
念願の2部上位昇格! 接戦の末、桐蔭横浜大撃破/関東大学女子リーグ戦入替戦
スターターは、藤野希生(国際2=埼玉栄)、坂本真祐(情コミ1=山村学園)、松本真衣(理工3=鵬学園)、多久文乃(情コミ2=東京成徳)、萱沼史織主将(情コミ4=埼玉栄)。
熱戦を繰り広げた。52―51の1点リードで迎えた最終Qは手に汗握る展開となった。萱沼のフリースローで口火を切ると、取っては取り返しての一進一退の攻防が繰り広げられた。明大は1点もリードを許さないものの、点差は終始1桁台と油断ならない状況が続く。何とかリードを広げたいところだが「ディフェンスとリバウンドを意識した」(萱沼)と接戦の状況でも、リーグが始まる前から意識してきたことを徹底。明大の粘り強い守備に苦戦し、焦りを見せた相手はファウルを重ね、流れは明大に。6回のフリースローで11点を沈める集中力で、点差を着実に増やしていく。執念深く3Pシュートを狙われ、相手に計3本も沈められるも、萱沼や小野尾の3Pシュートでこちらも対抗。残り13.3秒のタイムアウト。「1、2、3ファイト!」の掛け声でまたチームがひとつになった。最終スコアは78ー74と4点差で粘り勝ち。最後はどこのチームにも負けないチームワークで初めての2部上位昇格を果たした。
喜びをかみしめた。チームの勝利に渡辺徹監督は「もううれしい。うれしいの一言」と満面の笑みを浮かべた。しかし、試合前は「相手のビデオをみたりした時はちょっとまずいなという印象もあった」(渡辺監督)と豊富な選手層と相手の高さに不安を感じていた。総勢12名の明大は主力の6名の出場で戦い切ったのに対し、総勢44人の桐蔭横浜大は一気に4・5名を交代させることが何度もあり、代わる代わるフレッシュな選手を投入。その厚い選手層に度々押される場面が見られた。また、序盤は相手の高さに圧倒され、オフェンスリバウンドを取られる場面が目立っていた。それでも人数の少なさを結束力に変え、高さには連携の上手さで立ち向かった。「最後までみんなしっかりと明治のディフェンスバスケットをやってくれた」(渡辺監督)とハンディキャップを乗り切った選手の勇姿を称えた。
2人の4年生がコート内外でチームを支えた。現在、女子バスケットボール部の4年生は萱沼と山口明日香(商4=岡谷南)の2人のみ。「最善策をとりあえず毎日2人で考えていた」(萱沼)とチームのことばかり考えていた。萱沼はプレイヤーとして、山口は主務として精神的支柱となり、チームを支えていた。そんな最上級生に「4年生最高です」(多久)と感謝の言葉があふれ出た。チームを裏方から支え続けた山口に萱沼主将は「この昇格が1番の恩返しとしての気持ちを伝えられると思ってプレーした」。リーグ戦得点王の萱沼はこの日も計29得点と大活躍。感謝の気持ちをプレーで表した。
先輩の最後のリーグ戦に花を添えた。計3本の3Pシュートを沈め、第1Qではブザービーターとなり、何度もチームの起爆剤となった小野尾は「先輩方のために自分たちができることをやれた」。一生懸命チームに尽くしてきた先輩のために頑張った顔には、達成感があふれていた。今季リーグでは1・2年生が躍動し、多久、藤野、坂本の3人の下級生がスターターに名を連ねていた。来年にはチームを去る萱沼からも「みんな攻め気が出てきて頼もしい」(萱沼)と次世代への期待の声が上がった。来季からは頼もしい先輩へと成長していく。
新しい目標が見えた。2部上位リーグは2位以上になれば、インカレに出場することができる。次なる目標は初のインカレ出場だ。しかし「今のままじゃ相手にされない」(松本)と2部上位リーグのレベルの違いを感じている。渡辺監督は「2部の上位でやるにはみんながやらないと」とチーム全体のレベルアップを促した。次週に控える東京六大学対抗戦が4年生にとって最後の大会となるが「来年にもつながるスタート」(萱沼)と次世代の出発でもある。4年生と臨む最後の大会を笑顔で終えたい。
[古賀章太郎]
試合後のコメント
渡辺監督
「もううれしい。うれしいの一言。選手たちがしっかりとやった。相手のビデオを見たりした時はちょっとまずいなという印象もあった。(相手は)高さがあるし交代メンバーが豊富にいてみんな元気がある状態でやるから、うちは6人で今日はやっているので後半もちょっと心配してたけど、最後までみんなしっかりと明治のディフェンスバスケットをやってくれた。(リードを許した場面のチームは)リードと言ってもそんなに点は開いていなかったのでとにかくしっかりディフェンス、リバウンドやれば何とかなるということで集中を途切れさせないで頑張っていたと思う。(1Qは)『点の入れ合いっこをしたら負けちゃうよ』と言っていて、1Qはディフェンスもしっかりできていた。うちも得点入らなかったけどだいたいそういう感じだろうと思っていたので、しっかりとディフェンスをやれていて良かった。(気を付けた策は)向こうのセンター11番のプレーを簡単にさせないように。特にゴール下あたりは絶対前で持たせない、自分の後ろにしてつくぐらいのディフェンスで楽にボールを持たせないようにということで、最初の方は結構やれていた。ところどころはどうしてもやられる部分があったけど、意識していた。それと後半の方のゾーンプレス。ボール運びが危うい場面が少し続いて、あの辺のパス出しもある程度のことは意識できているだろうけど、ちょっと弱かったかなと。(昇格して来年からは)厳しいだろうね。4年生のキャプテンの穴埋めがどこまでできるか。今日はほとんど1・2年でやっていたし来年は大きい子が入ってくるけど、AとBじゃやっぱり違うね。ただAに上がっておくとどうなるかわからないけどインカレに出られるチャンスができるわけで、そういう意味では目標ができた。まだまだ選手強化しないといけない。2部の上位でやるにはみんながやらないと」
萱沼
「リーグ始まる前も始まってからもずっとディフェンスとリバウンドを意識してやってきたので、それが発揮できた試合だった。(第2Qで追いつかれたのは)相手がゾーンディフェンスに変えてきたので、そこでうまく攻め切れなかったけど、その分ディフェンスで崩れないように、踏ん張ることを意識してやった。点数は追いつかれてしまったが、そこで踏ん張れたのはよかった。(第3Q前に、萱沼から他の選手に声かけは)特に言わなかった。ここから気持ち切らさずに、点数は気にしないでディフェンスとリバウンド意識しようみたいな感じ。(今日の感想)今まででやってきたことの集大成だねって昨日練習終わってから話してて、今日も選手主体にみんなで声出して話し合ってやっていたので、今までとそんな変わらず、やってきたことしましょうという話をしていて、それができたのでよかった。(下級生の活躍)自分が4年生で唯一のプレイヤーというのもあるんですけど、あんまり自分以外に引っ張っていく人がいなくて、大丈夫かって感じだった。でも1年生が入学してきて、そこの面倒見をよくしてくれた。コミュニケーションとりやすい2年生が多いので、1年生は多分安心してこれまでやってこれていた。やるときはやる、のメリハリつけて、下と上を繋いでくれていた。(下級生は)攻め気があって、前よりも積極的になってる。前ができなかったってわけでもないですけど、みんな攻め気が出てきて頼もしいです。(次の世代に対して)不安は特にない。新たに始まる時に一人ひとりがもっと自分は、この役やった方がいいなとか引っ張らないといけないなっていうのはあると思う。ここから1年あるけど、最初からはたぶん無理なので、チームで自分たちがどういう立場なのかとかどうするべきなのかっていうのはこれから考えると思うので、心配は特にない。(山口さんの支え)大きかった。感謝しかないです。自分はプレー以外全部のことを任せていて何にも知らない状況なので、ありがとうって言っても『当たり前だから』っていう感じ。何で恩返しできるかなって考えたら、結果しかないと思って毎試合絶対勝って、恩返せたかなって思ってた。そういう意味では、この昇格が1番の恩返しとしての気持ちを伝えられるものではないかなって思ってプレーした。(最後のリーグ戦)うちらはできることを一生懸命やってきた。チームのためを考えて、最善策をとりあえず毎日2人で考えていた。リーグ通してってよりも、1年通してやってきたから、リーグだから特別にこうしたっていうのはなくて、目の前のことを一生懸命にやっていた。(次の六大学対抗戦に向けての意気込み)みんな疲れているので、とにかくケガなく終わりたい。もう一回気を引き締めて気持ちだけは持って、勝ちたいっていうのもあるけどそこは無理せずきっちりやるっていうのが、来年にもつながるスタートだとも思うので」
山口
「2部上位昇格が決まって嬉しい。自分がどれだけ力になってたか分からないけど、できることをやろうって思ってやってきて、それをみんながプレーで結果を表してくれたので良かったと思う。(今年で引退になるが)後輩たちには、プレーの面では、今までやってきたディフェンスからちゃんとやることだったり、リバウンドをからちゃんとやって、そこから攻めるっていうのをしっかりやってもらいたい。気持ちの面では、独りよがりにならないで、チームの目標を常に忘れないでいてほしい」
松本
「(昇格して)まだ実感というものは湧いてなくて、上がれたんだ~という気持ち。うれしいです。でもうれしい反面、自分たちが来年上位でしっかりやっていけるのかという不安にもなった。(接戦の場面は)そんなに焦りはなかった。コウさん(萱沼)が大丈夫大丈夫と言ってくれてて、コウさんが言ってくれると安心できる、みたいな。シーソーゲームになったときもコウさんがちゃんと決めてくれるので個人的には焦らなかった。(入替戦という大事な一戦に出て)やるぞという気持ちでいきました。チーム全体も意気込んでいた。(自身のプレーは)入んなかったーという感じ。ディフェンスも厳しくできてたらな。ちょっと足を引っ張っちゃった部分が大きかったかなと思う。その分アコとかが代わりに入って、頑張ってくれてたと思う。(2部上位での戦いは)今のままじゃ相手にされないくらいだろうと思っている。しかもコウさんが抜けちゃうから得点源になる人もいなくなっちゃうし、その部分をどうやって1年間で埋めていけるかが大事だと思う」
多久
「本当に勝ててよかった。途中相手がプレスにきてやられちゃったところもあったが、そこから自分たちで修正して最後シュートで終われたのですごくよかった。ディフェンスもみんなカバーしてできた。正直すごくビビっていた。相手の方が身長も高くて、上で戦ってきてて、周りには言えなかったけど試合前すごく緊張していた。でも試合始まったら、チャレンジャーということで気持ちだけでは負けないようにってやれて、自分の中では落ち着いてできたと思う。身長で負けている部分をスピードやパワー、技術でしっかりやって、あとは気持ちでシュートを打つだけだった。そこは何本も決められたのでよかった。リバウンドは全然取れなくて、もう少し相手を抑えてから取りにいったりすればよかった。11番が中で点を取ってきていて、そこしっかり寄ろうっていうことになったのにかわされたりとかあったので、まだ改善できるかな。(4年生)プレイヤーがコウさん1人で、本当に大変だろうなって思う。言葉だけじゃなくてプレーでも大きく引っ張ってくださった。リンさんも一人一人声かけてくださって、マネージャーも仕事も完璧だし本当に4年生最高です。(リーグでの立ち位置)去年もいっぱい出させてもらって、自分は点取らなきゃいけないっていうのもわかっていたし、やっぱりコウさんとかイクがシュート決めているのでリバウンドも頑張ろうと意識してやっていた。(これから)コウさんが抜けるっていうのが1番大きい。そこをみんながどう埋めていくか。新しい1年生も入ってくるし、今まで以上に自分たちで話し合って、もっと頭を使って身体も鍛えて強くして、こうやって勝っていきたい」
藤野
「2部上位昇格が決まって嬉しい。リーグ戦終わってからは、相手が前から当たってくるって言われてたので、そこをかわしての運び方の練習とか、ゾーンをしてくると言われてたので、それに対応する練習とかをしていた。あとはいつも通り自分たちの練習をしてきた。(2部上位校で手強い相手だったと思うが)ディフェンスとリバウンドはしっかりやるって決めてたので、それが最後までやり通せたかなと思う。(相手のファウルを誘えた要因は)その時に落ち着いてできたことだと思う。上位に昇格したからには1部も見据えて戦っていきたい。次の六大学対抗戦では、明治らしさを出して、いい形で今シーズン終われるようにしたい」
小野尾
「やるしかないと思って臨んだ。自分は1年生なので、渡辺さん(監督)からもミスしてもいいからどんどんやれと言われてたので、一生懸命がむしゃらにやりました。相手がめっちゃ当たってくるってことは分かっていたので、それを狙ってファールを重ねさせて、自分たちのバスケができた。(第2Q相手に追い上げられたが)少し焦ったけど、落ち着いてやれば自分たちのプレーができるし、第1Qでも離せていたのでとにかく落ち着いてもう一回最初からやり直そうって思ってやった。(緊張)少ししました。みんなにポーカーフェイスって言われるんですけど、内心緊張していました。(途中は接戦だったが)とにかくディフェンスとリバウンドを徹底した。あと、どんどんシュートを打っていこうということを意識した。(今回の結果を受けて)すごくうれしいです。萱沼さんが4年生1人でずっと練習から引っ張ってきてくれてて、それについていこうと思ってやった。(4年生の存在)大きかった。人数少ない中で一生懸命まとめてくれたりと尊敬できる先輩です。(2部上位昇格で4年生の最後のリーグ戦を終えることができた)先輩方の自分たちができることをやれたかなって思う。(2部上位に戦いの場を移すが)結構自分の高校の同期とかいるので、やっぱり一年間ケガしていたっていうことにも負けないように。あと、当たりとか強いと思うので、明治のプレーをやっていけば大丈夫だと思う」
坂本
「うれしい。目標としてたことなので、本当にうれしい。(試合を振り返って)自分が序盤からファールがかさんでしまって迷惑しかかけてなかったんですけど、先輩たちに助けられた。最初ちょっと緊張していたんですけど、試合していくうちにやらなきゃっていう気持ちが大きくなった。(どういう気持ちで試合に臨んだか)ファール重なってくるとチームの雰囲気も悪くなってしまうと思ったので、自分でファールはしないようにということと、とりあえずディフェンスだけは抜かれないようにしてオフェンスにつなげられるようにしていけたらなって思っていた。(桐蔭横浜対策)センターの11番がガツガツ1人でやってくるんですけど、それをコウさんがうまく抑えてくれたのが一番大きくて、外のシュートもそんなに入らないかなって思って中に寄っちゃったりしたんですけど、中寄ってカバーできたのは相手のミスにつながったかなって思う。(4年生の存在)ずっとコウさんがチームを鼓舞してくれたので自分たちもそれについて行こうっていう気持ちでできた。(六大学戦に向けて)4年生とできる最後の試合になるので、自分今よりもレベルアップして最後みんなで笑って終われるようにしたい」
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