足できない結果に終わっている。高校はインターハイ1回戦で敗退。特にその試合は1点差の敗戦だっただけに心残りが大きかった。ただ、今年は違う。春と秋のリーグで優勝と準優勝を経験した今回はインカレの優勝は夢ではない。

[吉田周平]