
近大に快勝 決勝戦へ駒を進める/全日本大学対抗王座決定試合
勝負どころで強さを見せつけた。切詰魁主将(政経4=高松北)・西脇一樹(国際4=松商学園)組の一戦は第1セットを難なく奪うも第2セットでは追う展開となった。ゲームカウントを4-4で迎えた第9ゲーム目では相手にポイントを奪われるも西脇のスマッシュを皮切りに連続でポイントを奪いブレークに成功した。5-4とようやくリードを奪った上に勝利まであと1ゲーム。西脇のサーブで2連続ポイントを奪いゲームの主導権を握ると最後は切詰のスマッシュで試合を決めた。「しっかり2セットで締めくくれたのは良かった」(切詰)。その後のシングルスでも二人はストレート勝ちを収め好調を見せた。
落ち着いた試合運びでゲームをものにした。シングルス1に登場した諱は序盤からジュースの応酬となるも1本ずつ着実に奪い2ゲームを先取。一時は相手のショットに翻弄(ほんろう)され追い付かれるもネット際でのプレーや力強いショットで突き放し第1セットを奪った。続く第2セットでは一つ一つのラリーをしっかりとものにし、ネット際のボレーで相手のミスを誘うなど巧みなプレーで圧倒。「もっと楽にいけた部分もあった」と反省する場面もあったが諱もストレートで快勝した。
王者奪還の機は熟した。早大にはリーグ戦で4-5とあと一歩のところで敗れており、リベンジを果たしたい。「このために今まで準備してきたので、あとはやるだけ」(切詰)。すべてを出し切る時が来た。日本一の栄冠をつかむのは明大だ。
[秋山祥子]
試合後のコメント
上原監督
「油断があったわけではありませんでしたが、関西はもともとダブルスが上手いのでやられたかな。ダブルス3も悪いわけじゃなかったけど、まとめられました。ダブルス1は意地でも取ってきてくれたのが良かったです。その中でダブルス1取ってくれたことと、西脇と切詰が早く決めてくれたことで流れを渡さずに済みました。池添はよく頑張ってくれたと思うし、それに合わせて澁田も意地を見せてくれたと思います。前回4-5で負けているので早稲田からしたら圧倒的に勝とうとするでしょうけど、我々はそれに引くことなく、それに立ち向かってやってほしいです。明日、4年生にとって4年間の集大成です。それを全て目標に戦ってきたので、しっかりやってほしいです。色んな感情が波打った試合になると思いますが、しっかり試合に集中してほしいです。色んな思いがあるけれども、まず目の前の仕事をやらせる。いつも通りの形で戦えるように誘導する。それができればチャンスはあると思っています」
切詰主将
「シングルスはスコア的にも圧倒できたので、周りのことを考えてしっかり1本取れて良かったです。ダブルスも相手が結構強かったが、しっかり2セットで締めくくれたのは良かったです。先にブレイクポイントやキープポイントを取っての逆転のゲームが多くて、そこの締めがしっかりできていなかったのでそこをちゃんとしておけば良かったと思います。ブレイクしたゲームはそこが1番大事になってくるゲームだと思っていたのでとりあえず無駄なことをせずに今できることだけをしっかりやりました。明日の決勝はこのために今まで準備してきたので、あとはやるだけだと思います。チームの状態も全然悪くないですし、今日もいい試合ばかりだったので明日に向けていい流れができたと思います。来年のことも考えて後輩のことも育てないといけない状況で僕が主将になって底上げというのは目標としてやってきたので、それがしっかり出たかなと思います」
諱
「入りは最悪でした。緊張もあったと思うし、イマイチ乗れなかったっていうのもありました。ファーストセットもタイブレークは5-1でリードしたのに、そこから落としたっていうのがなんか引っかかって、引きずっちゃいました。セカンドセットも入っていきなりサービスキープできずにブレークされてしまいました。ダブルス3が負けてしましたが2が勝ってくれました。セカンドセットの途中でベンチの濱中さんも『負けれんぞ。やっぱりおまえらが勝たんといかん』って言ってくれたので、そこでやっぱり二人で声も出てきたし気合いも入りました。お互い、澁田もシングルス0-6スタートだったし本調子ではないっていう中で競って競って勝ち切れたのは良かったかなと思います。ダブルスだけで3時間やっていて、足がつるのが怖かったし、早く終わらせたくて最初から全力で行ってたらベンチに怒られました。『ペースを落とせ』って言われたんですけど、落としたら自分のペースがおかしくなりました。程よく打つところは打ったし、ボレーもそこそこ良かったので簡単にポイントも取れました。ダブルス終わってからケアして万全の状態で行ったつもりでしたが、本当につることが怖かったって感じです。相手は夏に国体の予選で試合をしたことがあって、どんな子でどんなプレーをしてくるかも知っていました。球は速いしダブルスでもいい球を打っていたので、どんどん攻めてくるかなと思っていて、案の定かなり攻めてきました。途中途中引いてしまったりとか、そういう場面がちらほらあったので、ファーストセットではもっと楽にいけた部分もあったかなと思います」
澁田
「ダブルス1はなるべく早く取ろうと意識していましたが、意識しすぎて固くなってもつれてしまいました。ファーストセットのタイブレークで5-1から5-7になってしまったのは油断していたと思います。そこで切り替えられるようになってセカンドからは最後まで集中できました。ファイナルもそのままの勢いでできました。立ち上がりは良くなかったですが、自分たちで修正をしていくことができたと思います。今日はリターンミスが多く、お互いで良くないところを試合中に確認しあっていました。シングルスはすぐファーストを取られてしまいましたが、相手も油断したのかミスが増えて自分のペースで試合ができました。思い切ったプレーをするように心がけました。応援の数も多く、初めての王座なので緊張しました。4年生は口には出しませんが自分たちが勝てばチームが勝てると自覚していると思います。明日は決勝ですが、思い切ってこの舞台を楽しんで悔いの残らないプレーを貫きたいです」
西脇
「ダブルスはOBの方たちも多く応援に駆けつけてくれていたので、ワクワクと言うか高揚して試合に入りました。逆にそれで大丈夫かなと思って試合に入ったんですけど、普通に第1セット目からしっかりやれました。第2セット目は6-1で勝てるセットだったんですけど、無駄なミスで6-4にしてしまったのでそういう点をしっかりやらないと、明日の早大戦は勝てないなと思いました。シングルスは相手が小学生の時、同じテニスクラブに通っていた同期でした。でも、あまり気負うこともなく一人だけ個人戦を戦っているみたいにのびのびと試合ができました。(決勝の早大戦について)ここまで頑張ってきた理由は、日本一になることなので。決勝戦で早大に負けるためにやってきた訳ではないので、優勝するしかないです。水の泡になる訳ではないですけど、負けたら負けた大学という事実はあるので、そういう意味でも負けられないです」
田鍋佑輔(営3=修道)
「(試合を振り返って)昨日に比べて相手のレベルも高くて、今日は相手よりも自分たちのほうがミスが多くてそこのミスの差で負けてしまったかなと思います。(競った試合展開)4年生4人は劣勢でもひっくり返してくれるかなって見ていましたし、最後勝敗が決まってからだったんですけど、池添が6でファイナル2-5から勝ち切れたのはチームの雰囲気も良くなるし良かったかなと思います。(チーム雰囲気)今日の試合で競った試合が多かった中で7-2で乗り切ったのでチームの雰囲気は良くなってきています。(早大)僕が入部してから対抗戦とかでも1回も早稲田には勝ったことないと思うので、年々勝てるチャンスは増えてるんで、明日こそは4年生のためにも勝ちたいなと思います。(4年生)ここまでこの1年間チームを引っ張ってきてくれたので、4年生がすごく頑張っていたしそれを下から見てきて、最後王座優勝で終わりたいなというのはすごく強く思います。(王座で4年は引退)寂しいです。気持ちよく送り出せてあげられたらなと思います。(意気込み)明日試合に出るにしろ出ないにしろチームにしっかり貢献して全員で早稲田倒して優勝したいと思います」
池添
「最初の5ゲームくらいはブレーク合戦だったんですけど、タイブレークで4-3のところでポンポンって4ゲーム連取されてしびれを切らせたことがいけなかったのかなと思います。(相手は)結構後ろに下がっていたので僕が前にいっても全部返してこられたり、バックのストレートが上手くてカウンター食らったりしました。僕も最後ボレーをミスして決められなかったり、スマッシュとかもアウトにしたりそういうのが多かったので、やっぱり下がっている相手にそういうことをしていたら苦しくなるので、そこは明日切り替えられればなと思います。考えてもできないタイプなので、今回セカンド0-3とかファイナル2-5のときは監督とかにも『やること決めてやれ』言われました。オープンコートに打つとか、やることを一つ決めないとできないので、オープンコートに打つことだけをとりあえず意識しました。2-5のときもこっちが諦めないで走ってオープンコート打つことを意識したら、相手が崩れてくれたので、それがすごい収穫になったと思います。(王座という舞台は)最初はそんなに緊張しなかったんですけど、リーグ戦のときもそうだったんですけど、やっていく中で重要なポイントになってきたりすると緊張しました。1年生の頃は最初にガチガチになってしまっていたので、そういった意味では最初に緊張しなくなったことはプラスに捉えられるかなと思いました。(明日は)最後の最後なので、やるだけです」
本城和貴(政経2=東山)
「(自身の試合について)最初に2ゲーム取られたのは、固かったっていうのがありました。そこから4-2に戻したのは、コートとか相手にだんだん慣れてきて自分が主導で試合を進められた結果かなと思います。そのまま行けば良かったんですけど、戦術やプレーをそこから変えてしまったことで自分のペースを乱してしまったかなと思います。それが第2セット途中まで続いてしまって最後にもう1回切り替えて1-4から4-4に持っていったんですけど相手もガッツを入れてきて押し切られたという感じでした。僕自身ラリーを粘って粘って、極端に言うと相手からミスでポイントをもらって戦うんですけど、今日は取りに行こうというプレーに切り替えた結果、ちょっと中途半端になってしまって勢いに乗り切れませんでした。不安であったり、ポイントが欲しいという気持ちから中途半端なプレーになったのかなと思います。(決勝の早大戦について)関東リーグで4-5で惜しい試合をしたんですけど、それを踏まえて向こうも気持ちを入れてくると思うので、それを倒して絶対日本一になりたいです」
合戸廉太郎(法1=大分舞鶴)
「(2戦連続起用)昨日はリーグも僕は出てなくてずっとサポートだったので王座でいきなり使われるって感じだったので逆に状況を自分で呑み込めなくて全く緊張しなかったんですけど、2回目で準決勝で相手が強くて僕自身が王座に出てるって実感が湧いて昨日より緊張しましたね。(夏関)だいぶ諱さんと組んだのはプラスになっています。今までは僕はサーブとボレーが結構得意なのでそこだけで勝負って感じだったんですけど、あれだけすごい先輩と組むと苦手なところをしっかりやらないと怒られるので、その辺がしっかり打てるようになったことが収穫でした。(敗因)関西のダブルスはどんどん前に出てきてプレッシャーをかけてくるのですがその圧に逆にやられてしまいました。全部先手を取られて、やられてそれをこっちが拾って攻めてって形だったのでもっとこっちから攻めていければ変わったかなと思いました。(相手)向こうのほうがミスも少なかったですし、球の威力も上だったので。(団体戦)高校の時団体で勝負がかかった場面では出てきてたのでプレッシャー自体には慣れてはいるんですけど、この場だと高校とは違いますね。(田鍋)1週間で急に組んだんですけど、田鍋さんも左利きでサーブも良くてリターンもボレーもかなりいいので組みやすいし調子もいいです。(早稲田)今日負けたので出られるかわからないですけど出られたら、前回のリーグ戦もダブルス3が負けてあの形だったので出られたら、しっかりそこを取って5―4という形に出来るように頑張りたいです。(4年生)半年くらいの付き合いですけど、澁田さんとは小さい頃からクラブも一緒で諱さんとはダブルス組んでもらって、切詰さんには自主練習に誘ってもらって、西脇さんもアドバイスをくれるのですごい良くしてもらっているので最後は勝って笑って終わりたいです」
関連記事
RELATED ENTRIES