
早大に1ー0で勝利 数的不利でも強さ変わらず/関東大学1部リーグ戦
全員で守り抜いた。前半21分、山崎が1対1で相手選手を後ろから倒し、レッドカードの判定。場内は騒然となったが「みんなで話し合って、切り替えて10人で勝とうという意思統一をした」(櫻井敬基・政経3=藤枝東)と選手たちはすぐに試合に集中した。柴戸海(政経3=市立船橋)が最終ライン、丹羽が2列目に下がり、フォーメーションを4―4―2から4―4―1に急遽変更。守備に徹する形となった。その後は何度もセットプレーからの攻撃などでゴールに迫られるも、長沢祐弥(政経2=藤枝東)が好セーブを連発。前半27分にはディフェンス陣のパスミスからGKと1対1を許す場面もあったが、素早い反応で前へ出てピンチを救った。受け身の時間は試合の残り時間が短くなるにつれ多くなったが、後半41分には空中戦に強い岸本英陣(商3=帝京大可児)を投入するなどさらに守りを固め対応。「めちゃくちゃしんどかった」(小出悠太・政経4=市立船橋)と運動量は格段に増したが、最後まで粘り強いディフェンスで耐え切った。試合終了直後はつかんだ無失点勝利にベンチ選手も立ち上がり喜びをあらわに。「すごくチームの成長につながっている」(栗田大輔監督)。10人でも勝ち切る高い一体感を見せた。
リーグ優勝がより濃厚になった。開幕4連勝で勝ち点を36に伸ばし、首位を独走している明大。しかし「優勝できるんじゃないかっていう雰囲気はない」(小出)とあくまでも選手たちが見ているのは目前の1試合。次の相手はライバルの流経大で、現在10位と低迷しているが前期リーグ戦で唯一負けている相手と油断はできない。一試合一試合全力で戦い、このペースのまま白星を重ねていきたい。
[亀井笙子]
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試合後のコメント
栗田監督
「厳しいゲームの中、勝ち切って非常に選手がよく頑張った試合だと思います。パワー系のサッカーをやってくる早稲田に対して、10人という数的不利の状況の中でメンタル的にも落ちずに90分やり切ったってことがすごくチームの成長に繋がっているかなと思います。10人になってからは、割り切って守備のラインを整えて1枚のワントップをどう生かすか、逆サイドに展開された時に中盤をどう押し出し次のカバーをするかをイメージしていました。それはHTに修正したんだけど、ゲームの中で選手が底を感じてくれたので勝てたのかなと思いました。柴戸はもともとCBもできますし、丹羽もボールキープや守備がうまいので下げて、丹羽には奪ったボールを少しでも作れるように、土居と丹羽とボールを使える選手を置いて頑張りながらサッカーしていました。マイボールを簡単にロストしてしまうと、苦しくなってしまうので。最後は相手もパワープレーが来ると思っていたので、もう気合いで跳ね返して勝てればいいなと思いました。(丹羽の先制点)数少ないチャンスになるとは思っていましたが、そこで決めてくれたので、丹羽も決めてくれる選手になったなあと成長を感じています。今日は退場してしまったが山崎も上夷も岸本、長沢にしても新しい選手が非常に高い責任感が徐々に芽生えてきてるのが、チームにとって大きいと思います。(流経大戦に向けて)今日はなかなかいい試合をしてくれたので、しっかりリフレッシュしてコンディションをきっちりと整えて来週もしっかりとした姿を見せていきたいです」
小出
「めちゃくちゃしんどかったです。過去で一番きつかったです。いきなり暑くなったのもありますし、前半20分から10人だったので。守備に回る時間は長かったですし、相手も裏に抜けてきたり、ロングボールも多かったのでジャンプもめちゃくちゃしましたし、裏への抜け出しに付いていくことなどのカバーリングに回る時間が多かったのでしんどかったです。自分がやるしかないって気持ちはありましたね。耐えることに割り切ってピッチの中ではネガティブな声はありませんでしたし、ポジティブにしっかり耐えてあわよくば1点ということもしゃべっていました。終わった時はロスタイムがめっちゃ長くて『やっと終わった』って感じでした。普通に勝つよりうれしかったですし、チームとしての一体感もさらに生まれたと思います。仕方ないところもあるけど、受け身に回る時間は多かったのは事実なので、あれだけ受け身にならないでもっと自分たちから積極的に仕掛けられたらよかったです。自分も前半に決定的なミスをしてしまってそこは本当に反省しています。でも、そのあとに気持ちが落ちずに自分のプレーを取り戻したってことは良かったです。(明治の強さ)何がなんでも勝つってミーティングで話していましたし、何が起こるか分からないことは想定していたので、その中で勝ち切れたことはチームして大きく成長したことだと思います。チーム内ではまだ優勝なんて全然思っていなくて、今日の試合も勝ちたいって思いも強かったですし、他のチームのことをあんまり気にしちゃいけないんですけど、ちょっとだけ気にしちゃっています。でも、1回負けたらやばいんじゃないかっていう危機感は常にあるので、優勝できるんじゃないかって雰囲気はないです。選手みんな一試合一試合戦うってことがブレていません」
丹羽
「早稲田大学はアミノバイタルで負けている相手だったので、明治大学として今シーズン負け越すことは許されなくて、内容どうこうではなくて絶対に勝ち切るって話をしていたので、結果苦しい展開にはなりましたけど勝利することができて良かったです。後期、チームが3戦で11点取る中で自分自身フォワードとして1点も取れなかったのが悔しくて情けないというような気持ちがあったんですが、今日苦しい展開の中でチームを勝利に導くゴールを決められたので良かったと思います。4試合目まで取れないっていうのは自分の中で考えられなかったので今日はどんな形でもいいから点を取ろうって考えていたのでほっとしたって気持ちはありましたね。(土居から)ボールを受けてからシュートのことしか考えていなかったです。(数的不利となったが)10人になった時にチームとしてやることをブレさせずに、11人の時とやることは同じだと話して、それを90分間粘り強く一人一人がやれたのが勝利につながったと思います。守備のバランスを崩さないようにっていうところを意識してやりました。流経大は今シーズン負けている相手なのでそういう意味でも負けられないですし優勝を目指すにあたっても負けられない試合になると思います。そういった意味合いのある試合だと思うのですが、一試合一試合を大事に戦っていくっていうのが今連勝できている理由だと思うので、次の流経大戦も一試合一試合っていう気持ちで臨みたいと思います」
櫻井
「(オフェンスでの活躍が見られたが)守備はやられないということを意識して、少ないチャンスの中から決めてやろうという気持ちはあったんですけど、決められなくて、残念な面もあります。(今試合を振り返ってみて)10人になってしまったことはしょうがなかったので、試合中はみんなで話し合って、切り替えて10人で勝とうという意思統一をしました。自分の強みはドリブルを生かして、点に絡んだりと結果を残すことなので、それを意識しました。前半は特に何もできなかったので、後半は絶対にやってやろうという気持ちでシュートだったりとか攻撃に参加するようになりました。(次の流経大戦に向けて)今節と同じようにきつい試合となると思うので、今日の勝ちは忘れて、今週のトレーニングから気を引き締めてやっていきたいです」
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