
立大に90―56と圧勝 下位リーグ戦を2位で終え上位昇格戦へ/関東大学女子2部リ
スターターは、松本真衣(理工3=鵬学園)、藤野希生(国際2=埼玉栄)、坂本真祐(情コミ1=山村学園)、多久文乃(情コミ2=東京成徳)、萱沼史織主将(情コミ4=埼玉栄)。
劣勢で迎えた第2Qは素晴らしい試合展開を見せる。第2Q前のインターバルで萱沼主将から「ディフェンスから声出して」とげきが飛ぶと、徹底したディフェンスが共有された。第2Q序盤から相手に得点を許さず、約6分もの間は無失点に。最終的にこのQでの失点はフリースローでの2点のみ。ディフェンスリバウンドを徹底し、相手の2次攻撃を防ぐことで、流れの中での失点をゼロに抑えた。「しっかり守ることを意識したら、オフェンスのリズムもできた」(萱沼)と守備から攻撃へと流れを繋げる明大らしいバスケを展開。オフェンスでは、相手のゾーンディフェンスに対して「対策していた」(萱沼)と内外での素早いパス回しで攻略。第2Q開始1分20秒後の萱沼の同点シュートに続き、多久のバックシュート、速攻から小野尾梨紗(文1=昭和学院)が決め、3連続得点で明大に流れを引き込む。立大はタイムアウトを入れるも、その後も勢いは止まらず。さらに4連続得点で一挙14点を挙げた。相手の特徴に対し一週間準備してきたことが功を奏した。第2Qだけでのスコアは20―2と攻守においてさえ渡り、2点ビハインドで迎えた同Qを16点リードで終えた。その後も危なげない試合運びで、最終スコアを90―56とし完勝。第2Qで試合をひっくり返し、勝利を手繰り寄せた。
チームのまとまりを随所で感じさせた。特に今試合の第4Qでは、普段控えのメンバーである橋本みなみ(商3=県立柏)、荻島碧(理工2=明大明治)、成田ちはる(理工1=福島西)が得点を決めるとベンチはひときわ大きい歓声を上げた。全部員で12人とかなり少人数ということもあり、全員でチームを盛り上げている。このまとまりの良さはひとえに「キャプテンがよくまとめている」(渡辺徹監督)と主将の存在を挙げる。萱沼主将はリーグ戦を通して「チーム力が必要だと感じた。ベンチだったり、試合に出ている人だったり全員のまとまりが必要だなと感じた」。何かあっても主将を中心に選手主体となって話し合うことで、つながりの強いチームの和を形成した。
今季リーグ戦では下級生の活躍がカギとなった。ハイスコアでの勝利が目立った今季のリーグ戦。勝利した12試合は74点以上、また全14試合中8試合で80点以上と得点力の高さが見られた。しかし、昨季3人の4年生スターターが引退したことで不安要素があった。それでも下級生の多久文乃(情コミ2=東京成徳)、坂本真祐(情コミ1=山村学園)が攻撃の主軸を担い、昨季以上の得点力を発揮した。ルーキーながら全試合に出場した坂本は、今季の結果に満足しておらず「ミスをなくして、シュートを決めきる力を付けていきたい」とさらなる成長を誓った。
今季集大成の場で結果を残したい。次戦は2部上位をかけた入替戦となる。対戦校の桐蔭横浜大は、昨季65―82で敗戦している相手。それでも「明治なら対抗できる」(渡辺監督)と勝機は十分にある。今年がラストイヤーとなる主将は「自分たちのバスケをして勝ちたいです。いや、勝ちます」(萱沼)と力強く意気込んだ。今月29日に行われる運命の一戦に勝利し、史上初の2部上位昇格をかなえる。
[古賀章太郎]
試合後のコメント
渡辺監督
「選手も心得ているからディフェンスをきちっとやってできた。第1Qで相手がゾーンできて若干戸惑ってシュートがだいぶ(入らなかった)。タイミングで打って落ちていたのであまり心配はしてなかったけど。ディフェンスきちっとやれてたのは良かったと思うし、リバウンドを取ってから走るのも速くなって、速攻も何本も出ていたので良かった。今日は全員出られたし、出た子もそれなりに得点できて、リーグ戦の最終としては良かったと思う。(2Qで20-2の要因は)ディフェンスをちゃんとやったこととこっちが速攻に向かえたこと。ディフェンスをどれだけ1試合フルに、気を抜かないで行けるかが重要。ところどころちょっと簡単な1対1でやられたところもあった。最後までやれるようにしていかないと、上とやるには厳しい。(入替戦を見据えた上で)特別なことはないけど、うちとしてやらなきゃいけないのは、ディフェンスやってリバウンド取って走るということ。そういうことをきちっとやれるかどうか。(リーグ戦の総括)去年の4年生スターター3人が抜けてどうなるかなというのはあったが、1年生2年生のスターターももともと得点能力がある子で、逆に(全体の)身長も高くなったし、去年以上に力は発揮できるようになった。キャプテンがよくまとめて練習からやっている。選手が主体でやっていて、何かあってもベンチで話し合っているので。そういう意味では今までの明治の中でも良かった。リーグ戦が始まる前からうちらしくやれればある程度の成績が残せるかなというような思いはしていた。勝った試合はほとんど大差で勝てたのも良かった点」
萱沼主将
「昨日勝ったけどもう一回気を引き締めて、昨日の勝利を忘れてやることをしっかりやろうと話していて、それができたのでよかった。ゾーンディフェンスに対しては対策していて、第1Qからやろうとしてた。でもみんなのタイミングが合っていなかったので、第2Q前にもう一回確認して臨んだ。それで第2Qの時にスムーズにできた。あと第1Qはこちらのディフェンスがうまくいかなくて、守れなかったので流れが悪かった。シュートを決めれないからこそ、その後のディフェンスでしっかり守るっていうことを意識したら、オフェンスのリズムもできた。そこはみんなでコミュケーション取って、修正できたのでよかった。(全員出場したが)全員出場するために点差を広げられたのがよかった。(今期のリーグはハイスコアでの勝利が多いが)みんなが攻め気でパスよりまずシュートを意識していることが結果に表れてる。(リーグ最終戦だが)ディフェンスとリバウンドを意識した。そこは入替戦でも大事。苦しい時こそディフェンスとリバウンドを頑張ろうと改めて意識した。(リーグ戦を通して)自分たちがうまくいかない時間を少なくしようということを毎回話していた。流れを悪い時間を短くするためにディフェンスとリバウンドをしっかり取ることを毎試合意識してきた。それが毎試合できるようにしてきたことで、今勝てているので、全部を通して、そこをポイントとしてやってきたことは間違ってなかったと感じている。それはこれからも大事になってくると今日も感じた。(4年生ということで最後のリーグ戦だったが)チーム力が必要だと感じた。人数が多くてもまとまりがないとだめ。ベンチだったり、試合に出ている人だったり全員のまとまりが必要だなと感じた。(入替戦に向けての意気込み)今までの14試合も相手のビデオをみて、ここがポイントだからここを詰めていこうという話をして、一週間練習に臨んでいたので、それをしっかり継続して、みんなでコミュケーション取りながら、自分たちのバスケをして勝ちたい。いや、勝ちます」
小野尾
「昨日と違って相手は最初からゾーンで来ていたけど、昨日から自分たちのプレーをしていこうと話していたので、自信を持ってできた。(自身としては)走って速攻ができたところとシュートが入らなくても諦めず何回もシュートを打っていったところ。(第2Qは)オフェンスは走ることを意識した。リバウンドを取ったら走るということを意識して、相手の戻りも遅かったので、結果的に速攻が得点につながった。ディフェンスはリバウンドを徹底してちゃんと守ることを意識しようという話をしていた。それらができたから自分たちのプレーにつながった。(ゾーンディフェンスを攻略するために)外からだけだと相手は動かないので、一旦中に入れてから外に出したりっていう工夫もした。(今回の試合に向けて)今日はリーグ最終戦ということで相手も思いっきり来ると分かっていたので、受け身にならないで、攻め気でいこうと思っていた。(初めてのリーグ戦は)高校とは違ってフィジカルが強い。あと復帰戦だったということで、前の自分のプレーに戻れるようにがむしゃらにやった。自分としては満足のいくものではなかったけど、思いっ切りできたと思う。(入替戦に向けての意気込み)同じ2部でもAとB(上位と下位)では差があると思うので、自分たちのバスケをするためにもチャレンジャー精神を持って臨みたい」
坂本
「昨日と同じように自分たちのプレーができたので良かった。最初にゾーンをやられてなかなか点数が入らなかったが、しっかりディフェンス守って相手に入れさせないようにできて、自分たちが速攻出せる機会が増えて点数を伸ばせたと思う。(ゾーンの攻略は)完全にできたという感じはないが、ゾーンを組まれる前に速攻でシュートが決められたのは良かった。(2Qのディフェンス)しっかりローテーションもできたと思うし、声も掛け合っていたので、相手に点数取らせないようにディフェンスできたと思う。(初めてのリーグ戦が終わって)毎週毎週戦う中で疲れもあったが、人数が少ないのでみんなで声も掛け合ってできたし、自分としてもシュートは3Pシュートだったり先輩たちがカバーしてくれたりしたので攻め切ることができたと思う。ミスも多かったので自分に得点をつけるとしたら50点くらい。ミスをなくして、シュートも決め切る力をつけていきたい。(入替戦は)今まで戦ってきたチームとはたぶん全然違う、しっかりと自分たちのプレーを出してくるチームだと思うので、それに負けないように明治らしく点数が入らなくても相手を抑えてディフェンスすることを意識して戦っていきたい」
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