インカレ直前!(上) 明大和泉でインカレ前最後の調整 

2016.11.16
 19日から徳島県で行われるインカレを前に最終調整を行った。「もうできることはやった」(加藤良典コーチ)と、あらゆる場面でするべきプレーを確認し早めに切り上げた。あす徳島へ飛び立ち、いよいよあさってからは初戦の愛教大と対戦する。今回はインカレを前に春と秋のリーグ戦を振り返る。

~春季 57年ぶりのリーグ制覇~
 昨秋の入替戦を経験したとは思わせない8勝1分けの成績で優勝をつかんだ。ここ数年ではリーグ序盤で落とすことが多く、優勝争いに加わることもなかった。昨年の秋季リーグでは2部降格がちらつき、インカレでは1回戦敗退。代が替わり吉野樹主将(政経4=千葉県私立市川)を中心にチームを率いた。「どこからでも得点が奪えるチーム」を目標にポイントゲッターの吉野に偏ることのない層の厚さを追求した。
 春季リーグが始まる前は優勝候補として挙げられていない。初戦の日体大戦を前にチームの中には勝利する自信が湧いてこないこともあった。しかし「1部9位からスタートするんだから、失うものは何もない。どの相手にもチャレンジャー精神を持って戦おう」。この主将の考えがチーム全体に浸透した。次々と白星を積み重ね開幕5連勝を飾り一気に「今年の明治は違う」ことを言わしめた。全勝同士でぶつかった第6戦の国士大戦では、残り5秒で相手に勝ち越される敗色濃厚の場面でGK・飛知和龍哉(営3=法政二)がスーパーセーブを2回決め引き分けにした。この一戦がその後大きなドローとなり、勝てば優勝の最終戦では駿河台大を相手に前半からリード奪ってリーグ制覇をつかみ取った。

~秋季 まぐれでないことを証明した2位~
 春王者として臨んだ秋は吉野への徹底したマークがあったものの最後は優勝争いに残った。リーグの序盤は苦しい場面が多かった。開始早々から吉野にマンツーマンディフェンス付く形となった第4戦の法大戦では吉野以外であまり得点を挙げることができず、得点源拡大への課題が浮き彫りに。その後、日体大と筑波大の連戦をどちらも落としチームには不穏な空気が流れたが、返ってチームに粘り強さが生まれる要因となった。前半をビハインドで終える展開も、後半で連続得点を挙げて差を縮めることで流れを一気に引き寄せ何度も逆転勝利をした。中でも吉野がチームの良さが出たと挙げる試合が日大戦。前半で7点リードされ会場全体が日大ペースとなる中、相手の2分間退場のチャンスを確実に生かし、ディフェンスでも優位に立った結果大逆転勝利となった。春秋の連覇こそならなかったものの、明治の強さを再認識させる秋だった。

[吉田周平]