
玉城メイジの集大成を見せた 女子5年ぶりV男子は3位/全日本学生ライフル選手権大
[女子]
もう男子だけの明大ではない。初日、最初の大事な射を任されたのは2年生の劉炫慈(商2=日大櫻丘)。「玉城主将に思い切って撃てと言われた」と期待がかかる中、ARで着実に得点を稼いだ。続く2日目では小澤綾香(国際3=笛吹)がARで出場し前日の団体6位から3位へと順位を上げる。「これからは4年生の先輩たちが抜けて自分たちが明治を引っ張っていかなければいけない」(小澤)とインカレで頼もしく成長した姿を見せた。そして、迎えた最終日。頼れる4年生コンビ時田亜也加(農4=鶯谷)、小畑まゆ(国際4=園部)が4年生としての意地を見せた。小畑は「絶対に優勝できると思っていた」と勝利を信じ的に向かい、女子の精神的支柱となっていた時田も落ち着いた射で悲願達成へ大きく貢献。最後は時田の1発で優勝が決まり、選手たちの目からは涙がこぼれた。また団体だけでなく、時田が躍動しSBR個人優勝。世界大会にも出場した時田が地力を発揮した。女子は男子のおまけと言われることも多かったが「明治は男子だけでなく女子も強いことを証明できた」(永澤瞳・農3=栄北)。おととしのインカレは出場すら叶わなかった女子が大舞台を最高の成績で飾った。
[男子]
主将としての1年間を終えた。秋季大会でSBR3姿勢(立射、膝射、伏射)優勝と好調の玉城だったがインカレでは本調子とはいかず全種目で表彰台を逃した。団体では秋季大会で1位と勢いに乗っていた男子団体もライバル日大に優勝を許し明大は3位。目標としていたアベック優勝にあと1歩届かなかった。玉城は「悔しい気持ちもあるがみんな一生懸命撃ってくれたので悔いは残っていない」と結果は出なかったが大学最後の大会を晴れやかに終えた。「主将はきついことも多かったけれどこれからに生かせることあり何より成長できた」と玉城は主将としての1年間に満足の表情。「玉城主将の言葉でメンタル的に落ち着けたことも多い」(永澤)とプレーだけでなく精神面でもけん引する姿は次の世代へ受け継がれていく。
新たな明大が始まる。今回のインカレで4年生は引退。今大会個人3種目すべてで銀メダルを獲得した柳川由太郎新主将(法3=明大中野)の下、気持ち新たに悲願のアベック優勝へ向けスタートする。今年に入りSBR強化の効果が目覚ましく明大の武器となっているが、強豪校と争っていくためにはARの強化も必要不可欠だ。まだ発展途上の段階だが、「後輩たちはしっかり結果を残してくれる」(玉城)と期待も大きい。玉城メイジから柳川メイジへとバトンはつながれた。常勝明治の名をゆるがぬものにするため、歩みを止めず射を極め続ける。
[東後太一]
試合後のコメント
佐橋監督
「(女子優勝)実力出せば勝てるとは女子は特に思っていて、時田は秋から世界大学行って、100%の戦力ではなかったのだけど、時田が帰ってきて、三姿勢とSをやってくれて、しっかり実力を出せた。狙ってはいて取れるとは思っていたけど、それが実現した。(時田がSBRで優勝)元々自力はあったのだけど、ようやく実力が出るようになって、しっかり点数を撃てるようになった。(男子)ちょっと残念というかふがいない順位にはなった。男子自身もしっかり撃っていけば優勝も狙えないような点数ではなかったので、そういう意味では東西六大学の前の試合もあったのだけど、そことの試合のスケジューリングの問題。そこは選手をどういうふうに使うか、監督としてももう一回反省して、しっかりやっていきたい」
玉城
「今回の結果はやっぱり悔しい気持ちがある。でも他のみんなの一生懸命撃ってくれた姿を見れたので自分としては勝つ気持ちのあるメンバーを組んでいたのでそれには何も悔いは残っていないです。個人としては最後の大会、主将として向かえる大会でもあって誰よりも試合に気持ちが入っていて自分で自分を苦しめてしまっていたと思う。やれることはやってきたし誰よりもその努力に対しては疑いはないので本当に悔しいけれど一つの区切りとしてすっきりした。主将はきついことも多かったけれどこれからに生かせることもあるし何より成長できたと思う。後輩たちは仲も良くて実力もちゃんとあると思う。しっかり結果を出してくれると思う。別に不安もない。常勝明治を体現するようなチームになってほしい」
小畑
「優勝は素直にうれしい。今回は団体のためにと考えて撃つとプレッシャーが大きいので自分のために撃つということを意識していた。時田が最後撃った時はこっちもすごく緊張したけれど安心して見れた。女子は絶対に勝てると思っていて足りたないのは技術というよりも気持ち作りの部分だと思う。後輩たちは自分は厳しい役をやっていたのでいい先輩としてやれたとは思わないのだけれどそれでもここまでついてきてくれてやっぱり辛い時に自分たちを追い抜こうという気持ちでやってくれたので気持ちをずっと切らさずにやれた要因だと思う。後輩たちにはとても感謝している」
時田
「(女子団体優勝)すごいうれしかった。4年間でインカレは、1年生のときにインカレの優勝と2年生のときにセンバツで、毎年優勝は経験していたのだけど、全部それは男子の優勝。女子の優勝はほぼほぼしたことがなくて、いつも男子のおまけみたいな気持ちで女子は過ごしていたので、今回は男子のおまけじゃなくて、女子が優勝できてとてもうれしい。(SBR個人優勝)わりと信じられなくて。優勝したいとは思っていたのだけど、本当に優勝できた瞬間、ランキング速報がすぐに出るのだけど、自分の名前が一番上にあることが信じられなくて、嘘だ!と思っていた。(女子団体優勝の瞬間)やっぱり春関と一緒で、何回か同期に『本当に?』って確かめた。まだ泣くの早いと思っていたのだけど。本当かどうか自分の目で確かめられてはなくて、人伝えに聞くことは多かったのだけど、記録用紙で確認して間違いがないって確認できた瞬間に本当なんだって思って、一緒にいた小畑とか、後輩、同期とかと抱き合って喜んだ。(インカレの優勝は)4年間どうしても切望してきたインカレの優勝だったので。射撃部は今年95周年なのだけど、節目に優勝を持って帰りたいという強い思いがあった。(男子のおまけと言われてきたが最後にインカレ優勝)満足いくくらい悔しさを晴らすことができた」
小澤
「今まで3年間、大学射撃をしていてまさか女子がこんなに勝てるようになるとは思っていなかった。今年になってSBRでARより点数が出ていたのでAR合宿などできちんと調子を整えてそれがちゃんと出て優勝できたのは本当によかった。初めてインカレという大舞台に出られることになって緊張するかなと思っていたのだけれどそこまで緊張はしなくてやっぱり周りの同期や先輩とかがけっこう話しかけてくれたり緊張を和らげてくれていた。これから4年生が抜けていってしまうけど今のチームよりもっと団結して強くいきたい」
永澤
「(女子の総合優勝は)やっぱりとてもうれしい。メンバーに入れたこともとてもうれしい。少しSBRは自信をなくしてしまっていた部分もあったのでいつもより少し点数は低いがそんなに悪い点数でもなかったのでとりあえずはよかったかなと思う。先輩たちはでももっといつも以上に撃っていて気合いが入っていて一致団結できて勝ち取れた。それが結果にも結びついたのだと思う。秋関からの切り替えはしっかりとできていた。これからは主体であった4年生が抜けていき自分と小澤が中心になっていかなければいけない。その下にいる劉をとりあえず鍛えていかなければいけない。その中で自分たちも吸収できる部分が必ずあると思う。自分たちになる自覚を持ち始めないといけない。自分たちがしっかり引っ張っていける点数を取って劉を安心して撃たせてあげたい。これからもやることは変わらない。みんなでしっかり練習して強化して優勝を目指す。ただメンバーは少し少ないかなと思う。今年は玉城先輩がしっかりまとめてくれた。玉城先輩は自信が出るような言葉をたくさんかけていただいてメンタル面ではとても助けてもらった。1年生からレギュラーとして撃っていて経験もありとても頼りになる存在だった。それに対して柳川は射撃に対してしっかりまじめに取り組んでいるし自分の考えもどんどん言ってくるので頼りになる存在になってきている。キーパーソンというか裏方としては柳川の働きは大きかったと思う」
劉
「今回自分はそんなに貢献できたとは言えないのだけれど4年生の人たちと一致団結していけた。自分の実力の底上げもしてきた。優勝できたのはもちろんうれしいし、こうして先輩たちをいい形で送り出せて嬉しく思う。でももっとこれからは試合経験を増やしていかなければいけない。自分はこれからSBRを撃っていくことになると思う。今の3年の先輩たちと自分たちがSBRの団体を組むことになると思うが今いろんな人に期待されていて来年頑張ってなど声をかけられたりしてプレッシャーも大きい。3年の先輩たちもしっかりと撃てるし柳川先輩もとてもうまいので3年生の先輩方に頼りながらSBRの練習をやっていきたい」
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