慶大相手にまさかの敗戦 上位進出を逃す/関東学生秋季1部リーグ戦

2016.10.03
 慶大との予選プール最終戦に敗れ、上位決定戦進出とはならなかった。拮抗(きっこう)したゲーム展開の中、先制点を挙げたのは慶大。前半33分、高い位置でボールを奪われるとショートカウンターを決められる。それでも後半開始早々、野原朋弥(法1=横田)が浮き球をゴールにたたき込み同点に追い付くと、その後も猛攻を仕掛けた。しかし追加点を奪えぬまま迎えた後半34分、今試合初めて奪われたPC(ペナルティコーナー)により失点。最後の最後で突き放され、悔やみ切れない敗戦となった。

 嫌な時間帯に得点を許した。引き分け以上で上位決定戦進出が決まる予選プール最終戦は、リーグ戦ここまで白星のない慶大との一戦となった。試合開始3分、ドリブルで中央に切れ込んだ松山隼也(政経2=丹生)がシュートを放つなど、エンジン全開。その後も前半32分にこの試合最初となるPCを奪い、決定機を数多く演出した。しかしチャンスをものにできぬまま前半終了間際の34分。高い位置でボールを奪われると右サイドを突破され、先制点を許してしまう。ワンチャンスをものにされた嫌な流れで前半を折り返した。
 試合終了間際に悲劇は訪れた。0-1とリードされて迎えた後半戦。悪いムードを断ち切ったのは、ルーキー・野原。後半開始30秒でゴール前の混戦の中、浮いたボールを正確にゴールに押し込み値千金のゴールを挙げた。1―1と同点に追い付き、流れは地力で勝る明大へ。後半だけで奪ったPCは7本と慶大を圧倒した。しかし、追加点が遠い。「PCで集中して取り切ることができなかったのが敗因」(松波大介主将・営4=岐阜各務野)と、様々なバリエーションでゴールを狙うものの、得点を奪うことはできなかった。そして迎えた後半34分、一瞬のスキを突かれて今試合初のPCを与えると、そのままタッチシュートを決められ万事休す。「決定力の高さという面ではうちより今日の慶大の方が勝っていた」(小池文彦コーチ)。再びワンチャンスを決められ、無念の惜敗を喫した。

 明大の守護神が日本のゴールマウスを守る。GK國友督仁(政経4=丹生)がA代表に選出され、20日から行われるアジアチャンピオンズトロフィーに向け、マレーシアへ飛び立つ。学生最後のリーグ戦を勝ちで締めくくることはできなかったが「代表で活躍してインカレへ向けて大きくなって帰ってきたい」(國友)と上を向く。「日本のGKの中でもトップクラス」(小池コーチ)と評される反射神経を武器に、世界の舞台で活躍する姿に期待したい。

 インカレに向け、課題は山積みだ。「シュートに点を取る勇気がない」(宮田知監督)と、今試合で明白となったのは決定力の低さ。FW陣の強化、PCの精度など監督、コーチは課題を口にする。インカレ2回戦の相手は慶大が濃厚。改善された決定力で今試合の雪辱を果たす。そして残る5―8位決定戦において、何としても5位を死守しインカレに向け弾みをつけたい。

[藤田幸大]

試合後のコメント
宮田監督

「見事な負け。敗因は点を取らないから。取れるときに点を取らなくて、シュートに点を取る勇気がないから。練習中に試合だと思ってシュート練習をしていないから、相手のGKに当たってしまう。相手のGKに当たっているのだからちょっと前外すとか、逆に打っても打っても入らないとまた焦って、うちの選手がシュートするタイミングに敵のGKの反応がどんぴしゃに当たってしまった。でもそれはこういう苦い思いをしないとわからない。PCも前半の1本目を決めていればどうってことはないが、あれはボール2個分ぐらい外れていた。決まらなかったのはちょっとした差ではあるが、みんな止めて打つことはできていたしバリエーションも松波に振って打たせるとか、あとは谷光がターンして戸田に打たせるとか工夫はした。でも、GKに当たった。勝ち点とかで上位にいくためにはうちは最悪引き分けでもよかったのだが、インカレのこともあるし勝ち切れと言った。せっかく後半から30秒で1点入れているのだから、すぐまた畳み掛けないと。それがまだ弱い。だから4年生には、下手したらお前たちインカレの2回戦で負けたりしたら明治のユニフォーム残り3試合しか着れないぞと言った。今日入れられた点は國友のせいではないし、相手のシュートを抑えれば打たれても冷静に持ち前のきれいなキックでクリアしてくれた。最初の向こうの1点だってうちのディフェンスがスティックたたいて入れられたのだから、ああいうのも審判にしっかりアピールしないといけない。審判に確認してもらうということをキャプテンの松波がしっかり仕切らないといけない。その辺がまだまだ弱い。残るリーグ戦はもうインカレに向けた消化試合みたいなもの。インカレはベンチ入り18人だから、あと7人誰が生き残るかというのを試す機会にするしかない。まあ終わったことは仕方がない。前向いていくしかない。もう優勝はなくなったので、最低でも5位を死守しないといけない」

小池コーチ
「慶大に先に反則で点を決められたというのが一番痛かった。ファールだったと思うので不運だった。それでも後半にすぐ取り返して、そのあともうちのペースで何本もPCを奪えたにもかかわらずそこで1点も決められなかったことが今日の敗因。PCは本当に入らなかった。相手のGKが当たってるということもあったが、それでもどうにか入れないとダメ。PCだけではなくて、それまでのフィールドボールでも何度かチャンスがあって、そこでも決め切れなかった。決定力の高さという面ではうちより今日の慶大の方が勝っていた。ワンチャンスで決められたので。あれだけゲームを支配できたのに1点しか決められないので、うちのFWはまだまだ弱い。なんとも言えない負け方というか、納得がいかない負け方かなと思う。ケガの選手がいようといまいと今日のゲームは勝てる内容だった。自分たちの方が実力は上だとおごりもあったと思うので、考え方が安易。(今後の改善点)ワンチャンスで1点取れるようなFWになってもらわないといけない。あとはPCを3本取ったら1本は決めることのできる得点力が必要。(國友のA代表入りについて)國友は気持ち的に冷静であれば守れるし、反射神経は日本のGKの中でもトップクラスなので、その辺は通用すると思う。あとは味方のDFにどれだけ的確に指示を出せるかが海外に出て行くにあたっては重要」

松波主将
「今日の敗戦はやっぱりこっちにチャンスが何回かあったところで決め切れなかったというのが要因になったと思う。前半は相手がかなり勢いがよくてかなり攻められていた中で、最後の5分で点を決められてしまった。完全に気が緩んでしまったのが大きいと思う。後半最初は自分が一回流れをつくりたかったので攻めた結果、点を取れて明治の流れになろうとしていたのでよかった。PCもいろいろバリエーションでやったのだけれど、そこのコーナーで集中して取り切ることができなかったのがほぼ敗因かなと思う。攻めていて後半流れが自分たちの流れだったのに、相手のワンチャンス1点を決められたというのは相手はできていることが自分たちはできていないのかなと思う。もっとPCの精度を上げることと、シュートはまあまあ打っているのでそこを決め切れたらもっと楽に試合が進んだのではないかと思う。相手がミスしないと攻められていなくて、自分たちでパスが回せていない。慶応はしっかりとパスを回せていた。下のチームとやるところもあるので個人個人の課題をしっかりと見つけて、いろんな選手が出ると思うのでそこで試して克服できるようになったらいいかなと思う。インカレは1回戦が慶応なので今日のリベンジをしたい。次はチャレンジャーの気持ちでやっていかなければいけない。次はできるだけ点数を取って勝っていきたい」

國友
「相手の勢いに負けた。相手が果敢に攻めてきてこっちが少し臆した感じのところがある。自分自身最後の学生リーグ戦で自分自身にプレッシャーをかけたところがあると思う。上級生として最悪のプレーをしてしまった。だけど、代表で離れる前の最後だし、学生リーグも最後の試合だったので、何としても勝ちたかった。(チームを離れるが)残る人は明治で結果を残せばいいし、自分は代表の舞台で思い切ってプレーしたい。(課題は)得点力。今日見ていて相手のGKが前に出てスライディングをかけてくるなら一対一の場面でフェイントを入れたり、浮かせたりして打てばいいのにそれができていない。あとは精神的なもので相手が押せ押せのときに受け身になっているときは自分も含めてみんな弱い。(代表では)セービング力を上げたい。今日の試合でも反応できるようなところの反応ができていなかった。基本的なセービング技術もそうだが、読みなどで反応スピードの面もカバーできるように。どのような起用をされるかわからないが、代表で活躍してインカレへ向けて大きくなって帰ってきたい」