
中村が全学総合V2 3種目総合は日大に敗れ2位/全日本学生三大大会
王座を守り抜いた。昨年の全学総合で優勝を果たした中村と明鳳。初日の調教審査の馬場でトップに立ち、2日目の耐久審査のクロスカントリーも安定した走行で減点0に抑え、1位のまま最終種目の余力審査である障害飛越へ入った。2位の渡邊(日大)とは1.4点差と、1本でも障害のバーを落とせない状況。加えて、明鳳は出場した全学障害では 反抗で失権もしていたため障害を飛ぶことにおびえがあった。それでも「自分が弱気になると、馬にも伝わって弱気になってしまう」(中村)と辛抱強く明鳳を支え、スタートを切った。見事減点0で障害をクリアすると、中村は何度も何度もガッツポーズ。我慢を続けた愛馬をなで回しながら、笑顔で馬場を一周した。「最後みんなの歓声が聞こえてきて、電光掲示板見たとき、勝ったんだって思ったら、こみ上げるものがいつも以上にあった」(中村)。喜びもひとしおだった。
「日大に勝とう、勝って監督を胴上げしようと思ってこの大会に臨んだので勝てなくて悔しい。悔しい気持ちが強いが、この仲間と戦えて良かった」(早稲田和歌子主将(政経4=あずさ一)。創部初の女子主将を務めた早稲田が、今大会で引退した。3年次から主将となり、部をけん引してきた早稲田。全学馬場では14位と、決勝に進むことはできなかったが「自分でも良い演技ができたと思うし、馬も力を最大限に出し切ってくれた」と晴れ晴れとしたラストだった。初の女子主将を務めることに不安も大きかった早稲田だが「ここまでこれたのは部員、監督、家族のおかげ」と周囲の人々の支えを糧にやり切った。かなわなかった日大の連勝阻止。この思いは次の代へ受け継がれる。
来年こそ勝負の時だ。今大会は日大に3種目全てで団体優勝を許した。「本当に、本当に悔しいんで、この悔しさをバネに来年こそは必ず日本一になれるように」(佐藤五志監督)。来年度は中村が主将となり、王座奪還を目指す。エースの中村のラストシーズン。全学総合で6位入賞した吉田篤史(政経1=東福岡)も大きな戦力になる。日大を最大の破るチャンスかもしれない。「最後の4年生でなんとか悲願の大学日本一を、必ず取れるように。あいつ(中村)のためにも頑張る」(佐藤監督)。かつてインカレ17連覇を誇った名門・明大。絶対に、頂点へ返り咲く。
[田中愛]
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