二ノ宮が3位 寺田は2年連続の表彰台ならず/全日本大学グレコローマン選手権

2016.10.23
 本職ではなくとも結果を残した。大会2日目は59、71、80、98kg級が行われ、98kg級の二ノ宮寛斗(営1=岐南工)が3位入賞を果たした。昨年2位の寺田靖也(農4=八千代松陰)は3位決定戦に進むも敗れ5位入賞と表彰台を逃した。大学対抗では昨年に続き6位と明大がグレコローマンスタイルでも通用することを見せつけた。

二ノ宮が3位表彰台
 ルーキーらしからぬ活躍が続く。入学から大会に出れば表彰台と乗りに乗っている二ノ宮。初戦から順調に駒を進め、迎えた準決勝の相手は国士大の宮國。「相手のペースで試合が進んでしまった」と大技を出さずに確実にポイントを取る相手に苦戦した。相手の2ポイントリードのまま試合は進み0-2で惜しくも敗れた。それでも3位決定戦では序盤から松本(早大)を豪快に投げ、4点を重ねて8-0のテクニカルフォール勝ち。「クジ運がよかった」。結果を冷静に受け止めるも、見事に3位入賞を決めた。
 「ここからフリーもグレコも順位を上げようと思うと今の練習だけじゃだめ」。二ノ宮も75㎏級で準優勝の奥田海人(政経2=霞ヶ浦)とともに自主的に出稽古に出向くなど、強化に余念がない。悔しさを胸に表彰台の真ん中へ向けてひたむきに突き進む。

寺田悔しい5位入賞
 去年越えとはならなかった。昨年2位となり「最低でも3番は狙っていた」と臨んだ寺田。しかし初戦で今大会優勝した河名(専大)にテクニカルフォール負け。まさかの1回戦敗退かと思われたが、敗者復活戦のチャンスを得るとインカレ2位の大山(青学大)をテクニカルフォールで破ると波に乗った。「最初負けてしまっても気持ちは切れなかった」。敗者復活戦を勝ち進み3位決定戦まで持ち込んだ。3位決定戦の相手は早大の伊藤。グラウンド技の強い相手に開始からバックを取り一気に試合を決めようと攻め込むが6ポイント止まり。「自分の中で8―0でテクニカルで勝ったと思って」と詰めの甘さが出た。その後はグラウンド戦に持ち込まれ、あえなく敗退。惜しくも2年連続の表彰台を逃した。
 

 入賞者を3人出し、大学対抗得点で6位に入った明大。「入賞者以外の選手と2番手の選手の底上げを図らないと明治大学はもっと上にはいけない」(多賀恒雄副部長)。個の力の成長がチーム力の向上につながる。団体戦で戦うためにもチーム力の底上げは不可欠だ。次戦は11月の内閣総理大臣杯。本職のフリースタイルでの戦いに真価が問われる。

[柏崎涼介]

試合後のコメント
多賀恒雄副部長

「うちのトップ選手はそこそこ戦えるんだけども、それ以外が情けなかった。その差があるので、団体戦になると戦うのが厳しいかなと。ただ、グレコの練習をしてないなりにはみんな頑張った。奥田はまだグレコの形にはなっていない。スタンドの技があるからまだいいけどさされて押されたら今のルールじゃ勝てない。上からいくのをなんとかしないと。それで押されてしまっている。優勝を目指すのならそこを改善しないと。二ノ宮はまだ1年生だからね、1年生にしてはよく頑張ってくれたと思う。(グレコで3人入賞者が出たのは)奇跡だよ。頑張ってる。グレコ向きだなと思う選手がいればグレコ専門でやらせたい。団体で10位以内に入ったのはまあまあ頑張った。入賞者以外の選手と2番手の選手の底上げを図らないと明治大学はもっと上にはいけない。これからそこをなんとかしたいね。」

寺田靖也(農4=八千代松蔭)
「最初バックとってローリング返して2回がぶり返しして自分の中で8―0でテクニカルで勝ったと思って、その後巻かれるのが怖くて離して勝った気分でいたが、6点止まりだった。がぶり返しが戻ってないって判定で、今思えばチャレンジすればよかったと思うけど、敗因はそこですね。そこでもう1回返しにいってれば文句なしの8―0で3番だったので詰めの甘さが出た。グラウンドになったら相手が強いと分かっていたので、僕もグラウンド守るのが弱いのもあってバック取られたらいけないと思っていたけど取られてしまった。自分が表彰台乗るのはもちろんと思っていて、団体戦が去年は6番で今年は5番以上目指していて自分が表彰台乗って順位上げようと思っていたが、それができなくて悔しい。ただ、去年と同じ順位なのはホッとしている。自分が入賞しなかったせいで7番とか8番になったらどうしようと思っていたので。5番は後輩に託す。敗者復活戦の最初の青学の子がインカレで2番に入っている選手で、インカレの表彰台を僕も狙っていて乗れなくて、言ってしまえば格上の相手だが絶対勝つ勝てると思っていた。強気でいってよかったと思っている。5番という結果は満足ではない。去年2番でいい思いしているので、最低でも3番は狙っていたところなので。最初負けてしまっても気持ちは切れなかった。試合はないけど主将の大山と主務の中村も来てくれて、2人から「いけるから」と言ってくれて気持ちの切り替えができた。2人のおかげで頑張れた。僕らの代は大山が背中で見せるっていう感じなので最後の内閣は僕と大山で良い成績とって、団体の順位をグレコと同じように8位以内に食い込んでかっこよく終わりたい。あの先輩たち強かったと言われるように終わりたいと思っています」

二ノ宮寛斗(営1=岐南工)
「グレコは得意な方ではないが、組み合わせでチャンピオンか別のブロックでクジ運もよくて準決勝までは楽にいけるかなって思っていた。準決勝で強い人と当たるなと思った。準決勝の相手のスタイルは投げとかではなくて、確実に点数を取るスタイルだったので、なかなか自分も攻めれる技がなくて相手のペースで試合が進んでしまったからロースコアだったけど負けちゃった。自分は相手が投げにくる体勢から仕掛けるのが得意なんだけど、相手もなかなか仕掛けてこなかった。相手がそういうスタイルできてるって分かったので、自分も取りにいこうと思ったけど、体力不足とか自分に技がなかった。自分がグレコで成長した部分がまだ見えていないので、今回は準決勝で強い人と当たったから3位になれたんだと思う。クジ運がよかった。フリーで出ることが多くて重要な試合もフリーが多いのでこれからもフリーを主にやっていくが、グレコも負けると悔しい。体力をつければグレコも一歩成長できると思うし、フリーでも勝てるようになると思う。両スタイルできるように頑張りたい。やっぱりインカレとかの結果を受けてフリーに関しては成長が実感できる。高校生の頃はグレコで優勝してるので、グレコはその頃の貯金でやっている感じ。ここからフリーもグレコも順位を上げようと思うと今の練習だけじゃだめだなと思う。大会前に出稽古に先輩と一緒に行ったり1人で行ったりした。国体が終わってからは毎日グレコで、オフも自分で出稽古に行ったり休みなくやってきた。ただ考えてみると、練習やったというだけの練習になってしまった。自分で考える練習がなかったと思うので、それが今回の3位という結果かなと。まず内閣があって、インカレで2位になっている分順位は下げれないし、悔しかったので内閣では優勝できるように厳しく練習していきたい」