
女子シングルスカルでルーキーが優勝!総合は男女とも2位に終わる/全日本大学選手権
堂々の1着だ。明大の名を背負って挑む初めてのレースで、シングルスカルに乗った高島は見事優勝を果たした。「ずっと同じペースでこぐことを意識していた」(高島)というレースプランで、後半もペースが落ちることはなかった。思い通りのこぎで、ゴールした瞬間大きくガッツポーズ。「予選と準決勝は満足いかないこぎだったが、決勝は満足のいくこぎができた」(高島)と笑顔で振り返った。
全力を尽くすもあと一歩及ばなかった。インカレ3連覇をかけレースに臨んだ男子舵手なしクォドルプルだったが、中大にわずか0.3秒差で競り負ける結果となった。しかし「思惑どおりのいい船の進みだった」(濱口稜・政経4=法政二)、「一番いいものが出せた」(櫻井克茂主将・法4=岐阜県立加茂)と練習してきた全てとインカレにかける思いをぶつけ「本気を出してきた中央に負けてしまったので悔いはない」(櫻井)と振り返った。
男子エイトは24年ぶりの表彰台となった。「一番いいレースができた」とクルーたちが口を揃えた決勝では、王者・日大にあと一歩まで迫った。エイトクルーの中で唯一の4年生である大竹崇寛(商4=東濃実)は「コックスの原(勇二・法3=徳島市立)が一言声を掛けただけでも、みんなが反応していた」とクルー全員の気持ちをひとつに2位をつかみ取った。エイトを対抗で出すことは初めてだというが「エイトでも戦えるんだということを示せた」(森猛・商3=加茂)。花形種目で、クルー全員納得のレースを展開し、新たな歴史を作った。
次の大会は全日本選手権だ。高校から社会人チームまでが集まり、よりレベルの高い大会となり、また、4年生は引退前のラストレースとなる。「気を引き締めてやっていきたい」(櫻井)と全日本へまた新たな気持ちで臨む。「やられたらやり返すという気持ち」(濱口)とインカレの借りを返しに行く。
[織田有衣子]
試合後のコメント
男子舵手なしクォドルプルクルーリーダー・櫻井
「レース展開的にもこぎ的にも一番いいものが出せたと思うんですけど、本気を出してきた中央に負けてしまったので悔いはないです。予選では勝っていたんですけど、向こうが予選から成長して、予選で僕たちの強い部分と弱い部分を研究された結果だと思います。その上で勝たなくてはいけなかったんですけど、コンマで抑えられてしまいました。昨日の夜ミーティングで話した展開通りに蓮沼がコールしてくれて、菊池がリズムをつくってくれて、僕と濱口のエンジンもリラックスしてこげたので悔いはないです。(優勝は1艇となったが)エイトがぶっちぎりで日大が優勝してきたところを今回1艇身以内に抑えられたところはありますし、付きフォアも組み合わせ次第では上がれたかなと思います。スカルは全部決勝に残ることができて部全体としては伸びてきていると思いますし、来年はさらに戦力を付けて総合優勝を狙ってほしいと思います。エイトは練習を見ている限りでは勝てるクルーになってきたと思うんですけど、王者の意地が強かったのかなと思います。4年生が一人しか乗っていなかったということもありますし、先があるクルーなので来年はさらにいいクルーをつくってくれればなと思います。(エイトを対抗としたのは大きな挑戦だったが)エイトがここまでやれるんだということを示すことができたので、チームとして今回これをやったのは間違いじゃなかったと思います。(最後のインカレとなったが)すごい感慨深いものもあったし、他の4年生がレースしているところを見てすごく感動しました。今日決勝に出られなかった4年生の分までやってやろうと思ったんですけど僕も負けてしまって。でもまだ全日本があるのであまりマイナスに考えずに次は勝つという気持ちでやっていきたいです。例年だと何週間単位ですぐ全日本がきてしまうので、インカレで燃え尽きて全日本で負けてという負の連鎖が訪れるんですけど、今日は勝てなかったということもありますし全日本まで2ヶ月弱あるので、また引き締め直して4年生でまとまってストイックにやっていきたいです」
男子舵手なしクォドルプルクルー・濱口
「予選、準決勝としっかりレースを作ってきて、決勝ではさらにリラックス感と、僕たちの持ち味であるコンスタントこいでいくことを意識して、中盤の500メートルから1500メートルのところに賭けて、スタートで相手に出られても、自分たちの強みの中盤で、そこだけは負けないので、強みを生かしてしっかりやるっていうレースプランに見事はまって、思惑どおりでした。ただ、ちょっと違ったのは、500メートル地点で日大に勝っていたってことです。それで、中盤は日大、明大、中大の3艇で争うレースになって、横にいた日大をしっかり突き放して、先頭争いで自分たちが抜きん出て、中盤のこぎの伸びもすごくて、思惑どおりのいい船の進みでした。それで自分たちが1位かなと思ったんですけど、日大を突き放した後に、中大が横にいたっていうのが想定外でした。そこから自分たちが出られれば良かっんですけど、そこから攻めても攻めても、ずっと同じくらいのペースでゴールまで行ってしまって、ラストスパートは自分たちも上げたんですけど、自分たちのレース展開的に、残り250メートルで横に並ばれた時点で、終わってたのかなって思います。そういうレースプランだったので。そこについてきた中大はあっぱれかなって思います。自分は4年目で、2年前に自分と櫻井が舵手なしクォドルプルにエントリーして、創部史上初の優勝を奪い取って、1年前、また自分と櫻井が乗って連覇して、今年3連覇が掛かってるってことで、期待されてて、自分たちもそれに応えたくて、4年間で一番ってくらい練習して、準備は万端で、決勝も思惑どおりのレースができたんですけど、そこで最後に競り負けて、悔しいけど中大は速かったなって思います。日大のクルーは全員高校時代に日本代表だったメンバーで、あれだけのメンバーを揃えている日大を抑えても、それで横に中大がいたっていうのは、悔しいけどあっぱれかなと思います。次は全日本選手権ですが、やられたらやり返すっていう気持ちです。次は本当の自分の人生ラストレースなので。またこの舵手なしクォドルプルっていう種目は明治が強いんだっていうのを見せつけられればと思います。櫻井とは1年の頃からずっと乗ってきて、一緒に乗らなかったら不安というか、自分1人で出せる艇速じゃないので、あいつと僕がいてこそで、それはあいつも同じだと思います。自分と櫻井の歯車が合ってるからこそ、自分たちが乗ったクルーっていうのは絶対強いし、やっぱり同期でこんだけ一緒に乗ってきて、次は何を言ってもラストのレースなので、借りを返しに行くんだったら、あいつと乗りたいっていうのはあります。逆にあいつがいなかったら勝てないって思うので。そこは引き続き乗りたいです。この「黄金コンビ」で、中大との差はたかが0.3秒なので、それぐらい全然巻き返せると思うので、勝ちに行きます」
男子エイトクルー・大竹
「(エイトの決勝は)あっという間だったけどすごく楽しかったね。スタートでミスオールがあって最後までそのツケが回ってしまったという感じでした。でも第3クォーターの時に日大までかなり迫って、その時のテンションがすごくて、日大は絶対勝てないだろう相手だということはみんな分かっていることなんだけど、かなり追い上げてそこからのアドレナリンがすごくてあっという間に終わってしまいました。負けちゃったんですけど、やり切ったという思いが強いです。でもやっぱり優勝したいという夢はみんなあるし、あとは全日本だけになってしまったので最後の2ヶ月、また気持ちを入れ替えてやりたいと思います。予選、準決勝よりもいいこぎができました。最初のミスを踏まえても原が声を一言掛けただけでも、みんなが反応していて、原はそれにすごい驚いていました。みんなの反応の力、集中力が良かったのかなと思います。(エイトを対抗で出して)やってよかったと思います。こんなにOBの方が来たのも初めてだし、やっぱりエイトが花形だからそれを見に来てくれるOBの方がたくさんいて興奮しました。冬から長かったけどやってよかったと思います。4年生が僕が一人だから、また来年になっていけるなら狙ってほしいけど、後輩に任せたいと思います。(総合2位という結果は)女子は決勝に進んだのが明治が4で、早稲田が3だったのに勝てなかったし、男子は日大の圧倒的な決定力に対して僕たちが突き詰めていかないと勝てないのかなと思います」
男子エイトクルーリーダー・大久保亮(農3=猿投農林)
「準決勝と違って波が強くて、そこには自分たちが対応できなかった。スタートから少し影響されてしまって、環境に合わせ切ることができなかったのが一番のところだと思います。レース展開的には多分ベストだったと思います。コックスの原が一番決めていってくれるんですけど、予選、準決勝を含めて決勝では一番いいレース展開を原が決めていってくれてそこに全員が反応してこぐことができたので良かったと思います。本当にスタートで影響されてしまったところが最後まで響いてしまったと思います。やってきたことは絶対に僕たちの方が上だったと思いますし、油断も全員していなかったので、ミスが響いてしまったのかなと思います。みんなやり切ることができましたし、最後はすごく喜ぶことができて良かったです。自分が乗ったクルーは全部対抗だと思って勝ちたいと思うんですが、エイトを対抗で出すことが初めてということを聞くとやっぱりすごいことなんだなと、決勝にいくのもすごいことなんだなと思いました。でもそこで満足はしないように優勝を目指しました。僕たちも含めてですけど、もっと緊張感を持って勝ちたい気持ちをがんがん出してやってもいいんじゃないかなと思いました。全日本はまだ全然分からないですけど、出るからには勝ちにいきたいです」
男子エイトクルー・川野陽平(政経3=熊本学園大付属高)
「(エイトで2位といいことについて)インカレでエイト表彰台は初めてです。インカレでエイト表彰台というはやっぱり特別だなと思います。(敗因について)2つあって、スタートでミスがあり頭を取れなかったことと、日大は何度も勝ちを知っているから勝ち方を知っていることです。俺らが上げてきたところも冷静に見て仕掛けてきているのでそこかなと思います。(エイトが対抗種目になったことについて)確かに部全体の目標が男女総合優勝だから、一種目に力を集めるのはどうかなと思う時もありましたが、結果としてエイトで攻めたことはプラスになったと思うし、男子はエイトで攻めてなんぼという所があると思うので今日エイト対抗にしてインカレ決勝で戦えたことは大きいので来年も個人的にはエイトでやりたいというのはあります。(来年は)まだ誰がどれに乗るかはわからないですが、どの種目で出るとしても全力を尽くすし、それがエイトだったらなおさら今日の敗戦の悔しさもあるので気持ちが強くなると思います」
男子エイトクルー・原
「第2、第3、第4クォーターはみんなが申し分のないくらい反応してくれて、どんどん順番に抜いていったんですけど日大には届かずというところでした。出だしでしくじったところが大きくて、最後届かなかったというところです。緊張していたのかは分からないんですけど、ずっと最初の一本を決めようといっていたところで、うまく8枚で押し切れなかったです。対抗をエイトで出すとなってワクワク半分、不安半分というところでした。2位は悔しいですけど、後悔はなくて今の実力かなと思いますね。決勝はでも一番いいレースができました。第1クォーターの出だしを除けば一番良かったし、完成度は高かったと思います。(周りからの注目は)すごく感じていましたけど、みんなには平常心でいいから、練習と同じように動いていこうと声を掛けて、普段通りを出せるように意識しました。エイトに固めて点数を取りにいくのはすごく難しくて、総合2位でもよくやったかなと思います」
男子エイトクルー・森
「(エイトで2位ということについて)10年くらい前に対抗エイトを組んで、確か5位が最高で、それより前は分かりませんが今回、インカレのエイトで順位を着けられたことで歴史に刻めたのではないかと思います。(敗因について)一人ひとりの選手で見たら、明大は日大に誰一人として勝てていないが、団結力と練習量であそこまで日大と接戦にできたので、敗因というより僕たちは全力を出し切ったと思います。(エイトが対抗種目になったことについて)エイトで勝てないから崩しているのではなくて、エイトでも戦えるけど総合優勝のために崩しているから分けているという基盤を作れました。今までだったらエイトで勝てないから分けて点数取りにいっているんだみたいな所があったから、今回の大会でエイトでも戦えるんだという所を示せました。今年は反対意見とか色々出たけど、エイトを対抗にしてよかったと思います。(来年は)総合優勝を狙うのなら、崩して点数取ることもありですが、やはりエイトは花形なので4年生で悔いがないように考えたら、やはりエイトでという思いもあるので、コーチ陣、男子部で話し合って来年はどういう方針でいくかしっかり話し合っていきたいと思います」
女子シングルスカルクルー・高島
「予選と準決勝は満足いかないレースだったんですけど、今日は満足のいくレースができました。計画どおりです。周りから期待されていたので、これは負けられないレースだなと思って、勝つぞっていう気持ちでレースに挑みました。今回は優勝したっていう実感があります。高校と大学のレースは違うところがあって、不安になることが今回の大会では多かったんですけど、それでも最後は1位で終われたので、良かったと思います。レースプランはこの4日間ずっと同じでした。いつもはスタートで出て、相手を見て余裕が出来て、そのままゴールしていく感じなんですけど、今回はそうじゃなくて、イーブンでこぐ、ずっと同じペースでこぐっていうことを目標にしてました。いつもはスタートで出てしまって、ラストで戦えなくなってしまうんですけど、イーブンで行くことでラストスパートをしっかり戦えるようにしました。500メートル地点でもう1位だったんですけど、そこは自分のペースで、もし相手に出られても焦らないってことを意識してました。意識していた相手は、U-23で一緒に代表だった角谷真緒(立大)ちゃんです。あとは、大西花歩(龍谷大)さんも予選でもいいタイムを出していたので意識していました。インカレの2ヶ月前にU-23の世界選手権がオランダであって、それに出場してこっちに帰って来て、選考レースでシングルスカルに乗ることになって、帰って来てすぐ選考レースがあったんですけど、まずはそこに合わせて、乗ることが決まってからはインカレに合わせて練習していました。練習でも、レースプラン通り、ずっと高い出力で、速いスピードで、それをずっとキープしてこぐことを意識していました。今回は本当に応援がすごくて、こんなに大きな声援の中でレースをしたのはたぶん初めてぐらいのことで、その分普段よりも緊張しました。私の母も鳥取から来てくれていました。あと、女子部の同期や先輩方が、私がU-23の代表活動でいないこともあったんですけど、すごく応援してくださっていて、インカレ前の、みんなで総合優勝を目指そうっていう雰囲気があったおかげで集中して出来ました。最後のガッツポーズは、同期に「優勝したら何かやってよ!」と言われていたのでやりました。いろんな場面で「楽しもう」っていうのを言っていて、女子部の中でも、楽しんで、最後は笑顔でっていうのを言っていて、あと、練習を見てくださっていて、オランダにも一緒に行ったトレーナーさんにも、楽しんでって言われていたので、いいスタートが切れました。来年のインカレは、どの種目に乗るかは分からないんですけど、どれでも負けたくないです。早稲田に負けるのは悔しいので。今までそんなに早稲田がどうとか思うことはなかったんですけど、レースを見て、やっぱり早稲田かっていう雰囲気があるのは悔しいので、来年も優勝します」
女子ダブルスカルクルーリーダー・成瀬歩美(政経2=恵那)
「決勝のレースでは、自分たちのテンポにうまく入れなくてただただ焦ってしまいました。私個人は焦ってたんですけど、相方の子(土佐真歩・営2=横浜商業)は落ち着いていたみたいで、リズムを作らないといけない自分が焦ってしまって、自分の未熟さを感じました。スタートはとにかく自分たちの船の動きに集中して相手を気にせず、出られても中盤で確実に1本ずつこいで、相手との差を広げていくっていうレースプランだったんですけど、スタートで勢いが付きすぎてしまって、決勝ということもあり、気持ちがハイになってた部分もあって、ペースがどんどん上がってしまって、そこが失敗だったかなと思います。私たちはインカレの15日前にクルーを結成して、初めて一緒に乗った時からすごく船が進んで、こぎのスタイルがもともと似てたみたいで、あと15日だけど、追い上げたら優勝できるんじゃないかって本当に思っていて、優勝しか狙ってなかったので悔しいです。しかもまた早稲田にもっていかれたっていうのが一番悔しいです。今年も総合2位で、早稲田に負けてしまったんですけど、来年は絶対早稲田に校歌歌わせないぐらいの気持ちで挑みたいと思います。次の全日本はインカレよりもレベルが高いと思うんですけど、そこで勝てたら、インカレで勝てなかったとしても、明治は強いって周りから思ってもらえると思うので、勝ちに行きたいです」
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