
2日目は田中のベスト8が最高 重量級は軒並み苦戦/講道館杯全日本体重別選手権
目標には届かなかった。明大で唯一ベスト8に勝ち上がった田中。準々決勝は今年の全日本選手権王者である王子谷剛志(旭化成)。「組み勝てていた部分もあった」(田中)と堂々とした戦いぶりを見せる。だが、百戦錬磨の王子谷には一歩及ばず、指導差1つで敗れた。切り替えて臨みたかった敗者復活戦も全日本学生体重別選手権で苦杯をなめた影浦(東海大)に一本負け。初戦でグランドスラムを2勝している実力者の高橋和彦(新日鐵住金)を下すなど、2回戦敗退だった前回大会からの成長を見せたが「3位以上を狙っていたので、満足はできない」(田中)と悔しさをにじませた。優勝した王子谷を除けば、今大会の上位勢はすべて大学生。ライバルたちに水をあけられる結果に「そういう選手を倒さないと東京五輪は見えてこない」(田中)と闘志を燃やす。見据える4年後の大舞台へ、一歩一歩着実に成長する。
精彩を欠いた。例年上位に食い込んでいた重量級だが、今年は田中のベスト8が最高と不振。特に、前年3位で今年も入賞が期待された小川雄勢(政経2=修徳)のまさかの3回戦敗退は誤算だった。「みんなもったいない」と猿渡琢海監督(平11営卒)も力を出し切れなかった結果を悔しがった。今季はこれが最終戦で、野々内悠真(商3=崇徳)新主将の下新たなシーズンに挑む。「全日本学生(優勝大会)でも優勝できるように頑張っていきたい」と野々内新主将は意気込む。実りの冬に各選手が力をつけ、学生王者奪還に挑む。
★橋口がグランドスラム・東京の日本代表に選出!★
前日の66kg級で快進撃を見せた橋口が12月に行われるグランドスラム・東京の日本代表に選出された。グランドスラムは五輪、世界選手権に次ぐ国際大会で、年5回開催される。今年7月に行われたチュメニ大会では100kg超級で小川が銀メダルを獲得した。地元で行われる東京大会はテレビ放映されることもあり、多くの注目を集める大会だ。2年次にはグランドスラムに次ぐ規模のグランプリ・アスタナや世界ジュニアを制するなど、国際大会の経験は豊富な橋口。「優勝します」と力強く宣言したその目に迷いはない。世界の猛者たちに挑む橋口の活躍に注目だ。
[加藤真人]
試合後のコメント
猿渡監督
「みんなもったいない。もったいない結果だった。勝てる試合をちょっとしたミスで落とした。小川は負ける相手ではないところを組み手のミスで、同じ反則を二回取られてしまって結果的に負けてしまった内容だった。ここを持ったら指導を取られるということは今後の小川のために気づかせてくれる審判、試合だったと思うので、負けてしまったけれども今後小川が成長して強くなっていく中では大事な部分だった。そこを意識してまた改善しながらやっていきたいな。ただし、小川が投げれるチャンスというのはかなりあって、小川の形になった時に相手を投げきれないところが試合の結果に現れてしまった。相手を投げるための技が今後の課題。田中も王子谷と指導一つの差で負けたけど、中身的には大きな差があった。大きな差というのは、これから田中が改善していかなければいけない受動スタイルがあった。影浦と再戦して、最初に指導をリードして今日は勝てる流れをつくっていた。全日本学生とは別人のような柔道だった。投げそうで投げられないという展開の中で一瞬の不意を突かれて逆の方向に返されてしまって投げられた。あの負け方、投げられ方をしないように。川田は今日は川田らしい柔道スタイルで技もかけていって、1回戦の相手に思い切りの良い払い腰で勝つことができたし、あの勝ち方は今年できそうでできなかった勝ち方だったので、学生大会が終わってこの試合にむけてやってきた成果が出た。けれど、2回戦で負けた日大の選手は東京学生の準決勝でやった相手だったしお互い分かった同士での戦いだった。思い切りよく入っていけない部分もあった。いろんな怖さがある。返される怖さ、相手に技を入れられる恐さがあると思う。来年の学生大会の優勝も目指せると思う。神鳥も同じく自分の組み手で相手をコントロールしながら進めていたけど、柱となる技がまだまだ不足してる。一つの大きな課題として克服してほしい。三村はなにもせずに終わってしまった。対策をしていたけど、相手をみるよりも自分を見ていなかった。今後は相手のことを考えるよりも自分のことを考えて試合に挑んでほしい」
田中
「いつもの試合よりは自分から攻めていて、上手くいっていたのだが、組手で自分が持ち勝った時に、脇を開けてしまい、相手に返しを狙われたり、というのが自分の悪い部分なので、そこを修正していきたい。(高橋への対策)相四つで引き手が強いので、相手にどうやって引き手を持たせないかとか、逆に自分が組み勝つかというところを研究した。(一本は狙い通りか)自分の組み手になっていたので、内股をかけて、それで倒れてくれたのでよかった。(試合中も圧倒していたが)練習でもけっこうやっていたので、対策はできていたと思う。(2回戦について)1回戦が勝負だったので、2回戦も安定して勝つことができた。初めてやった選手だったので、試合中に対応して行った。自分の組み手でいけたので、投げれると思った。(王子谷への意識)力が強いし、圧力があるので、自由にさせないように押し返したりして、指導を取られないようにしていったのだが、自分があまり攻められず、指導を取られて負けてしまった。(差を感じた部分)相手の方が思い切ってやってきてたし、その分、自分が技に入れてなかった部分があって、そこで負けてたかなと思う。(敗れはしたが手ごたえは)試合中でも、何回か組み勝てていた部分もあると思うし、組み勝った部分から技に入る、投げの技があまりないので、そこを練習で身につけたい。(影浦戦について)2回負けるのは、同じ学生だし、同じ負け方をして不甲斐ない。この間は指導で負けたので、先に攻めていこうと思っていたが、脇が空いたところを返しに入られた。(前回を上回るベスト8という結果は)3位以上を狙っていたので、満足はできないが、去年よりは上に行けたので、成長はしてるかなと思う。(大学生が躍進し、ライバルが増えた)けっこう学生が上がってるので、4年後、出て来る選手を倒さないと東京五輪は見えてこないし、そこを見据えて徐々にレベルアップしていきたい。(次に出場予定の大会は)東京都選手権。そこまでで練習して、またレベルアップしていきたい。(今年1年を振り返って)学生の大会はあまり上手くいっていなかった。この講道館杯で、自分の形というか、勝ち方はわかったと思うので、それを確実に進化させていきたい。(冬の間に取り組んでいきたい練習)組み手はある程度前よりできるようになったのだが、そこから相手を見てしまうので、すぐに技に入れるようにしたい。(橋口について)いつも練習では、技が切れる選手で、私生活でも尊敬してる先輩。実力はあるのだが、個人戦もあまり勝てていなかったので、今回2位に入れたのは、実力を発揮できたのではないかと思う。(東京五輪へ向けて)あと4年もないぐらいなので、少しずつでもシニアの国際大会に出て、ポイントを稼いで、どんどん世界ランクを上げてポイントを積み重ねたい。(来年度の目標)学生体重別の優勝を目標に、講道館杯を絶対優勝してやるという気持ちで頑張りたい」
神鳥
「(今大会を振り返って)かけていたので、悔しい。(敗因)挙げればキリがないけど、やっぱ、大きくあげるとしたら、監督にも言われたけど、軸となる技がないこと。橋口さんみたいにこの技だったら、いけるっていうのが、完璧に出来上がってなかった。(グランドスラム東京出場がかかった試合だったが)グランドスラム東京と福岡の選抜体重別、その2つには必ずつなげようっていう意気込みで、上も見据えて臨んだ。昨日、東海大の立川選手が1年生で優勝していたので、同期で俺も負けられないっていう気持ちもあって、自分自身で奮い立たせた。その中で1戦ずつっていうのは言い聞かせてたんだけど。(次の大会は)東京選手権は出場するかわからないですね。(ルーキーイヤーを振り返ってみて)全然足りない、こんなんじゃ。全然です。(足りない部分っていうのは)柔道の技術面では、軸となる技だったりがないっていうところで、結果は全然ついてきてないし、やっぱり今回もそうだけど、全日本学生体重別団体でも個人戦も負ける試合じゃない試合を落としている。まず、実力不足。(それでも全日本ジュニアでは優勝したが)あれは研究されている中で優勝できたのは手応えの1つであるけど、やっぱりあれは獲って当たり前のものだと思っていたので、嬉しいとかそういう感情はもう一切ない。(これからの目標)もう来年の講道館杯の出場権をもう1回得ることから始めないといけないけど、まずは団体優勝大会で必ず優勝してチームの勢いをつけるのと、個人戦は後半になってくるけど、全日本ジュニア連覇して、世界ジュニアで金メダル獲って全日本学生体重別選手権で優勝して、講道館杯にまた乗り込む。来年はもう負けたくない。個人戦全部獲って、グランドスラムで優勝して、一気に世界に出たい」
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