
重量級で上位独占も 新人戦では5連覇を逃す/東日本大学新人戦、東日本総合選手権
Wエース対決は原田主将に軍配が上がった。重量級決勝戦のマットに上がったのは、原田と玉置の4年生2人。「1年生の時からライバル関係はある」(玉置)。4年間を共に歩み、互いを認め合った2人がマット上で相まみえていた。2人の直接対決は実に1年半ぶり。10分間に及ぶ死闘の末、玉置が勝利をつかんだ昨年度の矢野杯決勝以来の真剣勝負だ。試合開始が告げられると、立ち上がりから激しいパンチの打ち合いが続くものの「お互い手の内は知ってる」(原田)と互いに一本を奪えないまま時間は過ぎていった。しかし、延長戦も視野に入れた残り18秒で試合が動いた。原田がこの試合初めて組手を組むと玉置をマットに倒し、すかさず抑え込み胴突き。土壇場で待望の一本を奪った。その後、玉置も攻勢をかけるものの一本を奪えず勝負あり。原田が1年半越のリベンジに成功した。試合後「最後の個人戦で玉置とやれてよかった」と原田。共に切磋琢磨(せっさたくま)してきたライバルと真剣勝負ができた喜びをかみしめていた。
5連覇達成は成し遂げられなかった。1、2年生のみが出場し、5人制の団体形式で行われた新人戦。決勝戦まで全く負けを予感させない戦いぶりを見せていた明大だったが、決勝の中大戦で追い込まれる。先鋒(せんぽう)戦、次鋒(じほう)戦を落とし、中堅戦にして早くも王手をかけられた。そこから怒濤(どとう)の巻き返しを見せ、2―2にスコアを戻すも、迎えた大将戦。試合序盤で奪われた胴蹴り一本を最後まで守り切られ、惜敗を喫した。大将を任された松本崇雅(文2=初芝立命館)は「2-2で回ってきても勝つ原田先輩のように、もっと実力をつけなくてはいけない」と試合後、悔しさをにじませた。
府立(団体インカレ)5連覇へ死角はない。新人戦優勝は逃したものの、現在の主力陣は東日本総合選手権で大活躍を見せる好調ぶりだ。「MVPを取ってみせます」(原田)。「最終的に府立で輝くのは自分です」(玉置)。残り3週間、気合十分で最終調整へと入る。
[藤田幸大]
試合後のコメント
原田
「とにかく優勝できてよかったです。(戦うのは去年の矢野杯以来)そうですね。玉置と決勝をやるってなって、これはちょっとリベンジしたいなと。ここで負けたらもうダメだなと。あとはお互い最後の試合なので、もう全力でぶつかり合おうみたいな感じで言ってましたね。お互い手の内は知ってる中でどう崩していくかみたいな、崩せたどうかはわからないですけど結果積極的に攻撃していけてよかったかなと思います。(個人インカレから取り組んできたことは)すごい近い距離でべたべたやって体力無くなるというのが課題であったので、もうちょっと距離を取って自分らしい拳法をやるようにしていました。(新人戦は)本当にいい経験になったかなと思います。このメンバーで大丈夫なのかという不安もあっただろうし、その中で最初負けたけど逆転の流れをしっかり作っていって。最後は大将として松本にしっかり決めてきてほしかったけど、経験不足もあったし勝ち切れなかったということがいい経験になったと思います。どちらにせよポジティブに捉えていきたいですね。(下級生の競争意識は)今まではやっぱり2年が負けても、誰かカバーしてくれる人がいて何となく勝ったけど、新人戦は自分たちが主役だからどうしても勝たなきゃいけないので。そこは甘えが効かないというか、中途半端じゃダメだからって僕もそう学んできたので、今回はいい団体戦になったんじゃないかと思います。(府立に向けて)とにかく最後なので、チーム全体としてはこの負けを忘れないように必ず中央にリベンジして決勝戦も勝っていけるような練習をばっちりとしていきたいと思います」
玉置
「2位の結果に悔しい気持ちはあります。それでも、学生最後の個人戦でまた原田と戦えたことが一番嬉しかったです。(決勝戦への臨み方)また結局、原田とやるのかという気持ちでした。1年生の時からライバル関係はあります。あいつよりいい成績を残してやろうとは常に思っています。原田よりも輝きたいなっていつも思っています。(決勝戦を振り返って)面蹴りを狙っていたんですけど、それができなくて悔しいです。原田は蹴りでよく一本を取られるから、それが弱点かなと思って最初の方はパンチで攻めて、最後で決めようという戦略でやりました。一本を先に取られて、とにかく焦りました。(原田主将へ)昨年の矢野杯は俺が取ったから、今回は譲ってあげたっていう感じかな(笑)。(府立へ向けて)今日、新人戦で優勝を逃して、多分試合に出てる誰よりも悔しい思いをしているので、まずはベスト8で当たる早大を7-0で倒します。次の中大ではしっかり今日の借りを返して、鼻を折りたいと思います。そして最終的に府立で輝くのは自分です」
松本
「今日の新人戦は府立と一緒で、5連覇を目指していました。大将戦で僕が勝っていたら、勝てた試合なので悔しいです。ベストメンバーで臨めなかった点もあるんですけど、僕が最後でもうちょっと頑張れていたら勝てていたと思うので、もっと強くならなくてはいけないなと思いました。(大将を任されて)高校からやってきたんですけど、大将をやったことは今までなくて、人生初めての大将を任されました。そんなにプレッシャーを感じることはなかったんですけど、しっかり勝ち切れなかったところは、2-2で回ってきても勝つ原田先輩のようにもっと実力をつけなくてはいけないと思いました。(原田と玉置の決勝戦を見て)自分はまだまだあのレベルではないなと感じました。決勝戦で戦うことができるレベルでもないですし、3、4年生に強い先輩方がいる中で、自分はまだまだだなと思いました」
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