森山の3Pシュートが決定打 慶大に粘勝でリーグ初勝利/関東大学1部リーグ戦

 連敗トンネルを抜け出した。全敗で迎えたリーグ1周目の最終戦は、1勝に留まっている慶大との対戦。第1Q(クオーター)は18―18と互角の立ち上がりだったが、第2Qで11点のリードを得る。第4Q残り3分で逆転されるが、森山の3Pシュートが決まると、これが最後の得点となり65―64で勝利。山本健一監督不在で臨んだが、接戦を制し1勝目を手にした。

 スターターは齋藤拓実(営3=桐光学園)、會田圭佑(法4=市立柏)、濱西秀人(国際3=国学院久我山)、森山修斗(政経2=瀬田工)、宮本滉希(政経3=明成)。

 追いすがる相手を振り切った。残り2分51秒、慶大が速攻から沈め、60―61とついに2Qぶりに逆転を許す。その後互いに決め合うと、62―64で迎えた残り22秒、齋藤は3Pラインの真ん中に位置した森山へのパスを選択。森山の試合を決定付ける3Pシュートは、リングに吸い込まれた。「最初ズレたと思ったけど、入って、やっと勝ちが見えてきてホッとした」(森山)。すかさず慶大がタイムアウトを取り攻撃を再開するも、外して残り2.6秒で明大ボールへ。落ち着いてこの数秒を終わらせると、歓喜と安堵(あんど)に包まれた。65―64と1点差の粘り勝ちでリーグ1勝目。やっと、スタートラインに立った。

 明大らしいバスケットを貫いた。第2Qでは、ペイントエリアに入られる前にスティールすると、すぐに速攻を連発。「ディフェンスからファーストブレイクを徹底した」(田中井紘章主将・政経4=山形南)と走り合いを制すと、このQで11点のリードを奪った。特に會田の激しいプレッシャーは、得点頭の一人である西戸(慶大)をシャットアウト。相手の攻撃のリズムを狂わせた。このリーグ戦、攻守両面でなかなか調子が上がっていない會田。前戦の筑波大戦では、プレータイムわずか6分と落ち込んでいた。それでも「活躍できないときこそ、もう1回ディフェンスから」(會田)と自身の原点へ立ち返り、勝利に貢献。「自分でシュートする以外にも、途中から周りを使っていけた」とアシスト数6をマークした齋藤も含め、ガード陣が試合をコントロールし続けた。

 これまでの8試合は、最終Qまで接戦を演じながらも敗れてきた。この日も、後半に後藤やサワらの4本の3Pシュートで詰め寄られ、前半で得た11点のリードが第3Q終わりに3点へ。逆転を許した最終クオーターでは、オフェンスでファウルが重なり攻め手を欠いた。それでも「しっかり粘って勝てたっていうのは、チームにとって大きな一歩になった」(齋藤)。重ねた黒星とは違い、引き離されずに逃げ切った。
 家庭の事情により山本監督が不在だった。代わりに指揮を執った学生コーチの間宮誠(国際4=京北)が「何とかやるしかない」と奮起すれば、チームも「健一さんに勝利をあげたかった」(吉川治耀・情コミ3=京北)と一丸。指揮官不在も乗り越えた。

 復活の狼煙(のろし)を上げる。1勝8敗で、慶大と並び最下位で1周目を終えた。次戦は専大との2回戦が控える。長身の選手がそろう専大から「リバウンドをどれだけ取れるか」(會田)が勝利のカギだ。残る1カ月を「全力で戦っていく」と田中井。リベンジロードが始まる。

[田中愛]

試合後のコメント
間宮

「(指揮を執るのは)急きょ決まったことだったんですけど、これまでも健一さん来れない間は僕が練習見てた時期もあったので、何とかやるしかないと思っていた。ディフェンスが今までにないくらいハードにやってくれて、それが前半離せた理由。走れるメンバーもそろえたり、インサイド多めにしたりというのが良かった。相手の西戸は4年なので、こっちも4年の會田を付けて、そこはもうやれって言いました。よく付いてくれた。田中井とか會田が今まで以上に声出してディフェンスから走れたっていうのが大きかった。(森山は)木曜に打ち込んでたので、それが少しは効いたかなって。打った瞬間頼むって思って、入ってくれて本当にうれしかった。今年はミスしてもガンガンやってほしい。今日の試合ももっと離せた試合だっ
たとは思うけど、勝ち切れたってところでチームが一つになれたんじゃないかな。今日だけじゃなくて、2クール目も頑張っていきたい」

田中井
「ディフェンスからリバウンド取って、しっかり走る。今までやってきたこと、自分たちのバスケが発揮された試合だった。(2ピリ)ディフェンスからファーストブレイクっていうのを徹底した。拓郎だったり、小谷や吉川とか交代のメンバーもしっかり自分たちの役割を果たしてくれた。(會田)あいつ自身自分のプレーが悩んでたところもあったんですけど、拓実や治耀とは違って、あいつはディフェンスができるってずっと言われてきてたので、そこを発揮できたのであいつの自信になるんじゃないかな。今日も健一さんが来ないってなって自分ら4年生がしっかり、強気なプレーで見せていけた。それが4年生の仕事だって4年生に話してそこから試合に臨んだ。試合を決めてくれたのは拓実がつくったバスケと森山が最後思い切って打ってくれたところ。自分たち4年生は情けないんですけど、後輩たちに勝たせてもらったと思う。残り9試合、4年生がもっと姿を見せて、下級生が来年生かせるようにやっていきたい。自分たちのバスケを見失ったまま戦ってたけど、ミーティングでやっとチームができて。あとの9試合で自分たちがインカレに向けてどう変われるか。全力で戦っていく」

會田
「ずっと勝ち求めてきて、なかなか勝てなくて苦しかった。接戦をものにできたことがいい経験になったし、これからの成長につながっていくと思う。自分の調子が上がらないというのはあったけど、4年生なので自分の調子よりもチームをどうまとめるかってところで練習に臨んでいた。活躍できないってなったときに、もう1回ディフェンスからやらないといけないって思って、今日は激しくいけたので良かった。2ピリで1回離せて、3ピリもその流れのままいければ良かったけど、そこは仕方ない。勝てたので良かったと思っている。(3ピリ以降は)プレッシャーが少し弱くなってしまったのと、相手の外のシュートが決まり出したところがきつかった。速攻になったときそのままスリーってなってしまった。オフェンスではみんな強気にいけていた。専修戦は毎回リバウンドがキーになるので、そこをどれだけ取れるかってところと、相手の速攻を止めることをしっかりやっていきたい」

齋藤
「やっと1勝目、安心してます。内容どうだったかって言うと、当然良い部分もあるけど、慶応のやりたいことをやらせてしまう時間っていうのが結構あって、そこでしっかり対応できてなかったっていうのも事実。本当だったら20点差ぐらいつけて勝てる試合だった。それでも4ピリでターンオーバーが続いた時とか、先週同様しっかり粘って勝てたっていうのは、チームにとって大きな一歩になった。2ピリ途中で13点差ぐらいついた時に離せるチャンスはあった。でもタイムアウト明けだったり相手のミスを拾えなかったりスリー入れられてつめられたのもあって、そういう時に立て直して11点差で終われたはすごく良かったと思う。でも3ピリの終わり方、最後ターンオーバーでブザービーター決められて、ピリオドの終わり方っていうのはもっと意識的にならなければならないと思った。2ピリはこっちのリズムが出せて、あっちのリズムを抑えられた。こっちも速い展開でやっていきたくて、速攻出せたときはよかった。そこで相手のはやい展開も抑えられた。個人的には前半は自分でシュートできたけど途中から周りを使っていけて、でも4ピリとか周りが止まった時にジャンプシュートやドライブとか出せればもっと安定したかなと思います。1クール目全敗っていう名前が付くだけでチームの士気、雰囲気を作り直すのは難しいと思うし、今日の勝ちは明日にもつながると思う。相手の高さに無理に対抗しないで、スピードのあるオフェンスを使って速攻で攻めていきたい」

宮本
「最後は森山の勝負強さが出たとみんな感じてると思う。それまで田中井さんがつないでくれたり、みんなが頑張ったおかげで今日みたいな試合ができた。すごくほっとしている。試合前のミーティングで、ここで崩れないように一致団結しようってキャプテンから話があって、みんなで頑張れたのが大きかった。個人的には、前半あまりシュート入ってなくて、後半余力残してできた。サワの確率は今までより悪かったので、打たせていいってチーム的にはなってたけど、1本決められた時点でもっとプレッシャーかけていけば、もっと楽に勝てたんじゃないか。ショーアップで3P打たせないっていうのが課題だったけど体力的にきつくて、個人的にはサワにやられちゃった印象。勝てたんですけど、悔しい気持ちもあるので、また2戦目ではやられないように。(専大戦)同じところをやられないように、この波に乗りたい」

吉川
「本来だったら最初に離さないといけなかったんですけど、ここで詰められちゃうのが自分たちの甘さだった。慶応は離されると、速攻でスリー打ってくるチームで、あそこはもっとキャッチアップ早くしたかった。ハーフタイムで後藤(慶大)をもっと抑えようってなって。田中井さんがすごく声出してくれて、めっちゃ心強かった。自分は2番っぽい仕事で、拓実が1番のときに、俺が走ってっていうプレーができたので、あのプレーを今度はみんなで出していきたい。森山は外してたんだけど、俺らも気にせず打ってけって言ってて。最後やっと決めてくれた。今日は健一さんのためにも絶対1勝しようって話してて、健一さんに勝利をあげたかったのですごくほっとしてる。(専大とは)1週目ので競ることはできたので、この1勝の勢いのまま勝っていきたい」

今川
「みんな一丸となって勝てた。會田さんを筆頭に、ガードのところで相手をつぶしてくれたので、下は楽してオフェンス攻めれた。相手がそこまで背がないので、下で攻めようとやっていた。イージーシュート落としたり、ブロックされたりしたけど、勝てたんで結果オーライ(笑)。サワの3Pは今までより調子は良くなくて、最悪打たせてもとは思っていたけどフリーで打たせすぎたかな。(後半は)正直、また負けるんじゃないかって思うときもあったけど、みんなで声出し合って何とか振り切れた。ほぼ気持ちです。最後は森山が決めてくれて助かった。最近のほうがいい試合できてるので、この流れのまま明日も勝ちたい」

綱井
「外から見てたからわかるけど、後半もっと離せる部分とかあったし、全然まだまだかなと。 ずっと接戦で、言われてた4ピリのターンオーバーとかももちろんあるけど、3ピリで離せない部分があって、今日も同じ。3ピリで離せればもっと楽にできるから、2回戦はもっと3ピリの出だしから意識を持つべきだと思う。 でも勝てたのはすごい嬉しい。 今日はみんな頑張ろうって感じで、声出しとかいつもより一丸となって取り組めた。出だしの入りが悪かったっていうのもあったから、控えの頑張ろうっていう意識が高かったかな。シンプルにめっちゃ嬉しいけど、課題だらけ。個人的にはファーストシュート入ったのは良かった。1本目入ればその後積極的にいけるので。専大戦はアブフィリップのところが厳しいので、フィリップにつける人とか、そういうことも考えていかないといけない。専修はリバウンドとかセカンドチャンスで点数もっていくことが多い。しっかりディフェンスランで走ってって、出だしできれば専修もやる気無くなるんで、朝一眠いけど、頑張って走っていけば勝てると思う。朝一眠いけど頑張ります」

森山
「前半はシュート3本目でやっと決まって、その時のシュートタッチは良いなって思ったけど、シュートチェックが入ってきたり打ち切れなくて、その後何回も外してしまった。最後にシュート決めれて勝てたから良かったんですけど、チーム的な課題として中盤差を広げられるところで小さなミスとかで広げられず接戦になるっていうのがある。そこをしっかりできればもう少し楽な試合運びができるかなと思う。ディフェンスは調子の良い會田さんを中心にやって、ブレイク走って良い流れにもっていけた。宮本さんとか今川が下で頑張ってリバウンド取ってくれて、會田さんとか拓実さんがしっかり作って作ってゲームに勝てたんじゃないかな。今川がケガで交代が自分しかいなくて、出たらノーマークでパスもらえたんで打ち切ろうと思って打った。最初ズレたと思ったんですけど、入って、やっと勝ちが見えてきてホッとしました。最初強いチームに接戦で良いスタート切れたかなと思ってたんですけどそこから8連敗して、宮本さんが練習中からずっと「勝ちたい」って言ってたのもあって、勝てて素直に嬉しい。チーム的には課題が多く残ってて、ターンオーバーとか相手に良い流れもってかれてっていう部分があるので2クール目はそこを修正してチームの流れを良くしたい。2クール目はとにかく勝ちたい。個人的には3もっと確率上げて、どんどん打っていきたい」

日時 対戦相手 会場 結果
◆第92回関東大学バスケットボール1部リーグ戦日程表◆
9/3(土)11:00〜 対専大1回戦 代々木第二体育館 明大74—84専大○
9/4(日)14:20〜 対東海大1回戦 代々木第二体育館 明大59—69東海大○
9/10(土)14:20〜 対青学大1回戦 青学大相模原体育館 明大68—75青学大○
9/11(日)11:00〜 対白鴎大1回戦 青学大相模原体育館 明大76—88白鴎大○
9/17(土)14:20〜 対早大1回戦 慶大日吉体育館 明大64—69早大○
9/18(日)11:00〜 対日大1回戦 慶大日吉体育館 明大67—77日大○
9/24(土)14:20〜 対拓大1回戦 青学大相模原体育館 明大82—87拓大○
9/25(日)17:40〜 対筑波大1回戦 青学大相模原体育館 明大68—77筑波大○
10/1(土)11:00〜 対慶大1回戦 白鴎大体育館 ○明大65—64慶大
10 10/2(日)10:00〜 対専大2回戦 白鴎大体育館 明大88—98専大○
11 10/8(土)14:20〜 対東海大2回戦 つくばカピオ ○明大81—71東海大
12 10/9(日)16:00〜 対拓大2回戦 つくばカピオ 明大81—99拓大○
13 10/15(土)18:20〜 対筑波大2回戦 明大和泉体育館 明大57—98筑波大○
14 10/16(日)15:20〜 対日大2回戦 明大和泉体育館 ○明大77—68日大
15 10/22(土)12:40〜 対早大2回戦 専大生田体育館 ○明大65—42早大
16 10/23(日)14:20〜 対青学大2回戦 東海大湘南体育館 ○明大69—54青学大
17 10/29(土)11:00〜 対白鴎大2回戦 国立代々木第二体育館 明大70—77白鴎大○
18 10/30(日)12:40〜 対慶大2回戦 国立代々木第二体育館 ○明大74—63慶大

◆第92回関東大学バスケットボール1部リーグ戦星取表◆
東海大 拓 大 筑波大 青学大 明 大 専 大 白鴎大 慶 大 日 大 早 大 勝敗 順位
東海大 ●○ ●○ ○○ ○● ○○ ○● ○○ ○○ ○○ 14勝4敗
拓大 ○● ●● ○● ○○ ●● ●● ○○ ○○ ●● 8勝10敗
筑波大 ○● ○○ ○○ ○○ ○○ ○● ○○ ○○ ○○ 16勝2敗
青学大 ●● ●○ ●● ○● ●● ○○ ○○ ○● ○● 8勝10敗
明 大 ●○ ●● ●● ●○ ●● ●● ○○ ●○ ●○ 6勝12敗
専大 ●● ○○ ●● ○○ ○○ ●● ○○ ○● ●● 9勝9敗
白鴎大 ●○ ○○ ●○ ●● ○○ ○○ ○○ ●○ ○○ 13勝5敗
慶大 ●● ●● ●● ●● ●● ●● ●● ○● ●○ 2勝16敗 10
日大 ●● ●● ●● ●○ ○● ●○ ○● ●○ ○● 6勝12敗
早大 ●● ○○ ●● ●○ ○● ○○ ●● ○● ●○ 8勝10敗
18日目終了時点